【ドッグトレーナー監修】1日どのくらい散歩させれば良い?愛犬とのお散歩の適度な回数や時間は

散歩は犬にとっても飼い主にとっても最高のひとときです。人間が外に出て気分転換をしたり、SNSなどで交流を楽しむように、犬も散歩で気分転換したり、飼い主や他の犬とのコミュニケーションを楽しんでいます。今回は、犬の散歩で注意すること、散歩の効果、回数や時間、散歩に適した時間帯、寒い冬や暑い夏の散歩の方法などを解説します。

【ドッグトレーナー監修】1日どのくらい散歩させれば良い?愛犬とのお散歩の適度な回数や時間は
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犬の散歩で気を付けることは?

「散歩」には、気晴らしや健康などのために、ぶらぶらと歩くという意味があります。犬の散歩も、このような目的で行われていることが多いかと思います。
しかし、お散歩では公道や公園などを歩くため、犬が歩きたいように歩いてばかりいると周りの人に迷惑をかけてしまうことも。

 ✔ 犬の好きなように歩かせない
 ✔ リードを長くしない/ノーリードで歩かない
 ✔ すれ違う人や他の犬と、距離を取るようにする
 ✔ むやみやたらに排泄をさせない/吠えさせない
 ✔ 飼い主さんが落ち着いた行動をとる

などといった点に気を付けて、周りの人に配慮し、人と犬の安全を確保しながら散歩をする必要があります。

犬の散歩の効果は?

散歩をすることで得られる犬への効果は、「精神的な気晴らし」「運動不足の解消」「社会化の促進」などが挙げられます。

人も同じように、同じ場所でばかり過ごしていると刺激が少なくストレスを感じてしまいます。家の中で過ごすことが多い犬にとって、散歩の時間は普段とは違った刺激を受けストレス発散できる唯一の時間です。

その一方で、散歩中は周りに配慮することを心がけなければならないため、リードに繋いでただ歩かせているだけでは、愛犬は思い切り体を動かすことができず、犬によっては十分に運動欲求を満たすことができません。

そのため、散歩の時間はただ歩くだけでなく、飼い主さんが一緒に遊ぶための時間も作ってあげましょう。

広い公園など、飼い主さんと犬が一緒にあそぶための“目的の場所”を見つけてあげ、「家を出てから目的地まで移動する時間」や「目的地から帰る時間」は周りに配慮した歩行を心がけ、目的地では思いっきり体を使って遊び、発散させてあげましょう。

家の近くに遊ぶ場所が無い場合、小型犬であれば家の中や庭でも十分に遊ぶことができるので、遊んでから外に散歩に出かけると良いでしょう。

基本は毎日。でもどうしても散歩に行けない時は?お散歩の頻度

日常生活に刺激を与えてあげるためにも、犬の大きさや年齢にかかわらず、散歩には毎日連れて行くのが基本です。
もちろん、どうしても時間がない時もありますし、飼い主さんが体調不良の時や、台風や降雪など悪天候の場合は無理をする必要はありません。
飼い主さんと犬のお互いがリラックスして楽しめるのが理想的な散歩です。

天候が悪く、外に散歩に行けないときなどは、家の中で一緒におもちゃを使って遊ぶ時間を増やしてあげたり、ノーズワークなどの遊びを取り入れてあげれば、楽しみながらストレスを発散することができます。

犬の体型、年齢、性格に関係あり!散歩の時間(長さ)を見極めよう

基本になる散歩の目安時間は「1日2回、1回30分」といわれていますが、その子によって必要な運動量などは異なってきます。
そのため、あくまでもこれを目安としながら、犬種、体の大きさ、犬の年齢、その犬の個性などによって散歩の時間や距離、運動の質や量などを調整します。

小型犬の場合

特に日本で人気があるのが10kg以下の小型犬

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犬には成犬の体重が3kgに満たない超小型のチワワから、成犬で90kg前後にもなるセント・バーナードまで多くの犬種があります。
特に日本で人気があるのが成犬時の体重が10kg以下の小型犬で、チワワトイ・プードルポメラニアンシー・ズーマルチーズなどをよく見かけます。
小型犬の場合は室内遊びで運動量が満たせるから散歩は不要と考える人もいますが、室内ばかりではストレスが溜まってしまいます。また、室内ばかりにいると社会性を身に付けられず、様々なものに恐怖を感じるようになり、普段の生活の中でストレスを感じる要因が増えてしまいます。

