【獣医師監修】明るく活発なボストン・テリアと、楽しい毎日を

ボストン・テリアにとって最大の喜びは、飼い主さんと楽しみを共有すること。旅のパートナーとしてぴったりな犬種です。そんなボストン・テリアとの毎日を、もっと楽しくするために、生活の工夫点やかかりやすい病気などを知っておきましょう。

【獣医師監修】明るく活発なボストン・テリアと、楽しい毎日を

ボストン・テリアの歴史

ボストン・テリアの歴史

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ボストン・テリアはその名のとおり、アメリカのボストンが原産です。
1870年代にブルドッグとブル・テリアによって作出された犬種で、当時は現在より大型で、ボストン・ブルと呼ばれていました。
小型化されて、1893年にアメリカン・ケネル・クラブに第一号のボストン・テリアが登録されました。
1900年代になってイギリスやフランスで紹介されると、“アメリカ犬界の紳士”という異名で知られるほどの高い知性と柔和な性格から、一躍人気となり、世界中に知られるようになりました。

ボストン・テリアのサイズや被毛など、身体的な特徴

ボストン・テリアのサイズや被毛など、身体的な特徴

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ボストン・テリアはドッグショーに出陳する際、体重によって3つにクラス分けされます。
最大クラスの9~11.35kg、6.8~9kg、極小の6.8kg未満。
10kg前後のボストン・テリアとフレンチ・ブルドッグは似ているように思えるかもしれませんが、ボストン・テリアのほうが頭部と顔部が小さく、顔のシワはほどんどなく、耳が小さく、四肢が長いのが特徴と言えるでしょう。
毛色はブラック、ブリンドル、シールで、それに規則的なホワイト・マーキングが見られます。
短く先細っている尻尾も、ボストン・テリアの特徴のひとつです。

ボストン・テリアの平均寿命は?

ボストン・テリアの平均寿命は?

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日本の家庭犬の平均寿命は14歳です。
サイズで考えれば最も寿命が長い小型犬に属するボストン・テリアですが、短頭種で呼吸器トラブルなどがあると寿命が短くなりがちで、平均寿命は12~14歳と考えられています。

ボストン・テリアのかかりやすい病気

ボストン・テリアのかかりやすい病気

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ボストン・テリアは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・短頭種気道症候群

ボストン・テリアは短頭種なので、気道が狭いという身体的特徴があります。
そのため、軟口蓋過長症、外鼻孔狭窄、喉頭虚脱、気管低形成などが単独または複数で起こる、短頭種気道症候群になりやすいので日常生活にも注意が必要です。
口を開けて荒い呼吸をすることが多い、呼吸をする際に音がする、睡眠中にいびきをかくなどの症状が特徴的で、自然に治癒することはありません。
軟口蓋過長症や外鼻孔狭窄の外科治療を、避妊・去勢手術の際に行うこともできるため、早めに獣医師と治療方針を相談しましょう。
高齢になり呼吸器周辺の筋肉が衰えてくると、病状が悪化し、麻酔をかけての手術リスクも上がります。
また、呼吸器疾患があると激しい運動ができなくなるため、温存治療では、活発で運動欲求の高いボストン・テリアの生活の質を落とす可能性もあります。
身体的にも心の健康維持のためにも、ボストン・テリアの呼吸器疾患の手術は、若齢期に実施するのが理想的と言えます。

・椎間板ヘルニア

椎間板が脊髄に向かって飛び出した状態が、椎間板ヘルニアです。ボストン・テリアは、椎間板ヘルニアを発症しやすい傾向にあります。
脊髄が圧迫されると激しい痛みを感じるので、発症すると運動をしたがらなくなったり、飼い主さんが抱き上げると悲鳴をあげたりするといった症状が出ます。
軽症のケースでは、数週間の安静と、疼痛と炎症を軽減させるためのステロイドの投薬による温存療法が一般的です。
重症化すると、歩行困難に陥り、下半身が麻痺します。
深部痛覚を失う前に、脊髄の減圧を行う外科手術がすすめられるでしょう。
最初の発症は、3~6歳までが多数を占めます。
加齢にともなって椎間板が変性を起こし、椎間板ヘルニアを発症する例も見られます。

・膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝のお皿がはずれる関節疾患である、膝蓋骨脱臼が見られるボストン・テリアも少なくありません。
軽症のグレード1から重症のグレード4までのステージに分かれ、自然には治らないので外科手術で治療します。
高齢になるまで無処置でいると、重症の関節炎になり後肢の形が曲がってしまうことも。
子犬期から定期的に、獣医師に触診をしてもらうようにしてください。

