【獣医師監修】尻尾フリフリ陽気なフラットコーテッド・レトリーバーと笑顔の日々を

ダークな毛色と飾り毛が美しいフラットコーテッド・レトリーバー。快活で運動神経も良いので、ドッグスポーツや旅行など楽しみ満載の日々が過ごせるでしょう。そんなフラットコーテッド・レトリーバーの歴史やかかりやすい病気、快適生活の秘訣を紹介します。

【獣医師監修】尻尾フリフリ陽気なフラットコーテッド・レトリーバーと笑顔の日々を
出典 : pixta_2681739

フラットコーテッド・レトリーバーの歴史

フラットコーテッド・レトリーバーは、イギリスを原産国とするレトリーバーの一種。
成り立ちに関しては様々な説があります。
有力な一説は、ラブラドール・レトリーバーとカーリーコーテッド・レトリーバーに由来する犬種だというもの。
他の説には、小型のニューファンドランドまたはチェサピーク・ベイ・レトリーバーを祖先犬に持つというものがあります。
1860年にドッグショーに登場した時は、ウェービーコーテッドと呼ばれていました。
その名のとおり、被毛が波状だったからです。
次第に被毛が平滑(フラット)に変化し、犬名もフラットコーテッド・レトリーバーになりました。
ちなみに、ゴールデン・レトリーバーの祖先は、ウェービーコーテッド・レトリーバーから誕生したイエローカラーの子犬だったと伝えられています。
優秀な銃猟犬(ガン・ドッグ)としてイギリス国内外で名を馳せ、水中における鴨の回収はもちろん、陸地でも獲物を回収する能力に長けています。

フラットコーテッド・レトリーバーのサイズや被毛など、身体的な特徴

フラットコーテッド・レトリーバーのサイズや被毛など、身体的な特徴

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フラットコーテッド・レトリーバーの理想体高はオスが59~61.5cm、メスは56.5~59cmとされています。
理想体重はオスが27~36kg、メスが25~32kgです。
被毛は短毛でも長毛でもなく中位の長さで、四肢や尾の飾り毛が優雅な印象を与えています。
毛色はブラックかレバーの単色のみ。
体の大きさも同程度のゴールデン・レトリーバーにはダークカラーは存在しないため、毛色でそれぞれの犬種の見分けがつきます。
個体差はありますが、一般的にはフラットコーテッド・レトリーバーのほうがゴールデン・レトリーバーよりも細身なのも違いのひとつです。

フラットコーテッド・レトリーバーとの快適生活のポイント

フラットコーテッド・レトリーバーは、人と一緒に作業をするのが大好きな犬種です。
暑さにも寒さにも比較的強く、体も丈夫ですが、外飼いではなく家族のぬくもりが感じられる室内で生活させてあげてください。
近年は、大型犬を飼育できるマンションも増えています。
誰にでもフレンドリーで攻撃性の少ないフラットコーテッド・レトリーバーは、集合住宅でも安心して飼えるでしょう。
家庭犬として理想的な性質を備えているとはいえ、もとは生粋の猟犬です。
最低でも毎日1時間のお散歩は必須。
物を咥えて運ぶ仕事をしていたので、可能な限りボール遊びなども取り入れて、お散歩での充足感をアップさせてあげたいものです。
フラットコーテッド・レトリーバーは水中作業を担っていたため、水を見ると本能的に飛び込んでしまいがち。
お散歩では、噴水や池のそばを通るのは回避したほうがよいかもしれません。
その代わり、たまには泳げる場所で遊ばせる機会を作り、フラットコーテッド・レトリーバーの本能を満たしてあげましょう。

フラットコーテッド・レトリーバーの平均寿命は?

