【獣医師監修】華麗で陽気なアメリカン・コッカー・スパニエルとの楽しい暮らし

丸く大きな目が可愛い、アメリカン・コッカー・スパニエル。鳥猟犬ならではの運動神経の良さと陽気な性格に加えて、ショードッグとしてアメリカで名を馳せた華麗なルックスも魅力です。病気やしつけ、日常生活を快適に過ごすコツを知って実践しましょう。

【獣医師監修】華麗で陽気なアメリカン・コッカー・スパニエルとの楽しい暮らし
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アメリカン・コッカー・スパニエルの歴史

アメリカン・コッカー・スパニエルの歴史

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アメリカン・コッカー・スパニエルは優秀な鳥猟犬である、イングリッシュ・コッカー・スパニエルを祖先に持ちます。
1881年、アメリカン・スパニエル・クラブが創設されると、アメリカのブリーダーはドッグショーで活躍できるコッカー・スパニエルの改良に力を入れ始めました。
1946年、アメリカンケネルクラブ(AKC)は、イングリッシュとアメリカンそれぞれのコッカー・スパニエルを別犬種として公認。
その後は原産国のアメリカのみならず、華麗なショードッグへと変貌を遂げたアメリカン・コッカー・スパニエルは、世界中で人気犬種の座を獲得しました。

アメリカン・コッカー・スパニエルのサイズや被毛など、身体的な特徴

アメリカン・コッカー・スパニエルのサイズや被毛など、身体的な特徴

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アメリカン・コッカー・スパニエルの理想体高は、オスが38.1cm、メスが35.6cmとされ、これより1.25cm上下しても良いとスタンダードブック(犬種標準書)に記されています。
絹のような美しい被毛はまっすぐか、わずかにウェーブがかかっています。
豊富な毛色も、アメリカン・コッカー・スパニエルの魅力と言えるでしょう。
毛色には、薄いクリームから濃いレッドまでがある1色のバフ、ブラック&タン、ブラック、ブラック&ホワイト、チョコレート、チョコレート&タン、レッド&ホワイト、ブラックタン&ホワイト、チョコレート&ホワイトや、イングリッシュ・コッカー・スパニエルでは主流のブルーローンなどがあります。

アメリカン・コッカー・スパニエルとの幸せな生活の秘訣

アメリカン・コッカー・スパニエルとの幸せな生活の秘訣

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アメリカン・コッカー・スパニエルは、まるで原産国のアメリカの人々を象徴するかのように、おおらかで明るくフレンドリーな性格をしています。
ところが、ごくまれに、突発性激怒症候群を持っている可能性もあります。
これは、脳内の伝達物質に異常が起こる先天的な問題だと指摘されていて、突然怒り出したように攻撃的に咬んできたりするというもの。
通常の噛み癖を直すしつけなどでは飼い主さんは太刀打ちできないため、もし突発性激怒症候群の疑いがあるようならば、動物行動治療専門の獣医師に相談をしてください。
本来の陽気で愛情深いアメリカン・コッカー・スパニエルを迎えるためには、ドッグショーなどに出陳しながら、気質や遺伝病などに問題のない親犬を選んで繁殖しているブリーダーを探すのがおすすめです。

アメリカン・コッカー・スパニエルには、鳥猟犬ならではの高い運動欲求が備わっています。
原則的には毎日、散歩に連れて行ってあげましょう。
動くものを追いかけるのが本能的に好きなので、ボール遊びをすると喜ぶに違いありません。

アメリカン・コッカー・スパニエルの平均寿命は?

アメリカン・コッカー・スパニエルの平均寿命は?

