【獣医師監修】ユニークな顔立ちのブリュッセル・グリフォンとのハッピーライフ術

映画『スター・ウォーズ』に登場するチューバッカとよく似た顔を持つブリュッセル・グリフォンは、愛嬌のある性格で世界的にも人気です。そんなブリュッセル・グリフォンの歴史からかかりやすい病気まで幅広く知り、ハッピーな毎日を過ごしてください。

【獣医師監修】ユニークな顔立ちのブリュッセル・グリフォンとのハッピーライフ術
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ブリュッセル・グリフォンの歴史

ブリュッセル・グリフォンの歴史

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ブリュッセル・グリフォンは、ベルギーを原産国とする小型犬です。
犬種名の由来から推測できるとおり、何世紀も前からブリュッセル周辺にいた、“Smousje”と呼ばれた剛毛の犬を祖先に持ちます。
19世紀になると、Smousjeにキング・チャールズ・スパニエルやパグの血が導入されました。
その結果、現在のようなルックスになると同時に、黒色がメインのベルジアン・グリフォン、短毛のプチ・ブラバンソンという、被毛の違いだけで区別された犬種も誕生することになりました。
ブリュッセル・グリフォンは、馬小屋に侵入する小動物を追い払うといったテリア種のような仕事をしたり、馬車を守ったりしていました。
マリー・アンリエット王妃にも愛されたことで、1900年頃までにはベルギー国内で人気犬種となり、今では世界中の人々を魅了しています。

ブリュッセル・グリフォンのサイズや被毛など、身体的な特徴

ブリュッセル・グリフォンのサイズや被毛など、身体的な特徴

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ブリュッセル・グリフォンは体高と体長がほぼ等しいスクエアな体型をしていて、理想体重は3.5~6kgです。
ブリュッセル・グリフォンの最大の特徴は、人間味のある鼻ぺちゃ顔でしょう。
目の上、頬、マズル、そして顎には長い飾り毛があり、額や頭部は立ち上がった粗い毛に覆われています。
被毛は長く、毛色はレッド(赤みがかった色)のみ。
ちなみに、同じ骨格構成で、毛色がブラックかブラック&タンの犬種はベルジアン・グリフォン、ブリュッセル・グリフォンと同じ毛色で短毛(スムースコート)の犬種がプチ・ブラバンソンです。

ブリュッセル・グリフォンとの快適生活のコツ

ブリュッセル・グリフォンとの快適生活のコツ

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ブリュッセル・グリフォンは愛玩犬グループに属する室内犬ですが、もとは害獣退治や馬車を守る仕事を担っていました。
そのため、貴族の抱き犬として誕生した生粋の愛玩犬に比べれば、かなり活発な犬種です。
ブリュッセル・グリフォンを心身ともに満たしてあげるには、毎日最低でも合計1時間は散歩をしてあげてください。
小動物を追いかけていた時代の本能を満足させられる、ボール遊びも積極的に取り入れれば、さらに愛犬の充足感はアップするでしょう。

活動的で好奇心が旺盛で、作業欲が高い犬種なので、トレーニングにも意欲的に取り組むはずです。
グリフォンの脳トレや飼い主さんとのコミュニケーションの一環として、トレーニングを日課にするのもおすすめです。
もちろん、頭脳明晰なグリフォンは、トイレのしつけなども問題なく覚えるでしょう。

ブリュッセル・グリフォンのトリミング方法

ブリュッセル・グリフォンらしいワイルドさを際立たせている剛毛を保つには、プラッキングというトリミングの技法が必要です。
これは、粗毛のテリア種が本来の毛質を保つために行っているもので、ハサミで被毛をカットするのではなく、トリミングナイフなどと呼ばれる特殊な櫛を使い、古くなったトップコートを抜いていく手法です。
トリミングサロンの一般向け講習会などでプラッキングの方法を学び、自宅で行っている飼い主さんも少なくありません。
プラッキングができるトリマーがいるトリミングサロンを探して通う飼い主さんもいます。
見た目のブリュッセル・グリフォンらしさを大切にしたいのであれば、数ヵ月に一度のプラッキングを継続して被毛の管理を行ってください。

ブリュッセル・グリフォンの平均寿命は?

