【獣医師監修】老犬の留守番、お出かけの際の注意点は?介護、病気(てんかん、認知症)など

老犬を留守番させるのは心配。それでも留守番させなければならないときは、留守をする時間の長さ、環境づくり、温度・湿度、トイレの管理、精神面でのフォロー等に配慮し、何より愛犬の状態を把握することが大切です。心配な場合は、モニターカメラの活用やペットシッターへの依頼、老犬ケアに特化した施設や動物病院に預ける等の選択肢も。

【獣医師監修】老犬の留守番、お出かけの際の注意点は?介護、病気(てんかん、認知症)など

老犬の留守番 注意点・ポイント①【介護(寝たきり)】

老犬の留守番 注意点・ポイント①【介護(寝たきり)】

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寝たきりの老犬は自力で水を飲めませんし、留守にする時間は極力短くするのが望ましいでしょう。

ある飼い主さんの例をご紹介します。

✔愛犬のそばに温度計を設置し、適温になるようエアコンの温度設定を心がける
✔背中に安心感を与えると犬が安定するので、その時に着ていた自分の匂いがする服を犬の背中に沿って置いて出かける(服で包み込んでしまうと、犬がバタバタした時に絡まってしまうので注意)
✔最長でも4時間に1回は仕事先から自宅に戻り、犬の様子を見て、また仕事先に戻る

一般的に、犬にとっての適温は22~26℃、湿度50%程度とされますが、老犬は体温調節がしづらく、冷えを感じやすい上に熱中症にもなりやすいため、冷えすぎ・暑すぎにならないよう注意を。
寒い季節には温度を1~2℃高めに設定するなど保温に努めましょう。

出かける前には、留守中になるべく喉が渇かないよう、十分な水分を与えたいものです。

参考:【犬に必要な1日の水分量】(*これは目安であり、病気の有無など犬の状態にもよります)
1日の水分量(ml)=(体重kg)0.75乗×132

犬に必要な1日の水分量

体重必要水分量
2kg222ml
4kg372ml
6kg506ml
8kg628ml
10kg742ml
12kg851ml
14kg956ml
16kg1,056ml
18kg1,154ml
20kg1,249ml
22kg1,341ml
24kg1,431ml
26kg1,519ml
28kg1,606ml
30kg1,692ml
32kg1,775ml
34kg1,859ml
36kg1,940ml
38kg2,021ml
40kg2,100ml
42kg2,178ml
44kg2,255ml
46kg2,332ml
48kg2,408ml
50kg2,482ml

敷物やベッドにも注意が必要で、もぞもぞ動いてしまう犬では体に絡まったり、ベッドから落ちたりすることがあるので、敷物をしっかり敷く、寝場所を広めにする、囲った中に入れるなど工夫してあげてください。

また、体を動かせないだけでも不安になるものです。
元来、穴居動物である犬は上・横・後ろの三方が囲まれた場所は安心するので、上記の例のように背中側に安心できる物があるのは、犬によっては不安を軽減できる場合もあるかもしれませんね。

老犬の留守番 注意点・ポイント②【病気(てんかん、認知症など)】

老犬の留守番 注意点・ポイント②【病気(てんかん、認知症など)】

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認知症のある犬では家具の隙間にはまって出られなくなったり、徘徊したりすることがあります。
また、食欲に変化が出て、食べ物ではない物を口に入れてしまうことも。

日頃から、家具の隙間はなるべく塞ぎ、家具の角にはクッション材を当てて、階段の上り口・下り口や玄関、台所などにはゲートを設置するとともに、電気コードや電池など犬にとって危険な物は片づけて事故防止に努めましょう。

留守時はクレートやケージに入れておくほうが安心ですが、徘徊がある場合はケガ防止のためにも円形のソフトサークルや、お風呂マットを円形に繋ぎ合わせた物、小型犬であれば子ども用のプールなどに入れておくといいでしょう。

犬にふらつきがあり、歩いては倒れてしまう場合は、むしろ少し狭めのサークル(ケージ)に入れておくほうが倒れないという飼い主さんもいますが、犬の状況やサークルの大きさ・形状によりけりだと思います。

また、てんかんがある場合、「特発性てんかん・症候性てんかん・潜在性てんかん」がある中で、症候性てんかんは脳腫瘍、腎不全、糖尿病、甲状腺機能低下症、低血糖などの病気の他、電解質の異常、中毒などに起因して発作が起こるため、病気の治療を心がけるのはもちろん、

✔中毒を起こしそうな物は置かない(薬、玉ねぎやチョコレートなどの食品、洗剤など)
✔十分な水が飲める(脱水を起こすと電解質のバランスが崩れる)

