【ドッグトレーナー監修】犬の正しい抱っこ(抱き方)の仕方は?逃げたり、嫌がる理由を解説

犬を飼うと、「抱っこしたい」と思うことや、抱っこしなければいけない場面があります。そんな時、犬が嫌がって逃げたり、怒って噛まれたという経験がある人も少なくないのではないでしょうか? 今回は、犬の抱っこについて正しい抱き方と、嫌がる理由について解説します。

【ドッグトレーナー監修】犬の正しい抱っこ(抱き方)の仕方は?逃げたり、嫌がる理由を解説
出典 : pixta_40516229

多くの犬は抱かれるのが好きじゃない!

多くの犬は抱かれるのが好きじゃない!

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カナダにあるブリティッシュコロンビア大学のスタンレー コレン(Stanly Coren)博士が行った調査では、なんと8割の犬が人からハグされた際に不安やストレスを感じているサインを見せていることがわかりました。

もちろん、犬が飼い主さんに抱っこしてもらうことをいつも嫌がっているわけではなく、「甘えたい時」「不安を感じている時」など、犬が抱っこされることを好む時もあります。
しかし人との生活の中では、病院やトリミングサロンで台の上に乗せたり、人や車の往来が激しく危険な場所で安全に通行するためなど、犬が望んでいなくても抱き上げないとならない状況もあります。
そのような状況でも、犬が嫌がらずスムーズに抱っこできるようになるには、犬が抱っこを嫌がる理由を飼い主さんが理解しておく必要があります。
どのような理由があるか、見ていきましょう。

犬が触られることに慣れていない

犬が触られることに慣れていない

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子犬に頃に身体を触られることや抱かれる経験が少ないと、人からの接触や抱かれることを過度に嫌うようになってしまいます。
「社会化期」と呼ばれる身体を触られることや、抱かれる練習をはじめることが大切です。
老犬になり介護が必要になると、身体を触ったり抱き上げる頻度が多くなるため、将来を見越して子犬の頃から身体を触られることや抱かれることに慣らしていきましょう。

抱かれることで嫌な経験をした

抱かれることで嫌な経験をした

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人に抱かれている状況は、犬にとって拘束され逃げ場がない状態なため、不安に感じやすい状態です。

特に病院での治療、健康管理、トリミングなどでは、犬が好まない状況で抱き上げる機会もあるため、抱き上げることと嫌だった経験が結び付いてしまい、抱かれること自体を嫌がるようになることもあります。

犬を怖がらせる抱き方をしている

犬を怖がらせる抱き方をしている

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犬を抱き上げるときは、いったん体を捕まえて動きをとめてから抱き上げますが、犬は人が正面から覆いかぶさるように捕まえる動きに不安や警戒心を持ちます。
特に小型犬の場合、多くの飼い主さんが犬の正面から両脇に手を入れて抱き上げようとするため、目線の低い小型犬は抱かれることを怖がるようになる傾向があります。
また、リードを付ける際に首輪をもつ時も、覆いかぶさるように首輪をつかむ動作を取るため、首輪をつかまれることを嫌がるようになる犬もいます。

犬の正しい抱っこの仕方と下ろし方

犬の正しい抱っこの仕方と下ろし方

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日常的には犬を抱くことがなくても、病院の診察時などで抱かなければならない場面もあります。
そういった時のために正しい抱き方と下ろし方を知っておきましょう。

【正しい抱き方のポイント】
1. 正面からではなく、犬の横から抱き上げるようにします。
初めのうちは、ご褒美などで誘導して横から抱き上げやすい位置に犬を移動させ、抱き上げたらご褒美をあげるようにすれば、抱き上げられることへの警戒心を和らげることが出来ます。

2. 犬の背中に負担がかからないように、できるだけ地面と背中が平行になるように抱きましょう(※ミニチュアダックスフンドやコーギーなどの胴長犬種は、腰を傷めやすくヘルニアになってしまうこともあるので抱っこするときは特に注意)
 
