「ただいま!」が聞こえるドッグリゾートを目指して~東京建物リゾート『レジーナリゾート』の挑戦

軽井沢や箱根など全国に9施設を展開する「レジーナリゾート with DOGS」(以下、レジーナリゾート)。ハイクオリティな設備とホスピタリティが多くの愛犬家の支持を集め、常にトップランナーとして日本のドッグリゾート業界を牽引し続けています。今回は、その運営担当者に、同ホテルにかける想いと今後の展望について伺いました。

「ただいま!」が聞こえるドッグリゾートを目指して~東京建物リゾート『レジーナリゾート』の挑戦

「旅先でも、愛犬と一緒に過ごしたい」。お客様の生の声から生まれたレジーナリゾート

―「レジーナリゾート」は、どのような経緯でスタートしたのですか?

西村副本部長(以下、西村):約10年前に弊社が東北地方で運営していたあるリゾート施設で、複数のお客様から「愛犬と一緒に来たい」というご要望をいただいたのが、きっかけです。
このご要望を受けて当時の担当者が一念発起し、一部の客室を愛犬と泊まれる仕様にリニューアル。
これが愛犬家のお客様の間で評判を呼び、多くのお客様にご利用いただけるようになったことから、社として本格的にドッグリゾート事業を手掛けることになりました。
当時は一部のペンションや民宿を除いて、愛犬と泊まれる宿泊施設はほとんどありませんでしたので、手本とすべき先例もないまま、まったくの手探りでのスタートでした。

東京建物リゾート株式会社ホテル事業副本部長 西村 歩氏

東京建物リゾート株式会社ホテル事業副本部長 西村 歩氏

―ドッグリゾートを手掛けるにあたって、注力したのはどのような点ですか?

西村:愛犬と飼い主さんが安全かつ快適に過ごせる空間づくりです。
従来の「愛犬と泊まれる宿泊施設」は、「愛犬と泊まれること」自体が最大の売りで、部屋の快適さや愛犬への配慮は二の次、というところが多かったのです。
でも、それではせっかくお金を払って泊まりにきていただく甲斐がありません。
そこで弊社は「愛犬と泊まれるんだから、これくらいは我慢してもらって…」という施設側の甘えや妥協を一切廃し、飼い主さんにも愛犬にも快適に満足して過ごしてもらえるラグジュアリーなリゾートを目指すことにしました。

島田主任(以下、島田):快適さを支える「安全」にも、力を入れました。
事業スタート当時は、自社内に犬に詳しい社員やスタッフがほとんどいませんでしたので、外部からドッグトレーナーなど犬の行動や習性に詳しい専門家の方をお招きし、例えば犬が噛んでしまわないように通常よりも高い位置にコンセントを配置する、床は滑りにくい素材の物を使う等のアドバイスをいただき、それらを一つひとつ、部屋づくりに反映していくことで、愛犬が安全に過ごせる部屋を実現していきました。
愛犬と泊まれる宿泊施設にありがちな「臭い」の問題も、専門家監修の防臭対策を講じるだけでなく、飼い主さんに愛犬が粗相をした場合は必ず申告してもらい、該当箇所を徹底的に清掃する体制を確立することによって、ほぼ解決することができました。いずれも今では「当たり前」と言われてしまいそうなことばかりですが、当時としては、「犬の安全」と「飼い主さんの快適さ」を両立する部屋づくりは、非常に画期的な取り組みではなかったかと自負しています。

東京建物リゾート株式会社ホテル事業部主任:島田裕希子氏

東京建物リゾート株式会社ホテル事業部主任:島田裕希子氏

お客様の声こそが、成長の原動力

レジーナリゾート富士Suites & Spa

レジーナリゾート富士Suites & Spa

西村:レジーナリゾート富士は、おかげさまで愛犬家のお客様、特に富裕層のお客様に高い評価をいただき、その後、各地にレジーナリゾートを展開していく上での「試金石」となったホテルです。
しかし、今にして思えば、レジーナリゾート富士のオープンは私たちの「集大成」では決してなく、むしろ新たなスタートだったように思います。
なぜなら、ここで新たに培ったノウハウや知見、お客様からいただいたアドバイスやご意見が、その後の私たちのさらなる成長につながっていったからです。
もちろん今でも、レジーナリゾートでは、お客様にご記入いただいたアンケートにすべて目を通し、可能な限りサービスに反映するよう徹底しています。

島田:たとえば、レストランでお出しする愛犬用のメニューにもお客様からのご意見が凝縮されています。
栄養バランスに配慮したメニューはもちろん、アレルギーにも配慮したメニューなど常時数種類のメニューをご用意しているほか、愛犬用バースデーケーキのご予約も承っています。
また、愛犬用の食事は普段どおり「手作りごはん」にしたいというお声にお答えして、一部のお部屋にはミニキッチンを設置し、愛犬のための簡単な食事作りができるように配慮。
旅の楽しさを大きく左右する「食」にこだわることで、より豊かな時間を愛犬と一緒にお過ごしいただけるよう心がけています。

愛犬用メニューの一例(レジーナリゾート旧軽井沢)

愛犬用メニューの一例(レジーナリゾート旧軽井沢)

愛犬用メニューの一例(レジーナリゾート旧軽井沢)

