【獣医師監修】外見はクールでも中身はホットなシベリアン・ハスキーとの快適生活

90年代に日本でも大ブームを巻き起こした、シベリアン・ハスキー。 初代に魅了され、2代目、3代目と新しいシベリアン・ハスキーを迎える人も増えているとか。 暑さには弱いけれど、寒さには強くて元気いっぱい。 そんなシベリアン・ハスキーとの暮らしの秘訣を紹介します。

【獣医師監修】外見はクールでも中身はホットなシベリアン・ハスキーとの快適生活
出典 : pixta_47489428

シベリアン・ハスキーの歴史

シベリアン・ハスキーの歴史

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シベリアン・ハスキーはスピッツの仲間です。スピッツとは、ドイツ語で「尖っている」という意味。
雪深い地域を原産とするスピッツ族は、冷気をそのまま肺まで送らないで済むように、長く尖った口吻を持っているのが特徴です。
サモエドやアラスカン・マラミュートが近縁の犬種であるシベリアン・ハスキーは、犬種名のとおりシベリアの北東部が原産の中型の作業犬です。
冬はそり犬として、夏はボートを引く犬として、イヌイットやチュクチ族の人々と生活をともにしてきたと伝えられています。
ハスキーという名の由来は、遠吠えの声がハスキーであったことから。
アラスカで1909年に行われた犬ぞりレースでチャンピオンになったのを機に、世界に知られることとなり、人気が広がって行きました。

シベリアン・ハスキーの性格と特徴

シベリアン・ハスキーの性格と特徴

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シベリアン・ハスキーは、日本では大型犬に分類されることもありますが、海外では中型犬とされています。
メスの体重は15.5kg~23kgくらい、オスは20.5kg~28kgが標準的です。
そり犬ならではの、軽やかな足取りが見る者の目を惹きつけることでしょう。
パワーとスピードを兼ね備え、耐久力があります。シベリアン・ハスキーに充足した毎日を過ごさせてあげるには、比較的長時間の散歩が欠かせません。
そり犬として、ほかの犬と足並みを揃える必要があったため、フレンドリーで温厚な性格を持っています。
人の指示に従って行動するのも、もちろん得意です。
その性質から、よき家庭犬としてブームになったことは想像にかたくありません。

シベリアン・ハスキーには、オッドアイと呼ばれる左右の目の色が違う犬がいます。
もともと雪深い地域で暮らしていてメラニン色素が薄いため、青い目のシベリアン・ハスキーが主流でした。
ところがシベリアから南下していくにつれ、太陽光から目を守るために目の色が茶色っぽく変化してきたと言われています。
現在では、両目が茶色の個体もいますが、片目ずつ茶色と青色がミックスしたオッドアイのシベリアン・ハスキーが見られるようになりました。
シベリアン・ハスキーのオッドアイは病気ではないので、心配はいりません。
チワワのようなつぶらな瞳とは対極的な、オオカミを思わせるシベリアン・ハスキーのクールな目もまた、ハスキー愛好家にとっての魅力と言えるでしょう。

シベリアン・ハスキーと楽しく旅行をするには

シベリアン・ハスキーと楽しく旅行をするには

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そり犬であったシベリアン・ハスキーは、体を動かすことが大好き。
一緒に旅行をするのであれば、思う存分走らせてあげられるようなところが理想的です。
雪のある場所を駆け巡れば、祖先から受け継いだ血が騒ぎ、大喜びしてくれるはず。
ただし、吹雪からも身を守れるほど厚いコートを備えているので、暑さは苦手。
夏の旅行は、可能な限り避暑地を選んであげましょう。

シベリアン・ハスキーとの旅行で必ず持参したいのが、洋服です。
春と秋の換毛期には多量の抜け毛が見られるので、観光地や宿泊先で抜け毛が飛び散らないように、洋服を着せるとよいでしょう。
夏ならば、ひんやり感じられる工夫が施された洋服をチョイスすれば、一石二鳥。

旅行中のみならず、本来の運動欲求が満たされないと、ストレスが原因で吠えたりするケースもあります。
なるべく、ストレスが発散できるチャンスを与えてあげられるように旅行中も気遣ってあげたいものです。
パワーがあるので、子犬のうちからトレーニングをしっかりしておいて、スマートにお出かけができるように準備しておくのも重要です。

シベリアン・ハスキーの平均寿命は?

シベリアン・ハスキーの平均寿命は?

