【獣医師監修】陽気なウェルシュ・コーギー・ペンブロークと楽しい生活を

短い脚が愛らしいウェルシュ・コーギー・ペンブローク。利発で活動的な犬種なので、アクティブに楽しい毎日が過ごせるに違いありません。そんなウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史や生活管理上の注意点を心得れば、ますます充実して過ごせるでしょう。

【獣医師監修】陽気なウェルシュ・コーギー・ペンブロークと楽しい生活を
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ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史

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ウェルシュ・コーギーにはペンブロークとカーディガンの2種類がいます。
1943年にイギリスのケネルクラブがそれぞれを別犬種と分けるまで、両者は交雑されていました。
ペンブロークの起源には諸説あります。
有力なのは、フランドル地方の職工がウェールズのペンブローク地方に移り住んだ1107年に祖先犬がやってきて、地元の牛追い犬と交雑して誕生したという説です。
コーギーはCORGIと英語で表記し、CORはウェールズ語で小人、GIは犬を意味します。
コーギーはその名のとおり、牧羊犬グループの中では小型のタイプです。
主に、牛の群れをまとめる仕事を行っていました。
英国王室でも愛され、エリザベス女王2世は即位後にウェルシュ・コーギー・ペンブロークのブリーディングも自ら手掛けていました。
フレンドリーで愛情深いウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、現在は英国王室のみならず家庭犬として世界中で愛される犬種になっています。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのサイズや被毛など、身体的な特徴

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのサイズや被毛など、身体的な特徴

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ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの体高は、約25~30cmです。
体重は、オスが10~12kg、メスが9~11kgが理想とされます。
牧牛犬として作業をする際に牛のかかとを噛む必要があるため、非常に短足です。
牛を追っている時に尻尾を牛に踏まれてゲカをしないよう、断尾をする習慣がありました。
けれども現在は動物愛護の観点から、イギリスをはじめヨーロッパやオーストラリアなどで断尾は禁止され、尻尾の長いウェルシュ・コーギー・ペンブロークを見ることも増えています。
生まれつき尻尾の短い“ナチュラルボブテイル”のウェルシュ・コーギー・ペンブロークも存在します。
顔はキツネのようで、正面から見ると、耳先と真っ黒な鼻先を結ぶラインがほぼ正三角形であるのが理想とされるように、大きな耳も特徴的です。
被毛は短毛でも長毛でもない、中位の長さをしています。
毛色は、レッド、セーブル、フォーン、ブラック&タンがあり、前顔部や頭部や胸などに白い斑があるケースも少なくありません。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとの快適生活の秘訣

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、牧場で1日中走り回っても疲れないタフな犬種です。毎日2回のお散歩は、欠かせません。
1回、最低でも30分はお散歩をしてあげたいものです。
物を追いかけたい欲求が高いので、途中でボール遊びをさせてあげれば、愛犬は満足度がアップすることでしょう。

ウェルシュ・コーギーは牛のかかとを噛む役割を担っていました。
人や他の犬への噛み癖をつけないために、子犬のうちから、おもちゃ以外の物は噛まないようにしつけましょう。
もし飼い主さんに愛犬が歯を当てたら、「痛いよ。噛まないで」と低い声で不快感を示してください。決して、キャーキャーと高い声を出したり、手足をひらひらと動かさないように。
将来、安心してドッグランや旅行に連れて行けるように、子犬期のしつけが重要です。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの平均寿命は?

日本の家庭犬の平均寿命は、約14歳。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの平均的な寿命は11~14歳位だと考えられています。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのかかりやすい病気

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのかかりやすい病気

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ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・椎間板ヘルニア

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは胴長短足の骨格構成上、腰に負担がかかりやすい宿命にあります。
そのため、腰の椎間板ヘルニアを発症しやすいので要注意。
椎間板ヘルニアの初期症状は、足の甲を地面にひきずるように歩く(ナックリング)、お尻を振って歩く、後肢がふらつくなど。
悪化すると、後肢が麻痺して前肢でしか歩けなくなったり、自力での排尿ができなくなります。
軽症のグレード1から重症のグレード5までに分類され、グレードが低いうちは内科療法で、グレード3以上になると多くは外科手術によって治療を行います。
深部痛覚を失う前に手術できれば、再び歩行が可能になります。
手術後は水泳や犬用バランスボールなどによるリハビリテーションも必須。
鍼灸治療も椎間板ヘルニアには効果があると言われています。
3歳以降で発症が見られるようになり、5~7歳が発症のピークになります。
初期症状に気付いたら早めに動物病院へ。

・変性性脊髄症(DM)

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、遺伝的な疾患である変性性脊髄症(DM)を発症する可能性があります。
椎間板ヘルニアと症状がよく似ていて、DMと併発するウェルシュ・コーギーもいますが、椎間板ヘルニアとの違いは、DMは痛みを感じないこと。
また、DMはシニア期以降の発症がほとんどだという点です。
後肢から症状が現れ、最終的には前肢にもふらつきが起こり、立ち上がることができなくなります。
首の脊髄まで病気がおよぶと、呼吸障害や呼吸不全にも陥ります。
2~3年かけて病状が進行するのが一般的ですが、個体差があります。
残念ながら、治療方法はありません。
発症したら、生涯にわたり病気と付き合う生活になります。
生活の質の向上と上半身の筋肉維持のため、車椅子を活用するウェルシュ・コーギーも少なくありません。
優良なブリーダーは遺伝子(変異性SOD1)検査を行い、DMを発症しにくい犬の繁殖に努めています。

・白内障

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、若年からの白内障も見られる犬種のひとつ。
白内障は、治療をせずにいるとほかの眼病の引き金になるので、早期に発見して早期治療を開始したいものです。
飼い主が愛犬の目の白濁に気付いた時には、多くは病状が進行していると言われます。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとの生活では、定期的に眼科検診を行いましょう。
白内障だと診断されたら、点眼薬などの内科治療による管理を行うのが一般的です。
近年では、白内障の外科手術も行えるようになってきました。
視覚を失う前に手術をすれば、愛犬の生活の質を損なわずに済みます。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとの旅行の秘訣

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとの旅行の秘訣

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ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは抜け毛が多い犬種です。
また、短足のため屋外では腹部が汚れやすいこともあるので、抜け毛の飛散防止と汚れ防止のため、旅先では洋服を着せておくと良いでしょう。
夏であれば、冷感ウェアがおすすめです。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの抜け毛対策としては、毎日のブラッシングが役立ちます。
旅行中も、使い慣れたブラシを持参して、ブラッシングを行いましょう。

運動が大好きなウェルシュ・コーギー・ペンブロークのために、ボールなども忘れずに持って行って、たくさん遊んであげてください。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの価格相場は?

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの価格相場は、12~35万円ほど。
ドッグショーでチャンピオンを獲得している親犬から生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ

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胴長短足でかわいらしいルックスをしているウェルシュ・コーギー・ペンブロークですが、愛玩犬ではなくれっきとした牧畜犬。
その意味では、初心者よりは中級者以上に向いている犬種かもしれません。
けれども、しっかりしつけて愛情を注げば、朗らかで遊び好きなウェルシュ・コーギー・ペンブロークと笑顔あふれる毎日を過ごせることでしょう。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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