【獣医師監修】パグは飼いにくい?脳炎やいびき、皮膚炎などの病気に注意!平均寿命や性格は?

パグのおちゃめな表情と性格に魅了されている人が、世界中にいます!短頭種ならではの病気には注意が必要ですが、朗らかで穏やかな性格の小型犬なので、初心者でも飼いやすい犬種のひとつ。パグの適切な飼い方や旅先での管理の秘訣を知って、楽しいパグライフを送りましょう。

【獣医師監修】パグは飼いにくい?脳炎やいびき、皮膚炎などの病気に注意!平均寿命や性格は?
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貴族に愛されたパグの歴史

貴族に愛されたパグの歴史

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パグの由来には諸説ありますが、中国が原産国として有力視されています。
それは、同じ中国が原産であるペキニーズと、黒いマズルや鼻ぺちゃ顔、大きな目、コートカラーの種類など共通点が多いからです。
ブルドッグのようなパグの顔のしわは、マスチフとの関連性があると指摘する専門家もいますが、そのルーツに関しては明らかではありません。

パグは、紀元前からの歴史を持つとする説もあります。
さらにパグはヨーロッパの宮廷を描いた絵画にも、15世紀以前からたびたび登場します。
ヨーロッパと中国との交流は紀元前からあるので、シルクロードを通ってパグがヨーロッパに渡っていたとしても、不思議ではありません。
ナポレオンの妻であるジョセフィーヌ、イギリスのビクトリア女王、ロシアのエカテリーナII世もパグの愛好家でした。

このように世界中で愛されたパグは、1900年代になるとアメリカで爆発的な人気犬種に。
戦後、アメリカで誕生したパグが、日本に入ってきたようです。
日本では昭和30年代後半からドッグショーにパグが出陳されるようになり、不動の人気を獲得した現在に至ります。

パグの性格と特徴

パグの性格と特徴

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パグがヨーロッパやアメリカの人々に長年愛されてきたのは、理想的なパートナードッグであった点が大きいと言われています。
性格は、陽気で明るく、人の気持ちを読み取る能力に優れています。
体の割には大きく、1頭1頭違う模様を描くというしわのある顔を人に向けて、ときには首を傾げながら、パグは家族の話を一生懸命聞いてくれるでしょう。
その愛らしさに、世界の人々は虜になっているのです

好奇心旺盛のパグには、毎日の散歩も欠かせません。
体の運動はもちろん、頭の運動にもなる散歩にはなるべく連れて行ってあげましょう。
楽しいことに目がなく、人との交流を喜びと感じるパグは、一緒に旅行をするにもぴったりな犬種です。

フレンドリーでやさしいパグの性格は、多頭飼育や、赤ちゃんのいる家庭にも向いていると言えるでしょう。
そんなパグの良さを引き出すために、子犬の頃から適切な方法でほかの犬や人への社会化を行えれば理想的です。

パグの平均寿命は?

パグの平均寿命は?

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日本の家庭犬の平均寿命は14歳あまりと言われていますが、パグの場合は12~15歳が平均的な寿命と考えられています。
ただし、短頭種で暑さに弱いパグは、若齢でも熱中症で命を落としてしまうことがあります。
健康管理をしっかりとして、パグをなるべく長生きさせてあげましょう。

パグのかかりやすい病気

パグのかかりやすい病気

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短頭種気道症候群

短頭種であるパグは、鼻から気管の入口である喉頭にかけての気道が狭くなっているため、短頭種気道症候群を持っている可能性が高い犬種です。
軟口蓋過長症、外鼻孔狭窄、喉頭虚脱、気管低形成などが単独または複数で起こるのが、短頭種気道症候群。
呼吸をする際の音、いびき、口を開けて荒い呼吸をすることなどが、飼い主さんにも気づきやすい症状です。

とくに軟口蓋過長症と外鼻孔狭窄は発症率が高く、避妊や去勢手術の際にそれらの疾患に対する外科手術を行うことも少なくありません。
呼吸器周辺の筋肉が衰えてくる老犬以降は、短頭種気道症候群の症状は悪化しがち。
自然治癒する病気ではないので、手術をするのであれば、獣医師と相談のうえ2~3歳までに実施するのが理想的です。
呼吸器への負担を減らすため、日常生活では首輪ではなくハーネスを利用して散歩をしましょう。ハァハァと口を開けての呼吸にならないよう、夏は冷房をうまく使用するようにもしたいものです。

