【獣医師監修】旅行に行く時に愛犬を快適に留守番させるコツ

日帰り旅行から海外旅行まで、飼い主さんの旅行時に愛犬を留守番させる場合、どんなことに注意すれば良いでしょうか。なるべく愛犬に、ストレスなく快適に留守番時間を過ごしてもらう秘訣を知っておきましょう。

【獣医師監修】旅行に行く時に愛犬を快適に留守番させるコツ
出典 : pixta_39226934_M (1)

旅行に行く時、愛犬を留守番させても大丈夫?

旅行に行く時、愛犬を留守番させても大丈夫?

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旅行に行く時に、基本的には留守番をさせても大丈夫です。
「基本的に」とした理由は、飼い主さんと離れると精神的に不安になり、ハァハァと荒い呼吸が続いたり、粗相や破壊行動をしてしまったりという、分離不安症という病気の犬も中にはいるからです。
分離不安症の場合は、獣医師から抗不安薬を処方してもらったり、ドッグトレーナーの力を借りながら、少しずつ飼い主さんと離れても不安にならないようなレッスンを重ねていく必要があります。
分離不安症が完治するまでは、留守番をさせるのは控えましょう。

愛犬が分離不安症でなくても、留守番をするのが苦手なケースもあるでしょう。
もともと犬は群れで生活をする動物なので、ひとりになるというシチュエーションに初めて置かれると、不安を感じるのは当然のこと。
まずは短時間から、自宅での留守番に慣らしてください。
飼い主さんと長時間離れても、神経性の下痢などを起こさないようであれば、旅行の時にペットホテルやペットシッターを利用して留守番をさせても問題ないでしょう。

短期間のお留守番(目安は日帰り〜2日)、注意点やポイントは?

短期間のお留守番(目安は日帰り〜2日)、注意点やポイントは?

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愛犬が分離不安症でもなく、日常的な自宅での留守番の経験をある程度積んできたら、日帰りから1泊2日くらいの自宅(家の室内)での留守番はさせられるかと思います。

日帰りの場合、目安は最長で15時間くらいまで。
人間よりも犬は長い睡眠時間を必要とする動物なので、留守番中の12時間くらいは寝て過ごす可能性も低くありません。
また、例えば、朝6時に出発して夜9時に帰宅すると想定した場合、成犬であれば空腹によるストレスもあまり感じにくいでしょう。
もちろん、出発前は散歩をして、ふだんより多めのごはんをあげてください。
その分、夜ご飯は減らして1日の食事量が適正になるようにします。
ただし、子犬の場合、空腹時間が長くなると低血糖症になる恐れがあります。
子犬のひとりでの留守番は、10時間位が限界だと言えます。

1泊2日の旅行で愛犬を留守番させる場合、ペットホテル利用では、午前の開店や夜のお迎え時間に間に合わず、飼い主さんの旅行の前日や後日の送迎が必要になり、愛犬だけペットホテルに2泊や3泊する必要が生じるかもしれません。
そんな時は、愛犬を自宅に留守番させて、ペットシッターに来てもらうのが便利なケースも。
例えば、飼い主さんが朝出発して翌日夕方帰宅するのであれば、その日の夕方と翌日午前中にペットシッターにごはんと散歩を依頼するといった具合です。

留守番させる際は、夏であれば、熱中症予防のために必ず冷房をかけっぱなしにしておいてください。
また、愛犬が過ごす場所に夏の日差しが注ぐ場合は、レースカーテンなどで、愛犬が直射日光に当たらないように気をつけましょう。
飲み水は、愛犬が万が一こぼしてしまっても心配ないように、ひとつだけでなく、複数ヵ所に用意しておくのも重要です。

長期間のお留守番(目安は3日以上~)、注意点やポイントは?

海外旅行や長期の国内旅行の際は、愛犬をずっと自宅に置いておくのはおすすめできません。
家族みんなが不在の間に、ゲリラ豪雨や台風が襲来して停電が発生したり、エアコンが壊れてしまうことも考えられます。
愛犬の体調変化にも、1日1~2回訪れてくれるペットシッターでは即時に対応ができない可能性があります。

飼い主さんの旅行が3日以上になるならば、なるべく親戚や友人の家に預けたり、ペットホテルを利用しましょう。

長期間過ごす場所で、ストレスを感じてしまうと愛犬の心身の健康にも悪影響です。
長期旅行で預ける前に、お試しで1泊くらいさせて、滞在中の愛犬の様子を確認するとともに、預け先の環境に慣らしておいてあげましょう。

愛犬のストレスを減らす、自宅でお留守番の工夫(トイレ、ごはん、カーテン等)

愛犬のストレスを減らす、自宅でお留守番の工夫(トイレ、ごはん、カーテン等)

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自宅で愛犬を留守番させる場合、狭いケージに閉じ込められたままでは、ストレスが溜まりがちに。
愛犬も少しは体を動かして、気晴らしをしたくなるはずです。
数時間の留守番であれば、クレートやトイレのないケージ内での留守番も問題ありませんが、半日以上の留守番になる場合、トイレとドッグベッドのほかに、体を動かせるスペースがあるサークル(ケージ)を設置してください。
部屋で長時間フリーにさせてもイタズラや誤飲などの心配がない犬であれば、サークルに愛犬を入れたままにしておく必要はありません。
部屋で留守番をさせる場合は、汚れたトイレでストレスを感じないように、長時間の留守番時はトイレシーツを多めに敷いて出かけましょう。

また、愛犬の体内時計が狂わないように、カーテンで昼光を遮りたくありません。
カーテンに関しては、レースカーテンなどで室内が見えないように防犯対策をする程度がベストです。

留守番が10~15時間に及ぶようなケースでは、設定した時刻にドライフードが出てくる自動給餌器を活用するのもおすすめです。
退屈をしないように、また脳が心地よく疲労して眠くなるように、知育トイにおやつやフードを仕込んでおくのも愛犬のストレス軽減に役立ちます。

預け先候補と注意点は?(ペットホテル、動物病院、ペットシッター、家族等)

預け先候補と注意点は?(ペットホテル、動物病院、ペットシッター、家族等)

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長期旅行中の預け先には、ペットホテルや動物病院のほか、親族や友人宅なども選択肢になります。

ペットホテルとひと口に言っても、24時間スタッフが常駐しているホテル、夜間は無人になるホテル、スタッフの自宅内の一部を使用しているホテル、フリースペースで過ごす時間が長いホテルなど、様々なタイプがあります。
飼い主さんの好みと愛犬の性格にマッチするペットホテルを選ぶのがポイントです。

愛犬に気になる病気がある場合は、動物病院内にあるペットホテルや、体調が変化したらすぐに動物病院に連れて行ってくれるペットホテルを選べば安心です。

親族や友人宅に滞在するのに愛犬が慣れている場合、家庭環境に近い家で過ごすのも良いでしょう。
自宅以外で留守番させる場合は、愛犬が少しでも安心できるように、飼い主さんや愛犬自身のにおいのついたタオルやドッグベッドなどを可能な限り預け先に持たせてあげてください。

ペットシッターは、前述のとおり日帰り旅行や2日間程度の旅行に適していると言えます。

まとめ

まとめ

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まずは愛犬を留守番上手に育てましょう。
その後は、日帰りから長期旅行まで、愛犬にストレスを感じさせない工夫をしながら、愛犬に快適な留守番環境を提供してあげてくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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