【獣医師監修】面長短足がチャームポイントのスコティッシュ・テリアと愉快な日々を

様々なブランドのキャラクターにもなり、長い眉毛と短い肢が印象的なスコティッシュ・テリア。スコッティの愛称でも世界中で親しまれるテリアの飼い方のコツをはじめ、歴史、かかりやすい病気などを知り、楽しいテリアライフを送りましょう。

【獣医師監修】面長短足がチャームポイントのスコティッシュ・テリアと愉快な日々を
出典 : pixta_30450567

スコティッシュ・テリアの歴史

スコティッシュ・テリアの歴史

pixta_44927151

スコティッシュ・テリアはイギリス(スコットランド)原産のテリア種です。
古くはスコットランドのアバディーン市付近で多く見られたので、アバディーン・テリアと呼ばれていた時代もあります。
現在の犬種名になったのは、19世紀末のこと。
世界でもっとも古いテリアの一種であるケアーン・テリアとは同族であると考えられ、アナグマやカワウソの狩猟犬として活躍していました。
土を掘ったり巣穴に潜るのに適した、短い四肢が特徴です。
1890年代にアメリカに紹介されると、瞬く間に人気を得て、F.D.ルーズベルト大統領、レーガン大統領、G.W.ブッシュ大統領もスコティッシュ・テリアを愛育しました。

スコティッシュ・テリアのサイズや被毛など、身体的な特徴

スコティッシュ・テリアのサイズや被毛など、身体的な特徴

pixta_49908977

スコティッシュ・テリアの体高は約25.4~28cm、体重は8.6~10.4kgほどです。
スコッチ・ウイスキーの“ブラック&ホワイト”テリアのキャラクターのうち、黒色の犬がスコティッシュ・テリア、白色の犬がウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアです。
そのため、スコティッシュ・テリアの毛色はブラックだけだと思われがちですが、ウィートン、ブリンドルなど様々な色調の毛色が存在します。
狩猟作業中に皮膚を傷つけないように、また風雨から身を守るために、硬い上毛(トップコート)を持っているのも特徴です。

スコティッシュ・テリアとの快適生活のコツ

スコティッシュ・テリアとの快適生活のコツ

pixta_49642940

スコティッシュ・テリアは、元来の“テリア気質”を色濃く残しています。
小動物に対して好戦的で勇敢、独立心が高く、自己判断に基づいて行動を起こし、頑固であるというのが、いわゆる“テリア気質”です。
そのため、飼いやすさの面では中級者以上に向いていると言えるでしょう。
自分の主人や家族以外には興味を示さないスコティッシュ・テリアが多いので、多頭飼いよりも、家族との信頼関係を一対一で築くのがベスト。
非常に利口で主人には従順なので、しつけはむずかしくありません。
一度スコティッシュ・テリアと暮らしたら、その魅力にどっぷりとハマってしまい、アメリカのルーズベルト大統領のように代々スコティッシュ・テリアを飼い続ける人が多いとか。
テリア気質も含めてスコティッシュ・テリアの個性を受け入れながら、ぜひ愛犬との深い絆を築いてください。

スコティッシュ・テリアは活発で運動欲求が高いので、毎日最低でも合計1時間の散歩をしてあげましょう。
他の犬と遊ぶよりも、飼い主さんとボール遊びをするほうがスコティッシュ・テリアにとってはうれしいかもしれません。
悪天候の日などにお散歩ができずストレスが溜まらないように、室内でも、ボール遊びやトレーニング、嗅覚でおやつを探すゲームなどを取り入れて、作業意欲を満たしてあげたいものです。

スコティッシュ・テリアならではのお手入れ方法

スコティッシュ・テリア本来の硬いトップコートを保つには、プラッキングと呼ばれるトリミング技法が欠かせません。
粗毛のテリア全般が行っているプラッキングは、ハサミで被毛をカットするのではなく、トリミングナイフと呼ばれる特殊な櫛を使って古いトップコートを抜いていく手法です。
プラッキングができるトリマーがいるトリミングサロンに通ったり、飼い主さん自身がプラッキングしたりして、月1回程度のプラッキングによるお手入れができれば理想です。
プラッキングの方法は、トリミングサロンの一般向け講習会などでも学べるので、興味がある飼い主さんはチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

スコティッシュ・テリアの平均寿命は?

