【獣医師監修】老犬のためのキャリーバッグ、選び方や使用時の注意点・ポイントは?

足腰が弱り、体力も低下する老犬ではキャリーバッグがあると重宝します。しかし、そのタイプはいろいろ。愛犬のサイズや健康・歩行状態はもちろん、使用目的によっても選択肢が若干違ってきます。では、どんなタイプがあるのか? それぞれのポイントをまとめました。なお、この記事ではキャリーバッグを「犬を運ぶためのツール」とします。

【獣医師監修】老犬のためのキャリーバッグ、選び方や使用時の注意点・ポイントは?

老犬のキャリーバッグ【選び方・ポイントは?】

老犬のキャリーバッグ【選び方・ポイントは?】

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選び方・ポイント①【サイズ】

愛犬のサイズに合っていることはもちろんとして、特に歩行障害がある犬や寝たきりの犬では、横になっても十分な広さがあること。

犬が立った時に、頭が天井に当たらない程度の余裕は欲しいところです。

犬のサイズに加え、飼い主さん自身が持ち運び可能なサイズや重さ、使い勝手であるかも考慮点となります。

選び方・ポイント②【使用目的】

散歩に使う、電車やバスでの移動に使う、人込みの中で使用する、両手を空けたい、など使う目的によって適不適のキャリーバッグがあります。

たとえば、公共交通機関に犬を乗せたいなら、乗車が可能な規定サイズをクリアしなければなりませんし、基本的には作りもしっかりしたものが必要とされます。

散歩の途中で疲れる大型犬をフォローしたいならペットカート、近所のお買い物や人込みのある場所に小型犬と行くならスリング、中型犬を連れて荷物も多いお出かけならリュックタイプなど、いろいろな組み合わせがあるので、使用目的に合わせてお選びください。

参考:【犬を電車に乗せる際の規定例】

JR東日本・西日本の場合(*1, 2)
✔ 長さ70cm以内で、縦+横+高さの合計が90cm程度のケースに入れること
✔ ケースと動物を合わせた重さは10kg以内
✔  抱っこ、スリング、一般的なバッグやペットカートなどは不可 (ただし、分離できるカートで、ケース部分が規定サイズ内であれば可能)
名古屋市地下鉄の場合(*3)
✔小数量の小動物で、ケースに入れること
✔長さ2m以内で、縦+横+高さの合計が250cm以内のケースに入れる
✔ケースと動物を合わせた重さは30kgまで
✔ケースの数は2個まで
大阪メトロの場合(*4)
✔膝の上に抱ける軽度の大きさ
✔蓋のある専用のケースに入れ、被毛の飛散防止とともに、周囲から見えないようにすること
✔ペットカートは可だが、カバーが不透明で、車内で転回できる大きさ

参考資料:
(*1)JR東日本「きっぷあれこれ 手回り品」
(*2)JR西日本「FAQ ペットと一緒に列車に乗るには、どのようにすればよいですか?」
(*3)名古屋市交通局「地下鉄について」
(*4)Osaka Metro「愛玩用小動物の扱いについて」

選び方・ポイント【素材・作り】

ハードタイプとセミハードタイプ、ソフトタイプとがあるので、しっかり犬をガードしたいのであればハードを、とりあえず犬が入ればいいのならソフトなど、お好みで選んでください。いずれにしても底がしっかりしていると犬には安定感があるでしょう。

犬に落ち着きを与えたい場合はすっぽり囲めるタイプ、通気性を優先するならメッシュなど、これもお好みで選べます。

また一般的にキャスターはサイズが大きめでゴム製であると、より衝撃が軽減できるようです。

老犬のキャリーバッグ【タイプと特徴】

老犬のキャリーバッグ【タイプと特徴】

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以下、表中の公共交通機関へ持ち込みができるかどうかは、主に「形状」で判断しています。それぞれの交通会社にケースやサイズについての規定があり、条件外であれば持ち込みができません。詳しくは各交通会社のホームページなどで確認してください。

