【獣医師監修】老犬の預け先は?旅行やお出かけの際の老犬の預け先はどこが良い?

「老犬を預ける」、これは神経を使います。旅行やふいのお出かけに高齢の愛犬を連れて行けないとなると、預け先に悩むこともあるでしょう。10歳以上の犬は受け入れ不可となるペットホテルが多く、その分、預け先も絞られます。この記事では、老犬を預けることが可能な預け先について、そのポイントや注意点などをお伝えします。

【獣医師監修】老犬の預け先は?旅行やお出かけの際の老犬の預け先はどこが良い?

老犬の預け先 ①【ペットホテル】

老犬の預け先 ①【ペットホテル】

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一般的なペットホテルでは、おおむね10歳以上の犬は受け入れていないケースが目立ちます。
というのは、老犬は環境が変わることで体調を崩すリスクが高いのに加え、病気がある、介助・介護が必要であるという犬も多く、老犬ならではの気配りが求められるからで、それに対応できるスタッフも必要になります。
そういった条件がクリアできないペットホテルでは、受け入れは難しくならざるを得ません。

しかし、昨今は老犬に特化したサービスの需要が高まっていることから、付加サービスとして老犬も受け入れているペットホテルもあります。
その場合には、老犬ケアの知識や経験のあるスタッフがいるか、夜間や緊急時の対応、世話の仕方などを確認するとともに、実際の預かり場所も見学して、ご自身の目で確かめることをお勧めします。

【ペットホテルの料金の目安】

宿泊/1泊
小型犬2,000~4,500円
中型犬3,000~5,000円
大型犬4,000~8,000円

(注:施設の設備や地域、立地条件などによって料金には差があり、これより高くなることもあります。
また、部屋のタイプによって料金に差が出る場合もあります)

老犬の預け先 ②【動物病院】

老犬の預け先 ②【動物病院】

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日本獣医師会が獣医師(1,365名)を対象に行ったアンケート調査によると、ペットホテルを営業している動物病院は57.9%(*1)。
中には、老犬ホームを運営している動物病院もあります。

動物病院併設のペットホテルの利点は、獣医師や動物看護師がいるので、緊急時にもすぐ対応してもらえること。
かかりつけの動物病院ならば、愛犬のカルテもある分、より的確な処置をしてもらえるはずです。

かかりつけでない場合には、預ける前に健康診断をしてカルテを作る動物病院もあります。

ただ、夜間もスタッフが常駐しているケースは少ないと思われるので、その点、確認してみてください。

なお、ホテルと言っても部屋は入院室と変わらないケージになるケースもあり、そうした場所に慣れていない犬では多少ストレスに感じるかもしれません。

【動物病院併設ペットホテルの料金の目安】

宿泊/1泊
小型犬2,500~4,500円
中型犬3,000~5,500円
大型犬4,000~7,500円

(注:施設の設備や地域、立地条件などによって料金がこれより高くなることもあります)

参考資料:
(*1)公益社団法人日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)」

老犬の預け先 ③【老犬ホーム】

老犬の預け先 ③【老犬ホーム】

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多くの老犬ホーム(老犬介護ホーム)がショートステイやデイケア、1泊からの宿泊など一時・短期預かりサービスを設けており、施設によってはこれを“ペットホテル”と称している場合もあります。

老犬ホームは老犬ケアに特化しているゆえに、認知症のような病気や体に障がいがある犬、寝たきりで介護状態にある犬でも受け入れてもらえやすいのは最大の利点です。

個室型、他の犬と雑居型などあるので、愛犬に合わせて選択を。

また、リハビリに力を入れている施設もあり、預けている間にリハビリを依頼することも可能です。
障がいのある中・大型犬で、かつ車のない飼い主さんにとっては送迎サービスがある施設だと助かりますね。

【老犬ホームに短期預ける際の料金の目安】

ショートステイ/1時間宿泊/1泊デイケア/8時間程
小型犬400~1,000円3,000~8,000円2,000~6,000円
中型犬500~1,000円4,000~9,000円3,000~9,000円
大型犬600~2,000円5,000~1万3,000円3,000~1万円

(注:施設の設備や地域、立地条件、スタッフ数などによって料金には大きく差が生じ、料金体系も様々です。
また、介護度によって加算される場合もあります)

