【獣医師監修】真っ白なウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアとアクティブライフを

真っ白な被毛に、ずんぐりとしたボディが印象的なウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア。ウェスティーの愛称でも親しまれる、この元気なテリアの歴史から飼い方の秘訣やかかりやすい病気まで知識を深め、一緒にアクティブな生活を楽しみましょう。

【獣医師監修】真っ白なウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアとアクティブライフを

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの歴史

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの歴史

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ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアはイギリス原産のテリア種です。
テリアの中でもっとも古い犬種であるケアーン・テリアからしばしば誕生していた、白い毛色の犬が成り立ちに大きくかかわりました。
ケアーン・テリア以外の白毛の犬種の血を導入しながら、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアが作られていきました。
長期にわたり、ケアーン・テリアとの交配が続いていましたが、1917年にアメリカンケネルクラブ(AKC)が両犬種を別の犬種として区別しました。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのサイズや被毛など、身体的な特徴

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのサイズや被毛など、身体的な特徴

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ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの体高は約28cm、体重は6~8kgほどです。
犬名のとおり、毛色はホワイトのみ。
保温性の高い下毛(アンダーコート)と、約5cmの長さの硬い上毛(トップコート)からなるダブルコートで、上毛はカールしていません。
筋肉質でがっしりとしたボディと、真っ黒な鼻とダークカラーの目が印象的です。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアとの快適生活のポイント

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアとの快適生活のポイント

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ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの祖先であるケアーン・テリアは、農場を荒らす害獣であったキツネ、アナグマ、ネズミなどを退治する用途で飼育されていました。
そのため、恐れ知らずで活発。
主人の指示を待たずに自己判断で仕事をするため、独立心が高いのも特徴です。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのこうした気質は、現代社会では留守番上手であるというメリットがあります。
ただし、退屈をすると家具をかじったりイタズラをしたりするため、室内で落ち着いて過ごしてもらうためには、豊富な運動量を提供してあげなければなりません。
1日1~2回、最低でも合計1時間はお散歩を行いましょう。
小動物を捕らえたいという猟欲が強いため、獲物に見立てたおもちゃを投げて、追いかけさせると本能が満足するはずです。
室外のみならず屋内でも、ぜひボール遊びなどを日課に取り入れてあげてください。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのトリミング方法

本来のウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアらしい硬い毛質を保つには、プラッキングと呼ばれるトリミング技法が必要です。
ケアーン・テリアをはじめ、粗毛のテリア全般が行っているプラッキングは、ハサミで被毛をカットするのではなく、トリミングナイフと呼ばれる特殊な櫛を使って古いトップコートを抜いていく手法です。
ただし、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアに関しては、ドッグショーに出陳しないペットドッグでは、バリカンやハサミを使っての一般的なトリミングを行っている方が多いかもしれません。
もしプラッキングを自宅で行いたいのであれば、トリミングサロンの一般向け講習会などで技法を学んでチャレンジしてみてください。
本来のウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアらしさをキープしたいのであれば、理想的には月に一度のプラッキングをトリミングサロンや飼い主さん自身で継続しましょう。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの平均寿命は?

日本の家庭犬の平均寿命は約14歳で、サイズ別では小型犬がもっとも長生きします。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの平均的な寿命は、12~15歳ほどだと考えられます。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのかかりやすい病気

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・皮膚疾患

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、アトピー性皮膚炎、膿皮症、マラセチア皮膚炎などの皮膚疾患にかかりやすい犬種です。
特に、遺伝的な体質により、アトピー性皮膚炎を発症する可能性が他犬種より高めです。
アトピー性皮膚炎を発症すると、足先を痒がって舐めたり噛んだり、顔周りを痒がったりします。
悪化すると脱毛したり、掻いた部分の皮膚のバリア機能の低下からマラセチアやブドウ球菌などの二次感染を起こしやすくなるので、早期発見と早期治療の開始に努めたいものです。
アトピー性皮膚炎は、体質に関わる皮膚病なので完治はできませんが、シャンプー療法や内科療法などで治療を行います。
漢方などの東洋医学によるアプローチで症状が改善する例もあります。
食物アレルギーが、皮膚炎として症状に出るケースも見られます。
食物アレルギーが疑われた場合は、除去食を使用して、アレルゲンの特定や症状の改善状況を追うことになるでしょう。
治療には時間がかかりますが、愛犬の皮膚を守り、痒さによるストレスから解放してあげるには大切な作業ですので、飼い主さんも根気よく取り組んでください。

・外耳炎

立ち耳の犬種ですが、外耳炎を発症するウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアが少なくありません。
皮膚トラブルが他犬種に比べて多いことから、外耳道にもマラセチアが増殖しやすいのが原因です。
耳垢が増えている、耳の皮膚が赤い、外耳道が臭いといった異変に気付いたら、なるべく早く動物病院へ。
まずは獣医師による耳の洗浄が行われます。
外耳炎だと診断されたら、飼い主さんは点耳薬によって継続治療を行う必要があります。

・膝蓋骨脱臼

小型犬に比較的多く見られる、膝蓋骨脱臼(パテラ)を発症するウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアもいます。
パテラは、簡単に言えば膝のお皿がはずれる関節疾患で、早ければ子犬期からの発症が見られます。外見上は発症に気付かないこともあるので、定期的に獣医師に触診をしてもらってください。
遺伝的な素因が指摘されている疾患ですが、滑る床での生活や肥満は、発症や悪化の要因になります。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは食べるのが大好きな犬種なので、ドッグフードを与えすぎて太らせないようにすることが重要です。
パテラは軽症のグレード1から重症のグレード4までに分類され、グレードが低く重症化しなければ、サプリメントの服用などで管理をするのが一般的です。
治療をせずにいると他の関節疾患の引き金になり、シニア期以降に歩行困難に陥る危険性もあるため、症状によっては外科手術を行うのが最良の選択肢になります。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアとの快適旅行のコツ

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアとの快適旅行のコツ

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ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、フレンドリーで明るい性格をしています。
神経質でもないので、どこへでも安心して連れて行けるでしょう。
ただし、たまに宿泊先などで相性の合わない犬に出会ってしまうと、“テリア気質”と呼ばれるような気の強さが出てしまい、相手を威嚇してしまうことも。
旅先で初対面の犬と触れ合わせる際は、愛犬の様子を注意して見ておきましょう。
もし吠えてしまったり、他の犬を威嚇してしまうようなことがあったら、クレート(ケージ)やキャリーバッグに入ってもらい、落ち着かせてください。
そのためにも、日頃からクレートで落ち着いて過ごせるようなしつけを行っておきたいものです。

ダブルコートを持つウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、抜け毛が多い犬種。
マナー面でも気持ちよく旅行ができるよう、愛犬の抜け毛の飛散量を減らせる洋服を着せておくのがおすすめです。
ただし、洋服を着せっぱなしにすると皮膚の通気性が悪くなって蒸れてしまう恐れがあるので、抜け毛の飛散を気にせずに済む場所や自宅では、皮膚病予防のために洋服なしで過ごさせる方がよいでしょう。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの価格相場は?

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの価格相場は、15~30万円ほど。
ドッグショーでチャンピオンを獲得している親犬から生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ

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まさに明朗快活という言葉がぴったりな、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア。
テリア気質や皮膚病になりやすいという健康面から考えると、飼いやすさの点では、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
けれども、一緒に生活すればアクティブな楽しみの可能性は無限大です。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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