【鹿野先生のおでかけレッスン ワン・2・3!】Vol.5 マスターすれば外出先でも安心「GO IN」

愛犬とのおでかけを安心して楽しむためのトレーニングを学ぶシリーズ4回目は、愛犬がカフェやレストランでお行儀よく過ごせるようになる合図「GO IN(ゴーイン)」のトレーニング法を、ドッグトレーナーの鹿野正顕先生に教えていただきます。

【鹿野先生のおでかけレッスン ワン・2・3!】Vol.5 マスターすれば外出先でも安心「GO IN」

なぜ、カフェでお行儀よくできないの?

なぜ、カフェでお行儀よくできないの?

―せっかくドッグカフェに行っても愛犬が吠えたり、テーブルの上の食べ物に手を出そうとしてしまって、落ちついて過ごせません。家ではおとなしくしていられるのに、なぜなのでしょうか?

鹿野正顕(かのまさあき)先生(以下、鹿野):
いろいろな理由がありますが、最大の理由はやはり慣れない場所や知らない犬・人を見て興奮していることです。
かといって、興奮を抑えようとして叱ったり押さえつけたりしようとすると、ますます興奮してしまいます。

つまり、カフェやレストランで愛犬が興奮してしまってからおとなしくさせようとするのではなく、常日頃から、カフェやレストランでも「いつもどおり」でいられるための練習をしておく必要があるのです。

それが、今回ご紹介する「GO IN(ゴーイン)」のトレーニングです。

GO INとは?

「GO IN」という声で、飼い主さんの足の下に入り、伏せをしたままの状態を保つ

「GO IN」という声で、飼い主さんの足の下に入り、伏せをしたままの状態を保つ

―あまり聞き慣れないですが、GO INとはどんなトレーニングなのでしょうか?

鹿野:
GO IN とは、簡単にいうと、愛犬が椅子に座っている飼い主さんの足もとで伏せたままおとなしくしていられるようにする合図です。

これができるようになると、愛犬がカフェやレストランでも周囲の誘惑に負けず、「伏せ」の体制を保ち、飼い主さんからOKの合図が出るまでおとなしく待っていられるようになります。

「足の下の空間に入ると、いいことがある!」と覚えさせよう

―愛犬にとっては、「足の下に入る」「伏せをする」「じっとしておく」など、複数の指示を守るのは難しいのではないかと思いますが、具体的にはどんな方法で教えればいいのでしょうか?

鹿野:
まさに、その「足の下に入る」「伏せをする」「じっとしておく」の3つができるように、段階を追って教えていきます。
教える際には、愛犬の大好きなおやつをトリーツ(ご褒美)として使うと効果的です。
まずは自宅で以下の3つのステップを繰り返し、できるようになったらカフェなどでも実践してみましょう。

<STEP1> 足の下に誘導する

足の下に誘導する

まず、愛犬が足の下に入りやすいように、飼い主さんは椅子に浅く座って、足の下になるべく広い空間を作りましょう。
足の下には、実際にカフェなどで使うマットなどを敷いておくとよいでしょう。

