【獣医師監修】癒しの超大型犬、グレート・デーンとのハッピー生活術

全犬種の中でも最大クラスのグレート・デーン。一緒に暮らすには、どんなことに注意すればよいでしょうか?性格、かかりやすい病気、日常生活のコツなどを心得て、グレート・デーンとハッピーな毎日を過ごしましょう。

【獣医師監修】癒しの超大型犬、グレート・デーンとのハッピー生活術

グレート・デーンの歴史

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グレート・デーンは、原産国のドイツではドイチェン・ドッゲと呼ばれて親しまれています。
ドッゲとは、大きくて力強い犬を表しています。
その名のとおり、グレート・デーンはかつて大型のイノシシ狩りで活躍していました。
その起源に関しては、頑健なイングリッシュ・マスティフと俊敏なサイトハウンドの血をミックスさせて作出したとする説が有力です。
気高さを感じさせる体躯に、スピードと耐久力と力強さのすべてを備えているグレート・デーン。
その根強い愛好家が世界中に多いのも、不思議ではありません。
時代が移り変わり、現在では護衛犬や警備犬、また家庭犬として世界各国で愛されています。
日本での飼育頭数は多くありませんが、実際にグレート・デーンを見たことがない人でも、犬の大きさの差異を示すためにチワワとともに写っている写真を目にする機会は少なくないかもしれません。

グレート・デーンのサイズや被毛など、身体的な特徴

グレート・デーンのサイズや被毛など、身体的な特徴

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グレート・デーンの体高はオス80cm以上、メス72cm以上が理想とされます。
体重はおよそ45~90kg。散歩中のグレート・デーンを、ポニーと見間違う子供も少なくないとか。
毛色には、フォーン、ブリンドル、ブラック、ホワイトにブラックの斑があるハールクイン、ブルーがあります。
耳はかつて断耳をして立たせていましたが、現在では動物愛護の観点からヨーロッパ各国やオーストラリアなどで断耳は禁止され、垂れ耳のグレート・デーンが多数を占めるようになっています。

グレート・デーンの平均寿命は?

グレート・デーンの平均寿命は?

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超大型犬は、残念ながら寿命が長くありません。
日本の家庭犬の平均寿命は14歳ですが、グレート・デーンの寿命は6~9歳と考えられています。

グレート・デーンのかかりやすい病気

グレート・デーンのかかりやすい病気

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グレート・デーンは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・拡張型心筋症

グレート・デーンも好発犬種のひとつである、原因不明の心臓病です。
初期は無症状ですが、重症化すると肺水腫による呼吸困難などに陥り命に関わります。
レントゲン検査による発見が以前は主でしたが、近年、動物病院によっては血液を採取して行う心臓バイオマーカーによる早期発見が可能になりました。
また、2019年7月に、アメリカ食品医薬品局(FDA)が、マメ科の植物の含有量が多いグレインフリーのフードと、拡張型心筋症の発症との関連性を指摘する発表を行いました。
現在も調査が続いているため、明らかな結論は導き出されていません。けれども、グレート・デーンと暮らしていく上では、今後の動向を追い続けたいものです。

・胃捻転

正式な病名は、胃拡張胃捻転症候群。
グレート・デーンのような胸の深い大型犬は、胃が拡張して捻転を起こしやすい体の構造をしています。
胃捻転を起こしてしまうと、吐きそうにしているのに吐けない、ウロウロと不安そうな様子で動き回る、よだれを流すといった症状が現れます。
これらの様子が見られたら、胃捻転の可能性があることを電話等で伝え、すぐに緊急で動物病院に向かってください。
胃捻転の治療のほとんどは、緊急の外科手術になります。
発症後の処置が遅れると死亡する危険性が高いので、いかに早期に治療ができるかが重要です。
胃捻転を予防するには、食後や水を多量に飲んでから理想的には2時間、最低でも1時間は、運動をさせないようにしてください。
早食いも発症リスクを高めるので、早食い防止食器なども活用しましょう。
最近は、避妊・去勢手術の際に予防的に“胃固定手術”を依頼する飼い主さんも増えてきました。
その際に腹腔鏡手術を選択すれば、侵襲が少なく愛犬への負担も減ります。