西村:もちろん、人間用のメニューも日々改良を重ねています。
特に最近ご好評をいただいているのは、「レジーナリゾート旧軽井沢」のレストランでお出ししている懐石コース。
都内の一流料亭で研鑽をつんだ料理人が、旬の食材を贅沢に使って一品一品丁寧にお作りする月替りの本格懐石料理で、この料理を楽しみに毎月訪れてくださるお客様もいらっしゃいます。

夕食コースの一例(レジーナリゾート旧軽井沢)

夕食コースの一例(レジーナリゾート旧軽井沢)

動物の専門知識を学んだスタッフを積極採用し、+αのおもてなしを提供

―リピーターが多いのもレジーナリゾートの特徴ですね。

西村:そうですね。同じ施設に繰り返し訪れてくださる方もいれば、今月は軽井沢、来月は富士…という具合に、季節やメンバーに応じて使い分けてくださる方も多いですね。
リピーターのお客様とその愛犬は、施設のスタッフともすっかり顔見知りになって、中には「ただいま!」と声を掛けてくださる方も。
まるでご自身の第二の我が家のように、あるいは別荘のように繰り返し使っていただけることは、私たちホテル事業を手掛ける者にとって、何よりの喜びです。

レジーナリゾート鴨川

レジーナリゾート鴨川

島田:何度もご利用いただいている愛犬については、スタッフが名前だけでなく性格や行動パターンを覚えて、臨機応変に対応をさせていただくこともあります。
例えばヤンチャな性格で他の犬に興味津々の愛犬の場合は、レストランで他の席と離れたところにお通しすることによって、飼い主さんに落ち着いて食事をしていただけるようにするなど、細やかな配慮を心がけています。

―愛犬の特性に応じたサービスができるとは素晴らしいですね。スタッフ教育では、どのような点に力をいれているのでしょうか?

西村:何より大切にしているのは、犬好きな人を採用することです。
いくらホテルマンとしてのホスピタリティが身についていても、本人が犬好きでなければ、お客様や愛犬に本当の意味で寄り添ったおもてなしはできないと考えるからです。
せっかく愛犬と一緒にホテルを利用しても、スタッフが愛犬によそよそしかったり興味がない様子だったりすると、がっかりしてしまいますよね。

そのため、数年前からは動物関係の大学や専門学校の卒業生を新卒で積極的に採用。
愛犬に関する知識や素養のあるスタッフに、対飼い主さんへの接客のノウハウを習得してもらうことで、飼い主にも愛犬にも満足いただける、レジーナリゾートならではのおもてなしを実現しています。

今では、レジーナリゾートの9つの施設すべてにペットシッターやトリマーなど愛犬関係の資格を有するスタッフが複数在籍し、お客様のお手伝いをさせていただいています。
いずれも犬が好きで犬の扱いに慣れたスタッフですから、一時預かりサービスをご利用されるお客様からも「安心して預けることができる」とご好評をいただいております。

レジーナリゾート伊豆無鄰

レジーナリゾート伊豆無鄰

島田:また、レジーナリゾートでは宿泊時以外にもお客様とのコミュニケーションを大切にしています。
その一環として運営しているのが「レジーナドッグクラブ」です。
レジーナドッグクラブは、レジーナリゾートグループ施設をお得にご利用いただくことや、会員相互の愛犬を通じた親睦を深めていただくことを目的とした会員組織で、初回のチェックイン時に入会費・年会費無料で、どなたでもご入会いただくことができます。

次回のご宿泊よりレジーナリゾートグループ施設でのご宿泊料金が、いつでも10%OFFになるなど会員特典を多数ご用意しているほか、専用ウエブサイトで情報を発信、フォトコンテストや年に1回の会員感謝イベントも開催。
会員の皆様同士の親睦を図るとともに会員の皆様とスタッフとの交流の機会を持たせていただいています。

レジーナドッグクラブの会員感謝イベントの様子(東京・夢の島)

レジーナドッグクラブの会員感謝イベントの様子(東京・夢の島)

愛犬との旅の楽しみを、より多くの皆様に

―今では日本のドッグリゾート業界を牽引する存在となったレジーナリゾートですが、今後は、どんな展望を抱いていますか?

西村:施設の数を増やし、より幅広い地域のお客様に活用いただける体制づくりに、引き続き取り組んでいきたいと考えています。
また、リピーターのお客様だけでなく、まだレジーナリゾートをご利用したことのないお客様にも気軽にご利用いただけるようなプランやサービスの充実を図って参ります。

同時に、「愛犬ともっともっと仲良くなれるリゾート」というコンセプトからブレることなく、愛犬と豊かなひとときを過ごせるリゾートとしてより質の高いサービスとおもてなしをお届けできるよう努力を続けます。
そして、愛犬と過ごす喜びを感じていただくことを通じて、人と犬が安心して共生できる社会の実現に貢献できるよう、心から願っております。

これからのレジーナリゾートに、どうぞご期待ください。

レジーナリゾート鴨川のドッグラン

―ありがとうございました!

ライタープロフィール

相山 華子 Hanako Aiyama

相山 華子 Hanako Aiyama

報道記者を経てフリーのライターに。雑誌、企業広報誌、Webなどで主にインタビュー記事を手がけている。仕事でもプライベートでも「いろんなところに行って、いろんな人に会う」のが信条。好きな旅のスタイルは鉄道旅。最近は家族で秘境駅巡りを楽しんでいる。大型犬好きで、これまでに飼った犬種はドーベルマンとラブラドール・レトリバー。

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