【獣医師監修】犬がしゃっくりをする原因は? 対処や治療は必要?

愛犬が急にしゃっくりを始めると、飼い主さんはびっくりするかもしれません。今回は、犬がしゃっくりをする原因から、適切な対処法、治療が必要な病気かどうかまで、詳しく解説します。愛犬の健康を守るために、ぜひ知っておきたい知識です。

【獣医師監修】犬がしゃっくりをする原因は? 対処や治療は必要?
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犬のしゃっくりの原因と症状は?

犬のしゃっくりの原因と症状は?

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犬のしゃっくりは、それほどよく現れるものではありません。
けれども、犬も様々な理由でしゃっくりを起こします。

犬のしゃっくりが起こる原因は、人間と同様で横隔膜がけいれんを起こすから。
横隔膜がけいれんを起こす理由そのものは医学的に明らかにはなっていないようですが、横隔神経や迷走神経、呼吸中枢が刺激されることが引き金になると考えられています。

犬がしゃっくりを起こすと、声は出なくても、お腹や胸のあたりから上半身がヒクっと一瞬動くのが確認できるでしょう。

犬のしゃっくりの原因には、病気に起因するものとそうでないものとがあります。
病気が原因となる場合、呼吸器疾患や消化器疾患などが挙げられます。
早食いによってしゃっくりが起こることも、少なくありません。
レアなケースですが、不安やストレスによる呼吸の乱れが原因になることもあります。

犬のしゃっくりを止める方法(応急処置・対処方法)

犬のしゃっくりを止める方法(応急処置・対処方法)

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まず知っておきたいのが、犬がしゃっくりで命を落とす心配はないということです。
もし愛犬がしゃっくりを始めても、焦らずに対処しましょう。

人間同様、いずれしゃっくりは止まるもの。
しゃっくりをしている愛犬が苦しそうでもなく、怯えた様子も見せてないようであれば、まずは数分間見守ってみましょう。
それでも止まらないようであれば、次の方法を試してみてください。

ひとつは、愛犬を撫でたり抱っこしたりして落ち着かせてあげること。
このとき、飼い主さんも呼吸を整えるのがポイントです。
飼い主さんが焦ると、愛犬も不安を感じて呼吸が乱れてしまうからです。
飼い主さんが深呼吸をしながら、愛犬の喉やお腹をやさしくゆっくりと撫でてあげてください。

愛犬を撫でて落ち着かせても止まらない場合、そのままそっと愛犬のマズルを飼い主さんが握り、反対の手の指で鼻の穴をほんの数秒だけ塞いでみてください。
もし、愛犬が嫌がる様子を見せるのであれば、無理せず、この方法は断念を。
愛犬が抵抗せずに受け入れてくれるようであれば、この方法を何度か繰り返すと、しゃっくりが収まることもあります。

愛犬に水を飲ませるという方法もあります。
ただの水では、「飲んで」と言っても犬はきっと口をつけてくれません。
ボウルにヨーグルトの上澄み液や、キューブ状に冷凍しておいた鶏スープなどを入れて、「おいしそう! 飲みたい!」と愛犬に思わせる工夫を施すのがコツです。
おいしく味付けをしても水を飲まない場合は、ヨーグルトやバターを飼い主さんの指先につけて、しばらくなめさせても良いでしょう。飲む、なめるといった行動によって、しゃっくりが止まるケースも少なくありません。

なお、人間では音でびっくりさせて止める方法もよく試されますが、犬の場合は音を出しても怖がって余計に呼吸が乱れる可能性が高いので、その方法はおすすめできません。

重篤な病気の可能性は?

重篤な病気の可能性は?

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そもそも犬は人間ほどにはしゃっくりをしません。
けれども、まれに、病気が原因でしゃっくりが起こることもあります。
消化器の病気や、消化管内の寄生虫が、まずひとつ。
横隔膜付近に腫瘍ができていて、横隔膜を刺激している可能性もあります。
また、呼吸器疾患が原因となる例もあります。
誤飲をしたものが、食道や消化器に詰まってしまい、しゃっくりを引き起こすケースもなくはありません。

なお、しゃっくりと間違えやすい病気の症状として、てんかん発作や胃拡張胃捻転症候群が挙げられます。
いずれも、よだれが症状のひとつとして見られます。
また、胃拡張胃捻転症候群の場合は、ぐったりして、吐きそうなのに吐けないというのが主な症状です。
胃捻転は命に関わるので、緊急で動物病院へ。

犬のしゃっくりの予防法と注意点

犬のしゃっくりの予防法と注意点

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食事中にしゃっくりをする犬は、早食いが原因かもしれません。
そのような愛犬には、しゃっくり予防のために早食い防止策を施しましょう。
早食い防止食器というキーワードで検索すると、多くの商品がヒットするはずです。
これらの食器を活用してみてください。
それでもしゃっくりが起きる場合、喉にフードが詰まりにくいように、フードをふやかしたり、フードを小粒にするなどして試してみましょう。

いずれにしても、毎日のようにしゃっくりを起こしたり、寝起きや寝ているときなど、しゃっくりを起こしそうにないタイミングで頻繁に見られたり、ほかに咳や嘔吐や下痢などの症状が見られたりする場合は、しゃっくりという現象の裏に違う病気が隠れている場合があるので獣医師に相談をしてください。

まとめ

まとめ

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決して多く見られる現象ではありませんが、犬もしゃっくりをします。
しゃっくりが原因で犬が命を落とすことはないので、過度な心配は不要です。
しゃっくりの原因として多い早食いなどを改善しても頻繁に見られる場合、病気が原因のケースもあります。
しゃっくりのほかに気になる症状があれば、動物病院を受診しましょう。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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