【獣医師監修】優美な姿のアフガン・ハウンドとの快適な生活の秘訣

見るものを惹きつける、神秘的な雰囲気を持つアフガン・ハウンド。シルクのような長く美しい被毛の手入れ法から、歴史、日常生活の秘訣、旅行での注意点、かかりやすい病気など、アフガン・ハウンドについて広い知識を身に着けて快適な日々を送りましょう。

【獣医師監修】優美な姿のアフガン・ハウンドとの快適な生活の秘訣
出典 : pixta_28912284

アフガン・ハウンドの歴史

アフガン・ハウンドの歴史

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アフガン・ハウンドの原産国は、アフガニスタンです。
古代の犬種として知られ、視覚で獲物を見つけ、俊足で追いかける狩猟犬として山岳地方で活躍していました。
東洋的な表情とシルキーな長毛が特徴で、1900年代に初めてイギリスに渡ると、そのオリエンタルな雰囲気がヨーロッパの人々をたちまち虜にしたとか。
1907年にロンドンで開催されたクリスタル・パレス・ショーで、ショードッグとしての華々しい歴史の幕を開くと、以後は世界的に名を馳せる犬種となりました。

アフガン・ハウンドのサイズや被毛など、身体的な特徴

アフガン・ハウンドのサイズや被毛など、身体的な特徴

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アフガン・ハウンドの理想体高は、オスが68~74cm、メスが63~69cmです。
アフガン・ハウンドの最大の魅力は、長くて細いシルキーな被毛でしょう。
顔と肩の後ろは短毛なところがまた、アフガン・ハウンドの気高さを際立たせているかのようです。
毛色は、レッド、ブルー、クリーム、ブリンドルなどあらゆるカラーが認められています。
顔部が黒いブラックマスクや、逆に顔部が白っぽいドミノも認められていて、日本ではブルードミノが比較的人気が高いカラーのようです。

アフガン・ハウンドはしつけがしにくい?

アフガン・ハウンドはしつけがしにくい?

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アフガン・ハウンドは、しつけがしにくいと言われることがあります。
アフガン・ハウンド、ボルゾイ、グレーハウンドといった、視覚で獣を見つけた瞬間に追いかけて獲物を仕留めるサイトハウンドは、人の指示で動く犬種ではありません。
独立心があり、自己完結できる仕事を担ってきたのです。
そのため、他の作業犬と比べてしつけやトレーニングがしにくいと評されることがあります。
さらに、サイトハウンドの仕事は、持続性を求められていません。
その点では、熱しやすく冷めやすく、飽きっぽいタイプです。

アフガン・ハウンドとの快適な生活の秘訣

アフガン・ハウンドとの快適な生活の秘訣

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アフガン・ハウンドはアフガニスタンの乾燥地帯で誕生した犬種なので、日本のような高温多湿の環境は苦手です。
外飼いはせず、家族とコミュニケーションが深められる室内で、湿度や温度の管理に気を配りながら生活させてあげてください。
生粋の狩猟犬なので、運動欲求は高め。
ただし、豊富な運動量を意識するよりも、質の高い運動を提供してあげることが大切です。
トップスピードで走れるような、広いドッグランなどに定期的に連れて行ってあげましょう。
散歩の際、においを嗅ぐ時に耳の長い被毛が地面についてしまうのが気になるようであれば、スヌードを着用すれば衛生的です。

長毛犬種なので、定期的な被毛の手入れは必須です。
シルキーな被毛は切れやすいため、毎日ではなく、数日に1回の頻度でコームをかけてあげてください。
その際、ブラッシングスプレーを活用して静電気を防止するのがベター。
長い被毛が日常生活で汚れやすくて気になるならば、トリミングサロンで短めにカットしてもらってもよいでしょう。
乾燥地帯で生活していた犬種なので、皮膚はそれほどベタつきません。
シャンプーは月に1回程度が適切です。

アフガン・ハウンドの平均寿命は?

アフガン・ハウンドの平均寿命は?