犬種や年齢によっても運動量は変わり、小型犬でもジャック・ラッセル・テリアなど、大型犬並みの運動量を求める活発な犬種もいれば、あまり活発でないシー・ズーなどの犬種もいます。
ドッグカートなども併用して、その犬に合った時間と距離の散歩に行きましょう。
小型犬は骨折、脱臼しやすい犬種も多く、ケガには注意が必要です。
階段の段差などに気を配り、危険な場所には近づかないようにしましょう。

中型犬の場合

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークアメリカン・コッカースパニエルビーグルフレンチ・ブルドッグなど成犬の体重が10kg~25kg程度の犬が中型犬と呼ばれています。
もともと猟犬や牧羊犬として働いていた犬種が多く、運動好きで走ることが好きな犬がたくさんいます。
中型犬の場合歩くだけの散歩だけではなく、犬の様子を見ながら遊びの時間を十分に確保しましょう。
運動量が足りない場合は、ドッグランで思い切り走らせるなどの方法もあります。

大型犬の場合

成犬の体重が25kg以上になる犬が大型犬です。
ゴールデン・レトリーバーラブラドール・レトリーバーバーニーズ・マウンテン・ドッグシベリアン・ハスキーなどが該当します。
室内飼育の大型犬は、室内で十分に歩き回ったり体を動かすことが難しくなることが多いため、特に運動不足になりがちです。外に出かける頻度や遊ぶ時間も増やし、精神的にも肉体的にも十分に満たされるように散歩の時間を確保してあげる必要があります。
ただ、大型犬は股関節形成不全を発症して歩行に支障を来す犬も多く、これは遺伝的要因に加えて幼少時の過度な運動も原因とされています。
特に関節が安定する生後60日ぐらいまでは無理な運動をさせないようにしましょう。
また、食後の胃捻転も大型犬に多い疾患です。念のため、食後の散歩は控えてあげてください。

散歩に連れ出す時間帯はどう選べば良い?

散歩に連れ出す時間帯は?

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一般的には、朝と夕方の時間帯に散歩に行くことが多いですが、季節によってその時間帯は若干異なってきます。

①春や秋

春と秋の散歩は最も過ごしやすい

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最も過ごしやすく、どのタイミングで散歩に出掛けても大きな問題が出にくい季節です。
愛犬とともに大いにリフレッシュして楽しみましょう。

②夏

夏の日中の散歩は厳禁です。熱中症のおそれもありますし、アスファルト舗装の表面は約65℃まで上昇するため、犬も足裏の肉球を火傷してしまいます。
朝は早朝の太陽が昇り切らない時間帯に散歩を行い、夕方は日が暮れて路面の温度が下がってから出掛けます。
手の甲を路面に当ててみて、5秒間待っても熱くないようなら散歩に出掛けても大丈夫ですが、なるべく日陰を選んで歩くようにしましょう。

③冬

氷点下になる地域では凍りついた路面で足先が傷つくこともあります。
なるべく暖かい時間帯を選んで散歩するとよいでしょう。
短毛で寒さに弱い犬種は、散歩の時に防寒着を着せるのもよいでしょう。

まとめ

散歩は飼い主とコミュニケーションをとる大切な時間

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犬にとって散歩は精神的にリフレッシュしたり、飼い主さんとコミュニケーションをとることができる大切な時間ですから、本来は毎日行くのが理想です。
散歩に出掛ける時にはウンチ袋、水入りボトル、ウェットティッシュ、おもちゃ、お気に入りのおやつなどを持参しましょう。
四季の移り変わりを感じながら愛犬とコミュニケーションを育む散歩は楽しいひとときです。
ぜひ、あなたも愛犬との散歩を存分に楽しんでください。

監修者情報

鹿野 正顕(学術博士)

鹿野 正顕(学術博士)

