【獣医師監修】アスリート系のウィペットと、とことん遊びつくそう

気品あふれる見た目でも人々を魅了する、ウィペット。抜群の運動神経を誇る活発な犬種なので、ドッグスポーツやアクティブな旅行のパートナーとして最適です。そんなウィペットの歴史、かかりやすい病気、生活のコツなどを心得ておきましょう。

【獣医師監修】アスリート系のウィペットと、とことん遊びつくそう
出典 : pixta_2044296

ウィペットの歴史

ウィペットの歴史

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ウィペットは約100年前にイギリスで誕生した、比較的新しい犬種です。
小型のグレーハウンドとテリア種を交配して、ウサギを追う競技に適した犬として作出されました。
当初は、英語で「すばやく咬みつく、ボキッと折れる」ことなどを意味するスナップ・ドッグと呼ばれていました。
ウサギを噛む力が強かったことがわかる呼び名です。
時代の移り変わりとともにレースの主役がグレーハウンドになると、スナップ・ドッグという名はウィペットに変わり、その活躍の場もドッグショーへと移りました。

ウィペットのサイズや被毛など、身体的な特徴

ウィペットのサイズや被毛など、身体的な特徴

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ウィペットの体高はオスが47~51cmで、メスは44~47cmです。
馬のムチ(ウィップ)にちなんで命名されたことからもわかるように、ウィペットは馬のように速く、またムチがしなるように伸びやかに走ります。
走る際に空気抵抗を少なくするために、体の幅や頭部の幅が狭いのも特徴です。
イタリアン・グレーハウンド(通称イタグレ)と外観がよく似ていますが、体高はウィペットが10cm高く、ウィペットのほうがイタグレよりも筋肉質です。
ウィペットは短毛で、レッド、フォーン、ブリンドル、ブルー(グレーのような色)、ブリンドル&ホワイト、ブルーブリンドル&ホワイトなどあらゆる毛色が認められています。

ウィペットとの快適生活のポイント

ウィペットは家族に対して愛情深く、社交的で陽気な性格です。
多頭飼育をしても、同居犬と喧嘩をすることはないでしょう。
ほとんど吠えることもありません。
順応性が高いので、旅行のパートナーとして最適です。
ただ、ウィペットは根っからのアスリートなので、豊富な運動量が必要です。
毎日のお散歩では、歩くだけでなくドッグランなどで思う存分走らせてあげましょう。
お散歩中に小動物を見つけると、ウサギを追っていた時代の本能が目覚めてしまうかもしれません。
ウィペットには、マテと呼び戻しのしつけは必須です。
運動神経抜群のウィペットに充足感を与えてあげるためにも、飼い主さんが純粋に愛犬と楽しむためにも、ドッグスポーツにチャレンジするのもおすすめです。
アジリティー、フリスビー、フライ・ボールなど、どんなドッグスポーツでもウィペットは大活躍をしてくれるでしょう。

ウィペットの平均寿命は?

日本の家庭犬の平均寿命は、約14歳です。
ウィペットの平均的な寿命は11~14歳ほどだと考えられます。

ウィペットのかかりやすい病気

ウィペットのかかりやすい病気

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ウィペットは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・骨折

ウィペットは筋肉質で丈夫な体を持っていますが、あまりにも高いジャンプが可能であるため、着地した際に前肢を骨折することがあります。
特に、シニアになって骨や関節が弱くなると、骨折しやすくなるので注意が必要です。
ドッグスポーツの練習は、なるべく芝生などの柔らかい地面を選んで行ってください。
シニアになったら、ドッグスポーツを引退させて足腰を労わる生活に切り替えるのも大切です。
犬が骨折をした場合は、ギブス固定よりも、主には外科手術による治療が行われます。

・皮膚疾患

ウィペットには皮膚疾患がたまに見られます。
アトピー性皮膚炎、膿皮症、マラセチア皮膚炎などにかかる可能性があります。
愛犬が痒がっている様子を見せたり、体の臭いが強くなったように感じたりしたら、皮膚トラブルを生じているかもしれないので獣医師に相談を。
皮膚炎の原因を突き止め、その皮膚炎にマッチした治療法を行うことが大切です。

・胃捻転胃拡張症候群

ウィペットのように胸が深い犬種は、胃捻転を起こしやすいので要注意。
吐きたそうにしているのに吐けないでいる、不安そうな表情で部屋をウロウロと動き回る、部屋の隅で苦しそうに座っている、よだれを流すといった症状に気付いたら、診察時間外でも急患を受け入れている動物病院にすぐ向かってください。
胃捻転胃拡張症候群は処置が遅れると、命を落とす危険性が高まります。
動物病院では、緊急手術によって治療を行うことになるでしょう。
予防のために、去勢・避妊手術の際に胃固定手術を依頼する飼い主さんも、少なくありません。
日常生活で予防するには、食後は最低でも2時間は運動を控えてください。
早食い防止食器を使用したり、運動後は水を少量ずつ与えたりして、早食いやガブ飲みをさせないのも予防策になります。

ウィペットとの旅行の秘訣

ウィペットとの旅行の秘訣

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ウィペットは丈夫な犬種ですが、寒さは少々苦手。
散歩中に歩いたり走ったりしている時は、イタグレとは違って冬でも特に洋服は不要です。
けれども、旅行中に屋外でじっとしている時間がある場合は、防寒着を着せてあげましょう。
宿泊先やレストランなどの室内でも、抜け毛の飛散を防止するために洋服を活用すれば、マナー面でも安心です。
家族のそばにいるのを好む犬種なので、旅行中もなるべくひとりにさせないように気遣ってあげたいものです。
また、運動が大好きなので、宿泊先は広いドッグランを備えているところがベスト。
ロングリードも持参して、チャンスがあれば誰もいない野山や砂浜などを走り回らせてあげれば、ウィペットも大喜びすることでしょう。

ウィペットの価格相場は?

ウィペットの価格相場は、15~40万円ほど。
ドッグショーでチャンピオンを獲得している親犬やドッグスポーツで優秀な成績を残した親犬から生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ

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ウィペットが満足できるだけの豊富な運動量を提供できさえすれば、性格面でも健康面でもお手入れのしやすさでも、飼いやすさ満点のウィペット。
旅行にドッグスポーツにと、ウィペットとの暮らしを存分に満喫してくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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