【獣医師監修】ポメラニアン、寒さに強く暑さに弱い。性格や特徴、寿命や注意する病気は?

ふわふわもこもこのポメラニアンは、長年、日本の人気犬種の座をキープし続けています。最近はインスタでも大人気!そんなキュートなポメラニアンの成り立ちからかかりやすい病気までを知って、飼い主さんも愛犬も快適でストレスフリーな生活を送りましょう。

【獣医師監修】ポメラニアン、寒さに強く暑さに弱い。性格や特徴、寿命や注意する病気は?
出典 : pixta_7879293

ポメラニアンの原産は?(そり犬を祖先に持つ)

そり犬を祖先に持つポメラニアン

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ポメラニアンはスピッツの仲間です。

スピッツ一族には多数の犬種が名を連ねていて、柴犬、秋田犬、シベリアン・ハスキー、サモエドなどもポメラニアンと同族。

スピッツという言葉はラテン語で尖っていることを意味するとおり、ポメラニアンも立ち耳や尖った口吻など、スピッツ族の特徴を備えています。

スピッツ一族の多数は、ノルウェーやフィンランドなど北方が原産の犬種で、寒さの厳しい地方でそり犬として活躍していました。

冷たい空気が肺まで直接達しないように長い口吻を持ち、吹雪の中で眠るときに冷気を吸い込まないために、顔をうずめられるふさふさの尾を備えているのです。

北方からドイツに渡って固定化されたジャーマン・スピッツを、さらに小型化して誕生したのが、ポメラニアンです。

実は原産国ドイツでは、ポメラニアンとは呼ばれていません。

ドイツでは、5種類のジャーマン・スピッツをサイズが大きいほうから順に、ウルフ・スピッツ、ジャイアント・スピッツ、ミディアム・スピッツ、ミニチュア・スピッツ、トイ・スピッツと定め、ポメラニアンはトイ・スピッツに該当し、ドイツでは超小型を意味するツベルク・スピッツと呼ばれています。

ポメラニアンの体高は、20cm前後。スピッツ一族の中では最小サイズです。

オレンジやチョコレートやブラックなど、毛色が多彩なのも、ポメラニアンの特徴であり魅力のひとつと言えるでしょう。

ポメラニアンの性格と特徴

ポメラニアンの性格と特徴

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ポメラニアンの祖先であるそり犬の特性は、甲高い鳴き声でよく吠えること。

吹雪で視界が悪くなると、鳴き声を使ってそり犬同士で位置を確認しあったり、吠えて自分たちの居場所を人に教えたりする必要があるからです。

ミニチュア・スピッツの改良種である日本スピッツが、うるさい犬種という烙印を押されてしまった時代があるのも、こうした理由から。ポメラニアンと暮らすのであれば、なるべく吠えないようにしつけを行うのは必須と言えるでしょう。

小型犬とはいえ、そり犬の血を引いているので運動欲求は高め。

活発なポメラニアンの作業意欲を満たしてあげるために、散歩は毎日行ってあげましょう。

散歩でストレス発散ができれば、よく吠える問題を解決する手立てにもなります。

ポメラニアンは洋服が似合う犬種ですが、実は雪や水分を弾ける硬いオーバーコートを持っています。

少しの雨ならば、散歩時にレインコートは不要。むしろ梅雨時などの高温多湿な時期は、保温にすぐれたアンダーコートのせいで体に熱がこもったり蒸れたりする原因に。寒さには強い犬種ですが、暑さには弱いので気をつけてあげましょう。

夏の散歩や旅行では、クールグッズを活用してあげてください。そり犬ならではの特性である高い協調性も、ポメラニアンは受け継ぎました。

そり犬は、10~20頭の隊列が足並みをそろえなければなりません。多頭飼育をしたいのであれば、ポメラニアンは最適です。

ポメラニアンの平均寿命は?