老犬の預け先 ④【ペットシッター】

老犬の預け先 ④【ペットシッター】

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自宅を訪問し、散歩やご飯、トイレなどペットの世話を代行してくれるのがペットシッターですが、中にはペットの預かりや、少数ながら泊まり込みに対応しているシッターもいます。

小規模・個人経営が多いため、預かれる条件は流動的とも言えますが、預けるのであれば、日頃より利用し慣れたシッターであるのが理想的でしょう。

もとより、預けること自体にストレスがある犬の場合は、本来の訪問型シッターサービスを依頼するという選択肢もあります。
その場合、自宅に他人を入れるのですから、何より人柄・信頼度が重要になります。

【ペットシッター利用料金の目安】

訪問1日1回3,000~6,000円程度。
出張費、時間延長、頭数、散歩の回数や時間、訪問先までの移動距離、
介護が必要な場合は介護度やケア内容などによって加算され、別途、
初回登録・カウンセリング料(1,000~2,000円)がかかることがある。
一時預かり2,000~8,000円程度
宿泊預かり/1泊4,000~1万円程度

老犬の預け先 ⑤【両親・親戚】

老犬の預け先 ⑤【両親・親戚】

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愛犬を実家や親戚に預けるのならば、気心も知れている分、安心です。
普段、行き来があるなら、犬も慣れているので安心することでしょう。

ただし、家族であっても犬に対する思いや世話の仕方に温度差がある場合は注意が必要です。
どんなふうに世話をして欲しいのか、1日のスケジュールをメモ書きにするなど、確実に伝えておくことをお勧めします。

老犬の預け先 ⑥【友人・知人】

犬の扱いを知っている分、家族より犬友だちや散歩友だちに預けたほうが安心できる場合もありますが、逆にリスクが高くなることもあります。

というのは、いくら仲のよい友だち犬であっても、自宅という自分のテリトリーに入ってこられることで、その反発や不安から咬みつき・ケンカなどのトラブルに発展する場合もある他、預かった犬が脱走してしまうトラブルも考えられます。

預けられた犬にしてみれば、普段と環境が違うわけですし、預かった飼い主さんにしてもその犬の普段の行動は知らないわけですから、ちょっとした隙をついて逃げ出すことも…。

したがって、友人・知人に預ける場合は、そうしたリスクが回避できるだけの関係にあるかということが大きなポイントになると思います。

話は少々ずれますが、東日本大震災をはじめ大きな災害が起こってからというもの、万一の時は互いに愛犬を預かり合う約束をする人たちが出てきています。
その場合でも、預かった側には細心の注意が求められるでしょう。

老犬を預ける 注意点・ポイント【短期・長期】

老犬はストレス耐性が低下しがちであり、体調も崩しやすいので、極力、預ける期間は短くしてあげたほうが無難でしょう。

どうしても長期にならざるを得ない場合には、愛犬の様子をこまめに報告してくれる預け先であるほうが安心できます。

老犬の預け先【まとめ】

老犬の預け先【まとめ】

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犬を預けるには、基本的に狂犬病や各種感染症の予防ワクチンが接種済である証明書の提示が求められます(抗体検査証明書の場合も)。

病気などでワクチンが接種できない犬でも受け入れている施設もありますが、事前に健康診断が必要とされることがあり、接種していない分、少なからずリスクがあることは理解しておいたほうがいいでしょう。

また、老犬は突然体調を崩したり、病気によっては夜間から明け方に症状が出やすい場合もあるので、預け先の夜間の管理体制、および動物病院との連携についてはしっかり確認することをお勧めします。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

