犬が吠える理由は環境や飼い主の行動にあった!?犬が吠える意味を知り、しつけ方法を使い分けよう

犬の「吠え」は問題とされる行動の一つで、飼い主さんだけでなく来客や近所の人にも影響を与えてしまいます。「尻尾を振っているのに吠える」「夜寝ている時によく吠えてうるさい」など、愛犬であっても何故吠えるのかがわからないという方向けに、ここで犬が吠える理由としつけ方について紹介します。

犬が吠える理由は環境や飼い主の行動にあった!?犬が吠える意味を知り、しつけ方法を使い分けよう
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その行動、実は犬に吠える理由を与えている!? シーン別の「吠える理由」と「正しい対処法」

その行動、実は吠えることを教えている!?

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犬が吠えてしまうのには必ず理由があります。

そして「吠えが増してしまう」というのは吠えることで犬にとって何らかの「メリット」があるからです。

犬にとって「吠える」という行動は遺伝子レベルで組み込まれた自然な行動です。

群れで暮らす習性のある犬にとって「吠える」「唸る」などの行動は仲間とのコミュニケーションツールの一つです。

時には仲間以外にも外敵や獲物となる他のものに対しても吠えたり唸ったりすることがあります。

しかし野生でいた頃と比べ、人と暮らすようになったことで吠える行動は確実に増えます。

「暮らす環境」も理由の一つですがそれだけではありません。

人は吠えている犬に対して、吠えている原因を考え、吠えを止めさせるために何かしらの行動を起こしたりします。

実はこれこそが犬が吠えてしまう原因なのです。

【ゲージの中で吠えている時】あなたならどんな対応をしますか?

シーン:ケージの中にいる犬が吠えています

対応:「ケージから出してあげる」「おもちゃおやつをあげる」「そばにいって声をかける」

実は3つどれも犬に吠えることを教えてしまう行動です。

この場合犬が吠えている本当の理由はわかりませんが、どれも犬にとってメリットです。

そのため飼い主さんの何気ない行動が知らず知らずのうちに吠えを教えてしまっているのです。

【ピンポンが鳴ると吠える時】なぜ吠えるようになったと思いますか? 

シーン:宅配のお兄さんや新聞配達員が来ると吠える

原因:ピンポンの音に驚いている?

実は驚いているのではなく警戒して吠えているのです。

先程の「ケージの中の犬」と比べると一見犬にとってのメリットは無いように感じますがちゃんとあります。

犬の目線で見てみるとわかりやすいですが、自分の家(テリトリー)に知らない人が来たら多くの犬は警戒します。

そして「ここは僕の家だ!入ってくるな!」と吠えます。

すると宅配のお兄さんや新聞配達の人は帰って行くではありませんか。

犬にとっては「やってやったぜ!僕が吠えたら尻尾を巻いて逃げて行ったぞ」という、達成感につながっているかもしれません。

宅配のお兄さんも新聞配達の人も別に仕事が終わったから帰っただけで、吠えられて逃げたわけではありませんが、犬にしてみればそうなのです。

おやつおもちゃなどの目に見えたご褒美ではなくても「威嚇して吠えた=いなくなった」ということも犬にとってメリットになります。

犬が吠える理由としつけ対策

犬が吠える理由はその時々で変わりますし、犬の性格によっても違います。

吠えは飼い主が知らないうちに気がつくと勝手に学習している行動でもあるので原因特定が難しいですが、「愛犬の性格」と「どんなときに吠えるのか」をよく観察し照らし合わせることで理由がわかってきます。

そして理由がわかれば対策も可能です。

反対になぜ吠えているのかわからないのに吠えをやめさせることは、余計に吠えを強化(増加)させてしまうことに繋がったり、犬に恐怖心を抱かせてしまいトラウマになることもあるので気をつけましょう。

犬が吠える理由としつけ対策①【要求吠え】

①要求吠え

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要求吠えも、飼い主さんが知らずに教えてしまうことが多い吠えの一つです。

