【ドッグトレーナー監修】犬のリードは付けないとダメ?リードの役割と選び方

愛犬の散歩に必要なグッズの一つがリードです。しかし、中には「リードを噛んでしまう」「付けるのを嫌がる」という子もいるでしょう。種類や長さもさまざまありますが、間違った使い方をしてしまうと怪我や事故のもとになってしまいます。愛犬のリードは目的に合わせて選び、トレーニング効果もアップさせましょう。

【ドッグトレーナー監修】犬のリードは付けないとダメ?リードの役割と選び方
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犬がリードを嫌がる・噛む理由

犬がリードを嫌がる・噛む理由

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散歩の時に不可欠なのがリードです。

しかし、中にはリードを付けられるのを嫌がったり、散歩中にリードを噛んでしまったりする子もいます。

1 リードを付けられるのが嫌な理由

散歩には行きたいけどリードを付けるのは嫌い…。そんな愛犬も多いのではないでしょうか?

このような場合、リードを付けるのを嫌がる大きな理由は「飼い主さんのリードの付け方」にあります。

犬は、正面から近づいて覆いかぶさってくるような人の動きに恐怖心を感じることがあり、リードを付ける際に、まさにこの動作でつけようとしていないでしょうか。
この動作が、リードを付ける状況と恐怖心を結びつけてしまい、犬はリードを嫌がるようになってしまうのです。

さらに、犬は拘束されることにも不安を感じるため、リードを付けるために首輪を掴まれることにも不安を感じます。

そのため、日頃から首輪を掴んだらご褒美をあげる練習をして首輪を掴まれることに慣らしたり、実際にリードを付けるときはご褒美を舐めさせながら気を反らせてリードを付けるようにするとよいでしょう。

また、リードが足に絡まって痛い思いをしたなど、リード自体に恐怖や不安といった感情が結び付くような経験をするとリードから逃げ出そうとします。

そのためリードで叩くなど、リードを怖がらせるようなことは絶対にしないようにしましょう。

リードを見るだけで嫌がるようであれば、普段犬が近づくことのできる場所に置いてみましょう。

初めはリードの周りに大好きなおやつなどをたくさん置いておき、自分からリードに近づくことができるようになったら、さらに飼い主さんからおやつをあげ、リードを「良いイメージ」に変えていきます。

2 散歩中にリードを噛んでしまう理由

散歩中にリードを噛んでしまう最も多い理由として、「遊んでいる」ことが挙げられます。

特に子犬のうちは目にするもの全てに興味をもち、なんでも口に入れて噛んで遊ぼうとします。

リードは首輪と飼い主の持ち手の間でU字型に垂れ下がり、犬の視界に入る位置にあるため、歩くたびに揺れるリードで戯れて遊びたくなってしまうのです。

また、歯の生え変わり時期で歯がかゆい時には「かじりたい」という欲求が強くなり、余計に身近にあるリードを噛んでしまうことがあります。

リードを噛んでしまいがちなお散歩中にもひと工夫してみましょう。
ただ歩くだけでは犬にとって楽しい時間にはならず、退屈からリードを噛んでしまうこともあるため、
大好きなおやつをあげてコミュニケーションを深めながら歩いたり、公園では歩いている合間におもちゃで遊んであげるなど、楽しませながらお散歩すると良いでしょう。

犬のリードの役割と選び方

犬のリードの役割と選び方

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犬のリードは散歩をするための道具と思っている人が多いと思いますがそれだけではありません。

リードは種類も多く、機能性も異なります。

目的と犬に合ったリードを選ぶことで、事故の防止にもなりますし、しつけ・トレーニングもしやすくなります。

リードの役割

リード未着用時に起こり得る事故

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リードにはいくつかの大切な役割があります。
まずは愛犬を事故など危険なものから守る、という役割です。犬は環境の変化にとても敏感で、いくら普段お利口にしている子であっても何かの拍子に興奮したりパニックを起こしたりしてしまうことがあります。
一度興奮やパニックになってしまうと、飼い主さんの静止の声すら耳に入ってきません。
ですので、外を歩く時には必ずリードを装着し、急な飛び出しなどを制御できる安全な状況を作っておくことが必要です。