日本の家庭犬の平均寿命は、約14歳。
犬のサイズ別では、大型犬がもっとも短命です。
大型犬に近いサイズのフラットコーテッド・レトリーバーの平均的な寿命は、10~13歳ほどだと考えられます。

フラットコーテッド・レトリーバーのかかりやすい病気

フラットコーテッド・レトリーバーのかかりやすい病気

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・外耳炎

垂れ耳の犬種の宿命として、フラットコーテッド・レトリーバーは外耳炎によくかかります。
特に、日本の春から初秋までの高温多湿な環境下では、外耳炎の発症が増えます。
愛犬の耳をこまめにチェックするようにして、悪臭がしたり、耳垢が増加していたり、外耳道が赤くなっているようであれば、早めに動物病院で耳の洗浄を行ってもらいましょう。
外耳炎だと診断された場合は、点耳薬などによる継続治療が必要になります。
フラットコーテッド・レトリーバーは泳ぐことが大好きですが、水から上がった後やシャンプー後は、耳もしっかりと乾かしてください。

・胃捻転胃拡張症候群

フラットコーテッド・レトリーバーなどの胸が深い犬種は、胃捻転を起こしやすいので要注意。
胃捻転胃拡張症候群になった場合、すぐに治療を行わなければ命を落とす危険性があります。
吐きたそうにしているのに吐けない、よだれを流す、部屋を不安そうな様子でウロウロするといった初期症状に気付いたら、診療時間外であっても、急患を受け入れている病院などに急いで向かってください。
夜間の発症で、翌朝まで様子を見る余裕はありません。
動物病院では緊急手術によって、救命と治療を行うのが一般的です。
胃捻転を予防するには、食後2時間は安静に過ごさせる必要があります。
早食いや水のガブ飲みも発症リスクになると考えられているため、早食い防止食器などを活用しながら、予防策を講じましょう。

・腫瘍

レトリーバー系の犬種は、腫瘍ができやすいことで知られています。
組織球肉腫、肥満細胞腫、リンパ腫、口腔内腫瘍など、様々な腫瘍になる可能性があるため、定期的に健康診断を受け、早期の発見に努めましょう。
特にシニア期以降は、レントゲン検査と超音波検査の両方を行うのが理想的です。
腫瘍は種類によって治療法が異なります。
外科手術、抗がん剤治療、放射線治療、対症療法などがあり、獣医師と相談しながら治療方針を決めて進めることになるでしょう。

フラットコーテッド・レトリーバーとの旅行のコツ

フラットコーテッド・レトリーバーとの旅行のコツ

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レトリーバーの中でも一般的には活発な部類に入る、フラットコーテッド・レトリーバー。
いつも尻尾を振り、陽気で活動的です。
そのため、旅行先のチョイスは、ドッグランやドッグプールを備えている宿であったり、自然豊かなところがおすすめです。
愛犬がお気に入りのボールやおもちゃなども持参しましょう。

フラットコーテッド・レトリーバーは、抜け毛が多い犬種です。
旅行に行く前には、トリミングをして抜け毛を取り除いておくと良いでしょう。
旅行中は愛犬に洋服を着せて抜け毛の飛散量を抑えれば、マナー面でも安心です。

フラットコーテッド・レトリーバーは、少し興奮しやすい性質があります。
一緒のお出かけデビューの前には、テーブルの足元などでじっと待っていられるようにしつけておきたいものです。

フラットコーテッド・レトリーバーの価格相場は?

フラットコーテッド・レトリーバーの価格相場は?

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フラットコーテッド・レトリーバーの価格相場は、20~35万円ほど。
ドッグショーでのチャンピオンや、訓練競技会やドッグスポーツ競技会などで好成績を獲得している親犬から生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ

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ラブラドール・レトリーバーゴールデン・レトリーバーよりも、少し活発なフラットコーテッド・レトリーバー。
レトリーバーの中では飼いやすさの面でラブラドールとゴールデンには及ばないかもしれませんが、レトリーバー種自体、フレンドリーで穏やかなので初心者でも安心して一緒に暮らせるでしょう。
ダークカラーの被毛や細身の体型が魅力的なフラットコーテッド・レトリーバーと、アクティブライフをぜひ楽しんでください。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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