【ドッグトレーナー監修】土佐犬(四国犬)の散歩。猟犬のDNAを持つため、正しい知識でしつけよう

土佐犬と聞くと、垂れ耳の大型犬「土佐闘犬」をイメージする人の方が多いかもしれません。しかし、実は土佐犬と呼ばれる犬には土佐闘犬と「四国犬」の2種がいます。この記事では「土佐犬」の名で国の天然記念物に指定されている四国犬(土佐犬)のお散歩方法について詳しく紹介していきます。

【ドッグトレーナー監修】土佐犬(四国犬)の散歩。猟犬のDNAを持つため、正しい知識でしつけよう
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【土佐犬】の散歩はいつからしていいの?

【土佐犬】の散歩はいつからしていいの?

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生後3〜12週齢は「社会化期」と呼ばれる時期です。社会化期の子犬は、人や自分以外の犬や猫、場所などに対する愛着が形成され始める時期であるため、この時期の経験が将来の性格に大きく影響します。犬同士のコミュニケーションを学ばせるためにも、生後8週齢までは母親や兄弟犬と共に生活し、8週齢を目安に人間との絆を構築していくことが重要となります。
 また、この時期はいろいろなものに慣れさせることが大切です。生後12週齢を過ぎる頃から恐怖心が強くなり、様々なものに慣れづらくなっていきます。そのため、この「社会化期」に様々なことを経験しないままで育つと、「お散歩で歩けない」「吠えてしまう」など、多くの問題行動に発展してしまうことがあります。特に土佐犬は縄張り意識や警戒心が強いため、子犬の頃からの十分な社会化が問題行動の予防には必須です。
 以前は感染症のリスクを考慮し、狂犬病などのワクチン接種が終わるまでは外に出してはいけないと言われていました。しかし、ワクチン接種が終わるのは社会化期を過ぎてからなので、それまで家の中だけで生活をしていると、適切な時期に十分な社会化を行うことができず、行動発達の面で大きなリスクを抱えてしまうことになります。
感染症に気をつけながら、社会化を行う方法として、ワクチンが終了するまでは子犬を抱っこしてお散歩をすると良いでしょう。この際、クレートやスリングなどを利用すればより安全に外の世界を経験させることが出来ます。

土佐犬がお散歩デビューを果たしたら、飼い主さんは毎日のお散歩を習慣づけるようにしましょう。
猟犬のDNAを持つ土佐犬は飼い主に忠実である反面、飼い主以外の人間に対して強い警戒心を持ちやすいですが、犬の性格を形成する「社会化期」に他の犬と触れる機会を増やし徹底した社会化を行うことで、警戒心を抑えることが可能です。
他の犬や人と遭遇する可能性の高い朝晩は、知らない犬や人と触れ合い慣れさせる方法のひとつとして有効でしょう。

【土佐犬】の散歩は毎日必要?

【土佐犬】の散歩は毎日必要?

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もともと山岳地帯で猟犬として走り回っていた土佐犬は非常に運動量の多い犬種であるため、毎日のお散歩が必須です。

土佐犬は十分な運動量が確保できないとストレスが溜まり、過剰に興奮したり吠えるなどの問題行動を引き起こしやすくなってしまいます。

【土佐犬】の散歩の「回数」「時間」「距離」の目安は?

お散歩の基本は「1日に2回、30分」といわれますが、犬の散歩は運動だけが目的ではないため、時間や頻度の目安はそれぞれの飼育環境やライフスタイル、犬の様子によって異なってきます。

土佐犬は、運動量も多く社会化の機会を多く持った方が良いため、毎日のお散歩はできる限り朝晩2回、明るい時間に出かけるようにしましょう。
また、雨の日などお散歩に行けない日は、おもちゃでなどを使ってたくさん遊んであげるなど、室内でも発散できる方法を工夫してみましょう。

運動欲求を満たすために、思い切り走り回れるドッグランなどを利用するのもおすすめですが、土佐犬は警戒心や縄張り意識が強いため、他の犬と同じ空間で遊ばせる際に喧嘩が起きないように、他の犬との距離や警戒していないかなどを十分に観察し気を付けましょう。
貸切のドッグランを利用すると安心して気兼ねなく遊ぶことができます。

お散歩に連れて行っても、興奮しやすかったりじっとしていられず常に動き回っていたりすると運動不足の可能性があります。
そのような場合には、平坦な道を歩くだけでなく起伏のある山道のようなコースを取り入れてあげたり、おもちゃを使って遊ぶことで十分な運動量を確保してあげるとよいでしょう。
愛犬の様子をよく見ながら、愛犬が喜ぶ散歩量や運動量を見つけてあげることが大切です。
また子どもだけで散歩に行かせることは控え、きちんと土佐犬を制御できる大人と共にでかけるようにしてください。

【土佐犬】の散歩の「時間帯」「季節」の注意点や持ち物は?