また、「老犬へのお勧め度」に関しても犬の状況や飼い主さんの感覚によって違うので、これらはあくまでも目安となります。

タイプと特徴①【ペットカート】

犬のサイズ :小型犬
犬のサイズ :中型犬
犬のサイズ :大型犬
犬の体の保護・強度
犬の体の安定度
重さ×
移動が楽か
保管スペース・かさばらないか×
公共交通機関への持ち込み(電車、バスなど)
老犬へのお勧め度

荷物も乗せられ、長距離の移動も楽ですが、お店や人が多い場所では周囲に気配りも必要です。メーカーによってはケース部分が分離でき、ハウスやキャリーバッグ、ドライブボックスとして使えるタイプもあります。

タイプと特徴②【キャリーバッグ(持ち手付き&肩掛け)】

犬のサイズ:小型犬
犬のサイズ:中型犬
犬のサイズ:大型犬×
犬の体の保護・強度:ハードタイプ
犬の体の保護・強度:セミハードタイプ
犬の体の保護・強度:ソフトタイプ×
犬の体の安定度
重さ
移動が楽か
保管スペース・かさばらないか
公共交通機関への持ち込み(電車、バスなど)
老犬へのお勧め度

肩掛けタイプのキャリーバッグの難点は、長時間移動では肩に負担がかかるのと、片手がふさがりがちだということ。それゆえ、体重のある犬ではきつくなります。担ぎ方によっては犬が不安定になることも。

タイプと特徴③【キャリーバッグ(リュック)】

タイプと特徴③【キャリーバッグ(リュック)】

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犬のサイズ:小型犬
犬のサイズ:中型犬
犬のサイズ:大型犬×
犬の体の保護・強度
犬の体の安定度
重さ
移動が楽か
保管スペース・かさばらないか
公共交通機関への持ち込み(電車、バスなど)
老犬へのお勧め度

両手を空けられるので荷物を持つことができ、災害時用として用意しておくのもお勧めです。
難点を言えば、背負う間は犬の様子が見られないこと。
ただし、抱っこにもできるタイプもあります。
縦長タイプは犬が立ち上がることを考えると、足腰の弱った老犬にはきついかもしれません。

タイプと特徴④【キャリーバッグ(トートバッグ)】

犬のサイズ:小型犬
犬のサイズ:中型犬
犬のサイズ:大型犬×
犬の体の保護・強度×
犬の体の安定度
重さ
移動が楽か
保管スペース・かさばらないか
公共交通機関への持ち込み(電車、バスなど)
老犬へのお勧め度

お洒落にも気を使いたい女性には人気のタイプです。作りや素材により形状が不安定なものは、それだけ犬も外からの圧を受けやすくなります。

タイプと特徴⑤【キャリーバッグ(キャスター付き)】

犬のサイズ:小型犬
犬のサイズ:中型犬
犬のサイズ:大型犬×
犬の体の保護・強度
犬の体の安定度
重さ
移動が楽か
保管スペース・かさばらないか
公共交通機関への持ち込み(電車、バスなど)
老犬へのお勧め度

持ち手を伸ばし、転がして運べるのは楽です。中には、背負えるタイプも。
作りや運び方によってはキャリーが斜めになってしまうこともあり、その場合は犬が不安定になるのでご注意ください。
凸凹路を運ぶ時にはキャスターからの振動を受けやすいことにも配慮を。

タイプと特徴⑥【クレート】

犬のサイズ:小型犬
犬のサイズ:中型犬
犬のサイズ:大型犬
犬の体の保護・強度
犬の体の安定度
重さ:ハードタイプ×
重さ:ソフトタイプ
移動が楽か×
保管スペース・かさばらないか:折り畳み不可×
保管スペース・かさばらないか:折り畳み可
公共交通機関への持ち込み(電車、バスなど)
老犬へのお勧め度

