【獣医師監修】気品あふれるサルーキとの優雅な生活を実現しよう

脚と首が長くスラリとした外観が魅力的な大型犬、サルーキ。 日本ではそれほど多く見られない犬種ですが、優雅な雰囲気が満点のサルーキの歴史から、外見的な特徴、快適に暮らすコツ、かかりやすい病気まで幅広く知っておきましょう。

【獣医師監修】気品あふれるサルーキとの優雅な生活を実現しよう
出典 : pixta_60835630

サルーキの歴史

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サルーキは原産国が存在せず、中東が原産地とされています。
視覚で獲物を見つけるや否や、俊足を活かして猟をするサイトハウンドの一種です。
サイトハウンドと言えば、ボルゾイやグレーハウンドが有名です。
ちなみに、ダックスフンドのように嗅覚で獲物を探す犬種をセントハウンドと呼びます。
原産国が定められておらず、中東という広大な地域で何千年にもわたりシカやキツネやウサギなどの狩猟犬として活躍してきた歴史が、サルーキにさまざまなタイプとバリエーションをもたらしました。
その多様性も、サルーキの魅力のひとつと言えるでしょう。
エジプト王も、サルーキを愛したと伝わっています。
砂漠地帯でも走りやすいように、足裏には水かきのような皮があるのも特徴。
バネを活かしたしなやかな走り方をします。
犬種のスタンダードは、1923年にイギリスのケネルクラブにより初めて作成されました。

サルーキのサイズや被毛など、身体的な特徴

サルーキのサイズや被毛など、身体的な特徴

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サルーキには、四肢などにフェザリングと呼ばれる長めの飾り毛が見られるタイプと、フェザリングがないスムース・バラエティーの2タイプのコート(被毛)があります。
毛色は、グリズル、ブラック&タン、レッド、クリーム、フォーンなど、いかなる色でも、いかなる色の組み合わせでも許容されますが、ブリンドル(主な地色の中に他の色の差し毛が入る)は好ましくないとされています。
体高の平均は58~71cmと、ボルゾイより小さめのサイズです。

サルーキとの快適生活のコツ

サルーキとの快適生活のコツ

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サルーキには攻撃性がほとんどなく、理解力も高いので、子供がいる家庭にも向いているでしょう。
自立心がありますが、寒さに弱く警戒心も備えているため、また暑さに強いとはいえ日本のような多湿の環境下が原産の犬種ではないため、外飼いには向いていません。
家族のぬくもりを感じられる室内で、家庭犬として愛情を注いであげてください。

サルーキは全犬種の中でもトップ3に入るのではないかと言われるほど、足が速い犬種。
もとは狩猟犬なので、運動欲求は高めです。
ただし、動物で言えばチーターのように、瞬発力を発揮するタイプなので、持久力はあまりなく、運動量は大型犬の中ではそれほど必要とはしません。
とはいえ、外の景色を眺めたり、動くものを見つけて追いかけたりするのが本能的に大好きなので、毎日最低でも2回は、脳トレとストレス発散のために散歩に行ってあげましょう。
走ることが大好きなので、広めのドッグランで思い切り走らせてあげたいものです。

サルーキは、目で見て気になるものがあると、瞬間的に追いかけてしまいがち。
そのため、散歩や旅行などの外出先ではリードをしっかり握り、心を落ち着かせるための「マテ」のしつけはしっかりとマスターさせておきましょう。

サルーキの平均寿命は?

サルーキの平均寿命は?

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日本の家庭犬の平均寿命は約14歳で、サイズ別ではサルーキが属する大型犬はもっとも短命であると言われています。
けれども、サルーキは大型犬の中では比較的長生きをする犬種で、平均的な寿命は11~14歳ほどだと考えられます。

サルーキのかかりやすい病気

サルーキのかかりやすい病気

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何千年も広域で生き延びてきたサルーキは丈夫な犬種で、気になる遺伝病などはありません。
けれども、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・皮膚疾患

原産である中東のような乾燥した地域にいれば、恐らく皮膚トラブルは生じにくいかと思いますが、日本のような多湿の気候下では、サルーキは皮膚病にかかる確率がアップします。
皮膚が蒸れて通気性が悪くなると、マラセチア皮膚炎、膿皮症などの感染症にかかる可能性があるでしょう。
ブラッシングをそれほど必要としないスムースタイプでも、定期的に皮膚の状態を確認するようにしてください。
愛犬が痒がっている、フケが多い、脱毛がある、赤い発疹が見られるといった皮膚の異変に気づいたら、なるべく早く獣医師に相談を。

・外耳炎

サルーキは垂れ耳の犬種なので、耳の通気性が立ち耳の犬種ほど良好ではありません。
上記の皮膚炎と同様の理由で、日本の高温多湿の環境では、耳の内部が蒸れて雑菌が繁殖しやすく外耳炎になりやすいので注意が必要です。
愛犬の外耳に耳垢が増えていたり、悪臭を感じたり、赤くなっているようであれば、動物病院での治療が必要です。
外耳炎だと診断された場合、獣医師による耳の洗浄と、点耳薬による治療を行うことになるでしょう。

・骨折

サルーキなどのサイトハウンドは、持久力よりも軽快に動けることを重視されて品種改良がされました。
その結果に備わった細い四肢の骨は、大きな衝撃により折れやすいという弱点があります。
高所からの落下で骨折をする危険性があるので、高い場所にはアプローチできないようにするなど、生活管理を怠らないようにしましょう。
犬の場合は安静に過ごさせることがむずかしいため、ギブス固定が人間のように一般的ではありません。
骨折をすると外科手術による治療が必要になるケースも少なくないため、飼い主が骨折予防に努めることが大切です。

サルーキとの旅行の秘訣

サルーキとの旅行の秘訣

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サルーキはシングルコートの犬種で、寒さに弱い傾向にあります。
冬の旅行には、防寒機能の高い洋服が必携品です。
四肢が長いため、足首まで覆えるようなロンパースタイプの洋服が最適です。
風の抵抗を受けにくくして速く走れるように、サルーキの頭部は細め。
そのため、緩い首輪では頭からスポッと抜けてしまう恐れがあります。
旅先では、頭から抜けにくい首輪をしたり、ハーネスを利用するなどして、サルーキの失踪事故を防ぎましょう。

サルーキの価格相場は?

サルーキの価格相場は?

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サルーキの価格相場は、15~35万円ほど。
ドッグショーでのチャンピオンを輩出しているブリーダーの犬舎で生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。
子犬のうちは小さくて可愛い顔をしていますが、成長するにつれて、可愛いというよりカッコよいタイプの大型犬に変貌を遂げていきます。
その成長過程も、楽しめる犬種です。

まとめ

まとめ

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動くものには反応して興奮することもありますが、普段は落ち着いていて、体臭も抜け毛も少なく、手入れも簡単。
飼いやすさ満点の大型犬であるサルーキと、旅行やお出かけなど、アクティブに楽しい日々を過ごしてくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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