【獣医師監修】旅のパートナーにぴったり! ミニチュア・シュナウザーと楽しい日々を

快活でやさしさ満点のミニチュア・シュナウザー。毛が抜けにくく、小型犬でも頑丈な体をしているので、どこに連れて行くにも安心できる点も魅力のひとつ。そんなミニチュア・シュナウザーの注意したい病気や、快適生活の秘訣などを知っておきましょう。

【獣医師監修】旅のパートナーにぴったり! ミニチュア・シュナウザーと楽しい日々を
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ミニチュア・シュナウザーの歴史

ミニチュア・シュナウザーの歴史

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ミニチュア・シュナウザーの原産国はドイツ。
シュナウザーとは、ドイツ語で口ひげを意味します。
その名のとおり、ミニチュア・シュナウザーは特徴的な口ひげと眉毛がチャームポイントと言えるでしょう。
シュナウザーは大きさ別で3種類が存在し、スタンダード・シュナウザーとジャイアント・シュナウザーもいます。
スタンダード・シュナウザーをもとに、小型化したのがミニチュア・シュナウザー、大型化したのがジャイアント・シュナウザーという説が有力です。

農場や納屋のネズミなどを退治するために、スタンダード・シュナウザーが小型化されたと考えられています。
害獣駆除という役割はテリア種と同様なため、アメリカン・ケネルクラブ(AKC)では、ミニチュア・シュナウザーはテリアグループに属していますが、ジャパンケネルクラブ(JKC)と国際畜犬連盟(FCI)では、使役犬(ピンシャー&シュナウザー)グループに属しています。

小型化の過程で、ミニチュア・ピンシャーの血も導入されたようです。
番犬として吠えることも仕事のひとつであったミニチュア・ピンシャーの影響で、シュナウザーの中で唯一ミニチュア・シュナウザーに限っては、吠えやすい傾向があるかもしれません。

スタンダード・シュナウザーが担っていた、牧場から市場までの“家畜追い犬”としての防衛的な気質や忍耐強さは、ミニチュア・シュナウザーにも受け継がれています。
このように生粋のテリア種とは異なる、包容力の深さと穏やかな気質は、赤ちゃんがいる家庭でも安心して飼えるため、1928年にイギリスにわたり1935年に公認犬種となると、世界中で瞬く間に人気犬種の座を獲得しました。

サイズ、体重、毛色と毛質

サイズ、体重、毛色と毛質

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ミニチュア・シュナウザーの成犬の体重は4.5~7kgほど。
体高は30~35cmが理想です。
毛色には、ソルト&ペッパー、ブラック&シルバー、ブラックの3種類があります。
FCIでは、全身が白色のホワイトも公認されています。
スタンダード・シュナウザーには黒毛のプードルの血が導入された背景もあり、シュナウザーは抜け毛が少なく、体の臭いも気になりにくい犬種です。
その点でも、旅のパートナーとして最適だと言えるでしょう。

アメリカと日本では断尾と断耳をするミニチュア・シュナウザーもいますが、イギリスでは2007年4月以降に生まれた犬で断尾と断耳をしている場合は、ドッグショーに出陳できなくなりました。
動物愛護の観点から、ヨーロッパの多くの国やオーストラリアなどでも断尾と断耳は現在行っていません。

ミニチュア・シュナウザーの平均寿命は?

ミニチュア・シュナウザーの平均寿命は?

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日本の家庭犬の平均寿命は、約14歳。
サイズで平均寿命を分類すると、一般的に犬は小型であればあるほど寿命が長いと考えられています。
ミニチュア・シュナウザーは小型犬ですが、小型犬の中では少し平均よりも寿命が短め。
12~15歳が平均的な寿命と言われています。

ミニチュア・シュナウザーのかかりやすい病気

ミニチュア・シュナウザーのかかりやすい病気

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ミニチュア・シュナウザーは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・皮膚疾患