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犬の正しい抱っこの仕方と下ろし方

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3. 体の大きい中型犬や大型犬は、犬の胸前とお尻からももの当たりを抱えこむようにして抱き上げましょう

犬の正しい抱っこの仕方と下ろし方

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抱き上げた状態から下ろすときは、ゆっくりと犬の足がきちんと地面についているのを確認して下ろします。
犬が椅子やソファーなどに飛び乗ってしまった場合なども、自分で飛び降りることをさせず、抱っこして下ろしてあげた方が、ケガのリスクを抑えることができます。

犬の正しい抱っこの仕方と下ろし方

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家の中での抱っこの注意点

犬は「飼い主さんと一緒にいたい時」「はしゃいで家の中を走り回っている時」「落ち着いてゆっくりしたい時」などに、ベッドやソファーなど自分の背丈より高い場所であっても平気で飛び乗ってしまいます。

しかし、飛び乗ることは簡単でも、高いところから降りる場合には身体的なリスクが伴います。
特に小型犬は着地の時に足を捻ったり、脱臼してしまったり、そのときは平気でも長年の蓄積で関節などを痛めてヘルニアなどの病気になってしまうこともあります。

また、階段は犬種を問わず抱っこをして上り下りをしたほうが望ましいでしょう。
階段は人間が上り下りしやすい段差や奥行きで作られているため、4本足で歩く犬にとっては勾配が急です。
特に下る時には極端な前傾姿勢をとるため前肢に大きな負担がかかります。

基本的に、犬に高い場所を上り下りさせないように転落・飛び降り防止用のグッズを利用して配慮する必要がありますが、もし乗ってしまった場合には抱っこをして下ろしてあげるようにしましょう。

外での抱っこの注意点

外での抱っこの注意点

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家の外でも、犬に危険が伴ったり、犬が恐怖や不安を感じたりするような場所では抱っこをしてあげましょう。
人や自転車で混み合っている道や車などの往来が激しい場所、散歩中他の犬とすれ違う際に安全な距離が取れない場合などは、極力避けて通るように心がけたほうが良いですが、もし、通らなければならない状況であれば安全な場所まで抱っこをして移動したほうが良いでしょう。

また抱っこをしての散歩は、ワクチンプログラムが終わっていない子犬も、外での社会化を促すことが出来ますし、家の中での生活ばかりになってしまう高齢や病気の犬も、気晴らしをさせてあげることが出来ます。

犬の抱っこ【まとめ】

犬の抱っこ【まとめ】

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犬が人と生活するうえで、時には犬の意思に反して抱かなければならないこともあります。
そのため、犬の負担を軽減させてあげるためにも「人に抱かれることに慣らす」ことを、子犬のうちから練習しておきましょう。
そして、飼い主さんは愛犬の抱っこして欲しい時と、して欲しくない時の気持ちを汲み取る意識を持ち、抱く時には安全に配慮し犬に恐怖心を与えない「正しい抱き方」と「下ろし方」をしてあげてください。

監修者情報

鹿野 正顕(学術博士)

鹿野 正顕(学術博士)

