【ドッグトレーナー監修】外泊に慣れていない愛犬の旅行中のストレスを軽減してあげる方法

犬を飼っている人にとって、愛犬との旅行はとても楽しみなイベントのひとつです。とはいえ、はじめて一緒に旅行へ行くとなると「ストレスや車酔いは大丈夫?」と心配事が尽きない方もいると思います。そこで、愛犬とはじめて旅行する方向けに、愛犬と一緒に旅行するときの注意点や、愛犬のストレスを軽くする方法をご紹介します。

【ドッグトレーナー監修】外泊に慣れていない愛犬の旅行中のストレスを軽減してあげる方法
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旅行で愛犬はストレスを感じているかも?

近年、飼い主がペットと一緒に利用できるホテルやカフェなどが増え、愛犬との旅行がより身近なものとなってきました。
犬にとって飼い主と一緒に出かけられる旅行は楽しいイベントのはずですが、慣れない環境にストレスを感じてしまうこともあります。
そこで、まずは愛犬がストレスを感じてしまいそうなポイントがどこにあるのかをご紹介します。

移動中にストレスを感じることも

旅行では車・電車・飛行機いずれかで移動すると思いますが、この移動が犬のストレスになってしまう可能性があります。
すべての犬が移動にストレスを感じるというわけではありませんが、車の揺れが苦手だったり、電車移動で使用するクレートの閉塞感に不安を感じてしまったりすると、ストレスを溜めてしまうことがあります。

慣れない場所にストレスを感じてしまうかも

家と違う環境で過ごすと、犬がストレスを感じてしまうことがあります。
好奇心旺盛な犬なら、知らない環境に胸を躍らせて喜んでくれますが、繊細な犬は知らない場所に不安を感じてしまうかもしれません。
ストレスを溜めてしまう原因は犬によって違うので、ストレスサインを出していないかどうかこまめに様子を見てあげましょう。

なかなかトイレをしないのはストレスのせい?

自宅のトイレ以外で用を足すのは嫌だという人がいますが、それと同じタイプの犬もいます。
例えば、サービスエリアや旅行先で、愛犬とお散歩をしている時、トイレをする場所を探している様子なのに、なかなか決まらず用を足せていないというようなことはありませんか?
普段から屋外ではトイレをしたがらない犬は、外の環境にストレスを感じ、緊張している可能性があります。そのようなタイプの犬は、旅行先でも緊張してなかなか排泄できないことがあるのです。

はじめての人に会うのは大丈夫?

愛犬は、旅行先で家族以外の人や動物と出会う機会が多くなります。
はじめての場所で、はじめての人と出会うことに不安を感じる犬もいます。
臆病な性格や慎重な性格の犬は特にドキドキしてしまうかもしれません。

ストレスのサインは?

ストレスのサインは?

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ストレスを感じると、愛犬は様々な仕草や表情で、ストレスを感じているサインを発します。
飼い主は愛犬のストレスサインを見逃さないようにしましょう。
一般的に犬がストレスを感じると、

・尻尾を丸めて後ろ足の間に挟む
・耳が後ろに傾く
・腰が引ける

などといった仕草(ボディーランゲージ)を示します。また、

・頻繁にあくびをする
・舌なめずりをする
・よだれの量が増える
・身体をかきむしる
・毛が逆立つ
・たくさんのふけが出る

といったサインもあるので見逃さないようにしましょう。
こうしたサインを見逃し、ストレスがかかった状態が続くと、下痢や嘔吐などといった症状が出てしまうこともあるので、体調の変化も見逃さず、異変を感じたら旅先でもすぐに病院を探して受診するようにしましょう。
旅行先のどこに動物病院があるかも、事前に調べておけば安心です。

慣れさせておくことが大切

慣れさせておくことが大切

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愛犬と一緒に旅行を楽しむためにも、あらかじめ乗り物やクレートに慣れさせてあげてください。
まず、移動の際に犬がストレスを感じてしまわないように、普段からケージクレートの中で過ごす練習をしておきましょう。
クレートに入れた状態で近くの公園に連れて行ったり買い物に連れて行ったりと、日常のちょっとした場面を活かすことで、負担なくトレーニングができます。
また、クレートの中には「普段犬が使っている毛布」や「大好きなおやつを詰めたコングなどの知育玩具」を入れてあげると、ストレスを和らげることができるのでお勧めです。

