【獣医師監修】胴長短足がキュートなミニチュア・ダックスフンドと愉快な日々を

短脚の容姿が愛らしく、個性的な魅力で不動の人気を誇るミニチュア・ダックスフンド。独特な体型ならではの、かかりやすい病気、健康管理の秘訣などを知って、快適な生活とお出かけを楽しみましょう。歴史や毛色も紹介します。

【獣医師監修】胴長短足がキュートなミニチュア・ダックスフンドと愉快な日々を
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ミニチュア・ダックスフンドの歴史

ミニチュア・ダックスフンドの歴史

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ミニチュア・ダックスフンドは、ドイツが原産の犬種。
その歴史は中世にまで遡ります。
1888年にダックスフンドの最古の犬種クラブが創設され、当時はテッケルまたはダッケルと呼ばれていました。
地上および地下用狩猟犬として、主にはアナグマ猟に用いられたために、巣穴の内部で動きやすい胴長短足の身体に改良されました。
長い垂れ耳は、アナグマの巣穴で耳に土砂が入るのを防ぐため。
大きな鳴き声は、巣穴の外で待ち受ける猟師にアナグマがいたことを知らせたり、アナグマを威嚇するため。
すべてに意味があるのです。

ミニチュア・ダックスフンドのサイズや被毛など、身体的な特徴

ミニチュア・ダックスフンドのサイズや被毛など、身体的な特徴

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ダックスフンドのサイズは3種類存在します。
中間の大きさのミニチュア・ダックスフンドの成犬時の体重は、5~7kgほどが多数を占めるでしょう。
ジャパンケネルクラブ(JKC)の全犬種標準書によると、最小サイズのカニーンヘン・ダックスフンドは、生後15ヵ月を経過した時点で測定した胸囲が30cm以下、ミニチュア・ダックスフンドは、生後15ヵ月を経過した時点で測定した胸囲が30~35cm、最大サイズのダックスフンドの体重は約9kgで胸囲は35cmを超えるとされています。
猟犬なので、どのサイズのダックスフンドも筋肉質な体をしています。
毛質にも、ダックスフンドにはスムースヘアード、ロングヘアード、ワイアーヘアードという3つの種類が存在します。
短毛のスムースヘアードと長毛のロングヘアードの毛色には、単色のレッド、レディッシュ・イエロー、イエロー、2色のブラック&タン、チョコレート(ブラウン)&タン、タンではなくイエローの斑とブラックやブラウンの組み合わせがあります。
散在した黒の毛(シェーデッド)がある場合も単色として分類されます。
その他、ブリンドル、タイガー・ブリンドル、ダップルもあります。
ワイヤー状の硬い毛質のワイアーヘアードの毛色は、ほとんどが明色または暗色のイノシシ色か枯葉色です。

ミニチュア・ダックスフンドとのハッピーライフの秘訣

ミニチュア・ダックスフンドとのハッピーライフの秘訣

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ミニチュア・ダックスフンドは愛らしいルックスで、日本では家庭犬として人気がありますが、本場ドイツではいまだに狩猟犬として活躍している犬種です。
ミニチュア・ダックスフンドとの暮らしでは、毎日豊富な運動量を提供してあげることが必須条件。
刺激不足や運動不足が原因で、ストレスで過剰な吠えや破壊行動を起こしてしまうダックスフンドもめずらしくありません。
毎日、合計1時間以上は散歩をしてあげましょう。
歩くだけでなく、走るような運動も取り入れたいものです。
ただし、胴長短足の体型から、階段の昇降時に背中や腰に無理がかかると、椎間板ヘルニアになる危険性があります。
階段は、なるべく抱っこをするなどして昇り降りさせないように気をつけましょう。
狩猟では、臭いでアナグマなどの獲物の巣を見つける役割も担っています。
そのため、ミニチュア・ダックスフンドは優れた嗅覚を持ち、生き甲斐と言えるほど臭い嗅ぎが大好き。
室内に隠したおやつなどを嗅覚で探させるゲームも日課にすれば、きっと愛犬は喜んで取り組むに違いありません。
本格的に“ノーズ・ワーク”と呼ばれるような競技に参加するのもおすすめです。

ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命は?

ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命は?

