【獣医師監修】温厚な超大型犬ニューファンドランドとのゆったりライフ

大きな体で存在感が抜群の、ニューファンドランド。落ち着いていてやさしい性格のニューファンドランドと暮らせば、ゆったりした気持ちになれることでしょう。そんなニューファンドランドの歴史やかかりやすい病気、旅行の秘訣を紹介します。

【獣医師監修】温厚な超大型犬ニューファンドランドとのゆったりライフ
出典 : pixta_13899468

ニューファンドランドの歴史

ニューファンドランドの歴史

pixta_59959530

ニューファンドランドの歴史は古く、カナダのニューファンドランド島の土着犬と、1100年以降にバイキングが持ち込んだ黒いクマのような犬にルーツを遡れると言われています。
さらにヨーロッパから漁師が伴った犬とも交雑し、現在の姿に近づいたと考えられます。
天候の厳しいニューファンドランド島で、かつては漁具を水中から引き上げたり、材木を引く仕事を担っていました。
時代とともに、海難救助犬としても活躍をするようになりました。

ニューファンドランドのサイズや被毛など、身体的な特徴

ニューファンドランドのサイズや被毛など、身体的な特徴

pixta_44531116

ニューファンドランドの最大の特徴は、水かきのようなものが指と指の間にあることです。
古くから水中で仕事をしていたので、泳ぎやすいように発達したのでしょう。
平均的な体高は、オスが71cmでメスが66cm。
平均体重はオスが約68kgでメスが約54kgで、頑丈で筋肉質な体をしています。
ニューファンドランドの毛色は、ブラック、ホワイト&ブラック、ブラウンの3つ。
寒さや冷水から身を守るために密生したアンダーコートを備え、耐水性のあるダブルコートです。
なお、国際畜犬連盟(FCI)では、ドイツとスイスが原産の犬種とされるランドシーアは、FCI以外の犬の団体では白と黒の組み合わせのニューファンドランドとされることもあります。

ニューファンドランドとの快適生活の秘訣

ニューファンドランドとの快適生活の秘訣

pixta_44531113

ニューファンドランドは吠えることも少なく、温厚で落ち着いた性格の犬種です。
日本ではサイズの規約で飼育できないマンションが多いかもしれませんが、ニューファンドランドの飼いやすさには定評があり、欧米では集合住宅で飼育されているケースも多数。
サイズは特大ですが、それほど活発な犬種ではないので、豊富な運動量が必要なわけでもありません。
とはいえ、もとは屋外で作業をしていた犬種なので、室内で長時間過ごすと退屈してストレスになります。
ドッグランに頻繁に連れて行って走らせたりする必要はありませんが、マイペースに歩かせながらの散歩に毎日2回は行きましょう。
ニューファンドランドは体が重く、特に老犬になると、散歩中などに座り込んでしまって動かなくなることもあります。
成長しきる前の、体が軽い子犬期に「立って」という合図で立ち上がれるようなしつけをしておくと、シニア期以降だけでなく、日常生活で役立つシーンも多いのでオススメです。

ニューファンドランドの平均寿命は?

ニューファンドランドの平均寿命は?

pixta_54896833

日本の家庭犬の平均寿命は約14歳で、サイズ別では超大型犬はもっとも短命であると言われています。
ニューファンドランドの平均的な寿命は、7~11歳ほどだと考えられます。

ニューファンドランドのかかりやすい病気

ニューファンドランドのかかりやすい病気

pixta_47189754

ニューファンドランドは、以下の病気にかかりやすい傾向にあります。

・胃捻転胃拡張症候群

ラブラドール・レトリーバーやフラットコーテッド・レトリーバーなど、同じように水中での作業をしていた大型や中型で胸の深い犬種にもよく見られるのが、胃捻転胃拡張症候群です。
吐こうとしているのに吐けない、よだれの量が増えて不安そうな様子を見せるといった初期症状に気づいたら、すぐに動物病院へ。
胃捻転を処置しないでいると、急速に命に危機が迫ります。
治療は、緊急手術になるケースが多いでしょう。
予防のために、食後最低でも2時間は運動をさせないようにすることが重要です。
避妊や去勢手術の際に、予防措置として胃固定術を同時に施すこともできます。

・外耳炎

ニューファンドランドは日本よりも寒い地方が原産の犬種なので、高温多湿の環境にいると耳の内部が蒸れやすいので要注意。
ブラッシングの際などには、必ず耳をチェックするようにしましょう。
臭いと感じたり、耳垢が増えていたり、耳が赤くなっていたりしたら、早めに獣医師に相談を。
外耳炎だった場合は、動物病院で耳の洗浄を行ったのち、点耳薬によって治療を行います。

・拡張型心筋症

心臓の筋肉が拡張し、血液のポンプ機能が低下する心臓の病気です。
ニューファンドランドやグレート・ピレニーズなどの大型犬が好発犬種として知られています。
治療は内科療法が主流です。
初期症状がわかりにくいため、ニューファンドランドと暮らす上では、定期的なレントゲン検査やエコー検査で早期発見に努めましょう。
重症になると呼吸困難に陥り、命を落としてしまいます。
なお、2019年7月にアメリカ食品医薬品局(FDA)が、マメ科の植物の含有量が多いグレインフリーのドッグフードと、拡張型心筋症の発症の関連性を指摘する発表を行いました。
調査は継続中なので今後の研究報告によっては状況が変化するかもしれませんが、拡張型心筋症の好発犬種には、マメ科の植物を含有するグレインフリーのドライフードなどには注意をしたほうが良いかもしれません。

ニューファンドランドとの旅行のコツ

ニューファンドランドとの旅行のコツ

pixta_38613833

ニューファンドランドはよだれが多く出る犬種です。
普段の生活でもよだれかけを活用している飼い主さんは多いと思いますが、バンダナタイプのよだれかけなどを着ければ、旅先でもフォトジェニックになるでしょう。
カフェやレストランや宿泊先などの床をよだれで汚さないために、また垂れてしまったよだれを拭くために、バスタオルやタオル、ウェットティッシュなどはたくさん持参すれば安心です。

ニューファンドランドは、水かきのようなものを持っているほどの泳ぎの名手。
旅行先は、犬用プールがある宿泊施設や、犬も泳げるようなところだと愛犬もきっと喜んでくれることでしょう。
砂などが付着しにくい、犬用のラッシュガードも市販されています。
そういったウェアや泳ぎやすい洋服を着させて、水泳後のお手入れの心配が少なくなるような工夫もしながら、ニューファンドランドの本能を満足させてあげたいものです。

ニューファンドランドの価格相場は?

ニューファンドランドの価格相場は?

pixta_15671992

ニューファンドランドの価格相場は、15~45万円ほど。
ドッグショーでのチャンピオンを輩出しているブリーダーの犬舎で生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ

pixta_13589996

柔和な性格とおっとりした雰囲気が魅力のニューファンドランドは、赤ちゃんや他のペットとも仲良くできる理想的な家庭犬です。
サイズが大きいため、飼育費用がかかることと、手入れや介護などが大変にはなりますが、どこへでも安心して伴える良きパートナーとなってくれるに違いありません。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

続きを読む

ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

続きを読む

「ライフスタイル」の人気記事RANKING