ミニチュア・シュナウザーは、皮膚病を発症しやすい犬種のひとつ。
シュナウザー面疱と呼ばれる、背中にプツプツとした発疹が見られる皮膚炎が生じやすいことも知られています。
シャンプーのしすぎや、極端なサマーカットは皮膚にダメージを与えてしまう恐れがあるので要注意。
季節や皮脂の分泌量といった個体差もありますが、2週間~1ヵ月に一度のシャンプーや、皮膚が陽光や外気にさらされすぎない程度のカットにして、皮膚を健やかに保つようにしましょう。
アレルギー性皮膚炎にかかるシュナウザーも少なくありません。
犬のアレルギー症状は胃腸や皮膚に出現するので、子犬期から軟便が続いたり、痒がっている様子が見られたら早めに獣医師に相談してください。

・内分泌疾患

ミニチュア・シュナウザーが比較的かかりやすい内分泌疾患に、クッシング症候群と糖尿病が挙げられます。
それらを併発することもめずらしくありません。
クッシング症候群も糖尿病も初期症状が似ていて、多飲になる、トイレの回数と尿の量が増えるなどが現れます。
糖尿病では、初期の多食を経て次第に痩せてくるのが特徴です。
糖尿病は高血糖が生じて、様々な代謝異常が起こる病気ですが、高血糖の状態が続くと白内障も併発するので注意が必要です。
なるべく早期に発見して、インスリン注射と療法食による病気の管理を行いましょう。
クッシング症候群は副腎という内分泌の皮質部分の機能が亢進(こうしん)して起こる病気なので、副腎皮質機能亢進症とも呼ばれています。
治療は内科治療をはじめ、高度な医療を受けられる動物病院での外科療法を行うケースもあります。
内分泌疾患は肥満が大敵なので、食餌の量と質には気をつけて。
肥満にならないように注意しても太りやすい場合、低脂肪のフードをチョイスしましょう。

・眼疾患

ミニチュア・シュナウザーは、非加齢性白内障(若年性白内障と呼ばれることもあります)と、進行性網膜萎縮症(PRA)を遺伝的な素因で発症する可能性があります。
非加齢性の白内障は、加齢による白内障よりも症状の進行が速いので早期の発見を心がけましょう。
動物病院で、定期的に眼のチェックを依頼するようにしてください。
白内障の治療は、初期には病気の進行を遅らせる点眼薬を使用します。
外科手術による治療も効果があります。
PRAはゆっくり進行して最終的には視覚を失う眼病で、外科手術などで完治はさせられません。
PRAだと診断されたら、目薬によって病気を管理することになります。

毎日の生活や旅行時のポイント

毎日の生活や旅行時のポイント

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ミニチュア・シュナウザーは、人と一緒に行動するのが大好きで、甘えん坊なタイプ。
賢い犬種で、人の気持ちをくみ取る能力に長けているため、一緒にお出かけや旅行をするのにぴったりな犬種と言えます。
毎日、高い運動欲求を満たすための散歩は欠かせません。
小動物を駆除していた歴史的役割から推測できるように、ボール遊びなどを取り入れて質の高い運動をさせてあげてください。
人の気持ちをよく読めるという長所は、育て方を間違えれば、飼い主がミニチュア・シュナウザーに逆に操られてしまう可能性があります。
子犬の頃から、トレーニングをとおして飼い主さんに寄り添うことを喜びと感じるような関係性を築いておきたいものです。

旅先では、警戒吠えをしやすいところもあるので、気を紛らわせて吠えにくくするための知育玩具や長時間噛めるおやつ、安心できるクレートなどを持参しておくのをおすすめします。

ミニチュア・シュナウザーの価格相場は?

ミニチュア・シュナウザーの価格相場は?

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ミニチュア・シュナウザーの価格相場は、10~40万円。
ドッグショーでチャンピオンを獲得した親犬の直子などは、価格が高い傾向にあります。

まとめ

まとめ

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賢い犬種で、どこか人のような趣を感じさせるミニチュア・シュナウザー。
明るく穏やかな性質で、多頭飼育にも赤ちゃんのいる家庭にもぴったりな犬種です。
そんな理想的な家庭犬と一緒なら、アクティブな旅行やお出かけが楽しめるに違いありません。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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