【ドッグトレーナー監修】首輪はいつから使うもの?愛犬に合った正しい選び方&つけ方

合わない首輪を選んでしまうと、それが愛犬のストレスになり、首や被毛を傷つける原因になってしまうこともあります。 また、誤った使い方をして首に大きな負荷がかかると、眼圧の亢進や脳への血流不全による急性脳障害、気管虚脱といった命に係わる事態に発展することも。毎日使う首輪の正しい知識と使い方を知りましょう。

【ドッグトレーナー監修】首輪はいつから使うもの?愛犬に合った正しい選び方&つけ方
出典 : 780539341.Shutterstock

知っておこう、首輪の《種類》

首輪とひとことで言っても、いくつかの種類に分けられます。

愛犬に合うものはどれなのか、現在持つ首輪に関する悩みを解決してくれるタイプはどれなのか。

首輪の種類を知ることは、解決の糸口となるでしょう。

1.プレーンカラー

一般的な形状の首輪(カラー)で、首のサイズに調整して使用します。
プレーンカラーには革製のベルトで調節するタイプと、布製でワンタッチ式のバックルで装着するものがあります。

ベルトタイプ

ベルト

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オーソドックスなタイプの首輪です。

人間が使用するベルトと同じく、多くが革で作られており、穴に金属製のストッパーをさして留めるタイプです。

革製のため高級感があるうえ、耐久性も◎。犬種を選ばずに使用することが可能でマルチに使うことができます。

穴を自分で増やすことが可能なのですが、首輪の長さを調整するときはベルト穴の刻み幅で行うしかないため微調整が難しく、ワンタッチタイプに比べ装着には時間がかかるといったデメリットがあります。

また、ドーベルマン、グレイハウンドのように頭が細くて耳が小さい犬種は首輪がすり抜けやすいので注意が必要です。

ワンタッチタイプ

バックル

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布製の首輪で、留め具の部分のみプラスチックで作られています。

“カチッ”とワンタッチで留めることができるので、扱いがとっても楽なのがポイントです。

軽いプラスチックなので留め具部分が壊れやすいというデメリットもありますが、リーズナブルな価格で販売されているほか、デザインも豊富なので洋服を選ぶ感覚で利用するのがおすすめ。

子犬や小型犬の使用に向いている首輪です。

2.リミテッド・スリップ・カラー

犬が引っ張ると軽く絞まる構造になっている首輪です。
首輪の一部に調整用の輪がついて、チョーク・チェーン・カラーのように無制限に締まるのではなく、輪の部分だけが締まるという点で「セミチョーク・カラー」とも呼ばれます。

引っ張るとベルトのサイズが首周りぎりぎりまで締まるので首輪が抜けにくくなるというメリットがありますが、犬の首を多少締める形になるので、ストレスや苦痛を感じることがあります。

リミテッド・スリップ・カラーには、「マーチンゲール」「ハーフ・チョーク・カラー」などがあります。

頭が大きい短頭種(パグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア)などは、一般的な首輪だと首のサイズに調整すると頭を通らないため、リミテッド・スリップ・カラーを付けていることが多いです。

マーティンゲール

マーティンゲール

ベルトタイプの首輪で頭が抜けやすい、トーベルマンやグレイハウンドの首輪が抜けてしまうことを予防するために使われていた首輪です。

布やナイロンで作られており、引っ張ると首が締まる仕組みになっています。
完全には締まらないですが、引っ張り続けていれば首に圧迫がかかり続けてしまうため注意が必要です。

日本よりも欧米で人気の首輪のタイプです。

ハーフチョーク

ハーフチョーク

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半分が鎖、半分が革もしくは布で作られた首輪「ハーフ・チョーク・カラー」。
マーチンゲールとチョーク・チェーン・カラーを合わせて作られた首輪です。
日本ではこのタイプの首輪をハーフ・チョーク・カラーと呼びますが、海外ではこの首輪もマーチンゲールと呼ぶのが一般的です。

3.チョーク・チェーン・カラー

チェーンチョーク

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金属製の鎖の首輪が「チョーク・チェーン・カラー」です。

引っ張ると首が締まる仕組みの首輪のため、警察犬の訓練などで使用することが多いタイプ。
リードを引っ張ることで首輪が制限なくしまり、痛みを与えて訓練することを目的として使用します。

使い方を誤ると大きな怪我につながるため、飼い主さんが使用することはお勧めしません。

4.スパイクチェーン

スパイクチェーン

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首輪の内側に突起がついている首輪です。

リミテッド・スリップ・カラーのように犬が引っ張ると軽く絞まる構造になっている首輪ですが、引っ張ると内側の突起が首に刺さり痛みを与えます。
チョーク・チェーン・カラーと同様に、痛みを与えて訓練することを目的として使用するため、使い方を誤ると大きな怪我につながるので飼い主さんが使用することはお勧めしません。

「首輪」と「ハーネス」の違いとは?

