犬のリードの噛み癖や引っ張り癖を直そう しつけに有効で負担の少ないハーネスも効果あり
散歩に出るとリードを噛んだり引っ張ったり、あるいはリードを装着すると固まってしまったり……。犬のリードにまつわるお困り行動はさまざま。でも、すべてに解決方法はあります!ポイントを知って愛犬も飼い主さんも快適に楽しく散歩ができるように、さっそく解決策を実践してみましょう。
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目次
散歩中にリードを噛む理由と、直し方 ハーネスやおやつを使ったしつけ

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愛犬が散歩中にリードを噛んでしまい、なかなかスムーズに歩けずに困っている飼い主さんも少なくないようです。
リードを噛むのは、子犬に多く見られる行動。引っ張り遊びの気分で、リードを噛んでしまうのではないかと考えられています。
興奮しやすい性格の成犬の場合、散歩がうれしくてリードを噛んでしまうこともあるでしょう。
いずれにしても、リードを噛む癖は直してもらいたいもの。
手っ取り早いのは、首輪にリードではなく、ハーネスを装着して散歩をする方法です。
首の近くにリードがあると噛みやすくても、背中近くにリードが移ると噛むのが困難になるからです。
ハーネスにしても、体をひねらせて噛んでしまうという愛犬には、根本的にリードを噛まないで歩ける練習を行いましょう。
まず、首輪またはハーネスにリードをつけて、飼い主さんがおやつを手に持って愛犬の注意を引きながら歩いてみてください。
愛犬の意識がリードに向かいがちならば、おやつを見せつつ愛犬の名前を呼びます。
愛犬が飼い主さんの目を見て、リードを噛まずに歩けたら、ほめておやつをあげましょう。
これを何度も繰り返すうちに、リードを噛むよりも、飼い主さんの顔を見ながら歩くほうがいいことが起こると愛犬が覚えてくれるに違いありません。
リードを引っ張る愛犬の解決法 愛犬の呼吸器や首への負担も軽減しよう

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愛犬がリードを引っ張る理由のほとんどは、散歩が楽しすぎるから。そして、早く前へ進みたくて、飼い主さんに「速く歩いて~!」とばかりに引っ張っているのです。
小型犬でも大型犬でも、首輪とリードのセットで散歩をしている場合、リードを引っ張ることで呼吸器や頚椎に負荷がかかりすぎてしまいます。
飼い主さんがリードを引っ張り返すのも、愛犬の首や背中を傷める原因になるので控えてくださいね。
まずはハーネスに変更するのが、愛犬の健康を守るひとつの選択肢と言えるでしょう。
一方、力の強い大型犬や中型犬と散歩する飼い主さんは、愛犬に引っ張られると肩や足腰を傷めてしまうかもしれません。
引っ張り癖は、ぜひとも解消したいものです。
練習方法は、リードの噛み癖解消のところで紹介したのと同様。
おやつを使って、愛犬の意識を飼い主さんに向きやすくするのが第一歩です。
まずは屋外ではなく自宅の室内で練習してみましょう。
リードは付けても付けなくてもかまいません。
おやつを飼い主さんの首のあたりにちらつかせながら、愛犬が飼い主さんの横をうまく歩けるように誘導するのがポイント。
スムーズに歩けていたら、「そう! いい子」などと言ってほめてあげてください。もちろん、ご褒美のおやつをあげるのも忘れずに。
何度かレッスンを繰り返すうちに、「ママやパパの横を歩きながら目が合うと、おやつがもらえるなんて楽しいな!」と、愛犬の頭にインプットされることでしょう。
そうなれば、屋外でも愛犬と心を通わせながら散歩ができるはずです。
もし散歩中に愛犬が引っ張ってしまったら、飼い主さんは立ち止まって愛犬の名前を呼んでください。
愛犬が足元まで来たら、たっぷりほめて、おやつをあげてくださいね。

散歩のときに強く引っ張る犬の癖をなおして、うまくリードするコツとは?
伸縮リードは使い方に気を付けて 自転車や歩行者との怪我や事故を防ごう

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伸縮リードは、呼び戻しのトレーニングを公園でする際などにとても便利なアイテムです。
また、河川敷や公園やビーチなどで愛犬をたっぷり走らせたいときにも、飼い主さんが愛犬と一緒に走らずにすむので役立ちます。
けれども、使い方を間違えると危険なアイテムにもなってしまうので要注意。
実際に、歩行者や自転車に乗った人が伸縮リードに引っかかって転んでケガを負う、飼い主さんから離れた場所にいる愛犬をコントロールできず、ほかの人や犬を咬んでしまうといった事故も発生していて、伸縮リードの使用を禁止している公園もあります。
伸縮リードを使用する際には、ほかの人や犬と接触できない長さまでにとどめたり、自転車が通りかかる可能性がある場所では短くしておくなどの配慮をすれば安全です。
リードを嫌がるのはなぜ? 楽しいイメージに置き換えてあげよう

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リードをつけるとフリーズしてしまうとか、飼い主さんがリードを引くと踏ん張って動かなくなる犬もいます。
原因として考えられるのは、散歩に対して、あるいはリードに対してネガティブなイメージを持っていること。
散歩が好きでないようならば、おやつやおもちゃなどを持参して、なるべく楽しいイメージに置き換えていくのがファーストステップになります。
首輪とリードが苦手な様子であれば、愛犬が自宅にいるときに首輪(ハーネス)とリードをつけた状態でごはんを食べさせたり一緒に遊んだりして、「リードがついていてもイヤなことは起こらないんだ」と愛犬に認識してもらいましょう。
散歩に出たら、決して愛犬のリードを引っ張らず快適に歩けるようにするのも重要です。

愛犬が散歩に行きたがらない!嫌がるその理由と対処法
まとめ

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リードの噛み癖や引っ張り癖、あるいはリードを嫌がって固まってしまう愛犬の行動は、おやつを使ったレッスンで楽しみながら矯正できるはず。
愛犬がスムーズに歩けるようになっても、愛犬とアイコンタクトを取れたらたまにおやつをあげれば、散歩中のコミュニケーションをぐっと深められることでしょう。

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui
フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。
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