愛犬の健康診断を受けて、安心&安全な旅を楽しもう!

“獣医さん”と読める10月13日は、ペットの予防医療の普及を目指す獣医師団体“TeamHOPE”の提案によって「ペットの健康診断の日」に認定されています。 愛犬とお出かけを楽しむには健康が第一。pally編集部では、犬の健康状態を把握し、病気の早期発見につながるドッグドック(健康診断)とはどんなものか体験してみました。

愛犬の健康診断を受けて、安心&安全な旅を楽しもう!

いつまでも安心して旅行ができるように

健康診断を受診したpallyライターの愛犬は、10歳のノーリッチ・テリア。
これまで一度も大きな病気をしなかったので、避妊手術と、狂犬病予防接種や混合ワクチン接種、ノミ、マダニ、フィラリアの予防薬をもらいに行く以外は動物病院にほとんど行ったことがありません。
とはいえ、人間の肉体年齢に換算すると50代後半。
血液検査だけでなく、心疾患や腫瘍の有無も詳しく調べられるレントゲン検査と超音波検査も含めた健診パックをチョイスしました。

安心して旅行に連れていくためにも健康診断は大切です。

安心して旅行に連れていくためにも健康診断は大切です。

今回受診したのは、ライターの愛犬がかかりつけの王禅寺ペットクリニック(http://www.ozenji.com/)。
同クリニックは、「これだけ受けておけば安心」というメニューがセットになった“Team HOPE 健診パック”を提供しています。

同クリニックの分院も含めて2015年から2018年まで、のべ274件の犬の健診受診があり、その約7割に「気になる点があった」と言います。
ほか、精密検査が必要なのが1割強、異常なしも1割強だったそうです。
それを知るとやはり、これまで異変が見られなかった犬でも油断はできません。

採血をして血液検査を行います。

採血をして血液検査を行います。

問診からスタート

ライターは愛犬の朝食を抜いて、尿と便を持参し、王禅寺ペットクリニックの分院である禅寺丸ペットクリニック(神奈川県川崎市)へ。
到着すると、まずは副院長の門馬郁美獣医師から、約20項目の問診を受けました。
「排尿や排便の回数や量や色に変化はありませんか?」、「飲水量や食欲に増減はありませんか?」、「皮膚、爪や指の間に異常は見られませんか?」など。
愛犬の身体や行動をよく見ていなかったことに、ライターはまず気づかされると同時に、日頃から愛犬の変化をよく見ておくことが大切だと実感しました。

「今日は、リラックスしてペットドックを受けてね」と、門馬郁美副院長。

「今日は、リラックスしてペットドックを受けてね」と、門馬郁美副院長。

健康診断を受けると、腎機能や肝機能の変化、関節の異常や背骨の変性、白内障や歯周病、尿中の結石や便中の寄生虫の有無などがわかります。

視診と触診では医療器具も登場

まずは、全身の視診と触診から。
「脱水症状もありませんし、太りすぎでも痩せすぎでもありませんね」と、門馬獣医師から言われてライターはひと安心。

目に異常がないかチェック。

目に異常がないかチェック。

目や耳の視診では、医療器具を使って獣医師が細かくチェックしています。
やはり、自宅で飼い主が肉眼で見るのとは違うので、早くも健康診断の意義を実感しました。

耳鏡を使って耳の状態を確認。

耳鏡を使って耳の状態を確認。

続いて、「お口を開けられるかな?」と、門馬獣医師。
「どこでも触れるようにトレーニングをしてあり、歯磨きもしているので大丈夫です」とライターが伝えると、「わぁ、えらい」と動物看護師にもほめられ、心なしか愛犬もドヤ顔になったように見えます。

歯石がだいぶ溜まっていますね

「歯石がだいぶ溜まっていますね…。飼い主さんが術後の生活で歯磨きを日課にできるならば、歯石除去の手術を検討してもいいかもしれません」と、門馬獣医師。

引き続き、門馬獣医師は皮膚の状態を細かく確認していきます。
「皮膚病だけでなく、体表の腫瘍を発見することもあります」とのこと。

指の間などに皮膚の異常があるケースもめずらしくないそうです。

指の間などに皮膚の異常があるケースもめずらしくないそうです。

愛犬はバンザイのポーズになり、胸部や腹部もチェックしてもらいました。
「触診した限りでは、乳腺腫瘍などの異常はなさそうですね」とのこと。
ライター自身も愛犬の乳腺をよく確認するようにしていましたが、獣医師から触診の段階で異常がないと言われれば安心できます。