・学歴(大学・院、学部、専門分野) 麻布大学大学院 獣医学研究科 博士後期課程修了  専攻:人と動物の関係学、犬の行動学 麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。 ・資格 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed) (世界最大家庭犬トレーナー資格) ・職業 スタディ・ドッグ・スクール® 代表 株式会社 Animal Life Solutions(ALS) 代表取締役社長 ・所属団体、学会 日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT) 理事長 動物介在教育療法学会(ASAET) 理事 ・受賞歴 平成16年度さがみはら青年アントレプレナービジネスコンテスト 優秀賞 ・著書 ◆ 「犬の行動学入門」 監修:森 裕司 著:鹿野 正顕/中村 広基    ◆ 「アニマルセラピー入門」   編集:NPO法人 ひとと動物のかかわり研究会 監修:太田 光明 ◆ DVD「子犬と暮らす前に 準備と選び方」   ◆ DVD「子犬を家に迎えたら 飼い方・しつけ方」 販売元:アイディーマグネテック株式会社 監修:鹿野 正顕 ◆ 建築知識 創刊60周年記念出版「犬のための家づくり」 発行:エクスナレッジ ◆Oral tyrosine changed the responses to commands in German shepherds and Labrador retrievers but not in toy poodles   Masaaki Kano,Hidehiko Uchiyama,Mitsuaki Ohta,Nobuyo Ohtani (2015) ◆ 応急仮設住宅における人とペットが共棲する住環境に関する音響特性評価 浅見 樹里, 田村 雅紀, 金巻 とも子, 鹿野 正顕, 長谷川 成志 ジャーナル:工学院大学総合研究所・都市減災研究センター (Research Center for Urban Disaster Mitigation: UDM) 研究報告書 (平成25年度) ・職業上でのペットとの関わり ドッグトレーナーとして飼い主指導 獣医師、ドッグトレーナーなどの専門家に対する犬の行動・しつけ・トレーニング等の教育 学校機関での専門家の育成 メディアを通した情報発信 企業に対するペット関連コンサルタント ・飼っている動物 スタンダード・プードル(♀:柔、11歳) ・ペット歴 犬:Mix(4匹)、ミニチュアシュナウザー(1匹)、ジャーマンシェパード(1匹) スタンダード・プードル(1匹) ネコ:2匹 シマリス:2匹 ウサギ:1羽 セキセイインコ:5羽 ・ポリシー(ペットに関する) 動物の習性を客観的に理解し、人と動物互いのバランスを保った共生を追求する ・エピソード(ペットに関する) 畜産を兼業していた農家出身の両親は、ともに動物が好きだったことから、よく捨てられた犬を拾ってきて家で飼っていました。そのため、私は幼少のころから常に犬と一緒の生活を送り、鍵っ子だった私の寂しい気持ちを犬はいつも癒してくれ支えとなってくれました。  当時の犬の飼い方は今とは全く異なり、犬は外で飼うのは当たり前で予防接種をしたり動物病院に連れていくこともあまり一般的ではありませんでした。特に私の父親は、戦後間もない、物のない時代で生まれ育ったため、動物にお金をかける意識が低く、予防接種や病気の治療なども満足には行わなかったため、我が家の犬たちも非常に短命で、大学に進学するまでの12年間で4頭もの犬を飼育してきました。  そんな犬の飼い方に、幼いころから何となく疑問を感じていた私にとって、小学生の頃、今の仕事を志すようになった衝撃的な事件が起きました。避妊もしていなかった我が家の犬は、ある日、家に迷い込んできた野犬と交配してしまい、自宅で1匹の子犬を産みました。私は父に、産まれた子犬を飼うことをお願いしましたが、2頭も同時に飼うことができないという理由で拒まれてしまいました。そこで、子犬の里親を見つけることを懇願すると、父は承諾をしてくれたと思ったのですが、次の日の朝、子犬はいませんでした。  気が動転した私は、すぐに父のもとへ行き子犬の行方を尋ねると、父は夜中に山に捨ててきたと答えました。ショックでした。言葉が出ないくらい、頭の中が真っ白になるぐらいショックでした。私は、泣きじゃくりながら父親に怒りをぶつけましたが、もうその子犬が家に帰ってくることはありませんでした。  このことがきっかけで、私は、「犬をもっともっと大切にする社会に変えたい」、「家族の一員としてもっともっと犬との絆を深められる社会にしたい」、そう決意し犬の専門家になることを強く志し、「犬とのより良い共生社会の確立」という夢をかなえるべく、麻布獣医大学の獣医学部動物応用科学科に進学をしました。  大学院の博士課程が修了後、同じ志をもち、共に学生時代に犬の研究チームをまとめ、同期共に、さらなる夢をかなえるべく、大学のベンチャー企業として株式会社アニマルライフ・ソリューションズを立ち上げ、現在でも「犬とのより良い共生社会の確立」を目指した事業活動を行っています。