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日本の家庭犬の平均寿命は、およそ14歳で、サイズ別では小型犬がもっとも長生きすることがわかっています。
ミニチュア・ダックスフンドは小型犬の中でも長生きする犬種として知られていて、20歳近くなり老衰で寿命をまっとうする犬もめずらしくありません。
平均的な寿命は、13~16歳位だと考えられます。

ミニチュア・ダックスフンドのかかりやすい病気

ミニチュア・ダックスフンドのかかりやすい病気

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ミニチュア・ダックスフンドは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・椎間板ヘルニア

胴長短足の体型ゆえ、背中や腰を傷めやすいというウィークポイントをダックスフンドは抱えています。
椎間板ヘルニアを発症するミニチュア・ダックスフンドは、決して少なくありません。
椎間板ヘルニアは子犬期にはあまり発症しませんが、1歳から老犬期までいつでも発症する可能性があります。
椎間板の物質が脊椎を圧迫するため、下半身に麻痺が起こり、後ろ足がダランとするのが特徴的な症状です。
ある日突然、飼い主が気づいたら愛犬がそのような麻痺の状態になっていることもあれば、圧迫部位を刺激すると痛がる程度の初期症状が長く続くケースもあります。
椎間板ヘルニアだと診断されたら、外科手術により治療をするか、内科療法による温存治療を選択するかを獣医師と話し合いながら決めることになるでしょう。
鍼灸治療の効果が期待できるケースもあります。
術後はしっかりとリハビリに取り組むことも重要です。
椎間板ヘルニアの発症は、太り過ぎが引き金になります。
ご飯の量や質の管理は必須です。
腰に負担のかかる縦向きの抱っこも、ダックスフンドには好ましくありません。
なるべく地面と水平になるような抱き方を心がけてください。

・眼疾患

ミニチュア・ダックスフンドは、最終的に失明をする眼疾患である進行性網膜萎縮症(PRA)にかかる可能性があります。
若年性の白内障、角膜ジストロフィーにも注意が必要です。
ミニチュア・ダックスフンドを迎えたら、定期的に目の検査を受けるようにしましょう。

・歯周病

長い口吻を持つミニチュア・ダックスフンドは、全犬種の中でも歯周病になりやすいことで知られています。
歯周病を放置してしまい、歯周病菌が鼻腔に及び炎症を起こし、鼻から膿を含んだ鼻水のようなものが出てくるケースもめずらしくありません。
子犬のうちから歯磨きを習慣にするのはもちろん、口臭が気になるようであれば早めに獣医師に相談を。
必要に応じて動物病院で歯のクリーニングや歯石除去をしてもらいながら、愛犬の健康寿命を延ばしてあげたいものです。

ミニチュア・ダックスフンドとの旅行のコツ

ミニチュア・ダックスフンドは、狩猟では群れで行動する犬種です。
そのため多頭飼いに向いていて、人間の赤ちゃんや子供にもフレンドリーという良さを備える反面、留守番が苦手。
旅行をする前には、独りでいても飼い主さんを求めて吠えないようにしつけておいてください。
旅行には、普段から使用しているケージ(クレート)をなるべく持参してください。
愛犬を残して入浴する際などに、飼い主さんのにおいのついたタオルやぬいぐるみとともにケージに入れておけば、愛犬も心細さを感じにくくなるでしょう。
ロングヘアードのダックスフンドは、雨の中を歩くと泥が腹部や四肢に跳ねて汚れがち。
レインコートやグルーミンググッズ、水のいらないシャンプーなどを旅行に持参すると便利です。

ミニチュア・ダックスフンドの価格相場は?

ミニチュア・ダックスフンドの価格相場は?

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ミニチュア・ダックスフンドの価格は、毛色などによってかなり幅があります。
珍しい色や人気色、ドッグショーでのチャンピオンを輩出しているブリーダーのもとで生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。
10~60万円ほどが、ミニチュア・ダックスフンドの価格の相場と言えるでしょう。

まとめ

まとめ

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明るい性格で誰にでも友好的な、ミニチュア・ダックスフンド。
吠えと留守番に関するトレーニングさえ行えば、育て方もむずかしくなく、旅のパートナーにも最適です。
個性あふれるミニチュア・ダックスフンドと、活動的な毎日を楽しんでくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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