次にトリーツを使って、「GO IN(ゴーイン)」と呼びかけながら、愛犬を足の下の空間に誘導します。

愛犬を足の下の空間に誘導します

<STEP2> 伏せをさせる

伏せをさせる

足の下の空間に愛犬が入ったら、自然に「伏せ」の体制になるよう、トリーツを持った手を床に近づけながら誘導しましょう。

上手に「伏せ」ができたら、褒めながらトリーツを与え、「足の下に入って伏せができたら、褒めてもらえること」を愛犬に覚えさせます。

<STEP3> 「伏せ」の体制のままじっとさせる

「伏せ」の体制のままじっとさせる

「伏せ」ができたら、そのままの状態をキープするよう「待て」の合図を出します。
伏せた状態がキープできたら褒めてトリーツを与えましょう。

最初は短い時間から始め、徐々に伏せている時間を長くすれば、足の下で一定の時間、じっとしていることができるようになるはずです。

コングを与えて、GO INを愛犬にとって「楽しいこと」に

コングを与えて、GO INを愛犬にとって「楽しいこと」に

じっとしているのに愛犬が飽きてしまわないように、コング(内部にフードやおやつを入れて遊ぶ知育玩具)を使うのも効果的です。

あくまでも「GO IN=楽しいこと」と認識させること

なお、トレーニング中は合図に反応できなくても、愛犬を強く叱ったり怖い顔をしないこと。
あくまでも「GO IN=楽しいこと」と認識させることが大切です。

自宅でのトレーニングに慣れてきたら、カフェや公園のベンチなどお出かけ先でもトレーニングし、「GO INができると褒めてもらえる・ご褒美がもらえる」と覚えさせていきます。

また、たとえGO INができるようになっても、カフェなどにいるときは必ず常にリードを付け、飼い主さんが手に持つかリードフックなどに固定しておくこと。
GO INをしているときも、何かに驚いたり気を取られたりして愛犬が飛び出してしまう恐れがあるからです。

子犬のころからいろいろな経験をさせておこう

子犬のころからいろいろな経験をさせておこう

愛犬がカフェやレストランなどおでかけ先で落ち着いて過ごせるようになるには、ある程度の「場慣れ」も必要です。

家の外には様々な人や犬がいることを理解させ、知らない環境に身を置くことに慣れさせるために、子犬の頃からいろいろな場所に連れて行ったり、家族以外の人や犬と接する機会を設けて、愛犬の「社会化」を促しておくようにしましょう。

次回は、飼い主さんと離れることを怖がる「分離不安」を解消するためのトレーニング法を紹介します。

監修者情報

鹿野 正顕(学術博士)

鹿野 正顕(学術博士)