【土佐犬】の散歩の「時間帯」「季節」の注意点や持ち物は?

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暑い時期は早朝の太陽が昇りきらない時間や、路面の温度が下がった夕方にお散歩に出掛けるのが良いでしょう。

夏は熱中症の恐れがあるだけでなく、アスファルト舗装の道の表面は65度ほどまで上昇するため、愛犬が肉球を火傷する可能性があります。
手の甲を路面に当ててみて、5秒待っても熱くならないようなら、散歩に出かけて大丈夫です。

【土佐犬】を散歩する際のトイレ(排泄)はどうする?

犬が外での排泄をしないように「お家で排泄してから散歩に出掛けよう」と呼びかける声が大きくなってきた最近。
排泄は家のみで行うようにしつけることができれば、お散歩中のトイレマナーを気にする必要はないでしょう。

外で排泄したがった場合は、なるべく人の迷惑にならないところで用を済ませ、ウンチは「ウンチ袋」で持ち帰るのはもちろんのこと、おしっこは水で流し、できる限り跡を残さないように。
お散歩の際には、「ウンチ袋」と「水」は必ず持ち歩きましょう。

【土佐犬】が散歩を嫌がる(歩かない)場合の理由と対処法は?

【土佐犬】が散歩を嫌がる(歩かない)場合の理由と対処法は?

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犬が散歩を嫌がる理由には、
✔︎ 散歩コースの道幅が狭く圧迫感がある
✔︎ 過去に怖い経験・不快な経験をした
✔︎ 子犬の頃の経験不足

などがあげられ、一緒にお散歩に行くためには、原因に応じて対策する必要があります。

【散歩コースの道幅が狭く圧迫感がある】
こうした原因が考えられる場合には、いつもと違う人ごみが少なく広々としたお散歩コースにでかけてみましょう。
犬は道幅が狭く人や犬が過密しているような道では、警戒心が強まる傾向があります。特に警戒心の強い土佐犬はなおさらです。
日頃の散歩コースは、他の犬や人と十分に距離をとってすれ違える道幅が広い道や、車の往来が少ない道を選んで歩くようにしましょう。
どうしても狭い道を通らなければならない場合、大好きなご褒美を与え、気をそらせながら狭い道を進んでいくようにしましょう。


【過去に怖い経験・不快な経験をした】
この場合、日頃のお散歩コースに怖がる対象があることが原因でお散歩を嫌がっていることが考えられます。

まずは怖がる対象を特定し、怖がる対象とすれ違う際には、大好きな食べ物を活用して意識を飼い主さんの方に向けましょう。
怖がる対象とすれ違う際に、必ず大好きな食べ物を与えることで、食べ物をもらった時のうれしい感情が結び付き、恐怖心をやわらげることが出来ます。
やり方としては、怖がる対象が見えたら、食べ物を口元に持っていきます。
この際、すぐに食べ物を与えてしまうと食べ終わってからすぐに怖がる対象に意識が向いてしまうので、愛犬が怖がる対象とすれ違い、見えなくなるまで食べ物を舐めさせ続けて歩きます。
コングなどの知育玩具に食べ物を詰めたものを舐めさせると、すれ違うまで継続して与えることが出来ます。
使う食べ物はジャーキーのような固形状のおやつよりも、継続的に舐めることに意識が向くような、コングペーストのような液体状のおやつの方が使いやすいでしょう。
使用する食べ物は、愛犬が好きな食べ物を使うようにしましょう。
また、散歩のとき以外は極力使わないようにし、特別感を持たせるとより効果が高いです。

【子犬の頃の経験不足】
また「社会化不足で怖がってしまうケース」や「過去に怖い経験をしたケース」などの場合は、怖がる対象に慣らすことで、恐怖心を軽減することが出来ますが、無理に慣らそうとするのは禁物です。

