【獣医師監修】温厚なキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとの幸せライフ

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、飼いやすさ満点と言われるほど温厚で友好的な犬種です。世界的に大人気のこの犬種の歴史や魅力を知りつつ、いつまでも健康で暮らしてもらえるために病気のことや生活の秘訣も心得ておきましょう。

【獣医師監修】温厚なキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとの幸せライフ
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キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの歴史

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの歴史

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キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、鳥猟犬であるスパニエルの名が付いていますが、コッカー・スパニエルなどとは違って実猟では使われません。
ジャパンケネルクラブ(JKC)が傘下に入っている国際畜犬連盟(FCI)でも、コンパニオン・ドッグ(伴侶犬)&トイ・ドッグ(愛玩犬)のグループに属していることからも、それは明らかです。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの祖先は、1500~1800年代にイギリス王室や貴族の間で人気のあったトイ・スパニエルであると言われています。
トイ・スパニエルをより愛らしく改良しようと、マズル(口吻)を短くするブリーディングが一時期イギリスで盛んに行われました。
ところが、1928年、かつての趣を失ったトイ・スパニエルを古来の姿に蘇らせることを目的にした「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル・クラブ」が設立。
現在の外見に近い形になり、1945年、イギリスのケネルクラブによってイギリス原産の犬種として公認されました。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのサイズや被毛など、身体的な特徴

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのサイズや被毛など、身体的な特徴

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キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、歴史的背景からも推察できるとおり、愛玩犬として抱きやすいサイズであることがドッグショーなどでは重視されます。
体重は5.4~8kgの範囲内が理想とされています。
絹のような手触りの被毛は、長く美しいのが特徴。
毛色には、パールホワイトとチェスナット色の2色から構成されるブレンハイム、黒と白とレッドの3色からなるトライカラー、ブラック&タン、全身が鮮やかなレッド1色のルビーがあります。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとの快適生活術

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとの快適生活術

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キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは愛情深く穏やかな性格で、ほとんど吠えることもありません。
子供がいる家庭からシニア世代まで、さらには猫や先住犬がいる家庭など、どのような家族構成であっても楽しく一緒に暮らせるでしょう。
誰にでも世話がしやすい犬種です。
ただ、いくらおとなしい愛玩犬だからとはいえ、心身の健康維持と促進のために散歩は欠かせません。
刺激不足で退屈してしまうと、ストレスを発散しようと無駄吠えと言われるような問題行動が起きる恐れもあります。
比較的おとなしい犬種ですが、運動や飼い主さんとのコミュニケーションは大好きです。
毎日、1回20~30分間ほどの散歩を2回ほど行ってあげたいものです。

災害救助犬やドッグスポーツ選手として、アクティブに活躍するキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルも、実はめずらしくありません。
四肢が長くジャンプ力もあるのと、食いしん坊なところがあるので、テーブルの上のものを盗み食いされる危険性があります。
子犬の頃から、ダイニングチェアには手をかけないようにしつけをしておけば、犬が食べると中毒を起こすブドウやチョコレートなどを口にしないで済むので安心できるでしょう。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの平均寿命は?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの平均寿命は?

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日本の家庭犬の平均寿命は約14歳で、サイズ別では小型犬がもっとも長生きします。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは遺伝的に心臓病にかかりやすく、心臓病の管理が上手にできれば寿命を延ばしてあげられるでしょう。
平均的な寿命は、11~14歳ほどだと考えられます。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのかかりやすい病気

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのかかりやすい病気

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キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・僧帽弁閉鎖不全症

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、心臓病の一種である僧帽弁閉鎖不全症の発症が多い犬種です。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルでの僧帽弁閉鎖不全症の発症は遺伝的な素因が関係していると言われ、他犬種よりも発症年齢が若いのが特徴です。
多くの犬種ではシニア期以降の発症ですが、キャバリアの場合は4~5歳からの発症例も少なくありません。
初期には心雑音が現れるので、キャバリアと暮らす上では定期的な聴診は不可欠。
レントゲン検査や超音波検査などで僧帽弁閉鎖不全症だと確定診断が下ったら、内科療法で病状の管理を行うのが一般的です。
長期にわたって内科治療でコントロール可能な、病状の進行が遅いケースと、急速に悪化するケースとがありますが、個体差があるので経過観察は重要です。
現在は循環器の専門病院で、僧帽弁修復術という外科手術を受けることも可能になりました。

・短頭種気道症候群

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルという犬種が正式に公認される前、パグなどの短頭種の血が加えられて、マズルがかなり短かった時期があります。
そのため、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは今でも、短頭種気道症候群を抱えがちです。
外鼻腔狭窄、軟口蓋過長症など複数の呼吸器疾患の総称が、短頭種気道症候群。
呼吸がスムーズに行えないために放熱がうまくいかず、熱中症にかかりやすいので注意しましょう。
手術で治療が必要な疾患もあります。
いびきが気になる、すぐにハァハアと口を開けて呼吸をするといった症状が見られたら、獣医師に早めに相談しましょう。

・外耳炎

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、豊かな被毛に覆われた垂れ耳を持つ犬種です。
シャンプー後や水泳のあとによく乾かさないでいたり、高温多湿の時期などは、耳の内部が蒸れて雑菌が繁殖しやすく外耳炎になりやすいでしょう。
愛犬の外耳が赤くなっている、耳垢が増えた、悪臭を感じるといった変化に気付いたら、動物病院へ。
外耳炎だと診断された場合、まずは獣医師による耳の洗浄を行います。
その後しばらく、点耳薬による治療を行うのが一般的です。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとの旅行の秘訣

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとの旅行の秘訣

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キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとの旅行の必携品は、スヌード(耳カバー)とお手入れグッズです。
スヌードは、長く豊かな耳の被毛が地面に付いたり、フードボウルに入ったりして汚れるのを防いでくれるお役立ちアイテム。
ただし、通気性の悪いものだと内部が蒸れて外耳炎の発症リスクを高めるので、メッシュ素材など、なるべく通気性の良いものがベストです。
キャバリアは被毛が長いので、抜け毛が気になるかもしれません。
その場合は、抜け毛の飛散量を軽減できる洋服を着させましょう。
外出先で被毛が汚れてしまった時のために、水のいらない泡タイプのシャンプーもあれば便利です。
呼吸器に負担がかからないよう、散歩で引っ張り癖のあるキャバリアの場合、首輪よりハーネスがオススメです。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの価格相場は?

まとめ

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キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの価格相場は、10~40万円ほど。
ドッグショーでのチャンピオンを輩出しているブリーダーの犬舎で生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

キャバリア・キング・チャールス・スパニエルの価格相場は?

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初心者でも飼いやすい室内犬の代表選手とも呼べる、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。
心臓病には気をつけて管理を行いながら、時にはアクティブに、時にはゆったりとおだやかに、絆を深めながらハッピーライフを過ごしてくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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