【獣医師監修】子犬の旅行はいつから可能? 子犬との旅行を成功させるコツ

子犬との旅行はいつから可能でしょうか?予防接種やしつけなど、子犬との初めての旅行前には準備すべきことがたくさんあります。今回は、子犬との旅行を成功させるための、持ち物などのハード面やトレーニングなどのソフト面など、様々なポイントを解説します。

【獣医師監修】子犬の旅行はいつから可能? 子犬との旅行を成功させるコツ
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子犬との旅行、生後何ヵ月から旅行ができる?

子犬との旅行、生後何ヵ月から旅行ができる?

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子犬を迎えたら、早く一緒に旅行に行きたいとワクワクしている飼い主さんも少なくないことでしょう。
子犬と初めて旅行をするにあたり、子犬のワクチンプログラムを終えておく必要があります。
初回の混合ワクチンの接種時期などにもよりますが、子犬には約1ヵ月ごとに合計2~3回の混合ワクチンを接種して、重症化すると危険な感染症への抗体を獲得します。
日本の法律で義務付けられている狂犬病ワクチンの接種も、子犬を迎えてから受けなければなりません。
子犬のワクチンプログラムに含まれる最後のワクチンを接種してから約2週間が経ったら、抗体がつくので一緒に旅行に出かけることができます。
早くて生後4ヵ月齢前後からが目安となるでしょう。

子犬との旅行 ストレスなどの心配に対するアドバイス

子犬のワクチンプログラムが終了すれば、ワクチンで予防が可能な感染症に関しては心配なく旅に出られます。
とはいえ、生後4ヵ月齢前後ではまだ体力もそれほどついておらず、環境変化などにもストレスを感じやすいものです。
旅行に限らず環境が変わることで、神経性の下痢を生じる子犬もいます。
子犬との初めての旅行の前には、子犬がこれから生きていく社会で出会うあらゆるものに慣れる“社会化”をしっかり行っておくことをおすすめします。
家族以外の人や犬、様々な音や環境を受け入れられるようになってから初めての旅行に出れば、子犬自身はもちろん、飼い主さんも不安やストレスなく旅行ができるでしょう。

子犬との旅行 必要な持ち物(服装、グッズなど)

子犬との旅行 必要な持ち物(服装、グッズなど)

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子犬との旅行では、トイレグッズをはじめ、夏であれば熱中症対策グッズ、冬は寒さ対策グッズを充実させると良いでしょう。

子犬は成犬より排泄をがまんできる時間が短いので、移動中や宿泊先などではこまめにトイレ休憩を取ってください。
宿泊先に用意されているペットシーツの数に限りがある場合もあるので、ペットシーツは多めに持参したいものです。
また、トイレトレーニングをまだ完璧にマスターしていない子犬との旅行では、粗相が心配であればマナーベルトや犬用オムツ(パンツ)があれば安心です。

暑さへの適応能力が未発達な子犬期は、熱中症の発症リスクが高まります。
冷感ウェア、保冷剤を仕込めるバンダナ、クレートに入れたり客室の床に敷いたりできる小さめのアルミ製クールボードなど、熱中症対策グッズは万全に揃えて持っていき、フル活用させましょう。
短毛の犬種や、長毛でも保温効果を担うアンダーコート(下毛)がないシングルコートの犬種の子犬は、寒さにも強くありません。
冬の旅行では、防寒機能の高い犬用のウェアを必要に応じて子犬に着せてあげてください。

なお、子犬だけでなく成犬も同様ですが、ワクチンの接種証明書や、狂犬病注射済票、犬鑑札も必要な持ち物のひとつ。
旅行中は、リードや首輪に犬鑑札と狂犬病注射済票のほか、飼い主さんの連絡先を記した迷子札も装着しておき、迷子対策も行っておきましょう。

子犬との旅行 おすすめの移動手段(車、電車、新幹線、飛行機など)