他の犬や怖がる対象がある場合は、過度な恐怖心を持たない距離から少しずつ慣れさせて、徐々に近づいたり通り過ぎるように練習しましょう。
その際、大好きなご褒美を与えながら練習すれば、より効率的に慣らすことができます。
また、外に出ることが怖くて上手にお散歩ができない場合は、家の庭や玄関先などから慣らしていき、徐々に家から離れた場所も歩けるように慣れさせてあげます。

ただ、社会化不足によって恐怖心を感じる場合、飼い主さんだけではなかなか上手に慣らすことが難しい場合もあります。
毎日の散歩で上手に練習することが出来ないと、さらに恐怖心が強くなってしまい問題が深刻化するばかりではなく飼い主さん自体が毎日の散歩を苦痛に感じてしまうため、一人で悩み続けることなく、早い段階で専門家に相談をした方が良いでしょう。
しつけ教室や幼稚園などに通うことで、スムーズに練習を行うことが出来るため、飼い主さんにとっても犬にとっても早い段階で負担を減らすことが出来ます。
その他、これまで散歩が好きだったのに急に嫌がるようになった場合は、けがや体調不良、病気の可能性もあります。
おかしいと感じた場合には、念のため動物病院で診てもらうことをお勧めします。

【土佐犬】が散歩から帰った後のお手入れ方法!

【土佐犬】が散歩から帰った後のお手入れ方法!

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お散歩から帰ってきたら、家に入る前に、砂やホコリを取り除いてブラッシングをしましょう。
家に入る前にブラッシングをすることで、家の中に毛を落とすことが避けられるのでおすすめです。
ただし土佐犬の場合、ブラッシングは毎日ではなく週に2~3回程度で大丈夫。
そのため、外飼いの場合にはお散歩の度にブラッシングをする必要はありません。

そして、土佐犬はアレルギー性皮膚炎を起こしやすい犬種です。
飼い主さんは、ブラッシングやシャンプーのときに皮膚に異常がないかどうか確認する習慣をつけましょう。
特に春の換毛期に、びっしりと生えた冬毛が残っていると皮膚が蒸れて炎症を起こす可能性が高まります。
しっかりとブラッシングをして冬毛を取り除くようにしてください。

次に、足の裏・肉球をチェックします。
砂をはらったあと、石や木片などが刺さっていないか注意しましょう。
また傷や腫れがないかの確認も必須です。
触っても痛がらないか見てあげてください。

確認後、問題がなければ濡れたふきんで汚れを落とし、しっかり肉球を乾燥させるためにも、乾いたふきんでタオルドライをしましょう。
この手間を省くと、皮膚が蒸れて菌が発生し「指間炎(しかんえん)」となるおそれがあるので気をつけてください。

【土佐犬】の散歩のまとめ

【土佐犬】の散歩のまとめ

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狩猟本能があり他犬や小さな子どもがいる場には向かない土佐犬ですが、飼い主さんにはとても従順な犬種です。
愛犬が事故を起こさないためにも、飼い主さんは子犬のころから十分な社会化教育を行って、人との生活がストレスにならないように育ててあげましょう。

また、土佐犬は日本犬です。
日本犬は野外で飼育されてきた歴史が長く、日本の気候に合った体質をしています(夏の炎天下には注意)。
そのため室内でも屋外でもどちらでも飼育することができますが、屋外飼育で飼うと物音などに敏感になり、人や他犬に対しての警戒心は高まりやすくなります。

ですので、家庭犬として飼う場合には室内飼いがおすすめです。
家具を破損したり電気コードを噛んだりしないように、入ってはいけないエリアに仕切りを立てるなどの対策はしつつ室内で飼うことで、屋外飼育よりも土佐犬を穏やかな気質にすることができると言われています。

監修者情報

鹿野 正顕(学術博士)

鹿野 正顕(学術博士)