キャスター付きのクレートを除き、歩いての移動には不便なので、主に車移動時に向くでしょう。
ハードタイプの場合、犬の体の保護という意味ではもっとも強固です。
折り畳み式は旅行時のハウスとしても利用できます。

タイプと特徴⑦【スリング】

犬のサイズ:小型犬
犬のサイズ:中型犬×
犬のサイズ:大型犬×
犬の体の保護・強度×
犬の体の安定度×
重さ
移動が楽か
保管スペース・かさばらないか
公共交通機関への持ち込み(電車、バスなど)×
老犬へのお勧め度

抱っこで安定する老犬ならば向くでしょうが、老犬は脚がうまく動かせない、体が曲がるということも多々あるので、状況によっては姿勢がきつくなることが考えられます。仮にスリングを選ぶならば、犬のサイズのみならず、抱っこした時の位置(抱っこしやすい高さか)もチェックをしてください。

老犬のキャリーバッグ【老犬でも慣れる?】

老犬のキャリーバッグ【老犬でも慣れる?】

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13歳でトイレシートへの排泄を覚えた犬もいるので、老犬に新しいことを教えるのは不可能ではありません。ただ、時間と根気はいるかもしれません。

キャリーバッグに慣らす場合、してはいけないこと
✔バッグを初めて見せて、いきなり入れようとする
✔嫌がるのを無理に入れようとする
✔バッグに入れたまま不快な思いをさせる(叱る、大声を出す、揺らすなど)

老犬をキャリーバッグに慣らすには、
✔愛犬の近くにしばらく置いておく
✔バッグの中に普段使っている敷物を敷き、お気に入りのおやつおもちゃを入れておく
✔自分から入っていくようなら、数秒中にいただけでも褒める
✔歩けない犬なら数秒入れて褒めてから出す
✔少しずつ時間を長くしていく
などしてみてはいかがでしょう。

老犬のキャリーバッグ【まとめ】

老犬のキャリーバッグ【まとめ】

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老犬では歩行が困難になるにつれ、移動もたいへんになってきます。場合によっては、いくつかタイプの違うキャリーバッグを状況に合わせて併用するのもいいでしょう。

ただ、歩けるのに運ばれることに慣らし過ぎてしまうと、せっかくの運動のチャンスを奪うことにもなるのでほどほどに。老犬にとっては、歩いて筋力を維持することも大切です。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

