【獣医師監修】いつでもパワー全開! ジャック・ラッセル・テリアとの陽気な生活

小型犬としては最強にパワフルな、ジャック・ラッセル・テリア。底抜けに明るくて、抜群の運動神経を誇るので、旅行やドッグスポーツのパートナーに最適です。そんなジャック・ラッセル・テリアの歴史から抜け毛対策、注意すべき病気などを紹介します。

【獣医師監修】いつでもパワー全開! ジャック・ラッセル・テリアとの陽気な生活
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ジャック・ラッセル・テリアの歴史

ジャック・ラッセル・テリアの歴史

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ジャック・ラッセル・テリアは、イギリスのケネルクラブの創設メンバーであった牧師のジョン(ジャック)・ラッセル氏によって1800年代に作出されました。
ジャック・ラッセル・テリアが任せられたのは、穴の中にいるアナグマなどの獲物を外に追い出す役割。
穴の外へ出た獲物をハンターが銃で撃つ遊猟に使われていたので、害獣を殺して退治していた古いタイプのテリア種と異なり、ジャック・ラッセル・テリアは獲物を殺しません。
猟は複数頭の群れで行ったため、単独で行動するテリア種と違い、ほかの犬との協調性があるのもジャック・ラッセル・テリアの特徴です。
歴史的な背景から生み出された特質を考えると、一般的には多頭飼育はむずかしいと言われるテリアの一種ですが、ジャック・ラッセル・テリアに限っては多頭飼いにも向くと言えます。

ジャック・ラッセル・テリアは1900年代になると、移民とともにオーストラリアに渡りました。
明るい性格と愛らしいルックスで人気を得たジャック・ラッセル・テリアは、オーストラリアが改良原産国となり世界中に知られる存在になります。
2001年には、FCI(国際畜犬連盟)の公認犬種となりました。

ジャック・ラッセル・テリアがイギリスのケネル・クラブの公認犬種となったのは、実は2016年と最近のこと。
イギリスが原産の犬種でありながら長く公認されなかった背景は、イギリスでの遊猟において、シーンによって短足の個体から四肢が長めの個体まで使い分けていたから。
外見上のスタンダードができてしまうと、実猟での豊富な機能性を失うことを、遊猟に興じる貴族や上流階級の人々が危惧したのです。

日本でも人気が高い、ジャック・ラッセル・テリア。
日本では世界的に有名な日本人ブリーダーが、イギリスで犬種として公認される際に携わるなど活躍しています。

サイズ、体重、毛色と毛質

サイズ、体重、毛色と毛質

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ジャック・ラッセル・テリアの体重は5~8kgほど。
体高は25~30cmが理想です。
毛質には、ラフコート、スムースコート、ブロークンコートの3種類があります。
子犬期にはスムースコートだった犬が、成長過程で、口ひげと眉毛が特徴のブロークンコートに変化することもあります。
逆に、成犬になってからブロークンコートからラフコートになることもめずらしくありません。
毛色は白色が優勢であれば、どのような模様であっても許容されます。

アメリカと日本では断尾をするジャック・ラッセル・テリアもいますが、イギリスでは2007年4月以降に生まれた犬で断尾をしている場合は、ドッグショーに出陳できなくなりました。
ヨーロッパの多くの国やオーストラリアなどでも、断尾は動物愛護の観点から禁止されています。

ジャック・ラッセル・テリアの平均寿命は?

ジャック・ラッセル・テリアの平均寿命は?

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日本の家庭犬の平均寿命は、約14歳と言われています。
ジャック・ラッセル・テリアは小型犬なので、平均よりも寿命は長めで、12~16歳が平均的な寿命と考えてよいでしょう。

ジャック・ラッセル・テリアのかかりやすい病気

ジャック・ラッセル・テリアのかかりやすい病気

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ジャック・ラッセル・テリアは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝のお皿がはずれる病気で、遺伝的な素因が関係すると考えられています。
小型犬全般に比較的多く見られ、若齢から発症する可能性があるので要注意。
動物病院にワクチン接種などで訪れるたびに、獣医師に膝の状態を触診してもらってください。
軽度のグレード1から重度のグレード4までの段階に分けられます。
外科手術による治療が選択された場合、膝周りの関節が変形する前の若齢のうちに手術をするのがベスト。
シニア期以降の愛犬の生活の質を落とさずに済むからです。
自然治癒することはありませんが、滑らない床で生活させたり、ジャンプを控えることで悪化を食い止められます。