気温や環境の変化に成犬ほどの適応能力を備えていない子犬との旅行では、急な体調変化にも対応しやすいマイカー旅行がおすすめです。
車酔いしやすい子犬の場合、マイカー旅行への苦手意識をつけないためにも、事前に動物病院で酔い止めを処方してもらい飲ませてください。

生後5~6ヵ月齢になって体力や精神的な強さがついてきたら、飛行機、新幹線、電車などを利用しての旅行も、子犬によっては問題なくできるでしょう。
ただし、初めて新幹線や飛行機を利用しての長時間移動を行う前には、キャリーバッグに子犬を入れて、まずは最寄り駅から電車に数駅乗って練習を。
本番の旅行前に、子犬も飼い主さんも自信をつけておけば安心です。

子犬との旅行 気持ちよく楽しむためのマナー

子犬との旅行 気持ちよく楽しむためのマナー

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生後半年頃までの子犬は、一般的には警戒心よりも好奇心のほうが勝っています。
そのため、いわゆる警戒吠えは、子犬との旅行ではそれほど心配はいりません。
けれども、子犬では“要求吠え”に注意が必要です。
例えば、かまってもらいたい、ひとりにされたくない、ごはんを分けてもらいたいなどと子犬が感じると、飼い主さんにアピールをする要求吠えを始める可能性が高まります。
マナーよく旅行を楽しむためには、なるべく愛犬を吠えさせないようにしなければなりません。
子犬との旅行前には、自宅で要求吠えを減らすためのレッスンをしておくのをおすすめします。

また、子犬は好奇心が旺盛なので、あらゆるものに近づいて行きやすいものですが、旅先では、犬が苦手な人や犬もいるはずです。
相手の様子を確かめて近寄らないほうが良さそうだと判断した場合は、子犬の思うままにさせるのではなく、リードを引いたり抱っこをして子犬の行動を抑制することも重要です。

子犬が粗相をしないことも、愛犬と気持ちよく旅行を楽しむマナーとして必須です。
トイレシーツにきちんと排泄ができるよう、可能な限り旅行前にトレーニングをしておきましょう。

子犬との初めての旅行 注意点やポイント

子犬との初めての旅行 注意点やポイント

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子犬との初めての旅行は、室内外の気温変化が少ない春や秋に出かけるのが、子犬の健康面を守るために理想的です。

初めての旅行では、飼い主さんとのお出かけは楽しいと子犬に感じてもらうように努めましょう。
広々としたドッグランで遊んだり、自然豊かな場所を散策したり、普段は食べないような犬用ディナーをあげたり……。
とっておきの体験を子犬にさせてあげてください。

精神的にもまだ幼さが残る子犬は、寂しがりやな側面を持っています。
旅先には、自分のにおいがついているタオルケットやふだん一緒に寝ているぬいぐるみなどを持参して、なるべく不安にならないように気遣ってあげましょう。

子犬はまだ体力がついておらず、気温や環境の変化にも弱いため、神経性の下痢をはじめとした体調不良に陥りやすいことをまずは頭に入れておきましょう。
万全を期すのであれば、子犬が生後半年を過ぎるまでは、移動の時間や距離が長い旅行には無理して出かけないという選択肢もあります。

子犬と海外などの長期旅行 注意点やポイント

犬の海外渡航は、狂犬病の予防接種を1~2回行ったあとに抗体価を測定して初めて可能となります。
フライトでのストレスも考慮すると、子犬との海外旅行は現実的とは言えません。

子犬は抵抗力が成犬に比べて弱いので、熱中症などのリスクも成犬より高めです。夏休みなどに海外旅行や長期旅行をする際は、子犬はペットホテルや親類・友人宅に預けるほうが、子犬の健康を守るためには安全と言えます。

まとめ

まとめ

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子犬との初めての旅行は、ワクチン接種のスケジュールを考慮すると、生後4ヵ月齢頃からが現実的と言えるでしょう。
体力や精神力の面から考えれば、生後半年頃からが初めての旅行には適した時期とも言えます。
子犬との初めての旅行前には、トイレトレーニング、吠え対策を行い、健康や安全を守るためのグッズも揃えて、楽しい旅行の実現に備えてくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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