大塚 良重 Yoshie Ootsuka

大塚 良重 Yoshie Ootsuka

犬もの文筆家&ドッグジャーナリスト 【経歴】 先代の愛犬(秋田犬のハーフ)が成犬になれぬうちに逝ったことがきっかけに、その後に迎えた愛犬(シェットランド・シープドッグ)との出会いが決定打となって、犬の魅力にどっぷりはまり、「犬に関わる仕事がしたい!」と思うようになったのは1980年代終わり頃。念願叶って、1990年代半ば、犬の世界へ飛び込み、フリーランスの犬専門ライターに転身。 当初は、写真撮影メインの仕事であったが、徐々にライティングに焦点をシフト。取材記事を中心に、犬専門雑誌や一般誌、書籍、新聞、Webなどで、犬に関する様々なテーマの記事を執筆。中でも、自身の愛犬の経験から、犬版の「介護・看護」をテーマに企画した4~5年にわたる連載記事は、後に、自著【りーたんといつも一緒に】に繋がる。 特に興味があるのは、老犬介護やペットロスをはじめとした「人と犬(動物)との関係性」。 自分がこの世に生まれてきたのは、愛犬と出会うためだったんだ…。そう思うほどに、私の魂をぎゅっと握って離さない愛犬という星のなんと大きなことか。人と犬とは、どうしてこんなにも深く、強く、繋がり合えるのだろう。そんな答えのない答えを、追い求め続けている。 そんな私の信条は、「犬こそソウルメイト」。 なぜこの仕事をしているのか?と聞かれたならば、「愛犬へ“ありがとう”と言いたいから」と答える。 今の自分を生かしてくれているのは、愛犬がいてくれたからこそだから。 一度想うとどこまでも、愛犬一筋派でもある。 【執筆歴】 月間「Wan」 月間「DOG FAN」 柴犬ファン、チワワファン、シュナウザーファンなどMOOK本シリーズ DOG Days 愛犬の友愛犬チャンプ高齢犬ケアハンドブック 訓練&アジリティー競技会に出場したい人のための ドッグ・トレーニングBOOKわが家の犬さがし 愛犬のカタログ ワンちゃんと泊まれる全国ホテル・旅館・ペンションガイド お犬のお宿 犬とのおでかけBOOK ノジュール「解体旬書 ペットとの旅を愉しむコツ」 暮しの手帖「ペットの健康相談」 週刊アスキー「いま飼いたいオススメの犬BEST5」 犬だいすき老犬介護のイロハ(連載)        など Web All About犬サイト(犬ガイド) All Aboutちびたす Yahooきっずペット docomo iコンシェル ヒーリング iタウン My レシピ.com ライオンスポンサードサイト「犬のオーラルケア」 PETomorrow PetLIVES Hotto マナトピ「信頼される飼い主でいたい! 愛犬の幸せ度チェック!」 その他、ドッグフードメーカー、車メーカータイアップ記事、ホームページコンテンツ制作     など 取材をお受けしての掲載記事、書籍/監修 ペット(夕刊) OZ magazine「natural tomorrow vol.16 ~ペット~」 GOO「愛犬と楽しむカーライフ」 fp「TREND “愛犬家”が考えるクルマ選びのポイントとは?」 これでイヌともっと話ができる R25「慌てる前に覚えておきたい、ペットが死んだ時の対処法」 クロワッサン特別編集「 防災BOOK」(2015~2019年版) どうぶつと生きる「シニア犬介護」 リクルートナビ「忙しい1人暮らで犬が飼えるか?」 マイレピ「飼い主も愛犬も満たされる 秋の”ペット旅”の楽しみ方」 サンデー毎日「大事な家族 ペットの熱中症防衛術」 サンデー毎日「気をつけろ! ペットの猛暑リスク」 ライフスタイル 「犬派と猫派どちらが多い?ペット共生を考える」 対談「シニア犬との生活」 Citrus「高齢者のペット飼育」他 smiles「犬とのハッピーな付き合い方」 CHANTO「犬を飼うときQ&A」 mom「ワンニャンといっしょ」     など 出演 Blue Ocean「ペットの防災」 Power Bay Morning「シニアペット事情」 グッドモーニング(インタビューコメントのみ) 取材協力・情報提供 Monocle(UK) 櫻井・有吉THE夜会 グッドモーニング その他、イギリスの出版社からの依頼による日本の犬事情リサーチにおけるコーディネート、ドッグフードメーカー、カメラメーカー、車メーカーのタイアップ   など 【著書】 『りーたんといつも一緒に』難病をもつ少女と愛犬たちの物語。 脊髄小脳変性症/アプラタキシン欠損症。当時、国内でこの難病指定を受けた子供は3人。“りーたん”はその一人だった。言葉はうまく喋れず、介助か車椅子がないと移動は困難なりーたんだが、毎朝起きるとキラキラした瞳で、「今日できること」を考える。 愛犬たちのほとんどは、元保護犬で、中には背骨を折られて道端に放棄されていた犬もいる。その犬の名は、モナミ。 車椅子のりーたんが、車椅子のモナミのリードを握って散歩に出かける姿は、まるで同士のようだ。 「いらない命はない」という、りーたんのママさんの言葉に包まれて、家族はただひたすら一瞬一瞬を大切に、明日という日を見つめて生きている。 【資格】愛玩動物飼養管理士1級 ホリスティックケア・カウンセラー

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