・白内障

ジャック・ラッセル・テリアは、ほかの犬種と比較して、非加齢性白内障(若年性白内障と呼ばれることもあります)を発症しやすい犬種のひとつ。
非加齢性の白内障は、加齢による白内障よりも症状の進行が速いのが特徴です。
治療をせずにいると、緑内障といった合併症の原因になることも少なくありません。
飼い主さんが肉眼で水晶体の白濁に気づいた時点では病状が進行しているため、早期に発見できるように動物病院で定期的にチェックを依頼しましょう。
白内障と診断された場合、初期には病気の進行を遅らせる点眼薬による治療を行います。
人間同様、外科手術による治療も効果があります。

・歯の咬耗、破折

ジャック・ラッセル・テリアは好奇心が旺盛でエネルギー豊富な犬種なので、噛む遊びが大好きです。
硬いおもちゃやおやつを噛んで、歯が削れる咬耗の状態になったり、歯が折れる破折を起こすジャック・ラッセル・テリアも少なくありません。
人の手で折り曲げてしならない強度のおもちゃやおやつは、愛犬が噛むには硬すぎると思ってください。
長時間噛み続けるジャック・ラッセル・テリアも多いので、与えるおもちゃやおやつの種類と時間には気をつけましょう。

ジャック・ラッセル・テリアは飼いやすい?

ジャック・ラッセル・テリアは飼いやすい?

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気が強くて頑固な“テリア気質”を、ニュータイプのテリアであるジャック・ラッセル・テリアはそれほど備えていません。
テリアを初めて迎える人には、扱いやすい性格なのでおすすめできます。
けれども、時には遠くの猟場まで馬と並走したり、粘り強く獲物と対峙したという歴史的背景から推測できるとおり、ジャック・ラッセル・テリアは運動欲求がかなり高く、豊富な運動量が必要です。
猟欲も高いので、ただ長時間歩くだけの散歩では満足しないでしょう。
獲物を捕らえる経験に近い、ボール遊びといったバリエーション豊富な運動も欠かせません。
運動欲求が満たされないと、持て余したエネルギーを発散するために過剰に吠えるといった行動が出現する可能性があります。
ジャック・ラッセル・テリアは人と一緒に行動することを好み、知能も高い犬種なので、ドッグスポーツやトレーニングなどにも意欲的に取り組んでくれるはず。
心身ともに豊富な楽しみを提供してあげられれば、飼いやすい犬種と言えるでしょう。

ジャック・ラッセル・テリアとの旅行のポイント

ジャック・ラッセル・テリアとの旅行のポイント

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ジャック・ラッセル・テリアは他犬種と比較すると脂漏体質の傾向があり、シャンプーなどの手入れを怠ると、体臭が強いと感じやすいかもしれません。
旅行に連れて行く前には、シャンプーをしておくとよいでしょう。
抜け毛に悩んでいるというジャック・ラッセル・テリアの飼い主さんも多いようです。
実はもっとも抜け毛が多いスムースコートをはじめ、3タイプすべてにおいて、獣毛ブラシは必須。
自宅でも旅先でも毎日ブラッシングをすることが、最良の抜け毛対策です。

抜け毛対策に、抜け毛の飛散量を抑えられる洋服も持っていきたいものです。
白い被毛が汚れた時のために、洗い流さないタイプのシャンプーなどもあれば便利です。

移動中に愛犬が退屈しないように、歯を傷めない硬さで長時間噛めるおやつや、フードを仕込める知育玩具なども是非持参しましょう。
お気に入りのボールやフリスビーなども忘れずに。

ジャック・ラッセル・テリアの価格相場は?

ジャック・ラッセル・テリアの価格相場は?

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ジャック・ラッセル・テリアの価格相場は、10~40万円。
値段に幅があるのは、ドッグショーでチャンピオンになった親犬の直子では、一般的に高額になるからです。

まとめ

まとめ

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いつも明るくフレンドリーなジャック・ラッセル・テリアは、アクティブな飼い主さんと、楽しくお出かけができる犬種です。
大型犬と同等の運動量と、旺盛な知的好奇心を満たして、ジャック・ラッセル・テリアとの刺激的な毎日を彩っていってください!

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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