次に、リードには社会の中で必要な配慮と、他の犬や第三者への危害を防ぐという役割もあります。リードに繋がれている犬は行動範囲を制限することができるため、してはいけないところで排泄をしてしまうことや、拾い食いの見落としをしづらくなりますし、他の犬や第三者に嫌な思いやケガをさせてしまうことも未然に防止できます。

また、犬が苦手な人やアレルギーの人もいるため、近くに犬がいるだけで不安や嫌悪感を感じる人にもリードで繋がれていることで、安心してもらうことができます。
リードには愛犬を守るだけでなく、他の犬や第三者への配慮のマナーという役割もあるのです。

リードの種類と選び方

リードの種類で使い分け

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【スタンダードリード】

一般的に散歩の時に使用されているリードです。
スタンダードリードは、リード自体の細さやナスカン(リードを留める金具部分)の大きさによって強度が異なります。
そのため、犬種や犬の成長に合わせて買い換える必要があります。

【ロングリード】

スタンダードリードと比べて長いリードで「マテ」や「呼び戻し」のトレーニングに使用されることが多いです。
長さも豊富で3mから30mほどまであります。
素材によって耐荷重が異なるだけでなく、リード自体の重さも変わってきます。

【ショートリード】

スタンダードリードと比べて短いリードです。
基本的には体高のある中・大型犬に使われるリードです。
狭い場所などでリードによるコントロールが必要な場合や、引っ張りの強い犬のトレーニング用としても使用されます。


【ダブルリード】

持ち手の部分は一つですが、装着部分が二股に分かれているタイプのリードです。
首輪とハーネスを同時に使用する愛犬にピッタリです。
また、二股部分が長くねじれにくい「2頭引き用」として使えるものもあります。

【フレキシブルリード】

伸縮する巻取り型のリードです。
普段の散歩では短くして、広い公園などでは伸ばして使うことがボタンひとつでできます。
一方で、スタンダードリードのようにリードを手繰って犬を引き寄せるということができなかったり、ボタンを押すと一気にロックがかかるので犬が思いっきり走っている時には犬にも飼い主にも強い衝撃を与えるため要注意です。

【ハンドフリーリード】

名前の通り両手が空くタイプのリード。
肩に斜めにかけるタイプや腰に付けるタイプがありますが、大きな違いはありません。
両手が空くので愛犬とのランニングやトレッキングなどのアウトドアに最適です。

まとめ

まとめ

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リードはお散歩の時だけではなく、遊びやトレーニングなどさまざまな場面で利用できるグッズです。

それと同時に犬と第三者の安全を守るためのものでもあります。

愛犬の年齢や使用する場面に合わせて使い分けることで、より安全により楽しい時間を過ごすことができるので、お気に入りのものを見つけてみてください。

監修者情報

鹿野 正顕(学術博士)

鹿野 正顕(学術博士)