・皮膚疾患

アトピー性皮膚炎、マラセチア皮膚炎、膿皮症など、ボストン・テリアは皮膚病にかかりやすい傾向があります。
短毛の犬種ですが、皮膚を衛生的に保つために定期的にシャンプーをしましょう。
フケや脱毛、発疹など、ボストン・テリアの皮膚に異常が見られたら、早めに動物病院を受診することも大切です。

ボストン・テリアとの快適生活のコツ

ボストン・テリアとの快適生活のコツ

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田畑を荒らす害獣を駆除する役割を負っていたテリアの名がついていますが、ボストン・テリアは愛玩犬や家庭犬として作出されたので、テリア気質と呼ばれる気の強さは持ち合わせていません。
性格は、友好的で温和。
赤ちゃんのいる家庭でも、良き遊び相手になってくれるでしょう。
ただし、飼いやすさで言えば、ボストン・テリアは中級者向きかもしれません。
ボストン・テリアは活発で賢い犬種なので、心身に刺激が少ない生活では、吠える、家具などを咬んで破壊する、わざと粗相をして飼い主さんの気を引こうとするといった行動を起こす可能性が高まります。
毎日、可能な限り2回の散歩は必須です。
高温多湿で長時間の散歩ができない時期には、嗅覚を使っておやつを探すゲームをしたり、飼い主さんとトレーニングに取り組むなどして、脳トレに取り組むと良いでしょう。
散歩時は、呼吸器に負担をかけないハーネスの使用がベストです。
椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼は、フローリングなどの滑る床での生活が悪化要因になります。
ボストン・テリアとの生活では、カーペットを敷くなどして四肢が踏ん張れるような環境を整えてあげるのも大切です。

ボストン・テリアとの旅行での必須アイテム

ボストン・テリアとの旅行での必須アイテム

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ボストン・テリアは運動神経が良く、よく動きます。
旅先で興奮し、車を下車する際などに失踪してしまうケースもあるようです。
ふだんはハーネスを着用しているボストン・テリアでも、旅行時は迷子札をつけた首輪を装着しておくのをオススメします。
短頭種なので、熱中症にも要注意。
保冷剤など、体の熱の上昇を予防できるアイテムは必携です。
短毛ですが抜け毛が多いので、春から秋にかけては冷感ウェアを着せれば、抜け毛の飛散予防にもなって一石二鳥と言えるでしょう。
冬には外気で寒がるボストン・テリアが多いため、防寒着を着せてあげてください。
短頭種で熱中症にかかりやすいという理由から、夏期の搭乗ができない航空会社もあるので、飛行機を利用しての旅行を計画している場合は事前に確認を。

ボストン・テリアの価格相場は?

ボストン・テリアの価格相場は?

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ボストン・テリアは自然分娩での出産がむずかしい傾向にあり、帝王切開で生まれる子犬もめずらしくありません。
そのため、25~50万円が一般的な価格相場になります。
ドッグショーでチャンピオンになった親犬の直子は、高額になります。

まとめ

まとめ

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理解力が高く、運動神経も良いボストン・テリア。
短頭種であることに気をつけて健康管理をすれば、旅行やドッグスポーツなど、一緒にたくさんの楽しみを共有できるはず。 
旅先では、ボストン・テリアが心身ともに大満足できるアクティビティをぜひ提供してあげてくださいね。 

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野
麻布大学獣医学部獣医学科

・資格
獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト

・職業
獣医師
ペットスペース&アニマルクリニックまりも

・所属団体、学会
一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事)

・著書(一部)

[(link) "text": "最新版 愛犬の病気百科","url": "http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=4092", "target": "_blank"]
著者名: 愛犬の友編集部 編


[(link) "text": "愛犬をケガや病気から守る本","url": "http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=4439", "target": "_blank"]
著者名: 愛犬の友編集部 編


・職業上でのペットとの関わり
普段犬猫の診察をしています。
飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。

・飼っている動物
シーズー

・ペット歴
ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア)

・ペットへの想い
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。

現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。
毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。

プライベートでは一児の母。
愛犬はシーズー。
家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています

・ペットに関するエピソード
シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。
2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。
動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。
犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター/ドッグ・ジャーナリスト。
旅行誌編集者を経て、フリーライターに。独立後は週刊トラベルジャーナルや企業広報誌の紀行文のほか、幼少期より詳しかった犬のライターとして『愛犬の友』、『ペットと泊まる宿』などで執筆活動を行う。30代でオーストラリアにドッグトレーニング留学。帰国後は毎日新聞での連載をはじめ、『週刊AERA』『BUHI』『PetLIVES』や書籍など多数の媒体で執筆。著書に『室内犬気持ちがわかる本』『うみいぬ』がある。

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