【獣医師監修】大きくて賢いスタンダード・プードルと楽しく暮らす秘訣

プードルの中で最大の大きさを誇る、スタンダード・プードル。優雅な雰囲気で人々を魅了する大型犬と快適に暮らし、お出かけや旅行を楽しむ秘訣を心得ておきましょう。トイ・プードルとの違いや、歴史、かかりやすい病気なども紹介します。

【獣医師監修】大きくて賢いスタンダード・プードルと楽しく暮らす秘訣
出典 : pixta_2735909

スタンダード・プードルの歴史

スタンダード・プードルの歴史

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スタンダード・プードルは、ミディアム・プードル、ミニチュア・プードル、トイ・プードルの4種類の中で最も大きいプードルです。
スタンダード・プードルの祖先犬は、ドイツから原産国のフランスにもたらされたという説が有力です。
南欧のウォーター・ドッグとの混血説もあり、正確なルーツは明らかになっていません。
スタンダード・プードルは、主にカモ猟で活躍しました。
腰回りや後肢の毛を刈る独特なカットスタイルは、水中で泳ぎやすいように施されたのが始まりです。
16世紀頃からフランスの貴族に愛玩されるようになり、小型化されていきました。
1700年代半ばから後半にかけてのルイ16世の時代には、トイ・プードルも誕生し、世界各国に知られるようになったと言われています。
小型のプードルは水中運搬作業をしませんでしたが、すべてのサイズのプードルが、現在でもドッグショーなどで、かつての実用的なカットスタイルに美的要素が加えられた“コンチネンタル・クリップ”と呼ばれるようなヘアスタイルをしています。

スタンダード・プードルのサイズや被毛など、身体的な特徴

スタンダード・プードルのサイズや被毛など、身体的な特徴

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プードルの被毛は、白や黒や茶色系などのきれいな単一色です。
血統書に記載される毛色には、ブラック、ホワイト、グレー、ブラウン、アプリコット、クリーム、シルバー、レッドなどがあります。
プードルの巻き毛は、水に濡れても乾きやすいという利便性から生まれました。
スタンダード・プードルの成犬時の体高は45~60cm、体重は20~30kgほど。
トイ・プードルの理想体高の25cmと比較すると倍以上に大きいことがわかります。

スタンダード・プードルとの快適ライフを実現するには

スタンダード・プードルとの快適ライフを実現するには

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スタンダード・プードルは、頭脳明晰で活発で従順。
まさに、家庭犬として理想的な資質をすべて備えた犬種と言えます。
人とともに行動して、人の指示で仕事のサポートをする犬種だったため、独りで過ごすのは得意ではありません。
スタンダード・プードルは大型犬に近いサイズですが、必ず室内飼いをしてあげてください。
愛情深く優しい犬種なので、赤ちゃんや子供とも仲良くできるはずです。
トイ・プードルなど、違うサイズのプードルと多頭飼育をしている飼い主さんも多いようです。
スタンダード・プードルは、運動欲求が高い犬種でもあります。
散歩は毎日、理想的には2回、1日合計1時間は行ってあげたいものです。
飼い主さんとの協働作業に喜びを感じるので、トレーニングを兼ねて散歩をしたり、休日には大好きな水遊びに連れていってあげれば、愛犬もきっと喜ぶはずです。
ジャンプ力や抜群の運動神経を活かし、ドッグスポーツやドッグダンスに一緒に取り組むのも良いでしょう。

スタンダード・プードルの平均寿命は?

日本の家庭犬の平均寿命は、およそ14歳です。
小型犬のほうが長生きすることがわかっているため、同じプードルでもトイ・プードルよりも平均寿命は短め。
スタンダード・プードルは、12~14歳が平均的な寿命だと考えられます。

スタンダード・プードルのかかりやすい病気

スタンダード・プードルのかかりやすい病気

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スタンダード・プードルは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・アジソン病(副腎皮質機能低下症)

副腎皮質ホルモンの分泌量が減ってしまう内分泌疾患です。
スタンダード・プードルは、アジソン病の好発犬種のひとつ。
アジソン病の症状は、多飲多尿、食欲が落ちる、元気消失、痩せる、嘔吐や下痢など。
急性の場合は命に危険が及ぶため、早期に発見して治療を開始することが重要です。
主な治療は、副腎皮質ホルモンの充填療法となります。
スタンダード・プードルを迎えたら、アジソン病の早期発見のために定期的に血液検査を受けるようにしましょう。

・胃捻転胃拡張症候群

胸が深い骨格をしているスタンダード・プードルは、胃捻転を起こしやすいので注意してください。
不安そうな表情で部屋を歩き回る、よだれを垂らす、吐くしぐさをしているのに吐けないといった初期症状が見られたら、一刻も早く動物病院へ。
早急な処置をしないと、命を落とす可能性が高まります。
予防のためには、食後1時間は運動せずに過ごし、理想的には食後3時間してから散歩に出るようにしましょう。
胃に負担をかけないように1回あたりのご飯量を減らし、1日2~3回に分けて食事を与えるのも予防策になります。

・皮膚疾患

スタンダード・プードルは、遺伝的に脂腺炎にかかりやすい犬種として知られています。
脂腺炎は背中にゴワゴワとした乾燥性のフケが見られるのが特徴で、脱毛するケースもあります。
初めての発症は、中齢期が多数。
原因が不明の病気で、近年はステロイド治療での効果が認められています。
その他、スタンダード・プードルは比較的皮膚のトラブルを抱えやすい傾向にあります。
皮膚が見えるような過度なサマーカットや過度なシャンプーは、皮膚のバリア機能を損ねやすいので控えるようにしてください。
皮膚に異常が見られたら、悪化を防ぐために早めに獣医師に相談することも大切です。

スタンダード・プードルとの旅行のコツ

スタンダード・プードルとの旅行のコツ

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スタンダード・プードルは抜け毛も臭いも少ない犬種なので、旅のパートナーとして、マナー面でも気兼ねせず過ごせるでしょう。
ただし、他の大型犬と比較すると神経質な一面を見せやすく、新しい環境に適応しにくいかもしれません。
旅行には、家族と過ごすリビングに日常的に置いてあるクレートなどを持参して、車や宿泊先で安心できる基地として活用してください。
家族のにおいがついたタオルやぬいぐるみをクレートやケージに入れておけば愛犬も安心しやすく、愛犬を客室に残しての入浴時などに役立つでしょう。
初めての旅行に備えて、子犬期からあらゆる環境に慣らす“社会化”にも力をいれておきたいものです。
社会化のためには、ワクチンプログラムが終了していなくても、生後2ヵ月頃から抱っこ散歩などを開始するのもおすすめです。
プードルは分厚いアンダーコートを持たないシングルコートの犬種なので、モコモコのテディベアカットにしていても、寒さが苦手。
冬期の旅行には、防寒着も必須アイテムです。

スタンダード・プードルの価格相場は?

スタンダード・プードルの価格相場は?

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スタンダード・プードルの価格相場は、20~70万円ほど。
ドッグショーでのチャンピオンを輩出しているブリーダーの犬舎で生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ

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心優しく聡明でしつけやすく、大型犬の中では飼い方が難しくないのが、スタンダード・プードルの魅力。
トリミング料金はかかりますが、トリミングで様々なカットスタイルを楽しむこともできます。
スタンダード・プードルとの生活は、楽しみが満載です!

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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