・学歴(大学・院、学部、専門分野) 麻布大学大学院 獣医学研究科 博士後期課程修了  専攻:人と動物の関係学、犬の行動学 麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。 ・資格 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed) (世界最大家庭犬トレーナー資格) ・youtubeチャンネル 「スタディ・ドッグ・スクール 」 動物行動学博士&国際ライセンスドッグトレーナーが犬の習性や能力から飼い方やしつけまで目からウロコの情報を幅広く発信。 チャンネル登録はこちらから↓ https://www.youtube.com/channel/UCqSmNCaYUEUFObbBW4Xn9nw ・職業 スタディ・ドッグ・スクール® 代表 株式会社 Animal Life Solutions(ALS) 代表取締役社長 ・所属団体、学会 日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT) 理事長 動物介在教育療法学会(ASAET) 理事 ・受賞歴 平成16年度さがみはら青年アントレプレナービジネスコンテスト 優秀賞 ・著書 ◆ 「犬の行動学入門」 監修:森 裕司 著:鹿野 正顕/中村 広基    ◆ 「アニマルセラピー入門」   編集:NPO法人 ひとと動物のかかわり研究会 監修:太田 光明 ◆ DVD「子犬と暮らす前に 準備と選び方」   ◆ DVD「子犬を家に迎えたら 飼い方・しつけ方」 販売元:アイディーマグネテック株式会社 監修:鹿野 正顕 ◆ 建築知識 創刊60周年記念出版「犬のための家づくり」 発行:エクスナレッジ ◆Oral tyrosine changed the responses to commands in German shepherds and Labrador retrievers but not in toy poodles   Masaaki Kano,Hidehiko Uchiyama,Mitsuaki Ohta,Nobuyo Ohtani (2015) ◆ 応急仮設住宅における人とペットが共棲する住環境に関する音響特性評価 浅見 樹里, 田村 雅紀, 金巻 とも子, 鹿野 正顕, 長谷川 成志 ジャーナル:工学院大学総合研究所・都市減災研究センター (Research Center for Urban Disaster Mitigation: UDM) 研究報告書 (平成25年度) ・職業上でのペットとの関わり ドッグトレーナーとして飼い主指導 獣医師、ドッグトレーナーなどの専門家に対する犬の行動・しつけ・トレーニング等の教育 学校機関での専門家の育成 メディアを通した情報発信 企業に対するペット関連コンサルタント ・飼っている動物 スタンダード・プードル(♀:柔、11歳) ・ペット歴 犬:Mix(4匹)、ミニチュアシュナウザー(1匹)、ジャーマンシェパード(1匹) スタンダード・プードル(1匹) ネコ:2匹 シマリス:2匹 ウサギ:1羽 セキセイインコ:5羽 ・ポリシー(ペットに関する) 動物の習性を客観的に理解し、人と動物互いのバランスを保った共生を追求する ・エピソード(ペットに関する) 畜産を兼業していた農家出身の両親は、ともに動物が好きだったことから、よく捨てられた犬を拾ってきて家で飼っていました。そのため、私は幼少のころから常に犬と一緒の生活を送り、鍵っ子だった私の寂しい気持ちを犬はいつも癒してくれ支えとなってくれました。  当時の犬の飼い方は今とは全く異なり、犬は外で飼うのは当たり前で予防接種をしたり動物病院に連れていくこともあまり一般的ではありませんでした。特に私の父親は、戦後間もない、物のない時代で生まれ育ったため、動物にお金をかける意識が低く、予防接種や病気の治療なども満足には行わなかったため、我が家の犬たちも非常に短命で、大学に進学するまでの12年間で4頭もの犬を飼育してきました。  そんな犬の飼い方に、幼いころから何となく疑問を感じていた私にとって、小学生の頃、今の仕事を志すようになった衝撃的な事件が起きました。避妊もしていなかった我が家の犬は、ある日、家に迷い込んできた野犬と交配してしまい、自宅で1匹の子犬を産みました。私は父に、産まれた子犬を飼うことをお願いしましたが、2頭も同時に飼うことができないという理由で拒まれてしまいました。そこで、子犬の里親を見つけることを懇願すると、父は承諾をしてくれたと思ったのですが、次の日の朝、子犬はいませんでした。  気が動転した私は、すぐに父のもとへ行き子犬の行方を尋ねると、父は夜中に山に捨ててきたと答えました。ショックでした。言葉が出ないくらい、頭の中が真っ白になるぐらいショックでした。私は、泣きじゃくりながら父親に怒りをぶつけましたが、もうその子犬が家に帰ってくることはありませんでした。  このことがきっかけで、私は、「犬をもっともっと大切にする社会に変えたい」、「家族の一員としてもっともっと犬との絆を深められる社会にしたい」、そう決意し犬の専門家になることを強く志し、「犬とのより良い共生社会の確立」という夢をかなえるべく、麻布獣医大学の獣医学部動物応用科学科に進学をしました。  大学院の博士課程が修了後、同じ志をもち、共に学生時代に犬の研究チームをまとめ、同期共に、さらなる夢をかなえるべく、大学のベンチャー企業として株式会社アニマルライフ・ソリューションズを立ち上げ、現在でも「犬とのより良い共生社会の確立」を目指した事業活動を行っています。

