【獣医師監修】旅先では特に愛犬の脱走に気をつけて! 失踪の対策は?

愛犬が失踪する事故は、旅先など普段とは違う環境で起こりやすいと言われます。犬はなぜ脱走してしまうのか、その理由を知っておきましょう。日常的に気をつけるとともに、特に旅先では万全の対策で愛犬を迷子にさせないようにしたいものです。

【獣医師監修】旅先では特に愛犬の脱走に気をつけて! 失踪の対策は?
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犬の失踪原因は?

犬の失踪原因は?

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今よりも去勢や避妊をしている犬が少なく、屋外飼育の犬が多かった昭和の時代には、発情期のメス犬のにおいに興奮したオス犬が、庭の穴を掘ったり、フェンスを乗り越えたり、散歩中にリードを振り切るなどして脱走することもめずらしくありませんでした。
メス犬が発情期に発するオス犬を惹きつけるにおいは、広範囲に漂います。
オスの愛犬が鼻をクンクン言わせて、少し興奮しているような様子を見せたら、もしかするとメス犬のにおいに反応しているのかもしれません。
散歩中など、気をつけてリードを握りしめておきましょう。

犬の失踪原因は?

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昔も今も変わらないのが、花火や雷の音にパニックを起こして自宅から飛び出してしまうケースです。
大地震など、大きな災害があるたびに迷い犬が多数出てしまいます。
旅行中、景色やめずらしいものに意識が向いてしまった飼い主さんが、ふと愛犬のリードをゆるめてしまい、犬も興味を抱いたもののほうへと向かってしまい、迷子になるケースもあります。
宿泊先で、部屋に残そうとした犬が飼い主さんの後を追おうとして、ケージなどから脱走してしまうケースは特に注意が必要です。
動物病院に行くと察した犬が、マイカーから飛び出してしまったり、駐車場で脱走してしまうこともあります。
公園などでノーリードにしてしまい、そのまま鳥や猫を追いかけて失踪する犬も実際は少なくありません。
失踪のほとんどは、飼い主さんの不注意が原因と言えます。
予防策と、万一愛犬がいなくなってしまった場合の対策を心得ておきましょう。

失踪後は事故に遭いやすいので要注意

失踪後は事故に遭いやすいので要注意

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自宅周辺で脱走や失踪をした犬が、帰巣本能で自宅に帰ってきたという例もあります。
いつもの散歩コースや、メス犬のいる家の近くでウロウロしていて、発見される可能性もあるでしょう。
けれども、犬自身が見知らぬ土地で迷子になってしまった場合、犬は焦り、飼い主を探して動き回る可能性が高くなり、発見もしづらくなります。
自宅周辺でも、外出先でも、失踪した犬は交通事故に遭うケースが後を絶ちません。
とにかく、愛犬が脱走しないように、特に飼い主さんも愛犬から意識が離れがちな旅行中は、最大限の注意が必要です。

愛犬が失踪したらすべきこと。見つけ方や捕まえ方

愛犬が失踪したらすべきこと。見つけ方や捕まえ方

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愛犬がいなくなったら、まず、失踪場所の近くや愛犬が行きそうな範囲内の警察署、保健所、動物愛護センターなどに通報してください。
都道府県をまたぐ可能性がある場合は、近隣の関連する施設すべてに連絡を入れることも重要です。
愛護団体などから譲渡されたペットの場合、譲渡元にも伝えるとよいでしょう。
ツイッターやフェイスブックなどのSNSを活用して、情報提供を求めることもできます。
体力の衰えた老犬や非常に臆病な犬の場合は、それほど遠くへ行かずに物陰に隠れているケースがあります。
けれども一般的には、猫よりも犬のほうが、元来の狩猟スタイルや習性から考えて失踪後は遠くへ行く可能性が高いので、近隣だけではなく数キロ~数十キロ離れたところへ移動してしまう恐れがあることも念頭に置いて捜索をしてください。
飼い主さんや手伝ってくれる人が捜索をする際は、発見後に捕まえやすいようにおいしい食べ物を持参すると良いでしょう。

迷い犬が帰ってくる確率は? 戻ってこない場合の迷子捜索法

迷い犬が帰ってくる確率は? 戻ってこない場合の迷子捜索法

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愛犬の失踪後は、一刻を争うと言っても過言ではありません。
すぐに効率的な捜索を開始しなければ、遠くへ移動してしまい発見しにくくなるのはもちろんのこと、事故や飢えによって命を落とす危険性が高まるからです。
迷子のペットを探す、ペット探偵と呼ばれるような業者も存在します。
チラシの作成と配布・貼付から、近隣住民への聞き込み、捕獲器を設置しての捜索など、サービスは多岐にわたり、費用は数日間で10万円以上になります。
それでもあるペット探偵では、失踪した犬の7割は発見に至っているそうなので、迷子ペットの探し方のノウハウを持つプロに依頼をするのも、ひとつの手段でしょう。

脱走の防止対策

脱走の防止対策

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愛犬を迷子にさせないために、飼い主さんはしっかり防止対策を行いましょう。
日常生活では、玄関ドアからそのまま犬が外に飛び出せないようにするため、廊下にペットゲートやベビーゲートと呼ばれるような柵を設置するのがおすすめです。
マイカーで旅行をする際は、車内で必ずクレート(ケージ)に入れるようにしてください。
宿泊先で室内サークルが用意されているところでは、飼い主さんが浴場や食堂を使用する際などは愛犬をサークル内に入れておけば安心です。
失踪してしまった万が一の時のために、外出先では、飼い主の連絡先を記した迷子札を付けた首輪をつけっぱなしにしておきましょう。
旅行や遠出をした時は、首輪とリードのセットのほか、ハーネスとリードの“ダブルリード”にしておけば、安心材料になります。
マイクロチップを入れておくことも、迷子対策に役立ちます。

脱走癖の直し方

脱走癖の直し方

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すぐに脱走をしてしまう愛犬と暮らしている場合は、脱走癖を直すしつけも試みてください。
例えば、リードが付いていない時、廊下を経て玄関マットから先は「OK」の合図なしには行ってはいけないというトレーニングがひとつ。
最初は、玄関マットのところまで愛犬が来たら「マテ」の合図を声と手で出して愛犬の動きを制止させます。
よくできたら、玄関マットに愛犬が乗っている状態でほめてご褒美を与えます。
そのうち、飼い主さんの手による合図だけにレベルアップを。
最終的には、何も言わなくても愛犬が玄関マットで留まるようになったら、ほめてあげましょう。
もし玄関マットから一歩でも足を踏み出したら、「ア」と、抑止を促す声を飼い主さんが出して、飼い主さんの体を使って愛犬が一歩下がるようにしてください。
それを繰り返せば、愛犬は、玄関マットから先は行ってはいけないのだと理解してくれるでしょう。
車から降りるときも、まずは「マテ」で行動の抑止を。
飼い主さんがリードをしっかり持ったら「ヨシ」の合図で、愛犬に降車を許します。

まとめ

まとめ

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愛犬を迷子にさせないために、飼い主さんはしつけや防止策を万全にしておきましょう。
もし失踪してしまったら、早めに各所に通報して、捜索を開始してください。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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