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日本の家庭犬の平均寿命は、約14歳です。
アメリカン・コッカー・スパニエルの平均的な寿命は、12~15歳位でしょう。

アメリカン・コッカー・スパニエルのかかりやすい病気

アメリカン・コッカー・スパニエルのかかりやすい病気

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アメリカン・コッカー・スパニエルは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・耳炎

アメリカン・コッカー・スパニエルは、外耳炎の好発犬種です。
外耳炎から中耳炎や内耳炎に進行してしまい、手術が必要になるアメリカン・コッカー・スパニエルもめずらしくありません。
また、アメリカン・コッカー・スパニエルの外耳炎は再発が比較的多く見られるので注意が必要です。
定期的に愛犬の耳をチェックするようにして、悪臭がしたり、耳垢が多かったり、耳の皮膚が赤くなっていたりしたら、早期に獣医師のもとへ。
外耳炎だった場合、まずは耳道内を洗浄し、点耳薬や内服薬などにより治療を行う必要があります。

・皮膚病

アメリカン・コッカー・スパニエルは、皮膚病になりやすい犬種のひとつ。
マラセチア皮膚炎、膿皮症、脂漏性、アレルギー性皮膚炎などにかかる可能性があります。
特に高温多湿の環境では皮膚トラブルが生じやすく、皮膚病によって体臭が強くなることもあります。
皮膚の状態は、ブラッシングの際に必ずチェックするようにしたいものですが、飼い主の目では異常が確認できなくても、愛犬が頻繁に痒がっている様子を見せたら、なるべく早めに動物病院で相談してください。
定期的なシャンプーとトリミングで皮膚を衛生的に保ち、皮膚病を予防することも重要です。

・白内障

アメリカン・コッカー・スパニエルは、若齢のうちから白内障にかかることがあります。
飼い主が目の白濁に気付いた時には、白内障はかなり進行していると言われます。
なるべく、若齢のうちから定期的に眼科検診を受けるようにしましょう。
白内障だと診断されたら、点眼薬による治療が主流になります。
また、早期に外科手術を行えば、視覚を消失しないで済みます。

アメリカン・コッカー・スパニエルとの快適旅行術

鳥猟犬の血を引くアメリカン・コッカー・スパニエルには、興奮しやすいところがあります。
さらに、好奇心が旺盛でイタズラ好きなアメリカン・コッカー・スパニエルも多く、誤飲トラブルも度々発生しています。
その意味で、アメリカン・コッカー・スパニエルとの生活では、落ち着いて過ごしてもらえるクレートやケージは必須です。
子犬のうちから、リビングなどに置いたクレートやケージ内でごはんを与えたり、知育玩具を入れて過ごさせたりしましょう。
そうすれば、クレートが安心できる場所だと認識してくれます。
旅行中、自動車内ではクレート内に入れて安全の確保を。
飼い主さんの入浴中なども、お気に入りのおもちゃや飼い主さんのにおいがついたタオルなどを入れたクレートやケージで過ごしてもらえば、愛犬の安心感がアップするに違いありません。

抜け毛が多いアメリカン・コッカー・スパニエルとの旅行では、抜け毛の飛散量を抑えるために洋服を着せておきましょう。
ただし、耳カバー(スヌード)も洋服も、内部が蒸れてしまうと外耳炎や皮膚炎の発症要因のひとつになります。
適宜、脱がせるようにして皮膚の通気性を確保してあげてください。

アメリカン・コッカー・スパニエルの価格相場は?

アメリカン・コッカー・スパニエルの価格相場は?

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アメリカン・コッカー・スパニエルの価格相場は、10~40万円ほど。
ドッグショーでのチャンピオンを輩出しているブリーダーの犬舎で生まれた子犬や、めずらしいコートカラーのアメリカン・コッカー・スパニエルは、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ

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食欲も好奇心も旺盛、運動欲求も高め。
そんなアメリカン・コッカー・スパニエルは、飼いやすさで言えば、中級者向きかもしれません。
けれども、その華麗さと陽気な性格に魅了されてしまうファンは、世界中でたくさんいます。
一緒にいるだけで笑顔になれる、そんなアメリカン・コッカー・スパニエルと楽しい日々を送ってくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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