・学歴(大学・院、学部、専門分野) 麻布大学大学院 獣医学研究科 博士後期課程修了  専攻:人と動物の関係学、犬の行動学 麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。 ・資格 CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed) (世界最大家庭犬トレーナー資格) ・youtubeチャンネル 「スタディ・ドッグ・スクール 」 動物行動学博士&国際ライセンスドッグトレーナーが犬の習性や能力から飼い方やしつけまで目からウロコの情報を幅広く発信。 チャンネル登録はこちらから↓ https://www.youtube.com/channel/UCqSmNCaYUEUFObbBW4Xn9nw ・職業 スタディ・ドッグ・スクール® 代表 株式会社 Animal Life Solutions(ALS) 代表取締役社長 ・所属団体、学会 日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT) 理事長 動物介在教育療法学会(ASAET) 理事 ・受賞歴 平成16年度さがみはら青年アントレプレナービジネスコンテスト 優秀賞 ・著書 ◆ 「犬の行動学入門」 監修:森 裕司 著:鹿野 正顕/中村 広基    ◆ 「アニマルセラピー入門」   編集:NPO法人 ひとと動物のかかわり研究会 監修:太田 光明 ◆ DVD「子犬と暮らす前に 準備と選び方」   ◆ DVD「子犬を家に迎えたら 飼い方・しつけ方」 販売元:アイディーマグネテック株式会社 監修:鹿野 正顕 ◆ 建築知識 創刊60周年記念出版「犬のための家づくり」 発行:エクスナレッジ ◆Oral tyrosine changed the responses to commands in German shepherds and Labrador retrievers but not in toy poodles   Masaaki Kano,Hidehiko Uchiyama,Mitsuaki Ohta,Nobuyo Ohtani (2015) ◆ 応急仮設住宅における人とペットが共棲する住環境に関する音響特性評価 浅見 樹里, 田村 雅紀, 金巻 とも子, 鹿野 正顕, 長谷川 成志 ジャーナル:工学院大学総合研究所・都市減災研究センター (Research Center for Urban Disaster Mitigation: UDM) 研究報告書 (平成25年度) ・職業上でのペットとの関わり ドッグトレーナーとして飼い主指導 獣医師、ドッグトレーナーなどの専門家に対する犬の行動・しつけ・トレーニング等の教育 学校機関での専門家の育成 メディアを通した情報発信 企業に対するペット関連コンサルタント ・飼っている動物 スタンダード・プードル(♀:柔、11歳) ・ペット歴 犬:Mix(4匹)、ミニチュアシュナウザー(1匹)、ジャーマンシェパード(1匹) スタンダード・プードル(1匹) ネコ:2匹 シマリス:2匹 ウサギ:1羽 セキセイインコ:5羽 ・ポリシー(ペットに関する) 動物の習性を客観的に理解し、人と動物互いのバランスを保った共生を追求する ・エピソード(ペットに関する) 畜産を兼業していた農家出身の両親は、ともに動物が好きだったことから、よく捨てられた犬を拾ってきて家で飼っていました。そのため、私は幼少のころから常に犬と一緒の生活を送り、鍵っ子だった私の寂しい気持ちを犬はいつも癒してくれ支えとなってくれました。  当時の犬の飼い方は今とは全く異なり、犬は外で飼うのは当たり前で予防接種をしたり動物病院に連れていくこともあまり一般的ではありませんでした。特に私の父親は、戦後間もない、物のない時代で生まれ育ったため、動物にお金をかける意識が低く、予防接種や病気の治療なども満足には行わなかったため、我が家の犬たちも非常に短命で、大学に進学するまでの12年間で4頭もの犬を飼育してきました。  そんな犬の飼い方に、幼いころから何となく疑問を感じていた私にとって、小学生の頃、今の仕事を志すようになった衝撃的な事件が起きました。避妊もしていなかった我が家の犬は、ある日、家に迷い込んできた野犬と交配してしまい、自宅で1匹の子犬を産みました。私は父に、産まれた子犬を飼うことをお願いしましたが、2頭も同時に飼うことができないという理由で拒まれてしまいました。そこで、子犬の里親を見つけることを懇願すると、父は承諾をしてくれたと思ったのですが、次の日の朝、子犬はいませんでした。  気が動転した私は、すぐに父のもとへ行き子犬の行方を尋ねると、父は夜中に山に捨ててきたと答えました。ショックでした。言葉が出ないくらい、頭の中が真っ白になるぐらいショックでした。私は、泣きじゃくりながら父親に怒りをぶつけましたが、もうその子犬が家に帰ってくることはありませんでした。  このことがきっかけで、私は、「犬をもっともっと大切にする社会に変えたい」、「家族の一員としてもっともっと犬との絆を深められる社会にしたい」、そう決意し犬の専門家になることを強く志し、「犬とのより良い共生社会の確立」という夢をかなえるべく、麻布獣医大学の獣医学部動物応用科学科に進学をしました。  大学院の博士課程が修了後、同じ志をもち、共に学生時代に犬の研究チームをまとめ、同期共に、さらなる夢をかなえるべく、大学のベンチャー企業として株式会社アニマルライフ・ソリューションズを立ち上げ、現在でも「犬とのより良い共生社会の確立」を目指した事業活動を行っています。

続きを読む

ライタープロフィール

相山 華子 Hanako Aiyama

相山 華子 Hanako Aiyama

【経歴】 1997 年慶應義塾大学卒業。同年、株式会社山口放送(日本テレビ系列)に入社、テレビ報道部記者として各地を取材。99 年、担当したシリーズ「自然の便り」で日本民間放送連盟賞(放送活動部門)受賞。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、フリーランスのライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修、翻訳(英語→日本語)も手掛ける。 【受賞歴】 サントリー「横浜開港150周年記念エッセイコンテスト」最優秀賞受賞、 JR東日本「列車の旅エッセイコンテスト」最優秀賞受賞 など 【資格】 英検1級、ファイナンシャル・プランナー(AFP) 【暮らし】 仕事でもプライベートでも「いろんなところに行って、いろんな人に会う」のが信条。好きな旅のスタイルは鉄道旅。最近は家族で秘境駅巡りを楽しんでいる。大型犬好きで、これまでに飼った犬種はドーベルマンとラブラドール・レトリバー。

続きを読む

編集部のおすすめ記事

今週の「ライフスタイル」記事ランキング