【獣医師監修】トイ・プードルの性格や種類、平均寿命は?飼い方、注意する病気、価格は?
日本でここ数年、飼育頭数の人気ナンバーワンをキープし続けるトイ・プードル。 見た目も愛らしく、賢くて、お出かけや旅行を一緒にするにもサイズ感がぴったり!そんなトイ・プードルの気質やかかりやすい病気などを知って、もっと楽しいトイプーライフを送りましょう。
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目次
トイ・プードルの種類や原産国は?

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プードルには、最大のスタンダード・プードルをもとに、それを小型化した、ミディアム・プードル、ミニチュア・プードル、そしてトイ・プードルの4種類があります。
トイ・プードルの理想的な体高は、24~28cmです。
原産国フランスでのプードルの呼び名は、「鴨犬(カニーシュ)」。鴨を回収する水猟犬として活躍していたため、その名が付けられました。
ドッグショーではコンチネンタルカットなどと言われる、手首と足首の被毛はポンポンのように残し、腰回りを刈り込むスタイルは、おしゃれで行ったわけではなく水猟をしやすいための工夫。
水中で浮きの役割を果たせるように手先をふわっとさせ、冷えを防ぎたい心臓や内臓部は保温のために毛を残し、泳ぎやすいように肘まわりや腰や太もも周辺は被毛を除いてあるのです。
もともとの毛色は、白と黒とグレーでした。そのため、ドッグショーでは現在もレッドやアプリコット色のプードルが出陳することはまれ。
ペットとしては、テディベアカットが似合うことなどの理由で、レッドやアプリコット色のトイ・プードルの人気が日本では高まっています。
大きなサイズのプードルが小型化されていき、トイ・プードルは貴族の愛玩犬となりましたが、その過程でトイ・プードルには宮殿のドアベル代わりに吠える役割も与えられたため、プードルの中では最も吠えやすい習性を持ちます。
愛玩犬として品種が固定化されたといっても、トイ・プードルには水が好きというDNAがきっと残っているはず。
一緒に旅をするならば、愛犬を泳がせてあげられる海や、犬用プールや犬が入れる温泉がある宿泊施設がオススメです。
トイ・プードルの性格と特徴

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水猟犬であったプードルは泳ぎが得意なのはもちろん、身体的にも頭脳的にも並々ならぬ能力を持っています。
フランスやロシアなどではかつて、プードルを二足歩行させて、サーカスドッグとして活躍させていた時代もありました。
現在のトイ・プードルは、アジリティーなどのドッグスポーツや、ドッグダンスでも大活躍! その華麗な姿は、インスタなどのSNSで多数目にすることができます。
性格的には、明るくて意欲満々ですが、少々神経質な面も持ち合わせています。
知能が高い犬種なので、一度嫌な思いをするとそれをいつまでも覚えていて拒否するようになったり、先回りをして考えて尻込みをしてしまったりするトイ・プードルも少なくありません。
苦手なものをなるべく作らないように、子犬の頃からおやつを使って焦らずコツコツと社会化に取り組めば、トイ・プードルの良さを伸ばしてあげられるでしょう。
理解力が高いので、トイレをはじめ、あらゆるしつけやトレーニングを行ってもどんどん吸収していきます。
そういう意味でも、犬と暮らすのが初めてであったり、赤ちゃんがいる家庭でも飼いやすい犬種であるのは間違いありません。
番犬というよりも、群れで行動するタイプの猟犬をルーツに持つので、トイ・プードルも独りでいるのは比較的苦手。
どうしても、飼い主さんへの依存心が高くなりがちです。
留守番が長くない家庭のほうが、向いているかもしれません。
もし留守番が必要ならば、ドッグトレーナーさんや犬の幼稚園といった施設のサポートを受けながら、飼い主さんと離れても不安にならないようにレッスンを重ねれば安心です。

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トイ・プードルの平均寿命は?

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トイ・プードルはペット保険のアニコム損保が行った調査(2016年発表)でも、平均寿命が2位の14.7歳にランクインするなど、長生き犬種のひとつとして有名です。
病気をなるべくさせないような健康的な生活に気を付けて、もし病気をしたとしても早期発見と早期治療に努めれば、15~17歳くらいまで生きてくれるのではないでしょうか。
トイ・プードルのかかりやすい病気

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トイ・プードルは四肢が長めで肢の骨が細いので、骨折に注意しましょう。
機敏な動きをするので、飼い主さんが油断した瞬間に飛び降りないよう、抱っこの際はしっかりとホールドしておいてください。
運動神経は抜群なのですが、高いところから飛び降りることは、骨折以外にもトイ・プードルがかかりやすい病気のひとつである膝蓋骨脱臼(パテラ)の発症リスクを高めます。
滑らない床での生活や、ジャンプの少ない生活を心がけるようにしたいものです。
正式な犬種名ではありませんが、ティーカップ・プードルと呼ばれるような小さなサイズのトイ・プードルは、チワワがなりやすい水頭症が見られるケースもあります。
脳脊髄液が増えて脳が圧迫され、様々な神経症状が出る病気が水頭症です。
子犬期に愛犬の動きに活発さや意欲が見られない場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
眼疾患も、トイ・プードルには比較的見られやすい傾向にあります。
遺伝的な素因が関係し、最終的には失明に至る進行性網膜萎縮(PRA)にかかると、残念ながら病状の進行を遅らせる対症療法しかできません。
加齢が原因のものではなく、成犬になって数年で白内障にかかるケースもあります。
愛犬の目の状態や動きをよく見るようにするとともに、ワクチン接種などで動物病院を訪れた際などに定期的に目をチェックしてもらうようにしてください。
神経質な性格のため、ペットホテル滞在などの環境の変化が原因で、寒くないのにブルブルと震える、吐く、下痢をするといった神経的なストレス症状が出現するトイ・プードルもめずらしくありません。
トイ・プードル自身の気持ちが落ち着いて安心できれば、症状も落ち着く可能性がありますが、それらが続くような場合、ほかの病気の可能性もあるので動物病院を受診しましょう。

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トイ・プードルとの暮らしの秘訣

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神経質なタイプのトイ・プードルには、自宅内ではドッグベッドや上部に屋根のないサークルではなく、ぜひ上部と側面が覆われたクレートやケージを用意してあげてください。
家庭犬の祖先は野生時代、洞穴のようなところで外敵や悪天候から身を守ってきました。
そのため、少々神経質なトイ・プードルであっても、すっぽりと身を隠せるような環境にいると、安全基地と感じて安心ができるはずです。
日頃からケージやクレート内で給餌をすると、ますますケージが好きになってくれるでしょう。
トイ・プードルはシングルコートの犬種です。
極端なサマーカットをすると、地肌が直接太陽の光を受けて、かえって体が熱を吸収することになるので要注意。
冬の寒さは、いくらヨーロッパ原産の犬種とはいえシングルコートの体には堪えます。
冬の旅行や外出時は洋服を着せて、防寒対策を万全に。

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トイ・プードルの価格相場は?

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トイ・プードルの価格は25~50万円。
血統やコートカラーによって値段は違ってきます。
オスよりもメスのほうが、一般的には高額です。
トイ・プードルのまとめ

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シングルコートなので抜け毛も少なく、明朗で利口な性格で、ドッグスポーツもこなす運動神経の良さから、世界的に不動の人気を誇るトイ・プードル。
飼い主さんがおおらかな気持ちで接すれば、きっと愛犬もそれを鏡に成長して、どこへ連れて行っても愛される犬に育ってくれることでしょう。

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監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)
・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました
…続きを読むライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui
フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。
…続きを読む編集部のおすすめ記事
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