「首輪」と「ハーネス」の違いとは?

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「首輪」ではなく「ハーネス」を使用している飼い主さんも多いかもしれません。

首に装着する「首輪」と用途にそれほど違いがない「ハーネス」は、犬の胴体に装着するものです。

首に負担が集中する首輪と違い、ハーネスは犬にかかる負担が身体に分散されるため、犬が感じる不快感を軽減することが期待できます。

そのぶん、リードを持つ飼い主さんの指示が伝わりにくくなりますので、引っ張り癖を直すためのトレーニングなどには向きません。

首輪では体に負担がかかってしまう引っ張りの強い犬や老犬などには「ハーネス」を使った方がいいかもしれません。

ハーネスを付けている場合も、鑑札をつけた首輪は一緒に装着したほうが良いでしょう。
ハーネスが抜けたり、家の玄関から飛び出したりして逃げてしまった際に、何も装着していないと保護することが難しくなってしまいます。

首輪は、子犬のころからつけてOK?

生後2~3ヶ月頃が一番すんなりと首輪を受け入れてくれる時期であると言われているため、子犬の頃から首輪をつけても問題ありません。

むしろ子犬の時期から飼うのであれば、首輪に慣れてもらうためにも早めにつけてあげた方がいいでしょう。

最初は嫌がるかもしれませんので、その場合は、首輪をつけられたら”褒めてあげる”ことを徹底しましょう。

そうすることで、より首輪を受け入れてくれる可能性が高くなります。

また、おやつを使って首輪に誘導する方法もあります。首輪をつけられたら、ご褒美におやつをあげてくださいね。

首輪の正しい《つけ方》

愛犬に首輪をつけるうえで特に気になるのは、サイズの合わせ方ではないでしょうか。

首輪をきつくつけてしまうと「苦しくないかな」と気になりますし、緩くつけてしまうと散歩中に首輪が抜けてしまう心配があります。

首輪の正しいつけ方は、まず犬の首と首輪の間に指が1~2本程度入るように調整します。

そして、リードをつけて引っ張ったときに、首輪が抜けてしまわないかチェックすることが大切です。

「きつそうでかわいそう」と思って首輪のサイズを緩めにしてしまうと、摩擦が生じて毛切れなどの原因になりかねませんので注意しましょう。

愛犬の成長や首輪の素材の劣化などによって、首輪のサイズ感や犬との相性は日々変わってきます。

首輪の状態やサイズは、毎日チェックしてあげるのがベストです。

まとめ

犬の首輪の種類から、首輪をつける時期、正しいつけ方をご紹介してきました。

首輪といっても「お散歩するためのもの」なのか「トレーニングをするためのもの」なのかでも、選び方は変わってきます。

さらに、最近ではおしゃれな首輪も多く販売されているため、ファッション感覚で楽しむこともできるようになりました。

ぜひ愛犬に合った首輪を、正しいつけ方で装着してあげてくださいね。

監修者情報

鹿野 正顕(学術博士)

鹿野 正顕(学術博士)