・腫瘍

グレート・デーンは、悪性腫瘍の中でも骨肉腫に比較的かかりやすい犬種として知られています。
ほかにも、リンパ腫や血管肉腫や肥満細胞腫など、あらゆる腫瘍には要注意。
骨肉腫の多くはシニア期以降の発症ですが、2歳頃の若齢期から発症するケースもめずらしくありません。
定期的な健康診断で、早期発見と早期治療に努めましょう。

グレート・デーンとの快適生活のコツ

グレート・デーンとの快適生活のコツ

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気品と威厳を感じさせる魅力的な大型犬である、グレート・デーン。
これほどの超大型犬の飼育経験がほかになくても、家族に愛情深く、穏やかな性格のグレート・デーンであれば安心して迎えられるのではないでしょうか。
赤ちゃんや子供の、よき番犬でありよき遊び相手にもなってくれるはずです。
ただし、グレート・デーンのストレス発散のためにも毎日の散歩は欠かせません。
一緒に早歩きをするのも大変なサイズなので、ドッグランなどで自由運動をさせるのがオススメです。
散歩中に力強いグレート・デーンに引っ張られると、飼い主さんはコントロールがむずかしくなります。
そういう意味で、飼いやすさは小型犬や中型犬に劣るのは事実。
子犬のうちから、飼い主さんの横について引っ張らずに歩くトレーニングや、呼び戻しの練習を重ねてください。
ドッグトレーナーなど、必要に応じてプロに依頼すると良いでしょう。
病中や老齢期に寝たきりになると、体重の重いグレート・デーンの寝返りを打たせるのは重労働。
自宅に出張してくれる老犬介護のプロなどの手を借りつつ、飼い主さんも心穏やかに老犬との生活を送りたいものです。

グレート・デーンとの旅行の秘訣

グレート・デーンとの旅行の秘訣

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グレート・デーンはとにかく大きくて目立つので、一緒に出かけるとめずらしがられて人に囲まれがち。
旅行デビューの前に、ほかの人に慣らす練習を重ねておきましょう。
短毛ですが、体表の面積が大きい分、抜け毛も少なくありません。
洋服を着せて抜け毛の飛散量を抑えたり、カフェマットなどを持参しておけば安心です。
宿泊先等で、グレート・デーンが使いやすいフードボウルがあるとは限りません。
シリコン製の折り畳み式バケツがあれば、水を飲ませる器やフードボウル代わりに使用できて便利です。
存在感たっぷりの癒しのグレート・デーンと、ぜひ快適な旅行を楽しんでください。

グレート・デーンの価格相場は?

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グレート・デーンは、25~65万円が一般的な価格相場になります。
ドッグショーでチャンピオンになった親犬の直子は、高額になります。

まとめ

まとめ

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一緒に生活すると、その魅力の虜になる人が多いというグレート・デーン。
心身ともに懐が深いグレート・デーンは、まさに大きな癒しの存在です。
日々の健康管理とトレーニングを心がけながら、自宅で過ごすにしても、一緒に外出するにしても、快適に楽しく過ごしてくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野
麻布大学獣医学部獣医学科

・資格
獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト

・職業
獣医師
ペットスペース&アニマルクリニックまりも

・所属団体、学会
一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事)

・著書(一部)

[(link) "text": "最新版 愛犬の病気百科","url": "http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=4092", "target": "_blank"]
著者名: 愛犬の友編集部 編


[(link) "text": "愛犬をケガや病気から守る本","url": "http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=4439", "target": "_blank"]
著者名: 愛犬の友編集部 編


・職業上でのペットとの関わり
普段犬猫の診察をしています。
飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。

・飼っている動物
シーズー

・ペット歴
ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア)

・ペットへの想い
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。

現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。
毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。

プライベートでは一児の母。
愛犬はシーズー。
家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています

・ペットに関するエピソード
シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。
2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。
動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。
犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター/ドッグ・ジャーナリスト。
旅行誌編集者を経て、フリーライターに。独立後は週刊トラベルジャーナルや企業広報誌の紀行文のほか、幼少期より詳しかった犬のライターとして『愛犬の友』、『ペットと泊まる宿』などで執筆活動を行う。30代でオーストラリアにドッグトレーニング留学。帰国後は毎日新聞での連載をはじめ、『週刊AERA』『BUHI』『PetLIVES』や書籍など多数の媒体で執筆。著書に『室内犬気持ちがわかる本』『うみいぬ』がある。

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