・学歴(大学・院、学部、専門分野) 麻布大学大学院 獣医学研究科 博士後期課程修了  専攻:人と動物の関係学、犬の行動学 麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。 ・資格 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed) (世界最大家庭犬トレーナー資格) ・職業 スタディ・ドッグ・スクール® 代表 株式会社 Animal Life Solutions(ALS) 代表取締役社長 ・所属団体、学会 日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT) 理事長 動物介在教育療法学会(ASAET) 理事 ・受賞歴 平成16年度さがみはら青年アントレプレナービジネスコンテスト 優秀賞 ・著書 ◆ 「犬の行動学入門」 監修:森 裕司 著:鹿野 正顕/中村 広基    ◆ 「アニマルセラピー入門」   編集:NPO法人 ひとと動物のかかわり研究会 監修:太田 光明 ◆ DVD「子犬と暮らす前に 準備と選び方」   ◆ DVD「子犬を家に迎えたら 飼い方・しつけ方」 販売元:アイディーマグネテック株式会社 監修:鹿野 正顕 ◆ 建築知識 創刊60周年記念出版「犬のための家づくり」 発行:エクスナレッジ ◆Oral tyrosine changed the responses to commands in German shepherds and Labrador retrievers but not in toy poodles   Masaaki Kano,Hidehiko Uchiyama,Mitsuaki Ohta,Nobuyo Ohtani (2015) ◆ 応急仮設住宅における人とペットが共棲する住環境に関する音響特性評価 浅見 樹里, 田村 雅紀, 金巻 とも子, 鹿野 正顕, 長谷川 成志 ジャーナル:工学院大学総合研究所・都市減災研究センター (Research Center for Urban Disaster Mitigation: UDM) 研究報告書 (平成25年度) ・職業上でのペットとの関わり ドッグトレーナーとして飼い主指導 獣医師、ドッグトレーナーなどの専門家に対する犬の行動・しつけ・トレーニング等の教育 学校機関での専門家の育成 メディアを通した情報発信 企業に対するペット関連コンサルタント ・飼っている動物 スタンダード・プードル(♀:柔、11歳) ・ペット歴 犬:Mix(4匹)、ミニチュアシュナウザー(1匹)、ジャーマンシェパード(1匹) スタンダード・プードル(1匹) ネコ:2匹 シマリス:2匹 ウサギ:1羽 セキセイインコ:5羽 ・ポリシー(ペットに関する) 動物の習性を客観的に理解し、人と動物互いのバランスを保った共生を追求する ・エピソード(ペットに関する) 畜産を兼業していた農家出身の両親は、ともに動物が好きだったことから、よく捨てられた犬を拾ってきて家で飼っていました。そのため、私は幼少のころから常に犬と一緒の生活を送り、鍵っ子だった私の寂しい気持ちを犬はいつも癒してくれ支えとなってくれました。  当時の犬の飼い方は今とは全く異なり、犬は外で飼うのは当たり前で予防接種をしたり動物病院に連れていくこともあまり一般的ではありませんでした。特に私の父親は、戦後間もない、物のない時代で生まれ育ったため、動物にお金をかける意識が低く、予防接種や病気の治療なども満足には行わなかったため、我が家の犬たちも非常に短命で、大学に進学するまでの12年間で4頭もの犬を飼育してきました。  そんな犬の飼い方に、幼いころから何となく疑問を感じていた私にとって、小学生の頃、今の仕事を志すようになった衝撃的な事件が起きました。避妊もしていなかった我が家の犬は、ある日、家に迷い込んできた野犬と交配してしまい、自宅で1匹の子犬を産みました。私は父に、産まれた子犬を飼うことをお願いしましたが、2頭も同時に飼うことができないという理由で拒まれてしまいました。そこで、子犬の里親を見つけることを懇願すると、父は承諾をしてくれたと思ったのですが、次の日の朝、子犬はいませんでした。  気が動転した私は、すぐに父のもとへ行き子犬の行方を尋ねると、父は夜中に山に捨ててきたと答えました。ショックでした。言葉が出ないくらい、頭の中が真っ白になるぐらいショックでした。私は、泣きじゃくりながら父親に怒りをぶつけましたが、もうその子犬が家に帰ってくることはありませんでした。  このことがきっかけで、私は、「犬をもっともっと大切にする社会に変えたい」、「家族の一員としてもっともっと犬との絆を深められる社会にしたい」、そう決意し犬の専門家になることを強く志し、「犬とのより良い共生社会の確立」という夢をかなえるべく、麻布獣医大学の獣医学部動物応用科学科に進学をしました。  大学院の博士課程が修了後、同じ志をもち、共に学生時代に犬の研究チームをまとめ、同期共に、さらなる夢をかなえるべく、大学のベンチャー企業として株式会社アニマルライフ・ソリューションズを立ち上げ、現在でも「犬とのより良い共生社会の確立」を目指した事業活動を行っています。

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