日本の家庭犬の平均寿命は約14歳で、サイズ別では小型犬がもっとも長生きします。
ブリュッセル・グリフォンの平均的な寿命は、12~15歳ほどだと考えられます。

ブリュッセル・グリフォンのかかりやすい病気

ブリュッセル・グリフォンのかかりやすい病気

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ブリュッセル・グリフォンは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・呼吸器疾患

ブリュッセル・グリフォンはマズルが短いため、気道が狭いという骨格構造上の特徴を持ちます。
そのため、外鼻孔狭窄や喉頭虚脱などの呼吸器疾患を併発している、短頭種気道症候群を抱えている可能性が高くなります。
呼吸器にトラブルがあると、高温多湿の環境下にいたり、激しい運動をしていると呼吸がしづらくなります。
ハァハァとよく口を開けて呼吸をしたり、呼吸音を出すことがあったり、寝ている時にいびきが見られることもあるでしょう。
気になる症状があれば、早めに獣医師に相談を。
グリフォンそれぞれの呼吸器の状態や年齢によって、内科療法や外科療法など、最適な方法で治療を行います。
避妊・去勢手術の際などに、気道拡張のための外科手術を施すケースもあります。
呼吸器疾患の悪化リスクである肥満にさせないよう、適切な食事管理も重要です。

・熱中症

短頭種であるブリュッセル・グリフォンは、高温多湿の環境にいると呼吸による放熱がスムーズに行えず、熱中症にかかりやすいので注意が必要です。
運動欲求が高い犬種ですが、暑さの厳しい夏季の散歩は早朝と夜間に限りましょう。
ハァハァと苦しそうな呼吸が続いたり、舌が紫っぽい色になったり(チアノーゼ)、体が熱くなっていたら、涼しくて湿度の低い場所に早急に移動してください。
それでも荒い呼吸が続き、吐く、下痢をするといった症状が見られたら、すぐに動物病院へ。
熱中症は、予防が肝心です。
万が一発症した場合は、早期の対処が命を守ると心得ておきましょう。

・膝蓋骨脱臼

小型犬に比較的多く見られる、膝蓋骨脱臼(パテラ)を発症するブリュッセル・グリフォンもめずらしくありません。
簡単に言えば、膝のお皿がはずれる病気です。
軽症のグレード1から重症のグレード4までに分類され、早ければ子犬期からの発症が見られます。
外見上は発症に気付かないこともあるので、定期的に獣医師に触診してもらいましょう。
グレードが低く重症化しなければ、経過観察を行いながらサプリメントの服用や肥満対策で管理をするのが一般的です。
重症のまま無処置でいると、他の関節疾患の引き金になり、シニア期以降に歩行が困難になる恐れもあるため、症状の進行度合いによっては外科手術が推奨されます。

ブリュッセル・グリフォンとの快適旅行の秘訣

ブリュッセル・グリフォンは、熱中症にかかりやすい犬種です。
熱中症は気温が20度位でも、まだ体が暑さに慣れていないゴールデンウイーク頃から発症する危険性があります。
グリフォンとの旅行には、保冷剤を仕込めるバンダナや冷感ウェアなど、熱中症対策グッズが欠かせません。

ブリュッセル・グリフォンは、保温性の高い下毛(アンダーコート)と硬い上毛(トップコート)からなるダブルコートの犬種。
シングルコートの犬種より抜け毛が多く、特に春と秋の換毛期にはアンダーコートがよく抜けます。
寒さには強いほうですが、抜け毛の飛散を予防するために、旅行中は洋服を着用させておけばマナー面でも安心です。
顔まわりの長い被毛には汚れが付きやすいので、使い慣れたブラシなどのお手入れグッズも忘れずに。
外出先でさっと汚れを拭き取れる、ウェットティッシュなども持ち歩けば便利です。

ブリュッセル・グリフォンの価格相場は?

ブリュッセル・グリフォンの価格相場は、20~40万円ほど。
ドッグショーでチャンピオンを獲得している親犬から生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

<まとめ>

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作業犬ならではの理解力の高さからしつけもしやすく、飼いやすさ抜群のブリュッセル・グリフォン。
ユニークフェイスのブリュッセル・グリフォンと出かければ、きっとどこへ行っても人気者になってくれることでしょう。
アクティブな旅のパートナーにもぴったりで、フォトジェニックなグリフォンとの生活を、たっぷり楽しんでくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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