・家族の食事中に吠える

・夜中や明け方寝ている時に吠える

ケージの中で吠える

「少しだけ」と思って食卓の上からおすそ分けしたり、「トイレを我慢してるのかも」と心配になって寝ているのに起きて確認したり、「ケージから出して欲しいのかな」とケージから出してあげたり...。

全て愛犬のことを思っての行動ですが、時には「反応しない」ことも大切です。


・今は人が食べる時間。あなた(愛犬)はその後でね。

・今は寝る時間。また明日ね。

・今はおとなしくする時間。後でお散歩行こうね。

このように対策として犬に構わない時間を意識して作るといいでしょう。

ご飯やお散歩はできれば人の用事が終わった後がおすすめです。

犬にとって良いことはご褒美になるので「待ってればちゃんと良いことがある」ということを教えるのにピッタリです。

とはいえ、お留守番の前には運動させて疲れさせておくのも大事なことなので、その日の予定に合わせて優先順位を決めましょう。

犬が吠える理由としつけ対策②【警戒吠え】

②警戒吠え

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警戒吠えは、不安や恐怖を感じたときに出る吠えです。

知らない人が家に来る(近づいてくる)ことだけでなく、親しい人以外からじっと目を見つめられることも犬にとっては警戒すべき出来事です。

動物にとって目をじっと見つめる行為は敵意を向けられている(標的となっている)ことになります。

人間同士でも知らない人とはじっと目を合わせませんよね?これは無意識に「敵意はありませんよ」の合図なのです。

散歩中の犬など「かわいい」と思ってつい目で追ってしまいがちですが、警戒心の強い犬の場合には怖いと感じる行為でもあるので要注意です!

愛犬が警戒心の強い子の場合には、できる限り意識をそらしてあげましょう。

自宅で事前に来客があることがわかっているなら、玄関から遠い場所で過ごさせてあげたり、散歩中には吠える前から人が通りすぎるまで、声掛けやおやつで飼い主に注意を向けるなどが有効です。