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ライタープロフィール

長根 あかり Akari Nagane

長根 あかり Akari Nagane

【経歴】 2017年 帝京科学大学 アニマルサイエンス学科卒業。 卒業後、株式会社シロップで約2年間勤務。ウェブメディア『ペトこと』や、保護犬猫とのマッチングサービス『OMUSUBI』で犬猫の飼い方を中心に執筆。 ペットイベントへの取材・編集、「犬猫との暮らし」「犬とのお出かけ」などをテーマとした連載記事も担当。 退職後は犬のしつけ・トレーニングのアドバイスをする傍ら、都内にある犬猫の保護シェルターで勤務。犬猫のお世話だけでなく譲渡会へも参加し保護の現場を学ぶ。 【資格】 2017年2月 ドッグトレーナー 2017年3月 動物介在教育アドバイザー 2018年3月 愛玩動物飼養管理士 【ペット歴】 幼少期は、金魚をはじめオタマジャクシ、カエル、アゲハチョウ、ザリガニなどを飼育。 祖母の家に行けば4匹の猫と遊び、休日は公園に集まる散歩中の飼い主さんに声をかけ犬に遊んでもらっていました。小学4年生から中学3年生までシマリス「シママ」と暮らし、大学3年生になり保護犬のアルを迎え現在に至ります。 【愛犬とのエピソード】 幼い頃から犬と暮らすことが夢だった私にとって、アルとの出会いで昔からの夢が一つ叶いました。 これまでたくさんの犬と触れ合ってきましたが、実際、四六時中一緒にいるとそれまで意識したことがなかったことも気になって不安になる夜もありました。 家に帰ると乳歯が落ちていて驚いたり、撫でているときに「あれ?ここって骨出っ張ってたっけ?」と急に心配になったり・・・。 寝息を立てているアルの隣で寝ようとしたときに、自分の呼吸のリズムがわからなくなって一緒に寝るのを諦めたこともありました。 まだ学生でしたので、お留守番前の朝はしっかり散歩をして授業が終われば帰って一緒に遊ぶ日々。週2日は朝の部活にも一緒に行ってトレーニングをして、時には一緒に授業に行って実習を受けることもありました。 そんなアルとの生活ですが、アルは警戒心が強く人や環境に慣れるのに時間がかかりました。行動学やトレーニングを学んでいるとは言え、性格はそれぞれなので後はお互い手探りしながら、アルのペースでゆっくり一緒に成長してきたように感じています。 人から学べることもたくさん有るけれど、結局は犬から教えられることの方が多いなと毎日が学びの日々です。 【趣味】 多趣味なのでインドアもアウトドアも好きですが、やっぱり動物や自然に触れ合える場所に行くことが多いです。 友達と犬連れで車を走らせて、油壺マリンパークやマザー牧場などに日帰りの弾丸旅行をすることもしばしば。(犬なしで行くなら、横浜動物園ズーラシア・京都水族館・名古屋港水族館がおすすめです!) 最近ではペットOKの観光地も増えていますし、何よりドッグランのあるサービスエリアが増えているので、気になってわざわざ寄り道しちゃいます。 【ペットへの想い】 私にとってペットは、友であり、兄弟であり、子供であり、かけがえのない存在です。 家族や友達には相談できないこともペットには相談できる。辛いことがあったとき、悲しいことがあったとき、ただそばにいてくれるだけで安らぎ、乗り越える力をくれるのもまたペットたちです。 犬でも猫でも鳥でも、ヘビやトカゲであっても人とペットの繋がりは変わらないと思います。 年齢に似合わず『世界名作劇場』のシリーズが好きなのですが、作品の多くが主人公とパートナーである動物が支え合って一緒に困難を乗り越える物語です。 また、現代では動物を介在させることで治療やリハビリ、子供教育にも大きな影響を与えることがわかっており、さまざまな場面で動物との活動が行われています。 そんな切っても切れない人とペットとの関係が、今後もっともっと良くなることを願っていますし、暮らしやすくなるように活動していきたいと思っています。

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