【獣医師監修】ずんぐり垂れ耳の愛らしいノーフォーク・テリアと笑顔の日々を

小さくてずんぐりむっくりとした体型が愛らしい、ノーフォーク・テリア。日本でも人気上昇中のノーフォーク・テリアの歴史、暮らしのコツ、かかりやすい病気などを知って、楽しい生活を過ごしてください。

【獣医師監修】ずんぐり垂れ耳の愛らしいノーフォーク・テリアと笑顔の日々を
出典 : pixta_58548127

ノーフォーク・テリアの歴史

ノーフォーク・テリアの歴史

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ノーフォーク・テリアは、1964年に原産国イギリスのケネルクラブで正式に認められた、比較的新しい犬種です。
その成り立ちは、19世紀後半にさかのぼります。
イングランド東部のノーフォーク州ノーリッチ市で、猟欲の強い小型のテリアが作出されました。
犬種の改良に使われたのは、サイズが小さいアイリッシュ・テリア、ボーダー・テリアなど。
改良の結果、農場を荒らすキツネやアナグマだけでなく、ネズミの駆除にも使用できるコンパクトなサイズの頑健なテリアが誕生しました。
1932年からはノーリッチ・テリアという犬種名で、狩猟犬として活躍したほか、ケンブリッジ大学ではマスコット犬として飼育されて人気を得ました。
1962年から、立ち耳タイプをノーリッチ・テリア、垂れ耳タイプをノーフォーク・テリアとして区別するようになりました。

ノーフォーク・テリアのサイズや被毛など、身体的な特徴

ノーフォーク・テリアの理想体高は、25~25cmです。
一般的な体重は5~7kg。
毛色は、レッド、ブラック&タン、ウィートン、グリズル(ブラックとグレーとレッドが混じり合った色)があります。
ワイヤー状の硬い上毛を持つのも特徴です。
かつては断尾をしていた習慣がありましたが、現在は多くの国で動物愛護の観点から断尾が禁止され、本来の長い尻尾のノーフォーク・テリアも増えています。

ノーフォーク・テリアとの快適生活のコツ

ノーフォーク・テリアとの快適生活のコツ

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ノーフォーク・テリアは小型のテリアで、口吻も長くなく愛らしい顔をしています。
とはいえ、農場を荒らす害獣と立ち向かっていた、生粋のテリアです。
勝気で怖いもの知らずで、動くものを見るときっと追いかけずにはいられません。
主人からの合図を待って行動する必要がなかったテリア種は、全般的に独立心が強く、頑固な一面もあります。
しつけやトレーニングはしっかりと行いましょう。
特に、興奮を抑えるための“マテ”はマスターしておきたいものです。
運動欲求が高い犬種なので、毎日のお散歩は必須です。
1回30分以上、1日合計1時間は最低でも運動をさせてあげましょう。
ボールなどを追いかけて捕らえる遊びもできれば、本能が満たされて、ノーフォーク・テリアはさらに満足してくれるはずです。
自宅では、嗅覚を使っておやつを探すゲームなどを取り入れて、脳トレを日課にするのもおすすめです。
テリアの中では協調性があるため、多頭飼育がしやすいのは、ノーフォーク・テリアと暮らす魅力のひとつと言えます。
独立心があって留守番上手なのも、飼いやすさの面では高いポイントになるでしょう。

ノーフォーク・テリアのお手入れ方法

ノーフォーク・テリア本来の硬いトップコートをキープするには、プラッキングと呼ばれるトリミングを行う必要があります。
バリカンで被毛を刈ってしまうと、毛質が柔らかくなってしまうので、硬い毛を保ちたいのであれば子犬の頃からプラッキングの継続を。
粗毛のテリア種に行われているプラッキングは、ハサミで被毛をカットするのではなく、トリミングナイフと呼ばれる特殊な櫛を使って死毛を抜いていく技法です。
プラッキングの頻度は、月に1回が目安です。
トリミングサロンに依頼する場合は、プラッキングを行えるトリマーがいることを確かめてから依頼をしましょう。
独学やセミナーを受講するなどして技術を習得し、自宅でプラッキングを行う飼い主さんも少なくありません。

ノーフォーク・テリアの平均寿命は?

