【獣医師監修】老犬との電車(新幹線)移動、旅行やお出かけの際の注意点やポイントは?

老犬を電車に乗せたい。犬の状況によっては可能ですが、公共交通機関であるだけに注意が必要です。各鉄道会社によって規定があり、一定のサイズ・重さ以内に収まらないと犬を乗せることはできませんし、周囲への気遣いやマナーも必要です。老犬では健康状態、移動距離、気温、人の多さなどには特に配慮を。

【獣医師監修】老犬との電車(新幹線)移動、旅行やお出かけの際の注意点やポイントは?

老犬との電車(新幹線)移動注意点・ポイント①【持病(病気)】

老犬との電車(新幹線)移動注意点・ポイント①【持病(病気)】

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たとえば、心臓病で咳が出るとなれば周囲の乗客は気になるでしょうし、当の犬にとっても外気と車内の気温差や騒音などが症状に影響を及ぼすかもしれません。

関節炎で痛みのある犬ならば、長時間狭いスペースである程度の姿勢が強いられるのは苦痛になることも考えられます。

また、膀胱炎や尿路結石、腎不全などがある犬では頻尿の症状が出るので、乗車中に排泄する可能性もあります。
電車に乗る前に排泄を済ませるのはもちろん、愛犬の様子をこまめにチェックすることは忘れずに。

いずれにしろ、愛犬に持病がある場合は、電車に乗せることに耐えられるか、その移動距離や気温などよく考えてから行動するようにしましょう。
どうしても乗せる必要がある時には、移動や降車がしやすいドアやデッキ近くに席を取るのがいいでしょう。

老犬との電車(新幹線)移動注意点・ポイント②【電車酔いする?】

電車でも乗り物酔いを起こすことはあります。
乗り物酔いは「加速度病」「動揺病」とも言われ、反復または不規則な揺れや車窓に流れる景色などの情報と、身体の平衡感覚を司る三半規管(内耳の迷路内にある器官)との情報にずれが生じ、脳内でそれを調整しきれずに、自律神経の働きに支障が出る現象を指します。
症状として、吐き気・嘔吐・めまいなどの症状が出現します。

✔体の不安定さ
✔車窓に流れる景色
✔不快な臭い
✔不快と感じる温度や湿度、車内のよどんだ空気
✔不安、ストレス
✔疲れ、寝不足
✔空腹・、満腹
✔体調不良
✔(人の場合)起立性低血圧や起立性調節障害のような病気によるもの   など

これらは乗り物酔いを引き起こす要因になり得るので、電車に乗る2時間前までにはご飯を与えておくのも乗り物酔いの予防策になります。

また、電車やバスでは中央部の座席のほうが振動は緩やかと言われるので、座席指定ができる電車に乗るならば、中央部の座席を指定するのも選択肢の一つでしょう。(電車によってはインターネットで座席表が見られます)

振動という観点からは、床にケースを置くとより振動が伝わりやすいので、膝の上に置くなどの方が安心ですが、ペットのためにと一人で2席を座席指定することはできないのでご注意ください。(*1)

参考資料:
(*1)JR東日本「旅客営業規則第4章第1節第147条の5」

老犬との電車(新幹線)移動注意点・ポイント③【吠える・鳴く】

老犬との電車(新幹線)移動注意点・ポイント③【吠える・鳴く】

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吠え予防としては、疲れると眠ってくれるので、電車に乗せる前に十分散歩をしておくという手もあります。

ただ、普段は大人しく電車に乗り慣れている犬でも、老犬ともなると不安が増す傾向にあり、また、我慢もしづらく、何かのきっかけで吠えたり、鳴いたりすることもあるかもしれません。

愛犬の様子をよく確認し、吠えそうな素振りが見えたならば、落ち着かせるように努めましょう。その際、ケースから犬を出すことは規定上できません(*4)。
万一、吠え出して鳴き止まないようであれば、極力電車を降りるなどの対処を。

吠えや乗り物酔いなどが心配、周囲への気配りを軽減したいという場合は、個室を利用する選択肢もあります。

たとえば、新宿(東京)から日光・鬼怒川(栃木)方面へ向けて特急スペーシアを利用するとした場合、運賃+特急料金に個室料金①3.,150円(JR線内)または②6,300円(JR線+東武線)がかかりますが、②を利用して4人で乗車すると一人あたり1,575円の加算となります。(*5)
その他、新幹線には多目的室が用意されている場合があります。
ただし、基本的に身体に不自由がある人が優先となり、空いていれば授乳や体調が悪い時に利用も可。
犬連れでも利用できるかは駅の窓口・乗務員さんに聞いてみてください。

