【獣医師監修】犬連れ旅行のデビューはいつからが最適? 子犬は旅行できる?

子犬と暮らし始めたら、早く一緒に旅行に出かけたいと待ち望む飼い主さんも少なくないでしょう。子犬はいつ頃から、旅行デビューができるでしょうか? 子犬との旅行に必要な準備、注意したいポイント、旅行先で快適に過ごすコツなどを知っておきましょう。

【獣医師監修】犬連れ旅行のデビューはいつからが最適? 子犬は旅行できる?
出典 : pixta_30740576

愛犬(子犬)との旅行は、いつからが最適? ワクチンやトイレのしつけを済ませよう

愛犬(子犬)との旅行は、いつからが最適? ワクチンやトイレのしつけを済ませよう

pixta_33942749

子犬だから旅行に同伴させられないわけではありません。
けれども、子犬の旅行デビュー前には済ませたいことがいくつかあります。

ひとつは、ワクチンプログラムをすべて終了しておくこと。
混合ワクチンは、子犬が母体移行免疫をどれだけ獲得できているかなどの生育環境にもよりますが、1ヵ月ごとに合計2~3回接種することで免疫を得られます。
また、日本の法律では狂犬病予防法による狂犬病ワクチンの接種も義務付けられています。
犬と泊まれるホテルやペンションや旅館などで、それらのワクチンの接種証明書の提示を求められることがあります。
子犬のワクチンプログラムをすべて終えてから、犬連れ旅行が可能になると考えましょう。

もうひとつは、トイレトレーニングマスターしておくこと。
移動中や宿泊先などで粗相をしないように、室内ではトイレシーツの上でしか排泄しないといったしつけは済ませておきたいものです。
また、子犬は起きている時間は、月齢の数ほど(生後4ヵ月齢ならば4~5時間)しか通常はおしっこをガマンできません。

それらのことを考えると、愛犬連れの旅行は生後半年以降が最適と言えるのではないでしょうか。

旅行先でのアクティビティはいつからできるの?(ドッグラン、プールなど)

旅行先でのアクティビティはいつからできるの?(ドッグラン、プールなど)

pixta_55331619

旅行中、サービスエリアや道の駅のドッグラン、宿泊先のプレイルームやドッグランやプールなどで遊ぶのも、愛犬にとっては楽しみのひとつになるでしょう。
それらの施設でほかの犬と接触すると、感染症に感染する恐れがあります。
そもそも、混合ワクチン未接種の犬は利用できない施設が多数を占めますが、旅行先でのアクティビティは、子犬には、最後のワクチンを接種して約2週間が経って免疫を獲得してから利用するようにしてください。
春から秋にかけては、ノミマダニフィラリアの予防対策もしっかり行っておきましょう。

もしプールを利用するのであれば、筋肉が未発達の子犬には注意が必要です。
実は、子犬に限らず泳げない犬も決して少なくありません。
子犬を初めて泳がせるときは、溺れないようにライフジャケットを着せてあげてください。

長距離移動のポイント、注意点は? こまめなトイレや熱中症予防に気をつけよう

前述したとおり、子犬は成犬ほどおしっこを長くガマンできません。
そのため、子犬を連れての長距離移動の際は、こまめにトイレ休憩をするようにしましょう。

また、子犬と老犬は熱中症リスクが高まります。
万が一、熱中症になった場合も、子犬は体力と抵抗力が十分ではないので悪化して命を落とす可能性が高くなります。
長距離移動の間、子犬が気持ち良さそうに車内でぐっすり寝ているからと、子犬を車内に留守番させたままにするのは厳禁です。
たった数分間でも、そして窓を少し開けた日陰の車内でも、熱中症で死亡する犬は後を絶ちません。

車・飛行機・電車(新幹線)のポイント、注意点は?

車・飛行機・電車(新幹線)のポイント、注意点は?

pixta_62894782

車に慣れる前の子犬は、車酔いをして吐いてしまうケースもめずらしくありません。
車に乗るたびに酔って吐く経験を重ねると、愛犬が車嫌いになる可能性もあります。
もし旅行前に何度かドライブを試して子犬が吐いたりするようであれば、旅行前に動物病院で酔い止めを処方してもらっておきましょう。
車内では、クレートに入れておいたほうが、カーブやブレーキの際に子犬がシートから落下する心配がなく安全です。

電車や新幹線、飛行機に乗る場合は、犬はずっとクレート(ケージ)やキャリーバッグに入っている必要があります。
公共の交通機関を利用しての旅行前には、子犬がキャリーバッグやクレートでリラックスして過ごせるようになるまで、事前に練習を重ねておきましょう。
子犬は長時間トイレをガマンできないこと、熱中症のリスクが高いこと、長時間食事をしないでいると低血糖になりやすいことなどを考慮して、心配であれば無理して旅行デビューをさせず、ペットホテルや実家に預けて留守番をさせるのも選択肢になるかと思います。

旅行の際、愛犬のストレスを軽減するには?

旅行の際、愛犬のストレスを軽減するには?

pixta_64816229

子犬には、新しいものを柔軟に受け入れられる“社会化期”と呼ばれる期間があります。
おおざっぱに言えば、生後4ヵ月位から警戒心が高まっていく前に、触れ合って安全だと確かめられた生き物や音などは、警戒対象にならずに受け入れられるという期間です。
愛犬との旅行を楽しみたいと望んでいるのであれば、子犬を迎えたら、あらゆるものに慣らす“社会化”に力を注ぎましょう。
ほかの人や犬はもちろん、旅先で出会う可能性のあるあらゆる事象や音に慣れておけば、愛犬自身が緊張や恐怖を感じることが少なくなり、外出時のストレスを軽減できます。

もし旅行中に怖がっていると感じるものを見つけたら、子犬におやつを食べさせてあげてください。
大好きなおやつを食べるといううれしい経験と同時に、見たり聞いたりしたものには、恐怖心が薄らぐ効果があるからです。
子犬との旅行時には、常時とっておきのおやつも携行しておきましょう。

子犬は成犬よりも、ひとりになることに寂しさを感じる傾向にあります。
愛犬が子犬のうちはなるべく、犬連れで食事ができるホテルや旅館を選んだり、大浴場なども家族で交代で行くか部屋で入浴できる宿泊施設を選んであげてください。

まとめ

まとめ

pixta_39890744

子犬でも一緒に旅行に行くことはできます。
ただし、ワクチンプログラムとトイレトレーニングを終え、可能な限り社会化をしてからにしましょう。
最初は無理をせず、長距離移動にならない近場の旅行先を選び、なるべく子犬をひとりにしないで済むようなホテルや旅館に泊まるのが安心です。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

続きを読む

ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

続きを読む

編集部のおすすめ記事

今週の「ライフスタイル」記事ランキング