【獣医師監修】犬の寄生虫ジアルジア(ジアルジア症)に感染したら?予防法は?

ジアルジアという寄生虫に感染したら、愛犬にはどのような症状が現れるのでしょうか? 聞きなれない名前かもしれませんが、とくに子犬を迎えたばかりの飼い主さんは、子犬に症状が出やすいジアルジアについて頭に入れておきましょう。

【獣医師監修】犬の寄生虫ジアルジア(ジアルジア症)に感染したら?予防法は?
出典 : pixta_49586729

ジアルジアとは

ジアルジアとは

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ジアルジアは原虫に類する寄生虫です。原虫とは、細胞1個で成り立っている生物です。
人や犬は多数の細胞が集まって一個体が作られていますが、原虫は原生動物と呼ばれるようなタイプの生物です。
原生動物が繁殖をする際は、細胞分裂によって数が増えてくのも特徴のひとつ。
寄生した宿主の体内の条件が整えば、比較的容易に増殖していくので注意しなければなりません。

ジアルジアは、鞭毛虫類(べんもうちゅうるい)というグループに属する原虫。
犬だけでなく、猫など多くの動物に寄生することはわかっていますが、いまだに解明されていない点も少なくありません。
ただ、犬や猫に寄生するジアルジアが人間に感染する可能性は低いと考えられています。

動物の小腸に寄生するジアルジアは、多数の動物が飼育されているペットショップやブリーダーの犬舎、動物の保護施設などで集団的に発生を起こすケースが多いようです。

ジアルジア症に感染したらどんな症状が出る?

ジアルジア症に感染したらどんな症状が出る?

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ジアルジアは人の肉眼では確認できないほどの小さな寄生虫です。
ジアルジアに愛犬が感染すると、消化器症状が現れることが多いと言われています。
ただし、成犬の場合は、ジアルジアに感染しても目立つ症状は現れないことが多いでしょう。
子犬がジアルジアに感染すると、下痢が主症状となります。
多くは感染後1週間ほどで、粘液性や水様性の下痢が始まります。
子犬の食欲の低下や元気の消失は見られないケースが多いようですが、寄生虫に栄養を取られ、下痢によって体力を消耗するので発育不良に陥ることもめずらしくありません。
通常の子犬であれば日を追うごとに体重が増加するものですが、ジアルジアに感染した子犬は体重が減少していくこともあります。

ジアルジア症の検査と診断方法

ジアルジア症の検査と診断方法

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ジアルジア症が疑われる場合、飼い主さんは必ず新鮮な糞便を持参しましょう。
そして、以下のことを獣医師に伝えられるように用意しておいてください。

・下痢がスタートした時期
・子犬を迎えた場所とその環境
・数週間以内に犬が多く集まる場所を訪れたかどうか
・下痢のほかにどんな症状があるか
・食欲はあるか
・元気は失っていないか

問診をして獣医師がジアルジア症を疑った場合は、便の中からジアルジア原虫がいないかどうかを検査します。
一般的な検査法は、糞便を生理食塩水で希釈して顕微鏡で観察するというもの。ジアルジアが寄生していた場合、洋なしの形をした栄養型という虫体が動いているのがわかります。
ただ、ジアルジアはサイズが小さいため、顕微鏡での診断では見落としもあります。
検査キットや外注検査を利用して、確実な診断を行う動物病院も少なくありません。

ジアルジア症の治療法

ジアルジア症の治療法

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ジアルジア症を完治させるには、駆虫薬を使って消化器に寄生したジアルジアを死滅させる必要があります。
一般的なメトロニダゾール(フラジール)といった薬を、1日2回、1週間程度続けて感染犬に投与させることになるでしょう。
もし内服治療をしても愛犬の下痢が治らない場合は、別の感染症にかかっている可能性もあるので、その場合はなるべく早く獣医師に伝えてください。
また、メトロニダゾールには下痢や嘔吐をはじめ、いくつかの副作用が現れるケースもあります。下痢が収まらないのは、薬の副作用の可能性も考えられます。
その場合、別の薬が処方されることになるかもしれません。
いずれにしても、副作用と思われる異変が見られたらすぐに獣医師に相談を。
ジアルジアの駆除は、獣医師に経過報告をしながら取り組んでください。

ジアルジアの寄生は予防できる?

ジアルジアの寄生は予防できる?

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寄生虫は不衛生な環境で増殖しやすい傾向にあります。
ジアルジアに限らず、子犬を迎える際には、不衛生な環境で飼育されていないかの確認はしておいたほうが安心でしょう。
ジアルジアの中でも、シストや耐久型と呼ばれる発育段階にある虫体は消毒薬では死滅させられないため、飼育環境は熱湯で洗浄をするのが理想的です。
その後、十分に乾燥させて犬舎やショップ内で蔓延しないようにしなければなりません。
ケージなどには、3%台のクレゾール溶液による消毒方法も、ある程度の効果が期待できます。
なお、ジアルジアの寄生を予防できるワクチンはありません。

まとめ

まとめ

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ジアルジアは人間に感染しませんが、多数の犬がいるペットショップやアニマルシェルターなどでは、しばしば発生と犬への寄生が見られる体内寄生虫のひとつ。
寄生されると自然治癒はしませんが、成犬では症状が見られず、主に子犬に下痢が発症するケースが多いでしょう。
愛犬に下痢が見られる場合は、早期に動物病院の受診を。
ドッグランや旅行先をはじめ、愛犬が数週間以内に訪れた場所を伝えて、もしジアルジア症であった場合は、ほかの犬への感染を広げないためにも早期に治療を開始しましょう。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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