・学歴(大学・院、学部、専門分野) 麻布大学大学院 獣医学研究科 博士後期課程修了  専攻:人と動物の関係学、犬の行動学 麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。 ・資格 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed) (世界最大家庭犬トレーナー資格) ・youtubeチャンネル 「スタディ・ドッグ・スクール 」 動物行動学博士&国際ライセンスドッグトレーナーが犬の習性や能力から飼い方やしつけまで目からウロコの情報を幅広く発信。 チャンネル登録はこちらから↓ https://www.youtube.com/channel/UCqSmNCaYUEUFObbBW4Xn9nw ・職業 スタディ・ドッグ・スクール® 代表 株式会社 Animal Life Solutions(ALS) 代表取締役社長 ・所属団体、学会 日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT) 理事長 動物介在教育療法学会(ASAET) 理事 ・受賞歴 平成16年度さがみはら青年アントレプレナービジネスコンテスト 優秀賞 ・著書 ◆ 「犬の行動学入門」 監修:森 裕司 著:鹿野 正顕/中村 広基    ◆ 「アニマルセラピー入門」   編集:NPO法人 ひとと動物のかかわり研究会 監修:太田 光明 ◆ DVD「子犬と暮らす前に 準備と選び方」   ◆ DVD「子犬を家に迎えたら 飼い方・しつけ方」 販売元:アイディーマグネテック株式会社 監修:鹿野 正顕 ◆ 建築知識 創刊60周年記念出版「犬のための家づくり」 発行:エクスナレッジ ◆Oral tyrosine changed the responses to commands in German shepherds and Labrador retrievers but not in toy poodles   Masaaki Kano,Hidehiko Uchiyama,Mitsuaki Ohta,Nobuyo Ohtani (2015) ◆ 応急仮設住宅における人とペットが共棲する住環境に関する音響特性評価 浅見 樹里, 田村 雅紀, 金巻 とも子, 鹿野 正顕, 長谷川 成志 ジャーナル:工学院大学総合研究所・都市減災研究センター (Research Center for Urban Disaster Mitigation: UDM) 研究報告書 (平成25年度) ・職業上でのペットとの関わり ドッグトレーナーとして飼い主指導 獣医師、ドッグトレーナーなどの専門家に対する犬の行動・しつけ・トレーニング等の教育 学校機関での専門家の育成 メディアを通した情報発信 企業に対するペット関連コンサルタント ・飼っている動物 スタンダード・プードル(♀:柔、11歳) ・ペット歴 犬:Mix(4匹)、ミニチュアシュナウザー(1匹)、ジャーマンシェパード(1匹) スタンダード・プードル(1匹) ネコ:2匹 シマリス:2匹 ウサギ:1羽 セキセイインコ:5羽 ・ポリシー(ペットに関する) 動物の習性を客観的に理解し、人と動物互いのバランスを保った共生を追求する ・エピソード(ペットに関する) 畜産を兼業していた農家出身の両親は、ともに動物が好きだったことから、よく捨てられた犬を拾ってきて家で飼っていました。そのため、私は幼少のころから常に犬と一緒の生活を送り、鍵っ子だった私の寂しい気持ちを犬はいつも癒してくれ支えとなってくれました。  当時の犬の飼い方は今とは全く異なり、犬は外で飼うのは当たり前で予防接種をしたり動物病院に連れていくこともあまり一般的ではありませんでした。特に私の父親は、戦後間もない、物のない時代で生まれ育ったため、動物にお金をかける意識が低く、予防接種や病気の治療なども満足には行わなかったため、我が家の犬たちも非常に短命で、大学に進学するまでの12年間で4頭もの犬を飼育してきました。  そんな犬の飼い方に、幼いころから何となく疑問を感じていた私にとって、小学生の頃、今の仕事を志すようになった衝撃的な事件が起きました。避妊もしていなかった我が家の犬は、ある日、家に迷い込んできた野犬と交配してしまい、自宅で1匹の子犬を産みました。私は父に、産まれた子犬を飼うことをお願いしましたが、2頭も同時に飼うことができないという理由で拒まれてしまいました。そこで、子犬の里親を見つけることを懇願すると、父は承諾をしてくれたと思ったのですが、次の日の朝、子犬はいませんでした。  気が動転した私は、すぐに父のもとへ行き子犬の行方を尋ねると、父は夜中に山に捨ててきたと答えました。ショックでした。言葉が出ないくらい、頭の中が真っ白になるぐらいショックでした。私は、泣きじゃくりながら父親に怒りをぶつけましたが、もうその子犬が家に帰ってくることはありませんでした。  このことがきっかけで、私は、「犬をもっともっと大切にする社会に変えたい」、「家族の一員としてもっともっと犬との絆を深められる社会にしたい」、そう決意し犬の専門家になることを強く志し、「犬とのより良い共生社会の確立」という夢をかなえるべく、麻布獣医大学の獣医学部動物応用科学科に進学をしました。  大学院の博士課程が修了後、同じ志をもち、共に学生時代に犬の研究チームをまとめ、同期共に、さらなる夢をかなえるべく、大学のベンチャー企業として株式会社アニマルライフ・ソリューションズを立ち上げ、現在でも「犬とのより良い共生社会の確立」を目指した事業活動を行っています。

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