【獣医師監修】運動神経抜群のパピヨンとの幸せライフの秘訣

パピヨンは長生きすると言われる犬種のひとつ。日本の家庭犬の平均寿命は約14歳と言われていますが、パピヨンは全体平均よりも高い平均寿命を持つようです。13~16歳が平均的な寿命と考えられています。

【獣医師監修】運動神経抜群のパピヨンとの幸せライフの秘訣
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貴族に愛されたパピヨンの歴史

貴族に愛されたパピヨンの歴史

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パピヨンの原産国は、フランスとベルギー。
マリーアントワネットもパピヨンの愛好家で、貴婦人の抱き犬としてヨーロッパ宮廷で人気を博しました。
パピヨンは蝶を意味するフランス語のとおり、飾り毛のある立ち耳が特徴。一方でフランス語で蛾を意味するファーレーンという犬もいて、パピヨンを垂れ耳にしたような外貌を持ちます。
それもそのはず、パピヨンもファーレーンも、FCI(国際畜犬連盟)では、どちらも、コンチネンタル・トイ・スパニエルとして犬種登録がなされていて、立ち耳のバリエーションをパピヨン、垂れ耳のバリエーションをファーレーンとしています。

パピヨンとファーレンの祖先犬は、スペインのスパニエルの一種だという説が有力です。
16世紀にまで遡ることができる記録によると、イタリアでも人気を集めて高値で取引されたとか。
イギリスではバタフライ・スパニエルという別名も持っています。

パピヨンの性格と特徴

パピヨンの性格と特徴

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パピヨンはヨーロッパやロシアで、トイ・プードルと同様にサーカスドッグとして活躍していたほど、抜群の運動神経と賢い頭脳を備える犬種。
昨今は、アジリティーやフライボールなど、ドッグスポーツの大会会場でパピヨンの姿を目にすることもめずらしくありません。
小型犬とでもアクティブなことにチャレンジしたいならば、パピヨンは最適な犬種といえます。
ほかの人や犬に友好的で好奇心も旺盛なので、一緒に旅行をしても楽しめるでしょう。

パピヨンとロングコートのチワワは、見た目がよく似ています。
とくに子犬はそっくりですが、もともとスムースコート(短毛)しか存在しなかったチワワに、パピヨンなどの血を導入してロングコートのチワワを作出したとも言われているので、当然かもしれません。
ロングコートチワワよりもパピヨンのほうが、標準的には四肢が長く、サイズも大きめです。

パピヨンの平均寿命は?

パピヨンの平均寿命は?

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パピヨンは長生きすると言われる犬種のひとつ。
日本の家庭犬の平均寿命は約14歳と言われていますが、パピヨンは全体平均よりも高い平均寿命を持つようです。
13~16歳が平均的な寿命と考えられています。

パピヨンのかかりやすい病気

パピヨンのかかりやすい病気

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パピヨンはほかの小型犬と比べると遺伝性疾患も少なく、それほど病気をしません。
とはいえ、いくつかの病気には注意が必要です。

・膝蓋骨脱臼(パテラ)

小型犬全般に比較的よく見られる、膝のお皿がはずれる病気。
軽度のグレード1から重度のグレード4までの段階に分けられます。
自然治癒することはないので、ワクチン接種のタイミングなどで獣医師に膝の状態を定期的に触診してもらうようにしたいものです。
主には外科手術によって治療しますが、膝周りの関節が変形する前の若齢のうちに手術をしたほうが、予後は順調です。
遺伝的な素因があると考えられている疾患なので、ドッグスポーツをパピヨンと一緒に楽しみたいのであれば、パテラを発症していない親犬や祖先犬から生まれた子犬を、優良なブリーダーから迎え入れるのをおすすめします。

・眼瞼内反症

まぶたが内側に巻き込んでいる先天的な疾患で、まつ毛に刺激されて角膜や結膜の疾患を発症します。
人間でもよく聞く通称は、“逆さまつ毛”。
迎えた子犬に目ヤニや涙が多く見られる場合は、獣医師に目を診てもらってください。
放置しておくと、犬は痛みや痒みを覚えて不快になり、目の傷が悪化するので、外科手術などにより治療が必要になります。

・白内障

パピヨンは長生き犬種なので、老齢になると加齢に伴う白内障にかかる確率が上がります。
老化現象だと放置せず、目薬などによる治療を受けさせてあげましょう。

パピヨンの健康生活の秘訣

パピヨンの健康生活の秘訣

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様々な毛色があり、艶やかなロングコートが印象的なパピヨン。
その美しいコートを保つには、日々のブラッシングが欠かせません。
ピンブラシを使い、抜け毛を取り除いてあげてください。
耳の飾り毛の先などがもつれていたら、スリッカーブラシでほぐすのもよいでしょう。
パピヨンは体臭の少ない犬種ですが、ブラッシングを怠ると被毛についた汚れなどが臭いのもとになります。
その意味でも、是非ブラッシングを日課にしてください。

滑る床での生活は、パピヨンには厳禁。
ジャンプ力があるので、ソファなどからフローリングに着地した際に滑って骨折をしたり、膝蓋骨脱臼を悪化させる恐れがあるからです。

頭脳明晰なパピヨンの知的好奇心を満たす遊びも、充足した毎日を過ごさせるためには欠かせません。
パピヨンにとっては、頭を使いながら取り組む飼い主さんとのトレーニングも遊びになります。
たとえば、室内のどこにいても「ワンツー」の合図でトイレに直行して排泄を行うなど、高度なトレーニングもパピヨンならばマスターできるはず。
屋外の物音などに警戒吠えをするパピヨンには、呼び戻しを強化して、吠えたら飼い主さんの足元に呼び戻してオスワリなどをさせ、おやつをあげるといったトレーニングが有効です。

運動欲求が高い犬種なので、毎日コースを変えたり、ドッグランに立ち寄るなどして、心身ともに満足できる散歩タイムを毎日提供してあげましょう。

パピヨンとの旅行での必須アイテム

パピヨンとの旅行での必須アイテム

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パピヨンと旅行に行くのであれば、長い抜け毛を訪問先に残さないように、洋服を着せると良いでしょう。
夏であれば冷感タイプのウェア、冬は防寒を兼ねたウェアなど、様々なタイプの洋服を用意してあげたいものです。
もちろん、使い慣れたブラシも必須。
被毛についた汚れや砂などを取り除きながら、快適な旅を。
洗い流さないタイプの泡シャンプーなども、汚れをすぐに落とせるので便利です。

活発なパピヨンと旅をするのであれば、ボールやおもちゃも忘れずに。
ドッグランなどの遊び場を備えている宿が、パピヨンには向いているかもしれません。

パピヨンの価格相場は?

パピヨンの価格相場は?

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パピヨンの価格は15~45万円と、幅があります。
多彩なコートカラーも魅力の犬種で、めずらしい毛色や、ドッグショーやドッグスポーツでの入賞歴のある親犬の子犬は価格が高い傾向にあります。

まとめ

まとめ

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病気も少なく健康で長生き。
さらには頭脳明晰で運動神経も抜群。
小型犬ながら、スポーツなどアクティブな活動を一緒に楽しめるのが、パピヨンの魅力です。
マンション暮らしや子供のいる家庭にも向いている犬種ですが、散歩は欠かせないので、どちらかというとシニア世代よりはアクティブな家庭向きと言えるでしょう。
そんなパピヨンと、笑顔の毎日を過ごしてくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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