また、旅行先ではじめて会った人や犬などを過度に怖がらないように、日頃から社会化トレーニングを心がけましょう。

普段の生活でも、多くの人や犬が集まるところに積極的に行くことで、初めて会った人や犬に対して、過度に緊張しなくなってきます。犬にも個性があり、必ずしも人や犬と仲良く触れ合いたい、と望むわけではないため、愛犬が人や犬と楽しく触れ合ったり遊んだりできなくても心配することはありません。
しかし、ある程度の距離を保ち、同じ環境にいるだけなら過度に緊張しないよう、慣らしておくことが、旅行に行くためには特に大切なことです。

そして、車に慣れていない犬は車酔いをしてしまうことがあるので、普段から車移動に慣れさせてあげてください。
はじめのうちは10分程、自宅のまわりを走ってみましょう。
さらに、20分、30分と少しずつ時間を長くしていくと、少しずつ車での移動に慣れていくはずです。

揺れる車の中に犬をそのまま乗せてしまうと、犬にとって不安定な状態になるのでとても危険です。そのため、車に乗せるときはクレートや犬用のドライブシート、シートベルトなどを活用して、犬が安定して乗れるように準備しましょう。特に、運転手の膝の上に犬を乗せて運転することは道路交通法違反となるので、一人で運転する場合は愛犬が単独でいても安心して乗っていられるように対応する必要があります。
日頃からクレートが安心して過ごせる場所と教えておけば、車に乗る際にもクレートに入って安心して乗ることができます。


また、心配なのは車酔い。車の揺れが大きいと犬も酔いやすくなってしまうので、「愛犬が車に酔ったらどうしよう?」と心配な方は、まずは短時間のドライブで犬の様子を確認してから、ペット用のドライブシートや犬用の酔い止めの利用を考えてみてはいかがでしょうか。
旅行前にかかりつけの獣医に相談して、愛犬の負担を減らすために何ができるのかアドバイスをもらうと安心です。

なるべく自宅に近い環境を用意してあげる

いつものフードを持参すると良い

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環境の変化が愛犬のストレスになってしまうかもしれないので、旅先でもできるだけ自宅にいるときと同じ環境を作ってあげたいものです。
ちょっと荷物が増えてしまいますが、お気に入りのベッドやおもちゃ、大好きなおやつを持っていってあげましょう。
また、犬用のご飯を用意してくれる宿もありますが、ストレスを感じているとあまり食べてくれないことも。
繊細な愛犬が旅行をより楽しめるように、いつも食べているフードを持参しておくとよいでしょう。
特に繊細な子の場合、安心させるために普段使っている食器を持参するのも方法のひとつです。

まとめ

ストレス対策を行い、愛犬と一緒に旅行を満喫しよう

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はじめて愛犬と旅行に行くという方にとって、旅先で愛犬がストレスを感じている姿は見たくないものです。
旅行が決まったら、まずはケージやクレート、乗り物に慣れるところから始めましょう。
それでも愛犬の車酔いが心配な方は、かかりつけの獣医にアドバイスをもらい、犬用の酔い止めの使用を考えてもいいかもしれません。
ストレス対策をしっかり行って、愛犬と一緒に旅行を満喫しましょう。

監修者情報

鹿野 正顕(学術博士)

鹿野 正顕(学術博士)

