【獣医師監修】真っ白フワフワな日本スピッツと、元気にアクティブな日々を満喫

フワフワとした純白の被毛が美しい、日本スピッツ。活発で陽気な性格を持ち、今も人々を魅了する日本スピッツの歴史、日常生活や旅行中の注意点、かかりやすい病気などを知って、アクティブで楽しい毎日を過ごしましょう。

【獣医師監修】真っ白フワフワな日本スピッツと、元気にアクティブな日々を満喫
出典 : pixta_47433648

日本スピッツの歴史

日本スピッツの歴史

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犬名に冠されていることからわかるように、日本スピッツは日本が原産の犬種です。
1920年頃にシベリア大陸を経由して、中国東北地方から日本に渡来した大型の白いジャーマン・スピッツに由来すると伝えられています。
ジャーマン・スピッツにサモエドの血を入れて、日本スピッツが誕生したとする説もあります。
1925年にカナダから2組の白色のスピッツが渡来すると、その後およそ10年の間にアメリカ、中国、オーストラリアなどから輸入された白色のスピッツによる改良繁殖が行われました。
1948年にジャパンケネルクラブ(JKC)により犬種のスタンダードが定められると、白く愛らしい見た目から瞬く間に人気犬種の座を獲得します。
そのため、一時は乱繁殖により、神経質で吠えやすい気質の日本スピッツが増えてしまい、人気が急降下しました。
けれども、近年は日本スピッツを真に愛するブリーダーによる計画繁殖のみが行わるようになり、本来の頭の良さと明朗さを備え、吠えることの少ない日本スピッツが復活しています。

日本スピッツのサイズや被毛など、身体的な特徴

日本スピッツの体高はオスが30~38cmで、メスはそれよりやや低い体高をしています。
体重は10kg前後。
スピッツとはラテン語で「尖っている」という意味で、日本スピッツも尖ったマズルと立ち耳を持っているのが特徴です。
多くは北方地方でそり犬として活躍してきたスピッツ族の祖先は、毛量豊かな尻尾に顔をうずめて休み、寒さから身を守ってきました。
被毛は密生しているアンダーコートと、まっすぐで長いトップコートの2層から成ります。
コートカラーは純白のみで、黒く濃いアイラインと真っ黒な鼻が印象的です。

日本スピッツとの快適生活の秘訣

日本スピッツとの快適生活の秘訣

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日本スピッツの祖先であるジャーマン・スピッツは番犬の役割も担っていた犬種なので、警戒心がやや強めです。
日本スピッツにも、そのような用心深いところが受け継がれています。
そのため、日本スピッツの子犬を迎えたら、まずはあらゆる物や音に慣らす“社会化”に力を注ぎましょう。
ワクチンプログラムが終了する前から、抱っこをして屋外に出かけ、工事現場の音などを聞かせたり、たくさんの人と触れ合わせてください。
少し緊張している様子であれば、おやつを食べさせながら対象物に対して良い印象を抱くように工夫するのがポイントです。
室内でも、エアコンをつけっぱなしで外界からの音を遮断した空間で過ごさせるより、春や秋であれば窓を開け、屋外の音が聞こえるような環境で過ごさせたいものです。

祖先は北方地方のそり犬であったため、日本スピッツは運動欲求が高い犬種です。
見た目は美しい愛玩犬のようですが、豊富な散歩量を提供してあげてください。
日本スピッツは刺激不足や欲求不満になると、甘噛みをしたり吠えたりしてストレスを発散しようとする傾向にあります。
1日2回、1回につき30分~1時間はお散歩をしてあげましょう。

日本スピッツの平均寿命は?

日本の家庭犬の平均寿命は、約14歳です。
日本スピッツの平均的な寿命は12~15歳ほどだと考えられます。

日本スピッツのかかりやすい病気

日本スピッツのかかりやすい病気

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日本スピッツは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・皮膚疾患

日本スピッツは、皮膚にトラブルを抱えやすい犬種のひとつ。
寒冷な地域で暮らすスピッツ族をルーツに持つ犬種なので、日本のような高温多湿の環境のもとでは皮膚が蒸れて皮膚病になりやすいので注意が必要です。
マラセチア皮膚炎やブドウ球菌の増殖が原因で起こる膿皮症は、多湿の時期になりやすい皮膚疾患です。
ブラッシングの際などに皮膚の異常に気付いたら早めに獣医師に相談しましょう。
膿皮症はシャンプー療法や外用薬、必要に応じて抗生物質を使用して治療を行います。
その他、アトピー性皮膚炎などにかかる可能性もあります。
定期的なブラッシングを行い、抜け毛を取り除き、皮膚の通気性を良好にしておくことも大切です。

・膝蓋骨脱臼(パテラ)

簡単に言えば、膝のお皿がはずれる関節疾患です。
軽度のグレード1から重度のグレード4までに症状が分類され、重症の場合は外科手術によって治療を行うのが一般的。
子犬期から、触診などで診断ができます。
最初は軽度の症状であっても無処置のまま放置しておくと、成長するにつれて悪化してシニア期以降は他の関節疾患の引き金になるケースも少なくありません。
獣医師と相談しながら、治療方針を決めましょう。
滑る床での生活や、高いところから飛び降りることは悪化の要因になるため、日本スピッツを迎えたら足腰にやさしい生活環境を整えてあげてください。

・呼吸器疾患

日本スピッツやポメラニアンなどのスピッツ系の犬種は、気管虚脱になりやすいことが知られています。
ガーガーとガチョウが鳴くような声を出したり、苦しそうな呼吸をするのが、気管虚脱の症状。
気になる症状があれば、なるべく早期に動物病院へ。
呼吸器疾患は、肥満が悪化のリスクになります。
適切な運動や食事によって、愛犬を太らせないように気をつけましょう。
気管虚脱は内科治療を行いながら経過を観察し、重症であれば呼吸器を専門にする病院で外科手術によって治療を行います。

日本スピッツとの旅行の秘訣

日本スピッツとの旅行の秘訣

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北方地方にルーツを持つ日本スピッツは毛量が多く、寒さには強いのですが、暑さは苦手です。
夏季の旅行では熱中症対策を万全にしましょう。
抜け毛も多いので、冷感ウェアを着せてあげれば、抜け毛の飛散量を抑えながら暑さ対策ができておすすめ。
保冷剤を仕込めるバンダナなど、熱中症対策グッズをたくさん持参してフル活用を。
旅行中は、こまめな水分補給も必須です。

現在は吠えやすい血統の日本スピッツは減っていますが、根本的には警戒心がやや高め。
旅行中は、安全基地の感覚で落ち着けるクレートを持参すると良いでしょう。
移動中の車中や、飼い主さんが食堂や浴場に行く際など、宿泊先でクレートに入れておけば愛犬は安心感が増すはず。
クレートには、飼い主さんや自分のにおいのついたアイテムも入れておいてあげたいものです。

日本スピッツの価格相場は?

日本スピッツの価格相場は、15~35万円ほど。
ドッグショーでチャンピオンを獲得している親犬から生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ

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現在日本で繁殖されている日本スピッツは、利口でしつけやすく、飼いやすさの面で初心者でも安心して迎えられる犬種です。
白く美しい被毛によく目立つ黒い目と鼻を持ち、とてもフォトジェニックな日本スピッツ。
活発で愛らしい日本スピッツとの生活は、たくさんの楽しみにあふれていることでしょう。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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