日本の家庭犬の平均寿命は約14歳です。
サイズ別では、小型犬がもっとも長生きします。
スコティッシュ・テリアの平均的な寿命は、12~15歳ほどだと考えられます。

スコティッシュ・テリアのかかりやすい病気

スコティッシュ・テリアのかかりやすい病気

pixta_53189896

スコティッシュ・テリアは、以下の病気に比較的かかりやすい傾向があります。

・皮膚疾患

スコティッシュ・テリアは、皮膚病を患いやすい犬種のひとつ。
特に、皮脂の分泌に異常が生じて発症する脂漏症に、スコティッシュ・テリアはかかりやすい傾向があります。
脂漏症になると、皮膚の常在菌であるマラセチアが増えてしまい、マラセチア皮膚炎に進展するのも珍しいケースではありません。
体臭が強い、皮膚のべたつきが見られる、皮膚が赤みを帯びてきた、スコティッシュ・テリアが痒がっているといった症状が見られたら、早めに獣医師に相談を。
脂漏症の場合、シャンプー療法をはじめ、病状によって内科療法などで治療を行います。

・腫瘍

スコティッシュ・テリアは、腫瘍になりやすい犬種として知られています。
あらゆる腫瘍を発症する可能性がありますが、スコティッシュ・テリアに比較的多く見られるのは、膀胱癌、扁平上皮癌、肥満細胞腫、リンパ腫など。
腫瘍の早期発見には、レントゲン検査や超音波検査を含む定期的な健康診断を行うことが重要です。
腫瘍の種類によって、治療法は異なります。
獣医師と相談の上で、治療方針を決めて実施することになるでしょう。

・尿路結石症

尿路結石症は、腎臓、尿管、膀胱、尿道のいずれかに結石ができる病気です。
結石の成分により、ストラバイト結石とシュウ酸カルシウム結石などが存在します。
これらの結石は、レントゲン検査などで確認でき、尿内に排出されたものを飼い主さんが目視で確認できる例もあります。
症状として、頻尿や血尿が見られることも珍しくありません。
尿管と尿道にある結石は、急性腎不全を引き起こす可能性があるので要注意。
緊急に結石を除去するための手術を行わなければならない例もあります。
一方、腎臓と膀胱にある結石は、食事療法や内服薬により結石を溶かしていくのが一般的な治療法です。

スコティッシュ・テリアとの快適旅行のコツ

スコティッシュ・テリアは、下毛と上毛を持つダブルコートなので抜け毛が多い犬種です。
特に、春と秋に訪れる換毛期には多量の抜け毛が出ます。
旅行中は、抜け毛の飛散量を減らすために洋服を着せておくとよいでしょう。
ただし、洋服を着用し続けると通気性が悪くなって皮膚が蒸れがちに。
皮膚トラブルを生じやすいスコティッシュ・テリアの場合、他の人に抜け毛で迷惑をかけないようなシチュエーションでは、洋服を脱がせるようにしてください。

スコティッシュ・テリアは活発で運動神経も抜群です。
自然豊かな旅先で小動物を見つけると、本能で追いかけてしまうことも。
飼い主さんが景色などに気を取られてリードを緩めていると、スコティッシュ・テリアを失踪させてしまうかもしれません。
リードをしっかり握っておくのはもちろん、万が一に備えて迷子札やマイクロチップなどを装着しておけば安心です。

スコティッシュ・テリアの価格相場は?

スコティッシュ・テリアの価格相場は、20~40万円ほど。
ドッグショーでチャンピオンを獲得している親犬から生まれた子犬は、価格が高くなる傾向にあります。

まとめ

<まとめ>

pixta_49546579

長い眉毛と口ひげが印象的で、存在感たっぷりのスコティッシュ・テリア。
心身の健康管理に気をつけてあげれば、家族に従順で賢いスコティッシュ・テリアとのアクティブで楽しい毎日が長く続くことでしょう。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

続きを読む

ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

続きを読む

「ライフスタイル」の人気記事RANKING