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ライタープロフィール

長根 あかり Akari Nagane

長根 あかり Akari Nagane

【経歴】 2017年 帝京科学大学 アニマルサイエンス学科卒業。 卒業後、株式会社シロップで約2年間勤務。ウェブメディア『ペトこと』や、保護犬猫とのマッチングサービス『OMUSUBI』で犬猫の飼い方を中心に執筆。 ペットイベントへの取材・編集、「犬猫との暮らし」「犬とのお出かけ」などをテーマとした連載記事も担当。 退職後は犬のしつけ・トレーニングのアドバイスをする傍ら、都内にある犬猫の保護シェルターで勤務。犬猫のお世話だけでなく譲渡会へも参加し保護の現場を学ぶ。 【資格】 2017年2月 ドッグトレーナー 2017年3月 動物介在教育アドバイザー 2018年3月 愛玩動物飼養管理士 【ペット歴】 幼少期は、金魚をはじめオタマジャクシ、カエル、アゲハチョウ、ザリガニなどを飼育。 祖母の家に行けば4匹の猫と遊び、休日は公園に集まる散歩中の飼い主さんに声をかけ犬に遊んでもらっていました。小学4年生から中学3年生までシマリス「シママ」と暮らし、大学3年生になり保護犬のアルを迎え現在に至ります。 【愛犬とのエピソード】 幼い頃から犬と暮らすことが夢だった私にとって、アルとの出会いで昔からの夢が一つ叶いました。 これまでたくさんの犬と触れ合ってきましたが、実際、四六時中一緒にいるとそれまで意識したことがなかったことも気になって不安になる夜もありました。 家に帰ると乳歯が落ちていて驚いたり、撫でているときに「あれ?ここって骨出っ張ってたっけ?」と急に心配になったり・・・。 寝息を立てているアルの隣で寝ようとしたときに、自分の呼吸のリズムがわからなくなって一緒に寝るのを諦めたこともありました。 まだ学生でしたので、お留守番前の朝はしっかり散歩をして授業が終われば帰って一緒に遊ぶ日々。週2日は朝の部活にも一緒に行ってトレーニングをして、時には一緒に授業に行って実習を受けることもありました。 そんなアルとの生活ですが、アルは警戒心が強く人や環境に慣れるのに時間がかかりました。行動学やトレーニングを学んでいるとは言え、性格はそれぞれなので後はお互い手探りしながら、アルのペースでゆっくり一緒に成長してきたように感じています。 人から学べることもたくさん有るけれど、結局は犬から教えられることの方が多いなと毎日が学びの日々です。 【趣味】 多趣味なのでインドアもアウトドアも好きですが、やっぱり動物や自然に触れ合える場所に行くことが多いです。 友達と犬連れで車を走らせて、油壺マリンパークやマザー牧場などに日帰りの弾丸旅行をすることもしばしば。(犬なしで行くなら、横浜動物園ズーラシア・京都水族館・名古屋港水族館がおすすめです!) 最近ではペットOKの観光地も増えていますし、何よりドッグランのあるサービスエリアが増えているので、気になってわざわざ寄り道しちゃいます。 【ペットへの想い】 私にとってペットは、友であり、兄弟であり、子供であり、かけがえのない存在です。 家族や友達には相談できないこともペットには相談できる。辛いことがあったとき、悲しいことがあったとき、ただそばにいてくれるだけで安らぎ、乗り越える力をくれるのもまたペットたちです。 犬でも猫でも鳥でも、ヘビやトカゲであっても人とペットの繋がりは変わらないと思います。 年齢に似合わず『世界名作劇場』のシリーズが好きなのですが、作品の多くが主人公とパートナーである動物が支え合って一緒に困難を乗り越える物語です。 また、現代では動物を介在させることで治療やリハビリ、子供教育にも大きな影響を与えることがわかっており、さまざまな場面で動物との活動が行われています。 そんな切っても切れない人とペットとの関係が、今後もっともっと良くなることを願っていますし、暮らしやすくなるように活動していきたいと思っています。

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