などにも注意を。
その他、ストレスや睡眠障害も関連するとされるので、安心して眠れる場所を作ってあげることも大切でしょう。
何より、てんかん薬を常用しているのであれば、飲ませることを忘れずに。

老犬の留守番 注意点・ポイント③【吠える・鳴く】

老犬の留守番 注意点・ポイント③【吠える・鳴く】

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老犬は不安を感じやすく、認知症の症状としても不安が増すことがあります。
これまで問題なく留守番できた犬でも分離不安になることも。

目が見えなくなった不安から留守中に鳴くようになった犬に対して、新たに犬を迎えたところ、仲間ができたことで落ち着き、吠えが治まった例はありますが、どんな犬・家庭にも通用するわけではありません。

✔出かけることに気づかれないよう外出する
✔留守中に飽きないよう、少量のおやつを入れた知育玩具をいくつか置いておく
✔テレビやラジオをつけておく
✔外が気になって吠えるなら、玄関や窓から離れた場所に寝場所を作る
✔飼い主さんの匂いが付いた物をそばに置いておく

など試してみてはいかがでしょうか。

なお、ラベンダーやローマン・カモミール、スィートマージョラムなど鎮静効果があり、留守番時に使えるアロマもありますが、老犬ではアロマの使用そのものに注意が必要です。

老犬の留守番 注意点・ポイント④【食事・トイレ】

留守中にご飯を与える必要があり、かつドライフード使用ならば、スマートフォンにも連動するタイマー付き自動供給器を使ってみるのも一案ですが、老犬は食欲の確認や誤飲防止にも気をつけたいので、留守にする前にご飯は済ませておくほうがいいでしょう。

また、老犬はトイレの粗相もしがちなので、トイレは行きやすい距離に何ヶ所か用意できると理想的です。
おもらしが心配な犬ではオムツの利用を。
ほとんど動かず、寝たままの犬であれば、お尻の周囲にトイレシートを敷いておくだけでも大丈夫でしょう。

老犬の留守番 注意点・ポイント⑤【床ずれ】

老犬の留守番 注意点・ポイント⑤【床ずれ】

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床ずれは寝たきりの犬にできると思いがちですが、実は、まだ歩ける犬でも起こり得ます。
なかなか立てず、立とうともがいているうちに床ずれができてしまうこともあるので、帰宅後は皮膚のチェックもすることをお勧めします。

また、たった一日でできてしまうこともあるのが床ずれ。
床ずれ防止効果の高いマットであると寝返りをさせる回数も若干少なくすることも可能なので、留守が多いお宅では床ずれ防止マット・グッズを重要視したいですね。

老犬の留守番【まとめ】

老犬の留守番【まとめ】

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中には、仕事の間だけ愛犬を老犬ホームに預ける飼い主さんもいます。
状況によっては、老犬ケアに慣れた施設、動物病院、ペットシッター、信頼できる友人などにお願いするのもいいでしょう。

【老犬ホームに短期預ける際の料金の目安】

ショートステイ/1時間デイケア/8時間程
小型犬400~1,000円2,000~6,000円
中型犬500~1,000円3,000~9,000円
大型犬600~2,000円3,000~1万円

(注:施設の設備や地域、立地条件、スタッフ数などによって料金には大きく差が生じ、料金体系も様々です)

老犬を置いて留守にするのは確かに心配です。

老犬は突然に体調を崩すことがあり、預けた場合には環境の変化がきっかけとなって、残念ながらそのまま亡くなってしまうケースもあります。
出かける目的が単に旅行であるならば、それを諦め、残された時間を愛犬と過ごすことを選択するのも愛情なのではないでしょうか。

その一方、こと老犬介護生活ともなれば、飼い主さん自身に体力的・精神的な疲労が溜まりがちで、追い詰められてしまうこともあります。
そのような時、一時的に愛犬の世話を他人に任せることでリフレッシュできることもあるのは事実です。

そもそも、愛犬を置いて留守にできるのか、愛犬をよそに預けても大丈夫なのか、それとも誰か自宅に来てもらったほうがいいのか、愛犬の性格や年齢、健康状態、状況などによってご判断ください。

とにもかくにも、介護が必要・後期の老犬では、留守にする時間は短めに。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