皮膚のほか、メスは乳腺に腫瘍がないかどうかもチェック。

皮膚のほか、メスは乳腺に腫瘍がないかどうかもチェック。

触診の最後は、関節の動き。
「少しだけですが、膝関節にゆるみが見られます。膝蓋骨脱臼と診断できないくらいのレベルですが、シニア以降は筋肉が衰えてきますし、膝に負荷がかかりやすいので、階段などは抱っこしてあげましょう」とのアドバイスを受けました。

聴診と採血を終えるとレントゲン検査

視診と触診が終わったら、聴診です。
心臓の音を門馬獣医師は注意深く聴いている様子。
「小型犬はシニア期以降、僧帽弁閉鎖不全症にかかることも少なくありません。でも、今回は気になるような心雑音はありませんでした」(門馬獣医師)。

緊張がほぐれてきたところで聴診。

緊張がほぐれてきたところで聴診。

聴診に続いて採血を終えると、愛犬はレントゲン室へ。
人間同様、レントゲン検査では、食道や心臓や肺の大きさ、形に異常がないか、胸部や腹部に水が溜まっていないか、腫瘍ができていないかといった情報を得ることができます。

犬のレントゲン検査

「心臓の肥大といった異常はありません。加齢によって現れやすい変性性脊椎症になりかけている様子がほんの少し見られますが、ほとんど気にならない程度なので安心してくださいね」と、門馬獣医師(※約1週間後の検査結果報告にて)。

超音波検査でわかることも多い

通常、この健康診断パックは、レントゲン検査まで。
けれども筆者は、超音波検査(エコー検査)がセットになった、王禅寺ペットクリニック独自の健診パックを依頼しました。
超音波検査では、レントゲン検査では発見できないような、臓器内の腫瘍、肝臓や脾臓などの状態、胆泥、膀胱内の様子などを知ることができます。
人間と同じように、犬もシニアになると生活習慣病に注意が必要なので、病気の早期発見に超音波検査が役立ちます。

犬の超音波検査

ストレスなく仰向け抱っこができるようにトレーニングしてあるので、超音波検査もスムーズに運びました。

健康診断の重要性を再確認

健康診断から約1週間後、動物病院で報告と説明を受けました。
イラスト入りで詳しくまとめられた報告書をもとに、愛犬の健康診断の結果を門馬獣医師が丁寧に解説してくれました。

門馬獣医師とライターと愛犬のミィミィ。

門馬獣医師とライターと愛犬のミィミィ。

今回、ライターの愛犬には大きな病気は見つかりませんでした。
けれども、歯石と歯周病が気になるポイントであるとのこと。
健康診断の結果から、全身麻酔が受けられることもわかったので、歯石除去などの治療をライターは検討することにしました。

いつか愛犬が病気になったとき、今回の検査結果を「健康な状態の正常値」として活用できるという点でも、受診した意義を感じました。

愛犬が10歳のシニア犬でも健康に問題がないことがわかったので、秋の行楽シーズンにも安心してお出かけや旅行ができそうです。

おわりに

健康診断報告書

成犬は1年で人間に換算して4歳以上、肉体年齢を重ねます。
そう考えると、少なくとも春にはフィラリア抗原検査のついでに血液検査を、秋にはレントゲン検査や超音波検査も含めた健康診断を受けるのが理想的だと言えるでしょう。

病気は早期発見ができれば、早期治療によって愛犬の治療ストレスや肉体的な負担を減らせるうえ、完治させてあげられる可能性が高まります。
そうすれば、元気な愛犬とお出かけできるチャンスが増えることにもなります。
痛みや体の異常を言葉で訴えてくれない愛犬への定期的な健康診断は、愛犬と旅行をする上で大きな安心材料につながるでしょう。

また、旅先で家族以外の人となごやかに触れ合えるためにも、スムーズにストレスなく健康診断の検査を受けられるためにも、愛犬がどこを触られても大丈夫なようにトレーニングしておきたいものです。

ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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