【獣医師監修】犬は寝言をいう? 病気の可能性や寝言がうるさい時の対処法など

愛犬が寝言らしき声を出しているのを、聞いたことがあるかもしれません。犬にも寝言はあるのか、病気の可能性はないか、寝言と間違えやすい病気はあるかなどを、知っておきたいものです。今回は、犬の寝言について、その原因やうるさい場合の対処法など幅広く解説します。

【獣医師監修】犬は寝言をいう? 病気の可能性や寝言がうるさい時の対処法など
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犬は寝言をいう?

犬は寝言をいう?

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犬も寝言をいいます。
寝言をいいながら、顔面や耳や体を動かしたりもします。

寝ている体勢では意識的に筋肉に力を入れて動かせないため、犬が寝言をいう時も口をそれほど開くことは少ないでしょう。
口を開けないため、しゃっくりのような「キュッキュッ」という音を出したり、こもった声で「ワンワン」「アフッアフッ」と吠えているような寝言をいうのが一般的です。

さびしい気持ちになる夢を見て、遠吠えのような声を出したり、「キュンキュン」「クンクン」などと、聞いていると悲しそうな印象を受ける寝言を発することもあるでしょう。
ほかの動物と戦って咬まれたりする夢を見て、悲鳴をあげたり唸り声をあげることがあるかもしれません。
寝言と同時に、横になった姿勢で四肢をバタバタさせることもあります。
ドッグランを走る夢や、飼い主さんと楽しく散歩をしている夢でも見ているのではないでしょうか。

寝言の原因は

寝言の原因は

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犬の寝言の原因は、夢だと考えられています。
睡眠時に、夢に関係する脳が活動していると、夢を見て、その内容によっては寝言を発することになるのでしょう。

ちなみに、犬のノンレム睡眠とレム睡眠は約20分置きに訪れるとされています。
犬は人間のように継続した睡眠は必要とせず、1日合計で成犬は12~15時間、成長期の子犬は15~18時間の睡眠時間が確保できるのが理想だと言われています。
飼い主さんが、愛犬が寝言をいう場面に遭遇しやすいのも、犬という動物の睡眠時間の長さを考えれば不思議ではありません。

病気の可能性はある?

病気の可能性はある?

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寝言そのものは自然な現象で、病気ではありません。
けれども、飼い主さんが寝言だと勘違いしていて、実は寝言ではなかったケースには注意が必要です。

寝言と間違えやすい行動に、睡眠時の犬の口がぷくぷくと音を出しているものがあります。
同時に痙攣が見られる場合は、てんかん発作により口から泡を出している可能性があります。
てんかん発作は、起床時にも就寝時にも起こります。
部分的な筋肉の痙攣やひきつけの場合、飼い主さんは愛犬が体を動かす夢を見ていると勘違いするケースも少なくないでしょう。
激しい痙攣や苦しそうな様子が見られる場合は、てんかんをはじめ、脳腫瘍など様々な病気の可能性もあるので、なるべく早めに動物病院の受診を。

また、呼吸器にトラブルを抱えている犬の場合は、いびきの症状が多く見られます。
寝言なのかいびきなのか判別がむずかしいのであれば、獣医師に判別をしてもらってください。
呼吸器疾患を持つ犬は、眠りの質が悪く日常的にストレスを抱えてしまうケースもめずらしくありません。
いびきや寝言を軽視せず、もし病気によるものであれば早期発見と早期治療を心がけてあげたいものです。

就寝時の愛犬に気になる様子が見られる場合は、動画を撮っておき、獣医師に見せながら病気ではないか相談をするようにしましょう。

愛犬の寝言がうるさい場合の対処方法!

愛犬の寝言がうるさい場合の対処方法!

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犬の寝言は、それほど長時間続くようなものではありません。
けれども、来客中やオンライン会議中などに、愛犬が大きい声で吠えたり唸ったりと寝言を続ける場合は、愛犬を起こしてしまうのも良いでしょう。

犬はもともと狩りに備えてエネルギーをムダに使わず蓄えておくために、人間よりもよく寝る動物です。
その代わり、外敵に襲われてもすぐに気づいて逃げられるよう、眠りが浅いことも知られています。
「せっかく楽しそうな夢を見ながら寝ているのに、起こすのはかわいそう」と、飼い主さんは思うかもしれませんが、犬たちは人間と比較するとはるかに浅い睡眠で、寝起きに不機嫌になるようなこともありません。
愛犬を擬人化せず、罪悪感を持たずにそっと起こしてあげて大丈夫です。

まとめ

まとめ

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犬の寝言は、多種多様。
同時に体を動かす姿を見ながら、愛犬が見ている夢を想像しながら眺めていると、ほほえましい気分になることでしょう。
けれども、寝言だと勘違いしていて実は寝言ではなかったというケースもまれにあります。
また、寝言は問題ありませんが、いびきは呼吸器疾患との関わりが大きいので注意が必要です。
愛犬が寝ている際に気になる様子が見られる場合、動物病院を受診する際に役立てるために記録をつけて動画を撮っておくのをおすすめします。
愛犬の日頃の様子をよく観察して、愛犬の健康を守ってあげてくださいね。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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