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すべての犬種に共通しますが、屋外で飼育するか室内で一緒に暮らすかによって寿命は異なります。
屋外は体温の調節にエネルギーを消費したりと、室内に比べて環境が過酷になるので寿命が短くなる傾向にあります。
とくに日本の暑さにはシベリアン・ハスキーは弱いため、室内のエアコンの効いた部屋で過ごさせるのとでは体力の消耗が明らかに違ってきます。
また、そり犬として多頭で生活していて孤独が苦手なシベリアン・ハスキーが屋外で、飼い主さんとの交流もなく過ごすと大きなストレスになることも想像できます。
大型犬に近いサイズですが、ぜひ室内で飼育してあげてください。
そうすれば、平均的に12~15歳ほど生きてくれるでしょう。

シベリアン・ハスキーのかかりやすい病気

シベリアン・ハスキーのかかりやすい病気

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眼疾患

シベリアン・ハスキーは、遺伝的な病気である進行性網膜萎縮症(PRA)にかかる可能性があります。
暗い場所が見えづらくなる夜盲症で、飼い主さんはPRAの発症に気づくケースが多いようです。
いずれは視覚を失いますが、早期の発見による治療で、病気の進行を遅らせるようにします。
白内障や緑内障も、シベリアン・ハスキーには見られることが少なくありません。
シベリアン・ハスキーと暮らすのであれば、定期的に眼病のチェックをするように心がけてください。

てんかん

1歳から5歳までに最初のけいれん発作が起きることが多い、脳の病気です。
けいれん発作の頻度は様々ですが、発作が頻発する場合は、抗けいれん薬を用いての緊急治療を開始する必要があります。
完治させられない病気なので、発症してしまったら、生涯にわたっての投薬治療が必要になります。

膝蓋骨脱臼

大型犬よりも小型犬に多く見られる、膝のお皿がはずれる膝蓋骨脱臼(パテラ)。
大型に近いシベリアン・ハスキーですが、実は発症例も少なくありません。
遺伝的な素因が関係すると考えられている関節疾患で、滑る床での生活が発症リスクを高め、発症後の症状を悪化させます。
子犬のうちから、フローリングなどの滑る環境は厳禁。
発症すると小型犬では温存療法も選択肢に上がりますが、体重の重いシベリアン・ハスキーでは加齢に伴って関節が変形する危険性が高いので、若齢での外科手術による治療も検討が必要になるでしょう。

皮膚疾患

原産が極寒地域のためか、日本のような高温多湿の環境では、皮膚トラブルを抱えるシベリアン・ハスキーがめずらしくないようです。
アトピー性皮膚炎をはじめ、膿皮症、梅雨に多く見られる急性湿性皮膚炎(ホットスポット)、亜鉛性欠乏性皮膚炎など、様々な皮膚トラブルが現れる可能性があるので、痒がっている様子や皮膚の異常を発見したら、なるべく早めに動物病院へ。
皮膚の通気性をよくするために、こまめなブラッシングは必須です。

シベリアン・ハスキーの価格相場は?

シベリアン・ハスキーの価格相場は?

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シベリアン・ハスキーの価格は15~40万円ほどです。
成犬に近づくにつれてサイズが大きくなると、価格は下がる傾向にあります。

まとめ

まとめ

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オオカミを彷彿とさせるクールな風貌、帰属意識が高く家族想いな性格など、ほかの犬種にはない魅力を、シベリアン・ハスキーは備えています。
ほかの犬や人にも有効的なので、一緒に旅行しても安心な犬種です。
ただし、原産地とはかなり違う高温多湿な日本で一緒に過ごすには、なるべくエアコンを活用して湿度や温度をコントロールしつつ、1日最低でも1時間以上の運動をさせて、飼い主さんも愛犬も笑顔いっぱいの毎日を過ごしてくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野
麻布大学獣医学部獣医学科

・資格
獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト

・職業
獣医師
ペットスペース&アニマルクリニックまりも

・所属団体、学会
一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事)

・著書(一部)

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著者名: 愛犬の友編集部 編


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著者名: 愛犬の友編集部 編


・職業上でのペットとの関わり
普段犬猫の診察をしています。
飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。

・飼っている動物
シーズー

・ペット歴
ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア)

・ペットへの想い
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。

現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。
毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。

プライベートでは一児の母。
愛犬はシーズー。
家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています

・ペットに関するエピソード
シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。
2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。
動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。
犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター/ドッグ・ジャーナリスト。
旅行誌編集者を経て、フリーライターに。独立後は週刊トラベルジャーナルや企業広報誌の紀行文のほか、幼少期より詳しかった犬のライターとして『愛犬の友』、『ペットと泊まる宿』などで執筆活動を行う。30代でオーストラリアにドッグトレーニング留学。帰国後は毎日新聞での連載をはじめ、『週刊AERA』『BUHI』『PetLIVES』や書籍など多数の媒体で執筆。著書に『室内犬気持ちがわかる本』『うみいぬ』がある。

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