・学歴(大学・院、学部、専門分野) 麻布大学大学院 獣医学研究科 博士後期課程修了  専攻:人と動物の関係学、犬の行動学 麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。 ・資格 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed) (世界最大家庭犬トレーナー資格) ・youtubeチャンネル 「スタディ・ドッグ・スクール 」 動物行動学博士&国際ライセンスドッグトレーナーが犬の習性や能力から飼い方やしつけまで目からウロコの情報を幅広く発信。 チャンネル登録はこちらから↓ https://www.youtube.com/channel/UCqSmNCaYUEUFObbBW4Xn9nw ・職業 スタディ・ドッグ・スクール® 代表 株式会社 Animal Life Solutions(ALS) 代表取締役社長 ・所属団体、学会 日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT) 理事長 動物介在教育療法学会(ASAET) 理事 ・受賞歴 平成16年度さがみはら青年アントレプレナービジネスコンテスト 優秀賞 ・著書 ◆ 「犬の行動学入門」 監修:森 裕司 著:鹿野 正顕/中村 広基    ◆ 「アニマルセラピー入門」   編集:NPO法人 ひとと動物のかかわり研究会 監修:太田 光明 ◆ DVD「子犬と暮らす前に 準備と選び方」   ◆ DVD「子犬を家に迎えたら 飼い方・しつけ方」 販売元:アイディーマグネテック株式会社 監修:鹿野 正顕 ◆ 建築知識 創刊60周年記念出版「犬のための家づくり」 発行:エクスナレッジ ◆Oral tyrosine changed the responses to commands in German shepherds and Labrador retrievers but not in toy poodles   Masaaki Kano,Hidehiko Uchiyama,Mitsuaki Ohta,Nobuyo Ohtani (2015) ◆ 応急仮設住宅における人とペットが共棲する住環境に関する音響特性評価 浅見 樹里, 田村 雅紀, 金巻 とも子, 鹿野 正顕, 長谷川 成志 ジャーナル:工学院大学総合研究所・都市減災研究センター (Research Center for Urban Disaster Mitigation: UDM) 研究報告書 (平成25年度) ・職業上でのペットとの関わり ドッグトレーナーとして飼い主指導 獣医師、ドッグトレーナーなどの専門家に対する犬の行動・しつけ・トレーニング等の教育 学校機関での専門家の育成 メディアを通した情報発信 企業に対するペット関連コンサルタント ・飼っている動物 スタンダード・プードル(♀:柔、11歳) ・ペット歴 犬:Mix(4匹)、ミニチュアシュナウザー(1匹)、ジャーマンシェパード(1匹) スタンダード・プードル(1匹) ネコ:2匹 シマリス:2匹 ウサギ:1羽 セキセイインコ:5羽 ・ポリシー(ペットに関する) 動物の習性を客観的に理解し、人と動物互いのバランスを保った共生を追求する ・エピソード(ペットに関する) 畜産を兼業していた農家出身の両親は、ともに動物が好きだったことから、よく捨てられた犬を拾ってきて家で飼っていました。そのため、私は幼少のころから常に犬と一緒の生活を送り、鍵っ子だった私の寂しい気持ちを犬はいつも癒してくれ支えとなってくれました。  当時の犬の飼い方は今とは全く異なり、犬は外で飼うのは当たり前で予防接種をしたり動物病院に連れていくこともあまり一般的ではありませんでした。特に私の父親は、戦後間もない、物のない時代で生まれ育ったため、動物にお金をかける意識が低く、予防接種や病気の治療なども満足には行わなかったため、我が家の犬たちも非常に短命で、大学に進学するまでの12年間で4頭もの犬を飼育してきました。  そんな犬の飼い方に、幼いころから何となく疑問を感じていた私にとって、小学生の頃、今の仕事を志すようになった衝撃的な事件が起きました。避妊もしていなかった我が家の犬は、ある日、家に迷い込んできた野犬と交配してしまい、自宅で1匹の子犬を産みました。私は父に、産まれた子犬を飼うことをお願いしましたが、2頭も同時に飼うことができないという理由で拒まれてしまいました。そこで、子犬の里親を見つけることを懇願すると、父は承諾をしてくれたと思ったのですが、次の日の朝、子犬はいませんでした。  気が動転した私は、すぐに父のもとへ行き子犬の行方を尋ねると、父は夜中に山に捨ててきたと答えました。ショックでした。言葉が出ないくらい、頭の中が真っ白になるぐらいショックでした。私は、泣きじゃくりながら父親に怒りをぶつけましたが、もうその子犬が家に帰ってくることはありませんでした。  このことがきっかけで、私は、「犬をもっともっと大切にする社会に変えたい」、「家族の一員としてもっともっと犬との絆を深められる社会にしたい」、そう決意し犬の専門家になることを強く志し、「犬とのより良い共生社会の確立」という夢をかなえるべく、麻布獣医大学の獣医学部動物応用科学科に進学をしました。  大学院の博士課程が修了後、同じ志をもち、共に学生時代に犬の研究チームをまとめ、同期共に、さらなる夢をかなえるべく、大学のベンチャー企業として株式会社アニマルライフ・ソリューションズを立ち上げ、現在でも「犬とのより良い共生社会の確立」を目指した事業活動を行っています。

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