【獣医師監修】聡明でやさしいダルメシアンともっと幸せな毎日を

ディズニー映画『101匹わんちゃん』で一躍有名になった犬種が、斑点模様が個性的なダルメシアンです。フレンドリーな性格で旅のパートナーにも最適なダルメシアンの、かかりやすい病気、飼い方のポイント、歴史まで幅広く知って楽しい生活を実現しましょう。

【獣医師監修】聡明でやさしいダルメシアンともっと幸せな毎日を
出典 : pixta_54198302

ダルメシアンの歴史

ダルメシアンの歴史

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ダルメシアンの歴史に関しては謎が多く、古代エジプトの墓でダルメシアンと思われる彫刻が発見されていることから、数千年前には存在していたのではないかと推測されています。
ヨーロッパの教会に残された資料などから、ダルメシアンの起源が地中海のダルメシア海岸の近くであったと考えられているようです。
ヨーロッパでは、猟犬として活躍していた他、1792年に出版されたトーマス・ベヴィックの書物には「ダルメシアン、はたまた馬車犬」と呼んでいる記述と絵があり、ダルメシアンがイギリスやフランスの馬車を護衛する伴走犬であったこともわかります。
アメリカでは、馬車ではなく消防車に伴走していました。
ダルメシアンの最初のスタンダード(犬種標準)は、イギリス人により1882年に作成されましたが、原産国はダルメシア海岸を有するクロアチアです。

ダルメシアンのサイズや被毛など、身体的な特徴

ダルメシアンのサイズや被毛など、身体的な特徴

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ダルメシアンの最大の特徴は、なんと言っても水玉柄でしょう。
このスポット(斑点)は明瞭で丸く、直径2~3cm(頭部や尾、四肢のスポットはボディのスポットより小さい)と、スタンダード(犬種標準)で定められています。
毛色の地色はピュア・ホワイトで、ブラックまたはレバー(赤茶色)のスポットがあります。
ブラックとブラウンのスポットは混合しません。
ちなみに、ダルメシアンの生後10~14日以内の子犬はブチなしの真っ白。
生後2週間を過ぎる頃から次第に斑点が濃くなってきます。
成犬時の体高は、オス56~61cm、メス54~59cm、体重はオス27~32kg、メス24~29kgが理想とされています。

ダルメシアンとの快適な生活の秘訣

ダルメシアンとの快適な生活の秘訣

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ダルメシアンは、神経質さや攻撃性が低いと言われています。
なので、赤ちゃんがいる家庭にも向いている犬種です。
人懐っこい性格で遊び好きなので、室外ではなく室内で、飼い主さんとのコミュニケーションをたっぷり取ることを心がけて生活させてあげましょう。
伴走犬としての役割を担ってきた歴史からもわかるとおり、ダルメシアンは高い持久力を備えていて、走るのを喜びとする犬種。
ただ歩くだけではなく、走ることも取り入れた豊富な運動量を提供してあげてください。
お散歩だけでなく、室内で嗅覚を使うゲームをしたり、トレーニングを行って脳を刺激したり、心身ともに充実した日々を過ごせるようにしてあげたいものです。

ダルメシアンの平均寿命は?

ダルメシアンの平均寿命は?

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日本の家庭犬の平均寿命は約14歳。
小型犬のほうが長生きすることがわかっているため、大型犬であるダルメシアンの平均寿命は、11~13歳ほどだと言われています。

ダルメシアンのかかりやすい病気

ダルメシアンのかかりやすい病気

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ダルメシアンは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・尿路結石症

ダルメシアンは遺伝的に尿酸の代謝異常を持っていることが多いため、尿路(腎臓から尿管、膀胱、尿道まで)に結石ができやすいことが知られています。
尿路結石症になると、初期には無症状の場合もありますが、頻尿、血尿、排尿痛、排尿困難など様々な症状が出現します。
重症になると、尿毒症に陥って命に関わるケースもあります。
気になる症状を発見したら、早めに獣医師に診察をしてもらってください。
治療は、食事療法のみで完治する例も少なくありません。
その他、内科療法や、結石が尿路で閉塞している重症例では外科手術なども選択肢となります。
尿路結石症に一度かかった犬は、結石になりにくい食事管理が重要になります。
獣医師などに相談しながら、再発防止にも努めましょう。

・難聴

ジャパンケネルクラブ(JKC)の全犬種標準書にも、ダルメシアンにおける耳や目などの感覚喪失は20~30%の割合で存在すると記載されています。
同書には、感覚喪失の犬を減少させるために、両耳の感覚を喪失した犬や青い目のダルメシアンは繁殖ラインから外す、そして片耳の聴覚を喪失したダルメシアンも繁殖で用いないのが理想的だと書かれています。
残念ながら先天的な聴覚障害は、治療ができません。
耳が聞こえないと臆病になったり、びっくりしやすくなったりするため、もし愛犬に難聴であった場合は、驚かせないように視覚を使った合図を増やすなどの工夫をしてあげましょう。

・皮膚病

ダルメシアンに特に多く発生する、ダルメシアン・ブロンズ症候群と呼ばれる皮膚病があります。
特徴的な症状である、頭部、頸部、背中、脇腹周辺のじんましんが見られたら、獣医師に相談を。
主な原因は、尿酸の代謝異常だと考えられています。
食事療法や、内科療法による早期の治療を開始できるようにしたいものです。
その他、ダルメシアンはアレルギー性皮膚炎、マラセチア皮膚炎、膿皮症などにもかかる可能性があります。
特に免疫力が低下する老犬になると皮膚疾患にかかりやすくなるので、老齢期以降は皮膚の状態をこまめにチェックしてください。

ダルメシアンとの旅行の秘訣

ダルメシアンとの旅行の秘訣

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ダルメシアンは、とにかく運動欲求の高い犬種。
1日2回の日常のお散歩と同程度の運動は、旅行中も続けてあげたいものです。
運動欲求が満たされないと、ストレス発散のために吠えたりしがち。
宿泊先で吠えずに、満足して熟睡してもらえるように工夫をしましょう。
ダルメシアンは短毛の犬種ですが抜け毛が多いので、シングルコートで抜け毛の少ない長毛犬種よりも、ソファや室内に残る真っ白な抜け毛が気になるかもしれません。
旅行中は、抜け毛の飛散量を抑えるために洋服を着させれば、飼い主さんもマナー面で安心できるでしょう。

ダルメシアンの価格相場は?

ダルメシアンの価格相場は?

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ダルメシアンの価格相場は、20~50万円ほど。
ドッグショーでのチャンピオンを輩出しているブリーダーの犬舎で生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ

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欧米よりは飼育頭数が日本では少ない、ダルメシアン。
聡明でしつけもしやすく、誰にでもフレンドリーなので、一緒に旅行をすれば楽しい犬種です。
皮膚疾患や尿路結石を早期に発見するために、定期的な尿検査や健康診断を受診して健康管理に気遣いながら、笑顔が愛らしく、独特の魅力が満載のダルメシアンとたくさんの思い出を作ってくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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