【獣医師監修】愛犬とのドライブ(車移動) 快適な旅行を成功させる秘訣

愛犬と車で出かけるときに、いくつかのポイントをおさえて実践すれば、とても安全で快適になります。事前準備から実際の車の乗せ方まで、飼い主さんも愛犬もストレスフリーで車旅行ができる秘訣を、幅広く紹介します。

【獣医師監修】愛犬とのドライブ(車移動) 快適な旅行を成功させる秘訣
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愛犬との車のお出かけ、乗せ方などの注意点は?

愛犬との車のお出かけ、乗せ方などの注意点は?

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愛犬との生活では自動車があれば、一緒に行動できる範囲も広がって便利です。
車で快適に愛犬とお出かけや旅行を楽しむための第一歩は、愛犬に車好きになってもらうこと。
そのために、愛犬を迎えたら早めに車慣れに取り組みましょう。
まず大切なポイントは、動物病院やトリミングサロンやペットホテルなど、愛犬が苦手であったり、飼い主さんと離れて寂しい思いをする場所に連れて行く時だけ、車を利用しないようにすることです。
愛犬との車で長距離移動をする前には、まず、近場のドッグランや公園などにドライブがてら愛犬を連れて行き、車で出かけると楽しいこともあると覚えてもらうのをおすすめします。

車の乗せ方は、愛犬をクレートやケージに入れるのが最も安全です。
2020年5月、膝の上に犬を乗せていたドライバーが、道路交通法違反の疑いで北海道で現行犯逮捕されました。
運転手の視野やハンドル操作が妨げられる状態での運転は、乗車積載方法違反になります。
愛犬を後部座席や助手席の同乗者が抱っこをするのも、安全とは言い切れません。
抱っこしている人が眠るなどして犬が自由に動きやすくなると、犬が運転席に行ってしまう可能性があります。
そもそも、ずっと抱かれた状態では犬も窮屈でしょう。
かといってフリーにしていると、カーブや坂道などで犬が体勢を崩してケガをする恐れもあります。
助手席でも後部座席でもよいので、愛犬が内部で自由に体を動かせるクレートやケージに入れて乗せましょう。
クレートは、シートベルトを通して固定できるタイプのものが安全性の面でベストです。
おとなしくてあまり動き回らない犬であれば、“ドライブボックス”と呼ばれるような、座席に固定できるソフトサークルのようなものを利用するのもよいでしょう。
なお、タクシーに乗車する際は、短時間であればキャリーバッグも活用できます。

愛犬との車でのお出かけ、車酔いは大丈夫?

愛犬との車でのお出かけ、車酔いは大丈夫?

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人間同様に、もともと車酔いをしやすいタイプとしにくいタイプの犬がいます。
もし愛犬が、車に乗るとハァハァと荒い息をしてよだれを流す、震える、ぐったりする、吐くといった状態になるようならば、車酔いをしている可能性があります。
車酔い予防のため、ドライブの1時間ほど前までに食事を終わらせ、食前には散歩も済ませておいてください。
食後すぐの運動は胃捻転のリスクを高めるので控えましょう。
人間も犬も、眠っていれば車酔いは起こりません。
食欲も満たされ、肉体的にも心地よい疲労感があれば、車に乗ってほどなくして愛犬が眠ってくれる可能性が高まるでしょう。
乗車前に散歩をしておく予防策を講じても、車内では緊張した様子で起きていて、車酔いをしてしまう。
そのような場合は、旅行前に獣医師に相談を。
愛犬用に酔い止めを処方してもらい、用量と用法を守りながら必要に応じて活用してください。

愛犬との車の旅行、ストレスに注意!

愛犬との車の旅行、ストレスに注意!

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車での移動時は、なるべく愛犬にストレスをかけたくないものです。
ストレス軽減のためにはまず、車内に持ち込むのは日常生活で慣れ親しんだクレートを使うようにしましょう。
自分や飼い主さんのにおいがついたタオル、ぬいぐるみなどをクレートに入れておけば、さらに安心できるはずです。
クレートやケージは安全を確保できるだけでなく、ストレス予防にも効果的です。
揺れ続ける車内でフリーでいると、愛犬はバランスを取ろうとして常に気を張った状態になり、落ち着いて眠ることができません。
けれどもクレートやケージに入っていれば、中で横になって休むことができるので、睡眠不足に陥る心配も不要です。

犬連れでのドライブでは、こまめに休憩をとるのも重要なポイント。
人間同様、体が揺れると通常より尿意を催しやすくなるからです。
おしっこをガマンしながら乗車していると、ストレスが溜まるほか、自動車に対する苦手意識がついてしまうかもしれません。
ドライブ休憩で排泄を終えたら、ストレス発散のために少しは運動もさせてあげましょう。
高速道路であれば、愛犬のストレス発散のために遊歩道やドッグランを併設しているようなサービスエリアを選んで立ち寄るようにするのがおすすめです。
ドライブ中に愛犬が退屈そうにしていたら、おもちゃおやつを与えて楽しみを提供してあげてください。

愛犬との車の旅行、車中泊はできる?

愛犬と一緒に車中泊を楽しむのも、旅行スタイルのひとつ。
キャンピングカーで愛犬との車中泊をする人も、近年は増えています。
なお、キャンピングカーをレンタル利用する場合は、犬を車内に入れてよいかどうかを事前に確認してください。
もし犬との利用が可能であっても、においや被毛を車内に残さないように気をつけましょう。
車中泊をする場所は、高速道路のサービスエリアや、ペット可のキャンプ場などがあります。
なるべく愛犬が安心できるように、使い慣れたフードボウルやドッグベッドなどを持参するのが、車中泊での犬連れ旅行成功の秘訣です。

愛犬との車の旅行、おすすめのグッズは?

愛犬との車の旅行、おすすめのグッズは?

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愛犬とのドライブに必ず持参したいのは、繰り返しますが、使い慣れたクレートと、飼い主さんや愛犬自身のにおいのついたタオル、毛布、おもちゃ、ぬいぐるみなどです。
休憩時間に愛犬がうんちをして、休憩先で処理できずに車内に持ち込むケースも少なくありません。
その場合に備えて、臭いが外に漏れにくい加工がしてあるマナーポーチや処理袋を用意しておきましょう。
愛犬のお尻や足などが汚れてしまった場合は、水を使わないで済むタイプのシャンプーなどがあれば便利です。
晩春から初秋にかけては、愛犬の熱中症予防のために、取り外しが容易な車用サンシェードなどを活用してください。
車内に残る抜け毛を減らすために、ドライブ中は洋服を着せておくのもよいでしょう。

愛犬との車の旅行前に、準備したい感染症予防策

愛犬と上質で快適な車旅行を楽しむ前には、事前に感染症予防の対策も怠らないように。
冬を除き、必ず行いたいのがマダニとノミの予防策です。
蚊がいる時期は、フィラリアの予防も忘れずに行ってください。
また、必要に応じて、ウイルスや細菌の感染症を予防するためのワクチンも旅行前に接種しておきましょう。
かかりつけの獣医師に相談しながら、愛犬の健康を守るための準備も終えて、安心して車での旅行に出発したいものです。

まとめ

まとめ

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小型犬から大型犬まで、車内で落ち着いて過ごせる乗せ方と事前準備さえ実践すれば、きっと愛犬との車での旅行は成功させられるでしょう。
愛犬との安全で快適なドライブで、犬連れ旅行の楽しみをさらに広げてみてください。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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