なお、個室であってもケースから犬を出すことは不可となります。

参考資料:
(*4)JR東日本「サービス品質」
(*5)東武鉄道「特急スペーシア・JR線直通特急の特急料金」

老犬との電車(新幹線)移動注意点・ポイント④【ストレス・負担軽減】

老犬はストレス耐性が低下しがちです。
他の乗客の存在や騒音などがストレスになることもあります。
元来、穴居動物である犬は周囲を囲まれた状態であると落ち着けるので、状況によってはケースにブランケットやバスタオルなどを掛けるのもいいでしょう。

ストレスを軽減したいのならば、前述のように個室利用も選択肢の一つです。
特急や新幹線など指定席利用ならば、車両の一番前の席だと前に人がいない分、落ち着けるかもしれませんね。

その他、乗車距離・時間はもちろん、自宅から駅まで、到着駅から目的地までの往復時間や移動方法などトータル的に見て、愛犬が耐えられるかどうかご判断ください。

老犬との電車(新幹線)移動注意点・ポイント⑤【季節・天気】

老犬との電車(新幹線)移動注意点・ポイント⑤【季節・天気】

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電車の中はエアコンや扇風機がありますが、駅の構内は外気そのままです。
夏場や冬場は体温調節のしづらい老犬にとっては辛い季節であり、ケースの中にいなければならないことを考えると、電車の待ち時間が長くなったりすれば体調を崩しかねません。

したがって、気温が厳しい季節の電車でのお出かけはあまりお勧めしませんが、乗せなければならないのであれば、ホームでの待ち時間をなるべく短くし、特に夏場は水分補給を心がけ、冬場はケースの中を温かくするなどして愛犬の様子に注意を払うことを忘れないようにしましょう。

老犬との電車(新幹線)移動注意点・ポイント⑥【おすすめグッズ】

各鉄道会社の規定により、基本的にキャリーバッグやクレートのような形状がしっかりしたケースに入れる必要があります。
持ち運びを考えればキャスター付きはお勧めですが、犬にとっては若干振動を感じるかもしれません。

犬の体がすっぽり入っても、形状が不安定なスリングやリュックなどは不可となるのでご注意ください。

多くの場合、重さも全体で10kg以内となり、ケースを入れると9kg前後の小型犬・中型犬までしか乗れないため、ケースを選ぶ際には、その重さも考慮するといいでしょう。

また、老犬はトイレを我慢しづらいので、マナーベルトやマナーパンツの利用もお勧めします。

トイレシートは何かと使えるので余分に。ケースの隙間から水を与えやすいので、ウォーターノズルも重宝します。

参考:【犬を電車に乗せる際の規定(例:JR東海)】(*6)
✔長さ70cm以内で、縦+横+高さの合計が90cm程度のケースに入れること
✔ケースと動物を合わせた重さは10kg以内
✔1個につき手回り品料金290円が必要。改札口等で手回り品切符を購入
✔ケースから動物の体が出る、ホームや車両内でケースから動物を出すのは不可
✔抱っこ、スリング、一般的なバッグやペットカートなどは不可
(ただし、分離できるカートで、ケース部分が規定サイズ内であり、残りの部分が無料手回り品の規定サイズ内であれば可能だが、ケース以外の部分に突起などがあり、危険と判断された場合は不可)

参考資料:
(*6)JR東海「きっぷのルール 手回り品」

老犬との電車(新幹線)移動注意点・ポイント【まとめ】

老犬との電車(新幹線)移動注意点・ポイント【まとめ】

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公共交通機関である電車では、動物が苦手な人もいるということには配慮が必要です。
また、犬への負担軽減のためにも、犬を乗せるのであれば、なるべく人が少ない時間帯に利用することをお勧めします。

併せて、老犬は持病のある犬が多いので、特に長距離の場合、心配であれば事前に動物病院で相談するといいでしょう。
愛犬に無理をさせないよう、気をつけながら電車でのお出かけを楽しめると良いですね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