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日本の家庭犬の平均寿命は約14歳です。
サイズ別では大型犬は寿命が短めですが、アフガン・ハウンドは大型犬の中では長生きするほうで、平均的な寿命は11~14歳位だと考えられます。

アフガン・ハウンドのかかりやすい病気

アフガン・ハウンドのかかりやすい病気

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古代犬の一種とも伝わるアフガン・ハウンドは丈夫な犬種ですが、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・皮膚疾患

乾燥地帯を原産とする犬種なので、日本のような高温多湿の環境では、皮膚が蒸れて皮膚にトラブルが生じやすくなります。
長毛なので、ブラッシングを怠るなどして抜け毛が体表に残り皮膚の通気性が悪くなると、マラセチア皮膚炎、膿皮症などの感染症にかかりやすくなります。
ブラッシングの際に、皮膚の状態をこまめに確認するようにしましょう。
愛犬が痒がっている、赤い発疹がある、脱毛がある、フケが出ているといった皮膚の異変に気づいたら、早めに動物病院を受診してください。

・外耳炎

垂れ耳の犬種なので、耳の内部で雑菌が繁殖して外耳炎になりやすい傾向があります。
特に梅雨時など、湿度が高い時期は要注意。
ブラッシングついでに、必ず耳をチェックするようにしてください。
もし耳垢が増えていたり、臭さを感じたり、赤くなっているようであれば、外耳炎にならないよう、あるいは悪化させないように早期に獣医師に相談を。
獣医師による耳の洗浄と、外耳炎だと診断された場合は、点耳薬によって治療を行う必要があります。

・拡張型心筋症

心臓の筋肉が拡張してしまい、血液のポンプ機能が低下する心臓病です。
重症化すると呼吸が困難になり、命に関わります。
飼い主が気づけるような明らかな初期症状がないので、レントゲン検査やエコー検査を定期的に受けて早期発見に努めましょう。
治療は、内科療法が主流になります。
なお、2019年7月にアメリカ食品医薬品局(FDA)が、マメ科の植物の含有量が多いグレインフリーのドッグフードと、拡張型心筋症の発症の関連性を指摘する発表を行いました。
調査は継続中なので不明確な部分もあり、今後は状況が変わる可能性もありますが、拡張型心筋症にかかる可能性があるアフガン・ハウンドとの生活では、マメ科の植物を含むグレインフリーのフードの使用には注意したほうがよいかもしれません。

アフガン・ハウンドとの旅行の秘訣

アフガン・ハウンドとの旅行の秘訣

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獲物を見つけやすいような広い視野と、速く走るために風の抵抗を受けにくくする必要があったため、アフガン・ハウンドの頭部は細いのが特徴です。
そのため、首輪を緩めに装着していると、ふとした拍子に頭からスポッと抜けてしまう危険性があります。
散歩中や旅先では、ハーネスを活用するなどして、アフガン・ハウンドの脱走事故を防ぎたいものです。

また、アフガン・ハウンドの長く美しい被毛は、外出先でホコリや汚れがつきやすいという難点があります。
食事中にも便利なスヌードは必携ですが、汚れを簡単に落とせる、水のいらない犬用シャンプーなども持参すれば便利でしょう。

アフガン・ハウンドの価格相場は?

アフガン・ハウンドの価格相場は?

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アフガン・ハウンドの価格相場は、15~45万円ほど。
ドッグショーでのチャンピオンを輩出しているブリーダーの犬舎で生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。
子犬のうちは可愛い表情をしていますが、次第に精悍でかっこいい姿に成長していきます。
その過程を追い続けられるのも、アフガン・ハウンドの子犬を迎える楽しみのひとつではないでしょうか。

まとめ

まとめ

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独立心があり誰にでも懐く犬種ではありませんが、家族にはツンデレなところが、アフガン・ハウンドの魅力のひとつかもしれません。
攻撃的な面もないので、先住犬や先住猫などとも付かず離れず、うまく共存できるでしょう。
どこへ行ってもきっと人目を引いて人気者になれる、アフガン・ハウンドとの生活を快適に楽しんでください。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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