【獣医師監修】クールな外観が人気のワイマラナーと、アクティブな日々を満喫

琥珀色の目とグレー調の毛色がクールな印象を与える、ワイマラナー。今でも海外では実猟で活躍しているこの美しい大型犬の歴史、かかりやすい病気、生活管理のコツ、快適旅行の秘訣などを知り、ワイマラナーとのアクティブな日々を満喫してください。

【獣医師監修】クールな外観が人気のワイマラナーと、アクティブな日々を満喫
出典 : pixta_26761262

ワイマラナーの歴史

ワイマラナーの歴史

pixta_22776952

ジャパンケネルクラブ(JKC)でポインティング・ドッグに属するワイマラナーの原産国は、ドイツです。
その起源については諸説ありますが、1830年代にはドイツのワイマール宮廷で飼育されていたと伝わっています。
19世紀半ばには、ドイツ中部で猟場の管理者やハンターが繁殖を行っていました。
当時はポインターやセターとも交雑されることもあったようで、短毛のワイマラナーとは別に長毛のバラエティーが存在するのは、セターの影響だと考えられます。
次第に純粋犬種として繁殖されるようになり、約100年前には現在に近い姿で犬種が固定化されました。
嗅覚に優れ、鳥や他の獲物を捕らえる能力に長け、水中作業や回収作業もこなすオールマイティーさと気品ある外観を兼ね備えるワイマラナーは、ハンティングの愛好家から根強い人気を獲得しています。

ワイマラナーのサイズや被毛など、身体的な特徴

ワイマラナーのサイズや被毛など、身体的な特徴

pixta_38586147

ワイマラナーの体高は、オスが59~70cm、メスは57~65cmです。
体重は、オスが約30~40kg、メスが約25~35kg。
ワイマラナーの特徴のひとつは、目の色と言えるでしょう。
子犬期はスカイブルー色で、成犬になるとアンバー(琥珀)色になります。
被毛にはショートヘアードとロングヘアードの2種類のバラエティーがあり、どちらも、毛色はシルバー、ノロジカ色、マウス・グレー、またはこれらの色のシェード(1本の被毛に濃淡がある)です。
ワイマラナーには断耳の習慣はありませんでしたが、ショートヘアードのワイマラナーには断尾が行われていました。
現在は動物愛護の観点から、ほとんどの国で断尾は行われていません。

ワイマラナーとの快適生活の心得

ワイマラナーとの快適生活の心得

pixta_48971

ワイマラナーは、獲物を探し、捕らえ、回収するというマルチな猟芸を発揮できる猟犬です。
毎日の生活では、猟犬としての本能を満たしてあげるために、豊富な運動量を提供しなければなりません。
レトリーバーのように獲物の回収だけを担う犬種ではないため、猟欲が高いのも特徴のひとつ。
鳥や猫や野生動物を見ると興奮しがちなので、家庭犬として暮らすのであれば、猟欲を高めすぎないためのしつけやトレーニングも必要です。
ただ歩くだけの散歩では、どんなに長時間であっても、きっとワイマラナーは心身の満足感を得られないでしょう。
ボール遊びやトレーニングなどを取り入れて、作業欲を満たせるように工夫してあげたいものです。

性格的には、レトリーバーのように社交的というより、主人だけにしか興味がないワンオーナードッグのタイプ。
これらをふまえると、決して飼いやすい犬種とは言いがたいのが現実です。
裏を返せば、何に対しても意欲的で、飼い主さんだけに忠実なところが魅力であり、アクティブな生活を一緒に楽しめるパートナーとしては最高です。
嘱託警察犬(一般の飼い主のもとで暮らす警察犬)として活躍するワイマラナーもいます。
訓練性能の高さを活かして、嘱託警察犬や災害救助犬などを目指すのも良いかもしれません。

ワイマラナーの平均寿命は?

日本の家庭犬の平均寿命は、約14歳です。
サイズ別では大型犬はあまり長生きができません。
ワイマラナーの平均的な寿命は11~14歳ほどだと考えられます。

ワイマラナーのかかりやすい病気

ワイマラナーのかかりやすい病気

pixta_26761261

ワイマラナーは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・胃捻転胃拡張症候群

ワイマラナーのように持久力が必要とされる作業犬は、深い胸を持っています。
そのため、胃捻転が生じやすいので注意が必要です。
胃捻転胃拡張症候群の初期症状は、不安そうな表情でウロウロしたり、部屋の隅に行って背中を丸めてうずくまったりする、よだれを流す、吐きたそうにしているのに吐けないでいるといったもの。
急速に悪化しやすく、呼吸困難に陥り命を落とすこともめずらしくありません。
初期症状に気付いたら、夜間でも通常の診察時間外でも、様子を見ないですぐに急患対応をしている動物病院に向かってください。
緊急手術による治療例が多数を占めます。
近年では予防のために、避妊・去勢手術の際に胃固定手術を依頼する飼い主も少なくありません。
それら手術は、腹腔鏡手術を選択すれば犬の体への負担が少なくなります。

・腫瘍

ワイマラナーは腫瘍を発症しやすい犬種のひとつです。
なかでも、肥満細胞腫が比較的多く見られます。
皮膚におできなどの異変を発見したら、早めに獣医師に相談しましょう。
他にも、リンパ腫、口腔内の腫瘍など、あらゆる腫瘍になる可能性があるので、シニア期以降はレントゲン検査や超音波検査を含む健康診断を受診するなどして、早期発見と早期治療の開始に務めてください。

・外耳炎

ワイマラナーはドイツが原産の犬種なので、日本の高温多湿の環境下では、皮膚や耳の内部が蒸れやすい傾向にあります。
こまめに垂れ耳をめくって、外耳の様子をチェックしてください。
耳が赤みを帯びていたり、臭いと感じたり、耳垢が増えていたりするならば、外耳炎の可能性があるので動物病院へ。
獣医師による耳の洗浄を受けたあと、外耳炎であれば主には点耳薬によって治療を行います。

ワイマラナーとの快適旅行のポイント

ワイマラナーは、寒さに弱い犬種です。
冬期の旅行では、防寒着の持参を。
特に老犬になると寒がりになるため、冬は室内でも保温性の高い洋服を着せてあげてください。
ワイマラナーは抜け毛が多い方ではありませんが、夏には熱中症対策のための冷感ウェア、春や秋にはTシャツなどを着せておけば、宿泊先やカフェなどでの抜け毛の飛散を抑えられ、マナー面でも役立ちます。

飼い主さんの姿が見えなくなると、不安になって吠えてしまうワイマラナーも少なくありません。
野山を長時間駆け回れる猟犬ですが、ふだんの生活でも室内飼育をするのはもちろん、旅行中も常に飼い主の近くにいさせてあげましょう。

ワイマラナーとの旅行先は、自然豊かなところがおすすめです。
旅行中に愛犬がストレスフリーで楽しめるよう、犬用プールや広いドッグランを備えている宿泊先がベスト。
ハイキングなどをしている際は、獲物を見つけて追いかけて行ってしまわないよう、リードはしっかりと握っておいてください。

ワイマラナーの価格相場は?

ワイマラナーの価格相場は、15~35万円ほど。
ドッグショーでのチャンピオンを輩出しているブリーダーの犬舎で生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ

pixta_1221202

パワフルで猟欲が高いワイマラナーは、飼い方としては決してやさしくはないため、中級者や上級者向きの犬種です。
けれども、家族に忠実でトレーニングにも意欲的なワイマラナーとの生活は、アクティブな楽しみが満載で充実したものになるでしょう。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

続きを読む

ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

続きを読む

「ライフスタイル」の人気記事RANKING