大塚 良重 Yoshie Ootsuka

大塚 良重 Yoshie Ootsuka

犬もの文筆家&ドッグジャーナリスト 【経歴】 先代の愛犬(秋田犬のハーフ)が成犬になれぬうちに逝ったことがきっかけに、その後に迎えた愛犬(シェットランド・シープドッグ)との出会いが決定打となって、犬の魅力にどっぷりはまり、「犬に関わる仕事がしたい!」と思うようになったのは1980年代終わり頃。念願叶って、1990年代半ば、犬の世界へ飛び込み、フリーランスの犬専門ライターに転身。 当初は、写真撮影メインの仕事であったが、徐々にライティングに焦点をシフト。取材記事を中心に、犬専門雑誌や一般誌、書籍、新聞、Webなどで、犬に関する様々なテーマの記事を執筆。中でも、自身の愛犬の経験から、犬版の「介護・看護」をテーマに企画した4~5年にわたる連載記事は、後に、自著【りーたんといつも一緒に】に繋がる。 特に興味があるのは、老犬介護やペットロスをはじめとした「人と犬(動物)との関係性」。 自分がこの世に生まれてきたのは、愛犬と出会うためだったんだ…。そう思うほどに、私の魂をぎゅっと握って離さない愛犬という星のなんと大きなことか。人と犬とは、どうしてこんなにも深く、強く、繋がり合えるのだろう。そんな答えのない答えを、追い求め続けている。 そんな私の信条は、「犬こそソウルメイト」。 なぜこの仕事をしているのか?と聞かれたならば、「愛犬へ“ありがとう”と言いたいから」と答える。 今の自分を生かしてくれているのは、愛犬がいてくれたからこそだから。 一度想うとどこまでも、愛犬一筋派でもある。 【執筆歴】 月間「Wan」 月間「DOG FAN」 柴犬ファン、チワワファン、シュナウザーファンなどMOOK本シリーズ DOG Days 愛犬の友愛犬チャンプ高齢犬ケアハンドブック 訓練&アジリティー競技会に出場したい人のための ドッグ・トレーニングBOOKわが家の犬さがし 愛犬のカタログ ワンちゃんと泊まれる全国ホテル・旅館・ペンションガイド お犬のお宿 犬とのおでかけBOOK ノジュール「解体旬書 ペットとの旅を愉しむコツ」 暮しの手帖「ペットの健康相談」 週刊アスキー「いま飼いたいオススメの犬BEST5」 犬だいすき老犬介護のイロハ(連載)        など Web All About犬サイト(犬ガイド) All Aboutちびたす Yahooきっずペット docomo iコンシェル ヒーリング iタウン My レシピ.com ライオンスポンサードサイト「犬のオーラルケア」 PETomorrow PetLIVES Hotto マナトピ「信頼される飼い主でいたい! 愛犬の幸せ度チェック!」 その他、ドッグフードメーカー、車メーカータイアップ記事、ホームページコンテンツ制作     など 取材をお受けしての掲載記事、書籍/監修 ペット(夕刊) OZ magazine「natural tomorrow vol.16 ~ペット~」 GOO「愛犬と楽しむカーライフ」 fp「TREND “愛犬家”が考えるクルマ選びのポイントとは?」 これでイヌともっと話ができる R25「慌てる前に覚えておきたい、ペットが死んだ時の対処法」 クロワッサン特別編集「 防災BOOK」(2015~2019年版) どうぶつと生きる「シニア犬介護」 リクルートナビ「忙しい1人暮らで犬が飼えるか?」 マイレピ「飼い主も愛犬も満たされる 秋の”ペット旅”の楽しみ方」 サンデー毎日「大事な家族 ペットの熱中症防衛術」 サンデー毎日「気をつけろ! ペットの猛暑リスク」 ライフスタイル 「犬派と猫派どちらが多い?ペット共生を考える」 対談「シニア犬との生活」 Citrus「高齢者のペット飼育」他 smiles「犬とのハッピーな付き合い方」 CHANTO「犬を飼うときQ&A」 mom「ワンニャンといっしょ」     など 出演 Blue Ocean「ペットの防災」 Power Bay Morning「シニアペット事情」 グッドモーニング(インタビューコメントのみ) 取材協力・情報提供 Monocle(UK) 櫻井・有吉THE夜会 グッドモーニング その他、イギリスの出版社からの依頼による日本の犬事情リサーチにおけるコーディネート、ドッグフードメーカー、カメラメーカー、車メーカーのタイアップ   など 【著書】 『りーたんといつも一緒に』難病をもつ少女と愛犬たちの物語。 脊髄小脳変性症/アプラタキシン欠損症。当時、国内でこの難病指定を受けた子供は3人。“りーたん”はその一人だった。言葉はうまく喋れず、介助か車椅子がないと移動は困難なりーたんだが、毎朝起きるとキラキラした瞳で、「今日できること」を考える。 愛犬たちのほとんどは、元保護犬で、中には背骨を折られて道端に放棄されていた犬もいる。その犬の名は、モナミ。 車椅子のりーたんが、車椅子のモナミのリードを握って散歩に出かける姿は、まるで同士のようだ。 「いらない命はない」という、りーたんのママさんの言葉に包まれて、家族はただひたすら一瞬一瞬を大切に、明日という日を見つめて生きている。 【資格】愛玩動物飼養管理士1級 ホリスティックケア・カウンセラー

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