日本の家庭犬の平均寿命は14歳あまりと言われていますが、ポメラニアンの場合は12~15歳が平均的な寿命と考えられています。

ポメラニアンがかかりやすい病気には寿命が短くなってしまうものもあるため、健康管理に気遣いつつ、病気の早期発見と早期治療に努めれば、ご長寿ポメラニアンになってくれるでしょう。

ポメラニアンのかかりやすい病気

ポメラニアンのかかりやすい病気

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ポメラニアンがかかりやすい病気のうち、子犬期に発見できるものもいくつかあります。

そのひとつが、水頭症。

チワワなど超小型の犬に見られる病気で、子犬のうちから食が細い、痩せているといった状態であったり、ぼーっとしていて知能が発達している様子が見られない、歩行や動きに異常が見られるといった神経症状が見られたら、獣医師に相談を。

内科治療を行いますが、薬に対する反応が良くないと短命になる可能性もあります。

小型犬に多い、膝蓋骨脱臼(パテラ)もポメラニアンによく見られます。

遺伝的な素因がパテラの発症の一因ともされていますが、ポメラニアンとの生活では、滑る床は厳禁。

高いところからジャンプしないですむような生活も、重症化を防ぐのに重要です。

ポメラニアンは、呼吸器疾患にも注意が必要です。とくに、気管虚脱は発症例が少なくありません。

興奮したときや暑い時期に、口を開けて呼吸をし始めると、「ガーガー」、「ゼーゼー」、「ブヒブヒ」といった音を発するのが特徴。

中高齢期に症状が悪化するので、若齢期から気管を圧迫する首輪はなるべく避けて、ハーネスで散歩しましょう。

通称ブラックスキンと呼ばれる原因不明の皮膚疾患、アロペシアXを発症するポメラニアンもいます。

別名ではポメラニアン脱毛症とも呼ばれ、発症しやすい血統があることから、遺伝的な素因があると考えられています。

2歳を過ぎる成犬期から発症が見られ、初期症状は被毛がギシギシとしてきて、胸やわき腹などの被毛から抜け始めます。

症状が進むと、全身が脱毛してきて、皮膚が黒ずんできます。

症状が進んでからの治療は時間を要するので、できれば初期段階に気づいて治療を開始しましょう。

北方系のスピッツを祖先に持つポメラニアンの皮膚は、そもそも日光に強くないため、皮膚が陽光を浴びるようなサマーカットは控えるのが無難です。

ポメラニアンのお手入れの秘訣

ポメラニアンのお手入れの秘訣

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ポメラニアンは保温性の高いアンダーコートと、風雪から身を守るための豊かなオーバーコートを持っています。

毛量が多く、春と秋には換毛期が訪れるため、抜け毛に悩む飼い主さんは多いことでしょう。

そんなポメラニアンの抜け毛対策の必須ポイントは、毎日のブラッシング。

ポメラニアンのブラッシングには、地肌を傷つけないピンブラシが適しています。

ブラシとの摩擦で被毛が切れるのを防ぐために、ブラッシングスプレーをしてから、やさしくブラッシングをしてあげてください。

ポメラニアンは被毛や皮膚がベタベタしないタイプの犬種。

シャンプーやトリミングは月に1回程度(高温多湿の時期は2週間に1回程度のシャンプー)がベストであると言われています。

抜け毛が多い犬種なので、旅行に行く際は抜け毛の飛散量を減らせる洋服を持参するのがおすすめです。

ポメラニアンの価格相場は?

ポメラニアンの価格は15~50万円と、かなり幅があります。

めずらしいコートカラーのポメラニアンは価格が高い傾向にあります。

まとめ

まとめ

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コートカラーによって、見た目の印象も異なるポメラニアンは、多頭飼育がしやすい犬種でもあります。

明るく元気な、スピッツ一族最小のポメラニアンの個性を受け入れて、お手入れや健康管理をしながら、一緒に楽しい日々を過ごしてくださいね!

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野
麻布大学獣医学部獣医学科

・資格
獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト

・職業
獣医師
ペットスペース&アニマルクリニックまりも

・所属団体、学会
一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事)

・著書(一部)

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著者名: 愛犬の友編集部 編


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著者名: 愛犬の友編集部 編


・職業上でのペットとの関わり
普段犬猫の診察をしています。
飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。

・飼っている動物
シーズー

・ペット歴
ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア)

・ペットへの想い
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。

現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。
毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。

プライベートでは一児の母。
愛犬はシーズー。
家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています

・ペットに関するエピソード
シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。
2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。
動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。
犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター/ドッグ・ジャーナリスト。
旅行誌編集者を経て、フリーライターに。独立後は週刊トラベルジャーナルや企業広報誌の紀行文のほか、幼少期より詳しかった犬のライターとして『愛犬の友』、『ペットと泊まる宿』などで執筆活動を行う。30代でオーストラリアにドッグトレーニング留学。帰国後は毎日新聞での連載をはじめ、『週刊AERA』『BUHI』『PetLIVES』や書籍など多数の媒体で執筆。著書に『室内犬気持ちがわかる本』『うみいぬ』がある。

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