・学歴(大学・院、学部、専門分野) 麻布大学大学院 獣医学研究科 博士後期課程修了  専攻:人と動物の関係学、犬の行動学 麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。 ・資格 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed) (世界最大家庭犬トレーナー資格) ・職業 スタディ・ドッグ・スクール® 代表 株式会社 Animal Life Solutions(ALS) 代表取締役社長 ・所属団体、学会 日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT) 理事長 動物介在教育療法学会(ASAET) 理事 ・受賞歴 平成16年度さがみはら青年アントレプレナービジネスコンテスト 優秀賞 ・著書 ◆ 「犬の行動学入門」 監修:森 裕司 著:鹿野 正顕/中村 広基    ◆ 「アニマルセラピー入門」   編集:NPO法人 ひとと動物のかかわり研究会 監修:太田 光明 ◆ DVD「子犬と暮らす前に 準備と選び方」   ◆ DVD「子犬を家に迎えたら 飼い方・しつけ方」 販売元:アイディーマグネテック株式会社 監修:鹿野 正顕 ◆ 建築知識 創刊60周年記念出版「犬のための家づくり」 発行:エクスナレッジ ◆Oral tyrosine changed the responses to commands in German shepherds and Labrador retrievers but not in toy poodles   Masaaki Kano,Hidehiko Uchiyama,Mitsuaki Ohta,Nobuyo Ohtani (2015) ◆ 応急仮設住宅における人とペットが共棲する住環境に関する音響特性評価 浅見 樹里, 田村 雅紀, 金巻 とも子, 鹿野 正顕, 長谷川 成志 ジャーナル:工学院大学総合研究所・都市減災研究センター (Research Center for Urban Disaster Mitigation: UDM) 研究報告書 (平成25年度) ・職業上でのペットとの関わり ドッグトレーナーとして飼い主指導 獣医師、ドッグトレーナーなどの専門家に対する犬の行動・しつけ・トレーニング等の教育 学校機関での専門家の育成 メディアを通した情報発信 企業に対するペット関連コンサルタント ・飼っている動物 スタンダード・プードル(♀:柔、11歳) ・ペット歴 犬:Mix(4匹)、ミニチュアシュナウザー(1匹)、ジャーマンシェパード(1匹) スタンダード・プードル(1匹) ネコ:2匹 シマリス:2匹 ウサギ:1羽 セキセイインコ:5羽 ・ポリシー(ペットに関する) 動物の習性を客観的に理解し、人と動物互いのバランスを保った共生を追求する ・エピソード(ペットに関する) 畜産を兼業していた農家出身の両親は、ともに動物が好きだったことから、よく捨てられた犬を拾ってきて家で飼っていました。そのため、私は幼少のころから常に犬と一緒の生活を送り、鍵っ子だった私の寂しい気持ちを犬はいつも癒してくれ支えとなってくれました。  当時の犬の飼い方は今とは全く異なり、犬は外で飼うのは当たり前で予防接種をしたり動物病院に連れていくこともあまり一般的ではありませんでした。特に私の父親は、戦後間もない、物のない時代で生まれ育ったため、動物にお金をかける意識が低く、予防接種や病気の治療なども満足には行わなかったため、我が家の犬たちも非常に短命で、大学に進学するまでの12年間で4頭もの犬を飼育してきました。  そんな犬の飼い方に、幼いころから何となく疑問を感じていた私にとって、小学生の頃、今の仕事を志すようになった衝撃的な事件が起きました。避妊もしていなかった我が家の犬は、ある日、家に迷い込んできた野犬と交配してしまい、自宅で1匹の子犬を産みました。私は父に、産まれた子犬を飼うことをお願いしましたが、2頭も同時に飼うことができないという理由で拒まれてしまいました。そこで、子犬の里親を見つけることを懇願すると、父は承諾をしてくれたと思ったのですが、次の日の朝、子犬はいませんでした。  気が動転した私は、すぐに父のもとへ行き子犬の行方を尋ねると、父は夜中に山に捨ててきたと答えました。ショックでした。言葉が出ないくらい、頭の中が真っ白になるぐらいショックでした。私は、泣きじゃくりながら父親に怒りをぶつけましたが、もうその子犬が家に帰ってくることはありませんでした。  このことがきっかけで、私は、「犬をもっともっと大切にする社会に変えたい」、「家族の一員としてもっともっと犬との絆を深められる社会にしたい」、そう決意し犬の専門家になることを強く志し、「犬とのより良い共生社会の確立」という夢をかなえるべく、麻布獣医大学の獣医学部動物応用科学科に進学をしました。  大学院の博士課程が修了後、同じ志をもち、共に学生時代に犬の研究チームをまとめ、同期共に、さらなる夢をかなえるべく、大学のベンチャー企業として株式会社アニマルライフ・ソリューションズを立ち上げ、現在でも「犬とのより良い共生社会の確立」を目指した事業活動を行っています。

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