【獣医師監修】愛犬との夏の旅行はどうする? 夏休みの計画の立て方と注意点

夏休み、愛犬とどんなところを旅すれば楽しいでしょうか。夏の旅行では、愛犬の熱中症対策も欠かせません。暑さに弱い犬種や老犬は、留守番させるという選択肢もあります。愛犬と暮らす方に、愛犬との夏休み計画を成功させる秘訣や注意点をお伝えします。

【獣医師監修】愛犬との夏の旅行はどうする? 夏休みの計画の立て方と注意点

愛犬との夏の旅行、おすすめの旅行先は?

愛犬との夏の旅行、おすすめの旅行先は?

pixta_43173990

夏休みに、一人旅や子供連れの家族旅行などを計画している方もいることでしょう。
その旅行に愛犬を連れて行くのであれば、やはり避暑地が最適です。
犬は人間のように汗をかいて放熱ができず、主には口を開けてハァハァと呼吸をすることでしか体温を下げられません。
さらに、全身を被毛で覆われているため人間よりも暑さに弱い動物だからです。
関東からであれば、箱根、軽井沢、那須高原、富士五湖周辺などが、夏に犬連れ旅行をしやすい場所として人気があります。
体力のある犬であれば、飛行機を利用して、大自然と涼を求めて北海道に飛ぶのも選択肢のひとつかもしれません。
愛犬が屋外にいる時の暑さ対策を万全にできれば、ペット宿泊可能な海辺の温泉宿やホテルに泊まり、一緒に海水浴などを楽しむのも良いでしょう。
一般的に高温多湿の屋外で活動できる時間が少なくなりがちな夏の犬連れ旅行では、室内ドッグランや犬用プールなど、犬が楽しめる施設が充実している宿泊施設を選ぶのがおすすめです。

熱中症など、移動時や旅行中の注意点は?

熱中症など、移動時や旅行中の注意点は?

pixta_31344095

犬は熱中症になりやすい体のしくみをしています。
そのため、もし夏に犬連れ旅行をするのであれば、熱中症の予防策はしっかり行ってください。
ゴールデンウィークから晩夏までの時期、熱中症で動物病院を緊急受診する犬の中には、車で短時間留守番をさせていた、というケースが後を絶ちません。
日陰に自動車を停めて、窓を少し開けて留守番をさせたとしても、決して安心できません。
愛犬は見知らぬ土地で独りになった不安から、呼吸が荒くなり、体温が上昇することもあります。
また、湿度が高い状態が熱中症の危険要因なので、エアコンがかかっていない車内では日陰や曇りの日でも湿度が急激に上昇してしまいます。
愛犬はたとえ数分でもエアコンの切れた車内に残さず、誰かが愛犬と車に残るなどしましょう。
人間同様、夏の旅行中は愛犬にもこまめな水分補給を心がけるのが大切です。

旅行中、愛犬に地面を歩かせる時、飼い主さんがアスファルトや地面を手で触ってみて熱いと感じたら、愛犬を歩かせるのは控えてください。
そのかわり、クールマットや保冷剤を仕込んだキャリーバッグやペットカートに乗せるのが良いでしょう。
旅行中は、なるべく愛犬に冷感ウェアを着せたり、保冷剤を入れられるバンダナを装着させたりと、熱中症対策グッズをフル活用したいものです。

愛犬が旅行中に熱中症や病気になってしまったら

熱中症になると、症状は急速に悪化して命に危険が及びます。
最初はハァハァと荒い呼吸が続き、ぐったりとしてきて、さらに症状が進行すると吐いたり下痢をしたりします。
重症化すると、意識消失やけいれんなどが起こります。
熱が上がった初期の段階で飼い主さんが気付いてあげて、愛犬の体を冷やすこと、そして軽症でなければ動物病院で緊急処置を受けることが、愛犬の命を救うために欠かせません。
もし旅行中、愛犬に熱中症の症状が出ていると気付いたら、すぐに涼しい場所に移り、可能であればエアコンの設定温度を最低まで下げた車に乗せて、濡れタオルで愛犬の体を包み、緊急で動物病院を受診してください。

川や海の水を犬が飲み過ぎると、水中毒(低ナトリウム血症)になる恐れもあります。
また、足の裏をガラスの破片などで切ったり高所から落ちたりと、旅行中にケガをする犬も少なくありません。
熱中症やケガや病気により旅先で動物病院を受診する際は、事前に電話で連絡を入れておきましょう。
旅先や宿泊地周辺の動物病院は、あらかじめ調べておくといざという時に役立ちます。
万が一の受診に備えて、ワクチン接種証明書や健康手帳なども所持しておきたいものです。

夏休みなど、長期旅行の際の愛犬の預け先は?

夏休みなど、長期旅行の際の愛犬の預け先は?

pixta_57980736

短頭種や老犬などで愛犬が暑さに弱い場合、無理して夏にペット同伴の旅行をすることはありません。
温度管理が行き届いた安心できる場所でゆっくり過ごしてもらうほうが、愛犬にとって心身ともに落ち着けることもあります。
夏休みなどの長期旅行の間、愛犬は親類や知人、あるいはペットホテルに預けるという方法がポピュラーでしょう。
猫をはじめペットホテルでは緊張してしまう他の動物と犬とを飼っている家庭では、ペットシッターにまとめて世話を依頼するケースも多いようです。
いずれにしても、長期旅行中に飼い主さんと会えない不安感から、愛犬が食欲不振や下痢などで体調を崩す可能性もあるため、旅行前、事前に試しとして預けたりペットシッターさんを利用して慣れてもらうのをおすすめします。

愛犬との初めての旅行、注意点は?

愛犬との初めての旅行、注意点は?

pixta_49104942

愛犬との旅行が初めてであれば、犬連れ客専用の宿泊施設に滞在するほうが安心できるでしょう。
そのような施設のスタッフは、犬の扱いに慣れています。
さらに、ドッグトレーナーや犬のプロが常駐している施設も多く、困ったことが生じても相談や解決がしやすいからです。
ハード面でも、快適に過ごせる設備が整っています。

他の犬にフレンドリーな愛犬なら、ペット同伴の日帰りバスツアーから、まずは利用するのも良いでしょう。
旅慣れた参加者やスタッフが、きっと助けてくれるはずです。

愛犬と初めての旅行は緊張するかもしれません。
実は、飼い主さんが緊張した様子でいることこそ、愛犬を不安にさせてしまう最大の要因です。
愛犬の持ち物など準備を整えて自宅を出発したら、あとは飼い主さんがおおらかな気持ちで普段通りのテンションで愛犬に接してください。

まとめ

<まとめ>

pixta_34395508

夏の犬連れ旅行は熱中症対策が必要なので、少々ハードルが高めです。
けれども、旅行地のチョイスや過ごし方次第で、安全で快適な旅行が実現できます。
万全の下調べと準備をして、ぜひ、愛犬との夏休みを楽しく過ごしてくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

続きを読む

ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

続きを読む

「ライフスタイル」の人気記事RANKING