脳炎

パグ脳炎やパグ髄膜脳炎と呼ばれていた病気にも、注意が必要です。
パグの名を冠していますが、実際にはチワワやトイ・プードルなどでも発症が見られるため、最近は壊死性脳炎や壊死性髄膜脳炎と呼ばれています。
脳炎の初発は2~10歳くらい。
愛犬が旋回を始めることで発症に気づく飼い主さんが多いようです。
全身性や部分性のけいれん発作もあり、発作を起こすたびに脳がダメージを受け、急死をする危険性から逃れられません。
MRI検査で診断できる脳炎の早期発見と、毎日の生活管理が重要になります。

治療は、脳の炎症を抑えるステロイドと免疫抑制剤を併用しての内科治療が主流です。
もし副作用が出た場合、それぞれの症状を緩和する薬を処方されるでしょう。
けいれん発作を抑制するための薬も欠かせません。
最近では、新しい治療法として抗がん剤を使用する例もあるようですが、いずれにしても、薬の作用の仕方には個体差があるので、脳炎の治療実績のある獣医師のもとで治療に取り組むことをおすすめします。

肥満細胞腫

パグはほかの犬種に比べて、肥満細胞腫という悪性腫瘍(がん)にかかりやすいことが知られています。
とくに、毛色が黒いパグの罹患率が高いようなので、飼い主さんは1歳を過ぎたら愛犬の体表をよくチェックしてあげてください。
イボのような腫瘍が小さいうちに外科手術で除去できれば、命を救える確率が上がります。

皮膚疾患

パグはしわがあることや、もともと脂っぽい体質であることで、皮膚疾患を発症しやすい犬種です。
毛穴に赤いボツボツとした発疹が見られる場合は、膿皮症の可能性が高いでしょう。
進行すると、フケや脱毛も起こります。パグはしわの部分に、皴壁性膿皮症を発症することもあります。

脂漏体質が原因となり、犬の常在菌であるマラセチアという真菌が増殖することも。
マラセチア皮膚炎になると、皮膚が赤くなったり、かゆみを生じます。
皮膚が重なりあう部分や耳道に発症しやすいのも、マラセチア皮膚炎の特徴。
抗菌シャンプーや抗真菌薬などによって治療します。膿皮症やマラセチア皮膚炎が引き金になって、脂漏症を発症するケースもあるので要注意。
愛犬の皮膚に異常が見られたら、早期に原因を突き止めて、適切な治療を行うことが重要です。

パグと楽しく安全に旅行する秘訣

パグと楽しく安全に旅行する秘訣

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パグは警戒心が強くなく、穏やかな性格で、あまり吠えない犬種です。
そんなパグを飼いたい理由のひとつに、「一緒に楽しく旅行ができるから」という点を挙げる人も多いようです。
旅先では、フレンドリーな性格とファニーフェイスを活かして、どこでも人気者になってしまうに違いありません。
表情が豊かなので、写真映えも期待できます。そんなパグとの旅行で注意したいのは、熱中症対策。
もしパグが飼いにくいと言われるとすれば、短頭種で熱中症にかかりやすい点かもしれません。
春から初秋にかけては、保冷剤を仕込めるバンダナやハーネス、ひんやりと感じられる洋服、給水ボトルなどは必携です。
自動車内に、ほんの数分でも留守番させるのは言語道断。
ランチライムはもちろん、いつでも一緒にいられるところを選んで、安全に旅行をしましょう。

パグの価格相場は?

パグの価格相場は?

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パグの価格は10~40万円ほどです。
なるべく、健康な親犬から生まれていることが確認できるようなブリーダーさんやペットショップから迎えたいものです。

パグのまとめ

まとめ

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見た目の愛らしさと独特な雰囲気、温厚で友好的な性格で、世界的に人気の高い犬種であるパグ。
短頭種ならではの病気や熱中症に気を付ければ、それほど運動量も必要なく、幅広い世代の家庭環境で一緒に楽しく暮らせる犬種です!

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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