大塚 良重 Yoshie Ootsuka

大塚 良重 Yoshie Ootsuka

犬もの文筆家&ドッグジャーナリスト 【経歴】 先代の愛犬(秋田犬のハーフ)が成犬になれぬうちに逝ったことがきっかけに、その後に迎えた愛犬(シェットランド・シープドッグ)との出会いが決定打となって、犬の魅力にどっぷりはまり、「犬に関わる仕事がしたい!」と思うようになったのは1980年代終わり頃。念願叶って、1990年代半ば、犬の世界へ飛び込み、フリーランスの犬専門ライターに転身。 当初は、写真撮影メインの仕事であったが、徐々にライティングに焦点をシフト。取材記事を中心に、犬専門雑誌や一般誌、書籍、新聞、Webなどで、犬に関する様々なテーマの記事を執筆。中でも、自身の愛犬の経験から、犬版の「介護・看護」をテーマに企画した4~5年にわたる連載記事は、後に、自著【りーたんといつも一緒に】に繋がる。 特に興味があるのは、老犬介護やペットロスをはじめとした「人と犬(動物)との関係性」。 自分がこの世に生まれてきたのは、愛犬と出会うためだったんだ…。そう思うほどに、私の魂をぎゅっと握って離さない愛犬という星のなんと大きなことか。人と犬とは、どうしてこんなにも深く、強く、繋がり合えるのだろう。そんな答えのない答えを、追い求め続けている。 そんな私の信条は、「犬こそソウルメイト」。 なぜこの仕事をしているのか?と聞かれたならば、「愛犬へ“ありがとう”と言いたいから」と答える。 今の自分を生かしてくれているのは、愛犬がいてくれたからこそだから。 一度想うとどこまでも、愛犬一筋派でもある。 【執筆歴】 月間「Wan」 月間「DOG FAN」 柴犬ファン、チワワファン、シュナウザーファンなどMOOK本シリーズ DOG Days 愛犬の友愛犬チャンプ高齢犬ケアハンドブック 訓練&アジリティー競技会に出場したい人のための ドッグ・トレーニングBOOKわが家の犬さがし 愛犬のカタログ ワンちゃんと泊まれる全国ホテル・旅館・ペンションガイド お犬のお宿 犬とのおでかけBOOK ノジュール「解体旬書 ペットとの旅を愉しむコツ」 暮しの手帖「ペットの健康相談」 週刊アスキー「いま飼いたいオススメの犬BEST5」 犬だいすき老犬介護のイロハ(連載)        など Web All About犬サイト(犬ガイド) All Aboutちびたす Yahooきっずペット docomo iコンシェル ヒーリング iタウン My レシピ.com ライオンスポンサードサイト「犬のオーラルケア」 PETomorrow PetLIVES Hotto マナトピ「信頼される飼い主でいたい! 愛犬の幸せ度チェック!」 その他、ドッグフードメーカー、車メーカータイアップ記事、ホームページコンテンツ制作     など 取材をお受けしての掲載記事、書籍/監修 ペット(夕刊) OZ magazine「natural tomorrow vol.16 ~ペット~」 GOO「愛犬と楽しむカーライフ」 fp「TREND “愛犬家”が考えるクルマ選びのポイントとは?」 これでイヌともっと話ができる R25「慌てる前に覚えておきたい、ペットが死んだ時の対処法」 クロワッサン特別編集「 防災BOOK」(2015~2019年版) どうぶつと生きる「シニア犬介護」 リクルートナビ「忙しい1人暮らで犬が飼えるか?」 マイレピ「飼い主も愛犬も満たされる 秋の”ペット旅”の楽しみ方」 サンデー毎日「大事な家族 ペットの熱中症防衛術」 サンデー毎日「気をつけろ! ペットの猛暑リスク」 ライフスタイル 「犬派と猫派どちらが多い?ペット共生を考える」 対談「シニア犬との生活」 Citrus「高齢者のペット飼育」他 smiles「犬とのハッピーな付き合い方」 CHANTO「犬を飼うときQ&A」 mom「ワンニャンといっしょ」     など 出演 Blue Ocean「ペットの防災」 Power Bay Morning「シニアペット事情」 グッドモーニング(インタビューコメントのみ) 取材協力・情報提供 Monocle(UK) 櫻井・有吉THE夜会 グッドモーニング その他、イギリスの出版社からの依頼による日本の犬事情リサーチにおけるコーディネート、ドッグフードメーカー、カメラメーカー、車メーカーのタイアップ   など 【著書】 『りーたんといつも一緒に』難病をもつ少女と愛犬たちの物語。 脊髄小脳変性症/アプラタキシン欠損症。当時、国内でこの難病指定を受けた子供は3人。“りーたん”はその一人だった。言葉はうまく喋れず、介助か車椅子がないと移動は困難なりーたんだが、毎朝起きるとキラキラした瞳で、「今日できること」を考える。 愛犬たちのほとんどは、元保護犬で、中には背骨を折られて道端に放棄されていた犬もいる。その犬の名は、モナミ。 車椅子のりーたんが、車椅子のモナミのリードを握って散歩に出かける姿は、まるで同士のようだ。 「いらない命はない」という、りーたんのママさんの言葉に包まれて、家族はただひたすら一瞬一瞬を大切に、明日という日を見つめて生きている。 【資格】愛玩動物飼養管理士1級 ホリスティックケア・カウンセラー

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