犬が吠える理由としつけ対策③【興奮吠え】

③興奮吠え

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興奮吠えは嬉しい時にも怒っている時にもする吠えです。

中には「尻尾を振っているから喜んでいると思っていたのに触ろうとしたら噛まれた」という経験がある人もいるかもしれません。

犬が尻尾を振るのは嬉しいからではなく「興奮している時」です。

怒って吠えている場合には、速やかに怒りの原因を取り除いてあげることが大切です。

吠えの後にはいつ攻撃行動がでるかわかりません。

犬のサインを見逃さないようにしましょう。

嬉しくて吠えてしまう場合には落ち着かせてあげましょう。

例えば、飼い主さんが帰宅すると嬉しくて吠えてしまうのであれば、犬が落ち着くまでは目も合わせず声もかけず無視します。

大好きな飼い主さんが帰って来てくれたという嬉しい出来事に続いて、「ただいま~」となでたりすることはさらに犬を興奮させる要因です。

犬自身に落ち着くことを覚えてもらうためにも、「むやみに興奮させない」ようにしましょう。

犬が落ち着いたら穏やかな声と、ゆったりとした動きでコミュニケーションをとってあげてください。

まとめ

まとめ

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うるさいから「吠えるな」というのは人の都合です。

犬にとって吠えるという行動は意思表示の一つでもあります。

「吠えたらダメ」なのではなく、「吠えさせない工夫」を考えてあげましょう。

人間社会で暮らすうえでは最低限のしつけと、なにより飼い主さんが愛犬のことを理解し臨機応変に対処してあげられるかが大切で、望ましいことです。

しつけでつまずいたときには愛犬の気持ちになって考えてみるとわかることもあります。

そして、毎日触れ合ったり一緒に遊んだりする時間と落ち着く時間のメリハリをつけてあげることで、しつけもぐっと楽になると思います。

ライタープロフィール

長根 あかり Akari Nagane

長根 あかり Akari Nagane

【経歴】 2017年 帝京科学大学 アニマルサイエンス学科卒業。 卒業後、株式会社シロップで約2年間勤務。ウェブメディア『ペトこと』や、保護犬猫とのマッチングサービス『OMUSUBI』で犬猫の飼い方を中心に執筆。 ペットイベントへの取材・編集、「犬猫との暮らし」「犬とのお出かけ」などをテーマとした連載記事も担当。 退職後は犬のしつけ・トレーニングのアドバイスをする傍ら、都内にある犬猫の保護シェルターで勤務。犬猫のお世話だけでなく譲渡会へも参加し保護の現場を学ぶ。 【資格】 2017年2月 ドッグトレーナー 2017年3月 動物介在教育アドバイザー 2018年3月 愛玩動物飼養管理士 【ペット歴】 幼少期は、金魚をはじめオタマジャクシ、カエル、アゲハチョウ、ザリガニなどを飼育。 祖母の家に行けば4匹の猫と遊び、休日は公園に集まる散歩中の飼い主さんに声をかけ犬に遊んでもらっていました。小学4年生から中学3年生までシマリス「シママ」と暮らし、大学3年生になり保護犬のアルを迎え現在に至ります。 【愛犬とのエピソード】 幼い頃から犬と暮らすことが夢だった私にとって、アルとの出会いで昔からの夢が一つ叶いました。 これまでたくさんの犬と触れ合ってきましたが、実際、四六時中一緒にいるとそれまで意識したことがなかったことも気になって不安になる夜もありました。 家に帰ると乳歯が落ちていて驚いたり、撫でているときに「あれ?ここって骨出っ張ってたっけ?」と急に心配になったり・・・。 寝息を立てているアルの隣で寝ようとしたときに、自分の呼吸のリズムがわからなくなって一緒に寝るのを諦めたこともありました。 まだ学生でしたので、お留守番前の朝はしっかり散歩をして授業が終われば帰って一緒に遊ぶ日々。週2日は朝の部活にも一緒に行ってトレーニングをして、時には一緒に授業に行って実習を受けることもありました。 そんなアルとの生活ですが、アルは警戒心が強く人や環境に慣れるのに時間がかかりました。行動学やトレーニングを学んでいるとは言え、性格はそれぞれなので後はお互い手探りしながら、アルのペースでゆっくり一緒に成長してきたように感じています。 人から学べることもたくさん有るけれど、結局は犬から教えられることの方が多いなと毎日が学びの日々です。 【趣味】 多趣味なのでインドアもアウトドアも好きですが、やっぱり動物や自然に触れ合える場所に行くことが多いです。 友達と犬連れで車を走らせて、油壺マリンパークやマザー牧場などに日帰りの弾丸旅行をすることもしばしば。(犬なしで行くなら、横浜動物園ズーラシア・京都水族館・名古屋港水族館がおすすめです!) 最近ではペットOKの観光地も増えていますし、何よりドッグランのあるサービスエリアが増えているので、気になってわざわざ寄り道しちゃいます。 【ペットへの想い】 私にとってペットは、友であり、兄弟であり、子供であり、かけがえのない存在です。 家族や友達には相談できないこともペットには相談できる。辛いことがあったとき、悲しいことがあったとき、ただそばにいてくれるだけで安らぎ、乗り越える力をくれるのもまたペットたちです。 犬でも猫でも鳥でも、ヘビやトカゲであっても人とペットの繋がりは変わらないと思います。 年齢に似合わず『世界名作劇場』のシリーズが好きなのですが、作品の多くが主人公とパートナーである動物が支え合って一緒に困難を乗り越える物語です。 また、現代では動物を介在させることで治療やリハビリ、子供教育にも大きな影響を与えることがわかっており、さまざまな場面で動物との活動が行われています。 そんな切っても切れない人とペットとの関係が、今後もっともっと良くなることを願っていますし、暮らしやすくなるように活動していきたいと思っています。

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