日本の家庭犬の平均寿命は約14歳です。
もっとも長生きできる小型犬であるノーフォーク・テリアの平均的な寿命は、13~15歳ほどだと考えられます。

ノーフォーク・テリアのかかりやすい病気

ノーフォーク・テリアのかかりやすい病気

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ノーフォーク・テリアは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・異物誤飲

ノーフォーク・テリアは、好奇心が旺盛で怖いもの知らず。
それがチャームポイントでもあるのですが、裏目に出ると、ゴミ箱や飼い主さんのカバンをあさったり、散歩中に拾い食いをしたり……。
危険なものを口にして、異物誤飲による緊急手術になる可能性が高い犬種です。
フタ付きのゴミ箱を設置する、飼い主さんの入浴中などはクレートに入っておいてもらう、危険なものは高い場所に置くようにするといった予防法を講じましょう。
お散歩中も、目を離さないようにすることと、日ごろから「オフ」「アウト」などの合図で咥えた物を口から出すレッスンを重ねておいてください。
誤飲をした異物が胃の出口に詰まったり、腸に詰まる腸閉塞を起こしてしまうと、命に危険が及びます。
食欲がなくなり、ブルブルと震えていたり、嘔吐や下痢などの症状が見られたら早急に動物病院へ。

・歯の病気(歯周病、咬耗、破折)

害獣を咬む必要があったテリア種は、同じサイズの愛玩犬に比べると大きく立派な犬歯を持っています。
ノーフォーク・テリアはエネルギー豊富で物をかじりたい欲求が高いので、飼い主さんは長時間噛み続けられる硬いおもちゃやおやつを与えがちですが、硬い物を噛んだことが原因で歯が折れたり(破折)、歯が削れたり(咬耗)するケースが後を絶たちません。
目安として、人間が噛んでみて歯型がつかないほど硬い物は、ノーフォーク・テリアに与えないようにしましょう。
また、歯周病にも注意が必要です。
子犬の頃から、歯磨きを日課にしてください。
歯周病菌は、鼻腔や内臓などにも悪影響を及ぼすので軽視できません。
歯磨きの際には、口の中に腫瘍や咬耗や破折がないかもチェックしましょう。

・僧帽弁閉鎖不全症

シニア期以降の小型犬全般に比較的多く見られるのが、心臓疾患のひとつである僧帽弁閉鎖不全症です。
ノーフォーク・テリアも、僧帽弁閉鎖不全症にかかる可能性が低くありません。
心雑音で発見しやすい病気なので、シニア期以降は定期的に獣医師に聴診をしてもらうように心がけてください。
レントゲン検査や超音波検査も、早期発見に有効です。
定期的な健康診断を受診したいものです。
僧帽弁閉鎖不全症だと診断されたら、軽症であれば内服薬による管理を行います。
近年、限られた動物病院にはなりますが、僧帽弁閉鎖不全症の外科手術も行えるようになりました。
かかりつけの獣医師と相談のうえ、外科手術による治療を二次診療施設で行うのも選択肢のひとつです。

ノーフォーク・テリアと快適に旅行するには

コンパクトなサイズで心身ともにタフ、おまけにフレンドリーで陽気なノーフォーク・テリアとならば、どこへでも気軽に出かけられるでしょう。
ただし、脱走には要注意です。
好奇心と独立心が旺盛で、動くものを見ると追いかけたいノーフォーク・テリアは、油断をするとどこかへ走って行ってしまうことも。
リードはしっかり握っておき、首輪には迷子札を装着しておきましょう。
旅行中のみ、首輪とハーネスのダブルリードにするのもよいでしょう。
ノーフォーク・テリアはダブルコートの犬種なので、抜け毛が多め。
特に春と秋の換毛期には、大量のアンダーコートが抜けます。
抜け毛の飛散を減らす効果がある洋服は、旅行に持参したいアイテムのひとつ。
夏であれば、熱中症予防のために冷感ウェアなどを着せるのがおすすめです。

ノーフォーク・テリアの価格相場は?

ノーフォーク・テリアの価格相場は?

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ノーフォーク・テリアの価格相場は、30~50万円ほど。
ドッグショーでチャンピオンを獲得している親犬から生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

まとめ

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害獣駆除の仕事をしていた生粋のテリア種の中で、サイズも小さく協調性も高いノーフォーク・テリアは初心者にも向いています。
猟欲が高く活発なキャラクターを受け入れ、たくさんの運動や楽しいアクティビティを提供してあげれば、きっとノーフォーク・テリアは日々ストレスなく幸せそうな笑顔で、飼い主さんのことを喜ばせてくれるに違いありません。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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