大塚 良重 Yoshie Ootsuka

大塚 良重 Yoshie Ootsuka

犬もの文筆家&ドッグジャーナリスト 【経歴】 先代の愛犬(秋田犬のハーフ)が成犬になれぬうちに逝ったことがきっかけに、その後に迎えた愛犬(シェットランド・シープドッグ)との出会いが決定打となって、犬の魅力にどっぷりはまり、「犬に関わる仕事がしたい!」と思うようになったのは1980年代終わり頃。念願叶って、1990年代半ば、犬の世界へ飛び込み、フリーランスの犬専門ライターに転身。 当初は、写真撮影メインの仕事であったが、徐々にライティングに焦点をシフト。取材記事を中心に、犬専門雑誌や一般誌、書籍、新聞、Webなどで、犬に関する様々なテーマの記事を執筆。中でも、自身の愛犬の経験から、犬版の「介護・看護」をテーマに企画した4~5年にわたる連載記事は、後に、自著【りーたんといつも一緒に】に繋がる。 特に興味があるのは、老犬介護やペットロスをはじめとした「人と犬(動物)との関係性」。 自分がこの世に生まれてきたのは、愛犬と出会うためだったんだ…。そう思うほどに、私の魂をぎゅっと握って離さない愛犬という星のなんと大きなことか。人と犬とは、どうしてこんなにも深く、強く、繋がり合えるのだろう。そんな答えのない答えを、追い求め続けている。 そんな私の信条は、「犬こそソウルメイト」。 なぜこの仕事をしているのか?と聞かれたならば、「愛犬へ“ありがとう”と言いたいから」と答える。 今の自分を生かしてくれているのは、愛犬がいてくれたからこそだから。 一度想うとどこまでも、愛犬一筋派でもある。 【執筆歴】 月間「Wan」 月間「DOG FAN」 柴犬ファン、チワワファン、シュナウザーファンなどMOOK本シリーズ DOG Days 愛犬の友愛犬チャンプ高齢犬ケアハンドブック 訓練&アジリティー競技会に出場したい人のための ドッグ・トレーニングBOOKわが家の犬さがし 愛犬のカタログ ワンちゃんと泊まれる全国ホテル・旅館・ペンションガイド お犬のお宿 犬とのおでかけBOOK ノジュール「解体旬書 ペットとの旅を愉しむコツ」 暮しの手帖「ペットの健康相談」 週刊アスキー「いま飼いたいオススメの犬BEST5」 犬だいすき老犬介護のイロハ(連載)        など Web All About犬サイト(犬ガイド) All Aboutちびたす Yahooきっずペット docomo iコンシェル ヒーリング iタウン My レシピ.com ライオンスポンサードサイト「犬のオーラルケア」 PETomorrow PetLIVES Hotto マナトピ「信頼される飼い主でいたい! 愛犬の幸せ度チェック!」 その他、ドッグフードメーカー、車メーカータイアップ記事、ホームページコンテンツ制作     など 取材をお受けしての掲載記事、書籍/監修 ペット(夕刊) OZ magazine「natural tomorrow vol.16 ~ペット~」 GOO「愛犬と楽しむカーライフ」 fp「TREND “愛犬家”が考えるクルマ選びのポイントとは?」 これでイヌともっと話ができる R25「慌てる前に覚えておきたい、ペットが死んだ時の対処法」 クロワッサン特別編集「 防災BOOK」(2015~2019年版) どうぶつと生きる「シニア犬介護」 リクルートナビ「忙しい1人暮らで犬が飼えるか?」 マイレピ「飼い主も愛犬も満たされる 秋の”ペット旅”の楽しみ方」 サンデー毎日「大事な家族 ペットの熱中症防衛術」 サンデー毎日「気をつけろ! ペットの猛暑リスク」 ライフスタイル 「犬派と猫派どちらが多い?ペット共生を考える」 対談「シニア犬との生活」 Citrus「高齢者のペット飼育」他 smiles「犬とのハッピーな付き合い方」 CHANTO「犬を飼うときQ&A」 mom「ワンニャンといっしょ」     など 出演 Blue Ocean「ペットの防災」 Power Bay Morning「シニアペット事情」 グッドモーニング(インタビューコメントのみ) 取材協力・情報提供 Monocle(UK) 櫻井・有吉THE夜会 グッドモーニング その他、イギリスの出版社からの依頼による日本の犬事情リサーチにおけるコーディネート、ドッグフードメーカー、カメラメーカー、車メーカーのタイアップ   など 【著書】 『りーたんといつも一緒に』難病をもつ少女と愛犬たちの物語。 脊髄小脳変性症/アプラタキシン欠損症。当時、国内でこの難病指定を受けた子供は3人。“りーたん”はその一人だった。言葉はうまく喋れず、介助か車椅子がないと移動は困難なりーたんだが、毎朝起きるとキラキラした瞳で、「今日できること」を考える。 愛犬たちのほとんどは、元保護犬で、中には背骨を折られて道端に放棄されていた犬もいる。その犬の名は、モナミ。 車椅子のりーたんが、車椅子のモナミのリードを握って散歩に出かける姿は、まるで同士のようだ。 「いらない命はない」という、りーたんのママさんの言葉に包まれて、家族はただひたすら一瞬一瞬を大切に、明日という日を見つめて生きている。 【資格】愛玩動物飼養管理士1級 ホリスティックケア・カウンセラー

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